2161. キングダム・オブ・ヘブン
《ネタバレ》 最初の方は波乱万丈、怒涛の展開でホンマかいな?って状態なんですけど、中盤以降は良くも悪くも、それなりのポジションに落ち着いてきます。んー、正直に言っちゃうとリアルで良くできた「ロード・オブ・ザ・リング」。「ロード・オブ・ザ・リング」にはまだ『CGです』『ミニチュアです』っていうのがモロに出てしまっている映像があって、それが風景を狭く感じさせてしまっていたりしたのですが、これはもうどこまでがロケでどこからがCGなのか、ちっとも判別できない状態。雄大な風景の中で展開する活劇はさすがのダイナミズム。一方で美しい映像も沢山あって、落ち着きのないカメラワークとさっさと切り替わるカット割りが残念。でも、この映画最大の問題は、ファンの方には申し訳ないのですが、オーランドに主役を張るだけの魅力が欠けてる気がする、って事ですね。これを、もっと強いオーラを放つ人が演じたならば、脇までも輝かせたと思うんです。リーアム・ニーソンにしろ、ジェレミー・アイアンズにしろ、主人公との繋がりに強いイメージが湧いてこないんですよね。ヒロインもなんだか影の薄い感じですし(時々ミニー・ドライバーやジャニーン・ガラファロみたいに見えたり)。リドリーの映像美とダイナミズムを描く力によって、「史劇ぃ?ラブロマンスぅ?」という私をあんまり刺激しない題材が、とても見応えあるものに昇華されていましたが、いかんせん、主役がねぇ・・・。つーか、あの厚みのあるカブリモノみたいな髪型だけでもどーにかならなかったのかなぁ。そうそう、自作のパロディをワザとやってるでしょ?みたいな映像満載だったのですが、流石に「エイリアン」や「ブレードランナー」はないよなぁ、と思ったら・・・笑いました。 [試写会(字幕)] 7点(2005-04-14 00:35:49) |
2162. バレット モンク
チョウ・ユンファ!ジョン・ウー!ってところで期待しちゃうと、ガッカリしちゃうかもだ。良くも悪くもハリウッド映画なので。東洋の神秘を面白がるタイプで、アクションをたっぷり見せるよりは、物語を進めるのに忙しいって感じ。もう少し、香港映画テイストが欲しかったんですけどね。ハミ出したところのない、ソツなくまとめたって感じが強くて、多くを期待しなければ、まあそこそこ楽しいんじゃない、って。 [試写会(字幕)] 5点(2005-04-13 13:16:25) |
2163. シュレック
《ネタバレ》 ディズニーを思いっきり意識しまくって、ディズニーを笑ってやろうとしているつもりが、実のところ、ディズニーコンプレックスたっぷり、みたいになっちゃってるのが、ちょっと哀れな感じの映画でした。その呪縛から離れたところで自由にやればいいのにねぇ。それはともかく、あの美しいフィオナ姫を返して~! そうそう、舞台挨拶の浜ちゃんは立派な芸人でした。普通はああいう場になるとミョーにカッコ付けたりすましたりする人が多いのに、彼はあくまでテレビ同様、サービス精神たっぷり。しかーし、その浜ちゃん相手にボケまくり、ツッコまれまくりだったカッツェンバーグ、あんたナニ者だ? スゲー。 [試写会(字幕)] 5点(2005-04-13 13:13:25) |
2164. 女王蜂(1978)
《ネタバレ》 映画のカラーをきらびやかに、というコンセプトは、金田一シリーズのイメージとの食い合わせの悪さを生じ、激しく消化不良状態にもがく事になっちゃいました。化粧品メーカーとのタイアップが、映画全体をぎくしゃくさせちゃったんじゃないでしょうか。それぞれのエピソードが上手く繋がってない感じで、間延びしまくってます。冒頭こそ、いきなり殺人現場から始まって、一気に引き込む導入部となっていましたが、中はぐだぐだ。殺人シーンはそんなのアリ?みたいなのもありますし(天井からナイフがずどずどずどっ!って、ええ~?)。市川=石坂金田一もので唯一イメージソングが存在するこの映画、宣伝効果もあって、満員でしたが、ホラーものと勘違いした小学生達が、ダレダレ~ン、となっていたのが印象的でした。 [試写会(字幕)] 5点(2005-04-13 13:09:34) |
2165. ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
