Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんの口コミ一覧。104ページ目
あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126
>> カレンダー表示
>> 通常表示
2061.  薔薇色のブー子 《ネタバレ》 
 ただのネタ集映画なので、もう少しちゃんとまとめて欲しいなぁ、と。   一応、物語的なものはありますが、発展的なものというわけではなくて、動機と結論だけがあるのみ、みたいな。もちろん、その間に挟まっているのはただのネタ。   さっしーのキャラが統一されてません。どういうコなのかが見えてこないの。天然系なのか、受動的なのか、巻き込まれやすいタイプなのか、行動力あるのかないのか、とにかくネタの内容によって性格が変わります。最終的にどことなく魅力的に見えてくる、とかいう事がなくて、結局さっしーの演じたネタキャラです、で終わってます。なのでスタイル的には一応成長物語のように見えなくもないのですが、一人の人間としての個性が存在していないために成長もへったくれもなく、ただの動機と結論でしかないのです。   ネタもデパートの来店記念ネタの繰り返しなどはクドいばかり。繰り返しならば最終的なオチがあって然るべきだと思うのですが、ちゃんとオチてました? ただただネタをタレ流せばそれで成立する、って程度の考え方なんですよねぇ。  その上、ネタとしてすら成立してない、そこはキチンとしておこうよ、ってものもあったり。さっしーが無理心中に巻き込まれてボートから池に転落するエピソード、先に金づちだと言わせておきながら普通に自力で池から上がってます。金づちである設定の意味は一切ありませんし無理心中のオチも存在していません。  投げっぱなし、散らかしっぱなしでちゃんとオチ、サゲを付けないのは福田監督作品の悪いクセ。   物語的に父ユースケの存在がアレなので、ごくごく狭いところで閉じてしまうわけですが、それもなんか浅い映画という感じです。そんな取って付けたようなメッセージが必要なんでしょうかねぇ?   ネタをいかに笑えるか、というのがポイントの映画で、でも笑えないネタが多数を占める状態ではさっしーファン以外にはちょっとキツいなぁ、って感じ。いや、さっしーファンもこんなんで楽しめるのでしょうかねぇ? もう少しさっしーの魅力を引き出してあげた方が良かったんじゃない?とも思うのですが、元々コレこそがさっしーの魅力なんだ!って事だったら、すいません。
[映画館(邦画)] 4点(2014-12-16 23:24:56)
2062.  グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 《ネタバレ》 
 オープニングのスクリーンプロセス、あそこに大きな意味があるとばかり思ったんですよね。ニセモノの道を走るニセモノのドライブ。また、以降ヒッチコックがモナコの街を眺める峠やグレースが車を走らせる道など、『泥棒成金』ネタが頻出して。ところがそれらが大して意味持ってないし。グレースの人生を思えば、あのファーストカットのイメージをラストまで引っ張れば効果的だったのに・・・   冒頭にちょっと期待を抱いたけれど、中身は音痴でした。  全編やたらに説明的な音楽がうるさいですし、ここぞという時に極端なクローズアップが頻出します。まるでクローズアップの効果を盲信しているかのように。  その盲信っぷりは重要なクライマックスで多用される事でも明白。そして、それが実際にはさしたる効果を生みはしなかった事も。  映画全体をサスペンスとし、国家存亡の危機に王妃が一大勝負に出る、そのクライマックスの語りにちっとも説得力が無く、ボヤけた腰砕けの展開で終わるような感じ。  舞踏会に臨む王妃が「武装」するシーンは『ランボー』や『エイリアン2』のパロディみたいな映像なわけで、ならばそれはもっと徹底的にやるべきです。  何もかもがボンヤリした印象。   そう、ニコールの極端なアップは逆に表情の印象をボヤけさせます。ヒッチコックはキチンと明るい場所に顔を持ってくる事を避けますし、見終わってみれば、キャストに印象に残る表情が少なく、全体にモヤがかかったような映画だったと。  それは女優と王妃の間で実体の見えなかったグレース・ケリーという人を象徴しているのかと言えば、決してそうではなくて。  女優と王妃とを煌びやかに描き分けてこそ、その裏側の実体も浮かび上がってくるものなんじゃないですかねぇ。
[映画館(字幕)] 4点(2014-11-06 21:23:39)(良:2票)
2063.  ファインド・アウト 《ネタバレ》 