《ネタバレ》 友達のYは、特撮好きですが、怪獣映画は範囲外。なので樋口特技監督と伊集院光の話は、ピンと来なかったようですが、私は大笑い。その笑ってるバカ顔が後の特典DVDの中に映り込んでしまったのは、また別の話。前2作をおさらいした上で、夜中の3時から(既に眠くてヘロヘロなんですが)始まった「ガメラ3」。凄いです、見慣れた渋谷の街が、大変な事になっちゃいます。でも、ガメラ、顔もスタイルも凶暴で、私の愛したガメラから遠く離れた存在になっちゃいました。映画も、なんかホラーっぽく、物語はちっとも流れないまま、京都が大変な事に、ガメラも大変な事に・・・。状況が投げ出されるばかりでドラマは全く流れてゆかない、それはオタク系映画、映像の悪いクセです。ガメラが人間との関わりを断ち切れなかった様に私もガメラへの思いを断ち切れない、でも、この映画のデキはかなりツラい・・・。納得できない終わり方に、すっかり無口になった私は「終わったら吉牛寄ろう」なんて言ってたクセに、そんな事忘れてYにバイバイすると、ぐったりと始発電車の座席に沈みました。 [試写会(字幕)] 4点(2005-04-13 13:06:39) |
2166. レスリー・ニールセンの2001年宇宙への旅
クライマックスのオペラ部分にあまり笑いが盛り込まれていなくて、一体これのどこが面白いんだろう?という感じになってしまいました。もっと徹底してSFパロディで暴走してくれれば良かったんですけど、レスリーの空回りするドタバタばかりが描かれて、そのために物語の停滞まで生んでしまうとなると、どーなんでしょーねー・・・。ファンな私としては単純にドレビン復活を望んでいるんですけど。 [試写会(字幕)] 4点(2005-04-13 13:03:11) |
2167. 天国にいちばん近い島
「ここが私の天国にいちばん近い島です」と言われても、なんで?って感じの映画でした。そこまでのドラマがちっとも迫ってこないモンだから。そもそも、旅エッセイな原作を無理に物語にした結果、かなりヘンな映画に。実話からリアリズムなしの映画に変化。大林監督としては昔風の南国モノを再現したかったようですが、いかんせん物語に全然面白味がなくって。最後の最後のショットで、ちと許す、みたいな。当時、めちゃくちゃ知世ファンだった私が必死になって応募して当てた、「知世バースデイフェスティバル」とゆーイベントで見た、とゆー事は、ここだけのヒミツ。ちっともヒミツになってないけど。 [試写会(字幕)] 4点(2005-04-13 13:02:05) |
2168. ZIPANG
地獄極楽丸と鉄砲お百合のキャラクターは最高で、最初の30分は楽しいのですが、そのテンションがそれ以降は全く続かず、息も絶え絶えな映画になっちゃうのが残念です。古代人が喋るたびに、場内からは笑いが漏れ、でも、楽しめるのは、そんなヘンなトコだけ。単純に、主役二人のチャンバラアクション映画だったら、どんなにか面白かったことか。あー勿体ない、勿体ない。 [試写会(字幕)] 4点(2005-04-13 13:00:28) |
2169. 黒い家(1999)
多分、フツーの人が実は恐い、っていう映画だと思うんですけど、全然フツーの人じゃない(暴走演技全開の大竹しのぶと西村雅彦じゃあねぇ)ので、そりゃそうでしょうよ、と納得してしまったり。無名のおばさんが演じた方が恐くなったんじゃないかなぁ。森田監督の作りモノめいた感じが、かなりハズレ気味だと思いました。それでも、「模倣犯」よりは数段マシですが。 [試写会(字幕)] 4点(2005-04-13 12:59:54)(笑:1票) |
2170. ゴジラ2000 ミレニアム
最初の15分間は凄いです。「うわぁ、こりゃ『ゴジラ』の、いや、日本の怪獣映画の新しい夜明けだ!」と感激します。でも、そこまで。短距離ランナーがいきなりフルマラソンに出たかのような、グデグデの展開に唖然。物語がどんどんウソくさくなって、退屈で、目をそむけたくなるようなデジタル合成が出てきたりして、見るべきところが、ミニチュアセットはワリと良くできてるね、くらいになって。東宝はゴジラを神格化し過ぎなんじゃないでしょうか。 [試写会(字幕)] 3点(2005-04-13 12:58:13) |
2171. 怒れるドラゴン・不死身の四天王
すいません、この映画、私には難解過ぎました。画面で行われている事自体は理解できても、それがどう具体的に物語になって、どう繋がってゆくのかがちっとも理解できず、登場人物のドラマが映画的な運動をしていないために流れが掴めず、なのでどこをどう楽しめばいいのやら?って状態で。なんとか映画としての流れが見えてきたのはクライマックスに突入してから・・・。唯一、悪役日本人が扇子をばりん!と破くトコがやたらに可笑しくって、私にとっては、そこだけが救いな映画でした。 [試写会(字幕)] 2点(2005-04-13 12:57:27) |
2172. モスラ(1996)
平成ゴジラと比較しても、ちょっと・・・って感じでした。兄妹で逃げてる途中で妹コケたり、崖から落ちそうになって手を伸ばしてつかまれ~とかいうノリは一体何十年前のシロモノよ?みたいな感じですし、デスギドラがどど~って流された後、一体何処行っちゃったのよ?みたいな展開とか、カットの繋がり、演技の繋がりがプロの仕事とは思えないモノだったり、これで本当にお金取って人に見せていいの?って。意味不明なキャラクターや、デジタル合成史上最低レベルのモノも登場して、本当に大丈夫なのか?東宝さん、って思った映画でしたが、唯一、羽野晶紀のベルベラが、ちょっといい個性出してたので、私のワーストワンからは逃れた、というところです。 [試写会(字幕)] 1点(2005-04-13 12:56:22) |
2173. 着信アリ
すいません、最初を飾らせて頂きます。公開前ゆえ、ネタバレなしの方向で。三池監督のホラー、という事で特異な暴走をするか、というと全然で、印象は一連のホラーブームの中から生まれてきた、ごく平凡な一本という感じ。「恐いモノ」の見せ方も、構成も、アレやらソレやらを安易に思い出させ、この作品ならではのオリジナリティが感じられないのがキビしいです。どーん!というシーンでも、良くも悪くも節度は守られておりますので、グロ系はダメ、という人でも見られない映画じゃないですが、最近のアレやコレやをいろいろ見ている人には不満が多いんじゃないかなぁ、と。それと、マシンガンぶっ放すような、コウちゃん大暴走!を期待してはいけません。私としては、映画祭ですぐ後ろに座っていた企画・原作の人に「オリジナリティの面はどーなのよ?」と聞きたい感じではありました。 [試写会(字幕)] 4点(2005-04-13 12:52:43) |
2174. 人間の証明
《ネタバレ》 大々的なメディア戦略でいい感じに見えて、でも実際に見てみると、なんだか安い映像で、そのギャップにびっくり、って映画でした。セットとか色彩とか、どうしてこうも安っぽいの?みたいな感じがしちゃって。どこにも、あのポスターやレコードジャケットの、銀のバックにニューヨークの夜景、そして黒人の子供の絵柄の、あのセンスは感じられませんでした。展開まで安っぽいのには閉口。あのクライマックスの告白からラストにかけてのクサさは、かな~りツラいモノが。ジョージ・ケネディの存在、蛇足って感じでしたし。豪華キャストの意味もなくて、サスペンス劇場で十分、って感じでした。で、この間深夜テレビで放映していたのを見たのですが、カメラワークがヒジョーにウザかったですね。なんでそこまでわざわざカメラ動かさなくちゃなんないの?カット割ってくださいな、みたいな。だけど、カメラマンは超有名有能な人だったワケで・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2005-04-13 12:52:00) |
2175. ああっ女神さまっ
それぞれの「萌え~」をそこそこ満たしたら、それでいいっしょ、みたいな映画でした。大ゴトになっているのに、警察とか自衛隊とかマスコミとかって一切登場しない世界の物語だもの、そこに正常なドラマを期待しても仕方ないんでしょうね。ファンのためのお祭り映画に、ファンじゃない人間がやいのやいの言ったところで、虚しく萌えバリアに弾かれるだけでしょう。ファンの集いじゃなくて一本の映画として、普通の映画館で不特定多数を相手に上映される事を、ちっとも考慮しちゃいない状態ってどうなのよ?と言ったところで無意味。そういう映画のあり方って、個人的にゃイヤなんですけどね。だけどね・・・ペイオースの出番が少なすぎなんじゃあ~~~! [映画館(字幕)] 4点(2005-04-11 00:19:40) |
2176. 王立宇宙軍 オネアミスの翼
リアルな人間=つまらない人間、ではない筈なんですけどねぇ。主人公のリアクションの薄さが、なんとも退屈過ぎ。延々ぼ~っとしててボソボソ喋って、時々発作的にアクティブになる、と。ちいとも感情移入できませんわ。一生懸命優等生ぶってる物語とメッセージ(最初のモノローグからして全身痒くなります)、そしてこれ見よがしのデザインに抵抗を感じます(細かいコト言うと、シロツグが使ってた、あのカミソリのデザインは人間工学から離れすぎててリアリティのかけらもありません。そりゃ出血もするって)。そこに無理した背伸びが感じられて、拒絶反応を示しちゃう私。作画は非常に高水準で、音楽もいいだけに勿体ない・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2005-04-11 00:14:25)(良:1票) |
2177. 死国
夏川結衣は、ドラマ