 「脚本家のアタマの限界が登場人物の知能程度の限界」っていうのをよーく実感させてくれる、登場人物全員バカ、みたいな映画でした。   あまりに無能な警察に対してヒロインは主に「とっさに嘘をつく」という技で対抗してゆきますが、もちろん、そこにサスペンスを盛り上げてゆくための巧妙なテクニックが存在している訳ではなく、その場限りの見せ場の消化行為が作用するだけ。   この、その場限りっぷりは多くの登場人物と多くのエピソードに及びます。意味ありげな、思わせぶりな、伏線のように思えながら、実はただそこに転がしといただけ、みたいなキャラとエピソードと映像がゴロゴロ。それらはミスリードと言うレベルの作用をしている訳ではありません。  誰かの視線のように思えるショットや被写体を遮蔽物でかなり限定的に捉えたショット、それらに意味があるのかと言えば、ただカッコだけ。何かありそうな雰囲気作りに対しては機能していても、話の内容に対しては、ちーとも機能していません。   何しろ最終的にはヒロインの言動は妄想か現実か?って事のみがミステリーとして機能していただけで、犯人の正体とか行動とか警察の動きとかは一切重要ではないという(辛うじてヒロインが犯人に近付いてゆくための行動とそれに絡むキャラはとても都合のいい形で存在しておりますが)。   あれやこれやと連想される映画は数あれど、この映画のオリジナルな面白さとしては激しい思い込みに支配されたヒロインの言動の数々くらいのもので、でもそれすらもアマンダ主演作の中にそういうの、あったよね、って考えると、ちょっとシンドかったなぁ。  でも結構な数の登場人物の殆どが意味なし、って点では斬新だったかも。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2014-10-14 22:15:40)(良:1票)
2064.  ルパン三世(2014) 《ネタバレ》 
 『ルパン三世』のイメージって言ったって、原作、テレビシリーズ、映画、テレビスペシャル、それぞれ作品ごとにかなり異なる訳で(つーか同じシリーズの中だって前期と後期、一部エピソードで全然違うとかあって)、ルパンはこうでなくちゃ!なんてのは結局それぞれの好みのルパンでしかないですよね。私だって世間的には評価の高い『カリオストロの城』の優しいお顔のベタベタとしたロリコンな正義の味方のルパンじゃ困っちゃうわけです。   で、主要キャストは良かったと思います。それって単なるコスプレだろ、みたいな状態ではなくて、それぞれにその人なりのキャラクター像を作り上げていた感じで。浅野忠信のたどたどしい喋り方は厳しかったですが。   問題は物語がちっとも面白くないって事と、アクションシーンがダメダメだって事。いや北村龍平からアクション取ったら何も残らないんじゃないの?って感じですが、細かく切りすぎでバカ臭くなってたり、アクションの起きている位置関係が不明だったり、繋ぎ方がおかしかったりで酷いです。  カーチェイスにしても単発のディティールばかりで繋いでる感じで全く流れになっておらず、それをカーチェイスシーンと呼べるのかどうかすら怪しいレベル。   で、物語は余計なキャラを絡ませ過ぎで。ルパン一味と銭形と悪役、それだけではダメなんですかねぇ。『スニーカーズ』みたいなグループものになっていて、そのオリジナルなキャラがつまんないです。   あと、黒木メイサの不二子は悪くないんですが、まるでお色気不足。これは彼女のせいでなくて、演出とかカメラとかコスチュームとかのせい。なんでそういうところにはフェティッシュなこだわりを見せられないんですかねぇ。   全編にアジアンテイストを盛り込んで国際色豊か、みたいな映画にしたかったようにも思えるのですが、なんか恥ずかしいノリになっちゃってるんですよね。結構ダサめ。  せっかくメインキャストの面々は頑張っているのですから、もっと彼らを中心にカッコよく見せてあげられなかったのかなぁ。残念。
[映画館(邦画)] 4点(2014-09-01 21:06:26)
2065.  複製された男 《ネタバレ》 
 ええ、なんの予備知識もないままSFかミステリーだと思って見ました。映画も半ばを過ぎたあたりでしょうか、これってもしかしてそういう映画じゃないんじゃね?って思い始めたのは。ハッキリしたのはかなり経ってでっかい蜘蛛が街中をゆっくりと移動するロングショットを見てからですが。   不条理劇なら不条理劇って最初からそう言ってよ、って思いつつ、それなりに考えてみました。  そもそも男は別の存在ではなくて1つの人格を表していて、で、ラストシーンから遡って考えてみると実は教授の方ではなくて役者の方が本体。同じ内容の講義やブルーベリーのあり方から見ても。蜘蛛が欲望の引き金となっていて、その蜘蛛が象徴するところは女性。女性に対する欲望、その自制心と好奇心との葛藤がやがて彼を深い闇へと誘ってゆくのです・・・みたいな風に理詰めで考えちゃうとあちこち矛盾する箇所が出てきたりして、まあ、つまりバカには判らん、って突き放されたようなモンで。   でもね、正直なところ「じゃあもう一度」って見直したい映画ではなくて。街の風景に不安を煽る音楽がグワーンゴワーンって流れてる、ってのを延々繰り返してるソレを見て楽しいか?って。エッチな映像がないこたぁないですが。90分の映画なのに体感時間3時間くらいの映画ですよ。  バカはバカなりに「つまんなかったー」「眠かったー」ってここに正直な感想を記しておこうと思います。
[映画館(字幕)] 4点(2014-08-12 21:26:44)
2066.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
 ひと言で言うと「半勃ち映画」。ピッタリくる言葉がそれだったので失礼。   いつになったら面白くなるんだろ?って思いながら見てたら終わっちゃった。面白くなりそうな瞬間っていうのは何度も訪れたのですが、そのたびにブッツリ終わって次に移るって状態。  ブツ切れ感がハンパなくて、悉く「点」。物語の「線」が形成されてないんですよね。それじゃノレません。やっとゴジラが出てきた!と思っても、カメラはさっさとゴジラの前からどっか行っちゃうし。ゴジラ出てる間はゴジラ見せてよ。   その代りに見せられる話もドラマとして成立してなくて。妻を失った父ちゃんのこだわりが成就する瞬間がありましたか? 主人公の行動は「家族に会いたい」という点では一貫してましたが、いちいち怪獣騒ぎに巻き込まれ続け。「人間ドラマと怪獣とは水と油」ってレビューで何度か指摘していますが、無理に絡めようとするとこうなるという見本のような映画で、主人公が度々怪獣の目の前まで飛び出しちゃう無理矢理さ加減はエメリッヒ版を凌ぐ苦笑を生みます。   この映画の登場人物は総じて受動的。状況に追われて仕方なく動いてます。それはゴジラですら。怪獣出たから地球環境ヤバいし退治しないと、みたいな(むしろギャオス退治に出かけるガメラ)。   核の扱いもハンパで困ったもので。ゴジラを反核の象徴とする訳にはいかない事情からか、ゴジラを倒すための水爆実験だったとか、芹沢博士の被曝二世エピソードがただの設定だけで終わってたりとか、核も怪獣も脅威として成立していないんですよね。   日常の中に大きな脅威が紛れ込む事で非日常となる、それが怪獣映画の面白味なんじゃないかと思うのですが、その点、今作は薄味。主人公は怪獣よりも核ミサイルとの追っかけっこに忙しい有様ですし。   あれこれと他の映画を思い出すのはサービスとでも捉えればいいのかな? 金門橋の戦闘は『モンスターVSエイリアン』、音楽はむしろ『クローバーフィールド』、ゴジラ的には『2000ミレニアム』みたい。   元々ゴジラにはそんなに思い入れが無いので、ゴジラはこうでなくちゃ!みたいなのは無いんですが、今回のゴジラ「も」あまりカッコ良くはなかったなぁ。そのフォルムからゴジラと言うよりタッコング思い出しちゃった。   なんか微妙に体温低めな感じの映画、もっと熱い怪獣バトルでひいひい言わせて欲しかったわ。
[映画館(字幕)] 4点(2014-07-25 22:12:50)(良:1票)
2067.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 
 今回もまた中島監督らしい映像の洪水っぷりなんですけど、でもこれまでと違ってちっとも面白くありません。   暴力とか悪とか、そこに魅力を感じないの。「そういうのが嫌いです!」とかっていうんでなくて、この映画のソレが類型的で表面的な感じ。暴力団絡みとか警察も含めた陰謀とか大物とかいう話になると、ああ、そっちね、って。そのウンザリする感じを決して越えてはゆきません。   加奈子って魅力的じゃなきゃダメなワケですよね。それで初めて成立する話で。ところが、そんなに魅力的なキャラに見えないんです。周囲がみんな魅了されちゃう、振り回されちゃう、そして破滅してゆく、その流れに説得力を与えるのは、少なくともあの異様にダサいダンスシーンではないハズで。  「彼女は幻影のような存在でもある」という事か、揺れ動くフレームの中、光の中、逆光の中に存在してたりする画が多いのですが、その曖昧さは決して魅力を醸すのに効果を生んではいないと思います。   シネスコ画面いっぱいに顔のアップの連続だったり情報で埋め尽くしたり、だけどなんかそれが空疎。中身が無いのにゴテゴテ飾ってるようで、それはこの映画のテーマにも繋がっているようにも思えますが、でも、その平板化した状態はシネスコの使い方が下手なんじゃない?って。   原作からしてつまんないのかもしれませんが(少なくともこの物語ではねぇ)、にしても独自の魅力でガーン!ってクるもののない、既成のイメージの寄せ集めコラージュに終始した感じで、これまでの中島作品が好きだった私としては今回、失望が大きかったです。
[映画館(邦画)] 4点(2014-06-29 00:26:48)(良:3票)
2068.  春を背負って 《ネタバレ》 
 居心地の悪い映画。大自然がモチーフになっているのに中身は不自然のオンパレードっていう。その不自然な「感動作ですよ」って作りに、なんかいたたまれなくなってしまう感じ。   全編に漂う古臭いセンスは、それはそれでいいというか、この作品のあり方なのでしょう。問題は風景以外の何もかもが作り物めいていてどうにも冷めてしまう点。  映像とセリフと音楽とでこれでもかと説明しまくってきます。登場人物全員が説明のためのセリフと演技を繰り出してくる状態で、特に本来セリフにすべきでない、それこそ映像で語るべき心情、心象がクサいセリフとなってどんどんこぼれ出してくるのが本当にいたたまれないです。   更に、映像に明らかに不要なものと足りていないものがあって、それがおかしな印象を与えています。  安藤サクラが意味ありげに旦那の仕事姿を見つめるシーンは必要ありませんし(旦那が真剣に仕事に打ち込んでいます、という表現であるならば、彼女の曖昧な表情は物語に不要な不安を与えてしまいます)、逆に蒼井優の作る「おいしいご飯」や「母が大事にしていた写真」、更に「小屋の近くで見つけた絶景」はその画が必要なんじゃないかと思います。映画なのだからセリフだけでなく映像でおいしさを見せて欲しいですし、写真や絶景は流れからして当然見えるモノだと思っているとスカされちゃうんですよね。松ケンやトヨエツが眺めてる姿でなくて、カメラが更にその二人の前に出て実際に二人が見ている風景が欲しいんですけど。   映像には見るべきところもあります。雄大な景色はもちろん、通夜のシーンで部屋を埋め尽くしていた人々がさーっとはけて主要人物のみが残るカットなど、さっと静へ転じる巧さが際立ちます。  でも、表情を強調するための寄りや、アクセントとなるスローの多用はそれってどうなんだろう?果たして必要だろうか?って感じてしまって。   善き人々ばかりの物語ならば感動は容易に紡げるハズ、という感じで作られているように思えるのですが、なにか全てが現実からちょっと浮いているように見えて、印象としては「面映ゆい」とか「気恥ずかしい」とか「きまりの悪い」とかいう表現が浮かんできてしまうような映画なのでした。
[映画館(邦画)] 4点(2014-06-15 00:45:05)(良:1票)
2069.  青天の霹靂 《ネタバレ》 
 手品をする手元から役者の顔までをワンカットで捉えるとか、長台詞長回しの間に天候が変わって雨降りから陽の光に包まれてゆくとか、そういう技巧的な表現はともかくとして、それ以前の基本のところで「なんだかなぁ・・・」って思ってしまって。そもそもその画はどういう理由でその画なの?というのがとても多くて。  なんでそのカメラは動くの? なんでイマジナリーライン越えてるの? なんで頭が切れた極端なアップと引きの画の反復状態なの? なんでいきなり部屋の外からのショットなの? それは一体誰の目線なの? って。基礎無しでいきなり技巧に走ったみたいな映像がいっぱい。手持ちショットが多くて全編ガタガタと動いてますが、もう少し全体の表現自体に縛りを入れた方が良かったんじゃないかなぁ。   話自体は大して面白くないです。よくある話。特にヒネリは無し(あ、ラストは卑怯なヒネリ方してるかな)。  タイムスリップものとしてひっかかる点が幾つか。未来ならともかく過去に戻ったのならば実際に行動し始める以前に新聞の日付だけでいきなり飛んだ事を認識しちゃうのは短絡的過ぎますし、昭和48年時点で十分物心ついてた身としては、あの風景はせいぜい昭和40年代初頭くらいだろ、と。  歴史改変ものではないので時系列を利用した凝ったトリックなんかは無いのですが、せめて時代や人のギャップで笑わせる程度の事はしても良かったと思うんですけどねぇ。   で、柴咲コウが倒れるところとクライマックスとで「ここが見せ場!」とばかりにクロスカッティングで盛り上げっていうのをやっていてクドいです。この2回のクロスカッティングのせいで映画のテンポが悪く、短い上映時間のクセにダラけた映画になっています。なんつーか、野暮。   大泉洋が全編ぶすーっとした状態でキャラとして面白味がないんですよね。劇団ひとりとセットになる舞台のシーンだけ面白いって感じで。肝心のクライマックスの舞台にしても華がないですし。   古臭くて野暮ったい感動的なお話が見たいなぁ、って思うならば(思うか?)ピッタリ来る、そんな映画。カメラと画の繋ぎに落ち着きが無いのが難点ですけど。
[映画館(邦画)] 4点(2014-06-12 22:35:38)
2070.  サカサマのパテマ 《ネタバレ》 
 思いきりの『アップサイド・ダウン』とのネタカブリで(いや、ここまで発想が似ちゃうっていうのはなかなか無いっすよ?)、でも私としてはアチラの方がずっと面白かった、って感じで。   最先端なVFXを使った圧倒的ビジュアルで魅せるアチラに対してこちらは手描きアニメゆえに視覚的にはどうしても制限がある訳ですが、この作品はこの作品なりの魅力がもっと出せたと思うんですよ。  手を放すと落ちていってしまうっていう恐怖感、この映画はそこばっかり。二人が繋がってる状態(暗喩的にはモロなんですが)、その気持ち良さっていうか、繋がっているがゆえのステキな時間の共有、それが全くちっとも表現できてないの。そここそが大切なんじゃないの?  その二人の大切な時間の描写はあまりに淡白で、話の大半は二人で逃げた、彼女が連れ去られた、囚われた、彼女を助けに行かなくちゃ、っていうありふれたソレ。あとはこのテの作品にありがちな世界の設定のクドクドとした説明と。   で、後半になると「上下のイマジナリーライン」がメタクタになってしまって、もうどっちがどっちで結局その世界の土台はどういう状態なのよ?とワケ判らなくなってしまって。  一応、イマジナリーライン越えのために世界をぐるりと180度回転させる描写が出てくるわけですが、それが更にややこしい状態を生み出しているばかりで。  設定上、当然2つの重力世界をハッキリ描き分ける事が必要なのですが、それがもう全く無自覚なレベルで欠落しちゃってて、大変に残念な事になっちゃってると思いました。   『ラピュタ』からの引用もワリと露骨で、意欲だけはあるのだけれども未熟で安直で空回りし続ける作品としての印象が残りました。  っていうかこの映画はキャラクターが設定や物語に縛られまくっている感じですが、アニメって、もっと気持ちのイイものなんじゃないかなぁ・・・
[映画館(邦画)] 4点(2014-05-08 19:45:52)(良:1票)
2071.  ロボコップ(2014) 《ネタバレ》 
 タイトルは『ボクがロボコップになった理由』とでもした方がいいんじゃないかな。   男子中学生がウハウハ喜ぶようなアクション!バイオレンス!グロ!なんてオリジナル作品のノリとは一線を画したいと思ったんでしょうかねぇ。ちょっとお利口さんな、ハイブロウな映画を目指したのかもしれません。  ドラマ中心でアクション控えめ。はい、“ロボコップ”なのに。   お話しは「悪がはびこるデトロイト」なんて部分はごくごく小さくして、オムニ社がいかにロボットによる防衛産業をアメリカ国内で普及させるか、そのためにいかに法や世論に斬り込むかが描かれ、そしてその犠牲となって心を奪われ家庭を省みない企業戦士となってゆくマーフィの悲哀が描かれる訳です。当然、大して面白くありません。   オリジナル作品に比べるとマーフィがロボコップ化してゆく部分に長々と時間を取っております。最初はマーフィの人格が存在していて、そこから徐々に人間性を奪われてゆくという、オリジナルとは逆の流れに多くの時間をかけているのですね。当然、大して面白くありません。   で、塩分控えめ風なアクションシーンは画面がまるでゲームのようで、それも最近のアクション映画に見られるようなFPS、TPS風ではなく、『バーチャコップ』のようなレールガンシューティング風。当然、大して面白くありません。   お馴染みの曲は今回も使われていて、ところがなんだかとてもハンパな使い方で、いや、もうちょっと鳴らしてくれてもいいんじゃない?という感じで。   オリジナル作品はバイオレンス色強すぎであんまり好きじゃなかったりするのですが、リメイクなこちらは“ロボ”な“コップ”の映画に一体何を求めちゃったんだろう?みたいな感じで、なんだか湿った花火みたいな映画でした。   サミュエルだけ、ちょっと面白いキャラでしたけど。
[試写会(字幕)] 4点(2014-02-20 22:46:48)(良:2票)
2072.  THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ! 《ネタバレ》 
 ゲームは『1』『L4U』『2』と持ってますが、何しろ360信者なので『アイマス』はとうの昔にオワコン化してるわけです。バンナムがそれまで支えたユーザーを裏切った後の『アイマス』なんてどうなろうが知ったこっちゃありません。  なのでこの映画にもお金を払う気は一切ありませんでしたが、特典フィルムに釣られてつい。   で、感想ですが360信者にとってだけでなく『アイマス』自体マジでオワコン化してるんだなぁ、と思わせるような作品で。amazonでフィギュアが特価ばっかになってきてるとかいう現実もありますけどね、そもそも作品を送る側がもう終わらせちゃってる状態。   何しろレギュラーメンバーが春香以外、全員枯れちゃってるんですよ。茶飲み友達かってくらいになーんの葛藤もドラマも無く悟りきって仲良くまったり過ごしてるだけ。成長っていうか、もう全員黄昏迎えてるやん。   で、その代わりに馴染みの無い新規キャラのダンスチームにドラマを置いてるのですが、これがもうありきたりのドラマを延々と引っ張り続ける訳ですね。  「春香、さっさと会いに行け」と心の中でツッコミ入れてから45分、春香ウダウダ。ドラマ的にさっさと解決できるレベルのものを物語の核にしちゃってるんでとっても退屈な話。あくまで『アイマス』なので春香視点で描かなくちゃならないからダンスチーム側のドラマを大きくしきれませんし。   で、これが凡庸な解決を経て「よく動く」と評判のラストのライブシーンへと繋がるわけですが、よく動くのはカメラワークで、キャラのアニメートなんて結構雑。動かし過ぎでちゃんと表情が認識できませんし。  このライブシーンでキッチリ全員の表情見せないでどうすんだか。しかも一曲で終了。何やってんだか。   『アイマス』ってお気に入りのキャラを選んで育成するゲームじゃないですか。ファンの贔屓キャラを画面上で生かしてあげてこそでしょ。それがちゃんとできないような作品じゃ失格かな。これまでのキャラ全員をキチンと立たせてあげられる事ができなかったって点で、映画化は成功したとは思えません。   つーか『Wake Up,Girls!』の方がデキはダメダメだけどよっぽど面白くない?
[映画館(邦画)] 4点(2014-02-15 21:16:13)
2073.  劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning- 《ネタバレ》 
 『タイバニ』の面白さっていうのがどうも判りません。ずっと触れてきていながら(まるで片目で見るかのように、ですが)何が面白いのか掴み兼ねてる状態なんですよね。   アメコミもののパロディみたいな作品なのですが、同じくパロディとして先に登場した『ミステリーメン』(スポンサーロゴ背負ってるってのはコレが元ネタ?)や『Mr.インクレディブル』に似つつ、それらを越えてゆくモノが感じられません。  そこに盛り込まれた雑多なイメージはひたすらとっ散らかった印象で統一感に欠け、そられの中からとっかかりを見つけようにもどうも掴みどころが無い、美味しそうに思えながら延々とハズし続けているような、そんな感じ。  アメコミとアニメ、大人向けと子供向け、シリアスとコメディ、一般向けとマニア向け、それらの間にあってそれぞれを両立させようとしているような感じがなんとも歯痒いハンパさを生んでいる作品、というイメージ。   さて、この映画版はテレビシリーズの出だしの部分+それ以降の物語との間に入る追加エピソードという構成なのですが、この作品を見る事で『タイバニ』の世界観を理解する事はできても、映画という舞台で何らかの新しいモノに触れられるのかというと、これがあんまり。  追加エピソードは一人の犯罪者との戦いを描く「この程度で映画を作っちゃったのか」ってレベルの話。以降に続く部分との齟齬をきたしてはいけない訳ですから、どうしても決められた狭い枠の中に納められてしまうのは当然ではあるのでしょうが。  虎徹とバーナビーのキャラの個性やスタンスの違いとコンビ成立の足掛かりという意味で組まれたエピソードであるものの、その敵の小物っぷりや展開する舞台の狭さ、テレビシリーズを見てきた人間にも、映画を期待した人間にも微妙な感じが否めません。   どこかで見たような事があるエピソードやキャラクター、そこから先のオリジナルな魅力が感じられないのがどうにもこうにも。ペラく見える表面の、本当は存在して当然な筈の奥行きのある裏側、それがちっとも見えてこないのが『タイバニ』なんですよね。
[映画館(邦画)] 4点(2014-02-11 21:53:00)
2074.  ハーフ・デイズ 《ネタバレ》 
 CATVのVODで料金が安かったので。鑑賞環境、どれを選んだらいいのやら。   ひと組の男女のあるひとつの選択によって人生が大きく分岐する、その両方を同時進行的に描いた物語。  1つがラブストーリー、1つがサスペンスと全く違ったカタチへと転じてゆくのですが、最終的にそれが同時進行で描かれてゆく意味があまり無い上に、どちらのエピソードもちっとも面白くないという困った状態。   ブルックリンとマンハッタン、選択別にグリーンとイエローに色分けされて描かれてゆきますが、まずその色分けが露骨過ぎてしまって。服装は元より、背景や小物等、画面内に無理矢理その色を登場させ続ける事でどちらを描いているのか判りやすくして、ってそれはテクニックと呼べるレベル以前のもの。サスペンス編なんかは追われているのだから、目立つ黄色いTシャツは着替えた方がいいわけですが。   終わりの方で双方の色が混じる事で、その分岐の終焉を告げてはおりますが、じゃあ、そこで双方のエピソードが共通するカタチを成した意味がどれだけあるの?というとなんだかとても心許ないモノしか無いように思えるんですよね。ただオチを繋げただけって感じ。   ラブストーリー編は独立記念日を実家で過ごし、家族の人間関係が描かれ、退屈ながらもドラマがある分マシ。サスペンス編の方はもうタクシーの中で拾った携帯から生まれる流れになんの説得力も無いので馬鹿馬鹿しいと思ってしまうレベル。最初の時点で主人公の携帯の扱いに全く納得できないので、以降ひたすら馬鹿なカップルを見てるだけって感じ。  そもそも、エピソードによる思考や行動の差によって2つのエピソードで同じ人間に見えないんですが。   もう、明らかにアイディア倒れ。綿密な構成のシナリオで魅せるような事がある訳でもなく、ダラダラと2つの選択のラインが交互に描かれてゆくだけ。ラスト以外にリンクするのは夜の花火とベッドシーンくらいのもんで。もっと相互に作用する仕掛けでもあれば面白かったと思うのですが。
[インターネット(字幕)] 4点(2013-11-29 21:30:17)
2075.  悪の法則 《ネタバレ》 
 その「黒幕」が統べるように「七つの大罪」の一つ一つをまとったような存在として頂点に君臨し、それはまるで悪魔の具象化とも言えます。その影響や誘惑を受けた者がそれぞれに様々な形で罪を犯し、それが各々の破滅に繋がってゆく、そしてそれを予言するかのような象徴的なセリフの数々。そう考えるとこの映画、どうも宗教的な説教クサいシロモノって感じがします。   この世に悪魔ってモノが存在するのならば、それはやはり人の中から生まれるものですよ、発端はごく小さな選択であっても誤りは誤りであって、過程にいかなる分岐を持とうとも、到達する結果は最初の誤りが導くものですよ、自らの欲望は他者の欲望と決して調和する事なく果てなき諍いを生むのですよ、まあ、そんな映画。   作品世界はなんていうかハリウッド版『もう誰も愛さない』、あるいはセリフいっぱい版北野映画、もしくは残虐版テレンス・マリック映画みたいなもんで。  描かれる事自体はごくごく単純で特に難解ってわけではなくて、元々あまり物語のディティールなんかは伝えようとしていないように思います。   ひたすら鬱々とした展開が続くのですが、その魔性とか残虐性とかに何らかの抗い難い魅力があるのか?というとそうでもなくて、ただひたすらにグロテスクな生(或いは性)と死とがあるばかりで、それはリドリー・スコットって人のカラーなのでしょうかねぇ。『ハンニバル』や『ブラックホーク・ダウン』『プロメテウス』にも通じる、即物的描写が生み出す露悪趣味っぷりに辟易。主人公が受け取ったDVDの中身のように「見せない事で伝える残虐さ」もありはしますが、ならばそのスタイルを通しても良かったんじゃないかと。せっかく長々とセリフで説明しているのですから、それをわざわざ具体的に映像でトレースするのは悪趣味としか思えません。   大量の象徴的&説明的セリフに埋められる事によって逆に映画に生まれる隙間、その密度の無さを「独特の空気感」とか表現するよりは(元々そこまでのセンスを最近のリドリーが持っている気はしないんですよね)、なんか退屈なモン見たって言っちゃった方が私としては自分に正直かな。   見終わって「これからの人生、決して長くはないのだからなるべくならもうこういう映画は見たくないなぁ」としみじみ思わせてくれる作品ではありました。
[映画館(字幕)] 4点(2013-11-18 23:04:47)(良:1票)
2076.  清須会議 《ネタバレ》 
 多分、歴史上の人物にそれなりの知識があれば楽しめるのだと思います。大して知識のない、そして登場する人物に全く自分なりのイメージを持っていない浅学な私にとってこれはテンポの悪い間延びした退屈な会話劇。   役者に頼り過ぎなのではないかなぁ、とは思います。三谷作品お馴染みのメンバーが醸す(ハズの)独特の「味」に期待し過ぎちゃいませんか、って。  タイトル以前の、戦についてはひたすら絵巻で見せる部分以外は特に魅せる映像があるわけではありませんし、軽妙にも重厚にも寄らずになんだか中途半端な状態が続くような感じ。   大体、それぞれの役者さん達の面白味は、それぞれいつもの人物というかキャラが出たところで醸されるような気がして、映画上の人物像を創造しているというよりは、その人が演じている事による面白味を味わう、つまりかくし芸大会みたいな印象があります。  場内が最もウケたところはゲスト的に他映画のキャラが登場したところなわけで、つまりはそういうオールスターかくし芸大会ノリを期待してたり、それを狙ってたりもするのかなぁ、って。まるで「コレ面白いでしょ?」ってノリで作ってるみたい。  私としてはここに登場する人物の誰にも心を寄せる事ができず、手前勝手な人々の混乱劇(まあ、三谷作品がいつもそうであるように)として最後まで流れに乗る事はできませんでした。   ただでさえヘボい映写のTOHOシネマズ渋谷で更に室内の暗い画面が多いために平板で見辛い映像の連続する状態で、たまに屋外の明るいシーンになると目と脳が安心するという、視覚的ストレスの多い映画でもあって。   人がいっぱい出てきてわーっと騒いで、っていつものパターンを、でもキレイにまとめてる感じは毎回しないんですよね。この人の作品って物語よりも細かい断片にこそ命があって、それを大量に網羅してこそ、って感じなのかな。それも今回は間延びした対話によってスポイルされているように思いましたが。   とにかくこの人の映画、毎度長過ぎ。映画ってお芝居みたいに舞台と客席とが同じ時間を共有して緊張感を保ってる状態とは違いますからねぇ。今日、上映中に30人くらいトイレに立ってましたよ・・・
[映画館(邦画)] 4点(2013-11-12 20:35:14)(良:1票)
2077.  トランス(2013) 《ネタバレ》 
 ミステリーにした時点で「違うんでないか?」と。だってこの映画にはルールがないのですから。ルールがないとミステリーは成立しませんからね。   もちろん、この映画が楽しませようとしているのは謎解きのシチュエーションではなくて、それが現実か、それとも作られた記憶なのか、どこに真実が存在するのか、って部分なのですが、現実と催眠状態との区別を付けない、それが誰の催眠状態なのか判らない、そういうルール不在の映画であると判った時点でさーっと興味が無くなってしまいました。だってそうなるともうなんでもアリだもん。   あとはもう作品の雰囲気、空気にノレるか否か、みたいな状態になってしまって、私としてはもうノレませんよ、って。物語を二転三転させて種明かしの更に奥にある真実の、でも?みたいな描き方までしたところで、いやもういいから、どうせなんでもアリだから、って感じ。  突き詰めていっちゃうとどんどん嘘臭くなっちゃって、どれもこれも現実ではない、ってな事になっちゃいますし。  一定のルールの元で観客と対決してみせて欲しいんですけどねぇ。   エレベーター、鍵、ガラス窓とその内と外、そういう「意味ありますよー」って思わせぶりに散りばめられた要素、そこをじっくりと考察してみたいと思わせるだけの魅力が感じられませんでした。
[映画館(字幕)] 4点(2013-10-13 16:18:08)(良:1票)
2078.  すーちゃん まいちゃん さわ子さん 《ネタバレ》 
 この映画で私が最も注目したのはロケが地元周辺だった事。すーちゃんが住むのは地元の学芸大学駅周辺、すーちゃんの勤め先は多分、故郷の中目黒あたり。そしてそれ以外にあまり注目すべきところは無く・・・   日常のあるあるネタをコラージュしていて、それは男でも共感できる点があって。職場での人間関係とか、介護の問題とか。   でも、それだけで終わっちゃってる感じの映画。その日常的なエピソードが生むストレスとか行きづまり感とか焦燥感とか、そこからじゃあ何をどう紡いで作品として仕上げてゆこうとするのか、そこがあまり見えてきません。  一応まとめたように思える(状況が変化してゆく、転がってゆく)部分もあるけれど、多くは散らかった印象のままに終わってしまう感じ。   イヤなヤツをイヤなヤツとして描いて不快感を煽り、相対的に3人はいい人なんですよ、みたいな描き方はどうかと思うんですよね。人には人の事情があって、そこで摩擦やすれ違いが生じて、みたいな描き方でないと、結局は上っ面だけの映画になっちゃう。   すーちゃんの家にマネージャーが訪ねてくるシーン、すーちゃんは料理をしていたのですが、映画はマネージャーとすーちゃんの行動は追っても、その料理がどうなったかは描かれません。料理途中でフライパンの火を止めるというのがどれだけ厄介な事なのか、この映画はそこをスルーしてしまいます。  夜、泣きながら自転車を二人乗りするシーン、さっきのカットと同じ場所を走ってる、って。雑です。   そういう、繊細なフリして実は無神経って感じが全編に漂っていて映画にノレませんでした。コラージュするならばするなりにもっと細やかに優しく(あのスーツ姿の男の面接シーンなんて暴力的でしょ)できたんじゃないかな。
[映画館(邦画)] 4点(2013-09-26 22:23:35)(良:2票)
2079.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 
 ヤクザ連中がいきなりなだれ込んできて勝手に抗争をおっ始めて流れ弾があちこち当たりまくりで人死にまくりの物壊しまくり、その上で片方が「私は味方です」って言ってきたところでそんなん納得できますか?っての。そんな映画。   今回のスーパーマンは「地球のため人類のため」って看板だけはぶら下げてますが、実際にやらかした事と言えば生まれた星のいざこざに地球を巻き込んだだけ。見境なく大暴れして、あれでどんだけ人死に出したのやら。スーパーマンってのは人を救ってナンボじゃないんかいな、と。   で、暴れてぶっ飛んで落ちた先にいちいち知り合いがいるの。落ちたその場でドラマ始まるの。もう宇宙空間までぶっ飛んでいっても落ちるとピンポイントで知り合いの前に落下。よくもこんなアホな脚本が書けるもので。   後半になると物語が飛び飛びになってしまって、オッサンなんで気軽に宇宙船に辿り着いてるねん、そしてそのキーアイテムお気軽に使えてるねんとか、お前いきなりなにを見境なく勝手に特攻決め込んでるねんとか、唐突で繋がりの無い雑な運びで見ていてアホらしくなってしまい。   地球あぶない、地球ピンチ!みたいな大ゴトスペクタクル状態ではありますが、それがスーパーマンとゾット将軍一味の中だけで繰り広げられているものだから、なんだかなぁ。   カメラがバカみたいにブンブン振り回し系なので3Dには不向き。つーかそんな映像を3Dにしちゃダメ。頭痛くなるわ。   にしても、出てくる役者さん達の多くがお馴染みの人々で、そしてみんな随分老け込んだねぇ、って思わせちゃう状態で(ケヴィンとかダイアンとかエイミーとかローレンスとか)、リブートだっていうのにフレッシュさ皆無!みたいな映画でした。スーパーマンもなんかオッサンでしたしね。   どうせならもっともっと違ったスーパーマンで良かったのに。リチャード・ドナー版の方が色々盛り込まれてて楽しめたなぁ。
[映画館(字幕)] 4点(2013-09-26 20:55:47)(笑:1票) (良:1票)
2080.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語 《ネタバレ》 
【マミる】頭が無くなる事。首が取れた状態。残酷な死に方をする事。『まどか☆マギカ』の登場人物、巴マミの最期に由来。     このテの「メタもの」って私にとって大抵イラつくシロモノになってます。テレビ放映時には5話目まで見て「コレ嫌い」って挫折しました。   決して新しくはないです。つまりは『ウォッチメン』『ダークナイト』『キック・アス』『スーパー!』などの同類。アレの魔法少女バージョン。そしてそれらを私がそんなに~全く楽しめないのと同様、これもまたあまり楽しめるモノではありません。   空疎で生気を失った無機的な世界でドロドロとした感情がうねっている、そんな話。  現実感のない魔法少女ものの設定の中に生々しい感情や暴力や死を持ち込みジャンルを現実的視点から解体・再構築しているわけですが、メタものの多くが批判的視点を持つがゆえか、暗い、陰鬱な色になりがちで、この作品も終始陰鬱です。  でも「リアル」はもっと楽しいものでもあるわけで、このトゲトゲした、あるいはおどおどした少女達の極端な「リアル」はメッセージのための生という息苦しい枠にパッケージングされているような感じで。   そんな中で輝きを放つのが魔女の作り出す結界。作品内で最も魅力的な空間。美術的に独特のセンスを持って大変に面白く、ここだけで見る価値が十分あったりします。が、それもメタ化のための道具だと思うと(むしろ現実よりも悪である側の世界の方が明るく生き生きとしているという皮肉)なんとももったいない話で。  マミさんが早々に退場するのももったいないですが(笑)  このビミョーなデザインの世界で個人的に魅力を感じたのは彼女だけでしたからねぇ。   ダークなアニメに魅力を感じられるほど、おっさん心と時間に余裕がないのかな。
[映画館(邦画)] 4点(2013-09-25 20:22:13)
080.32%
1220.87%
2421.67%
31234.89%
431912.67%
548419.23%
654521.65%
745518.08%
829811.84%
91827.23%
10391.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS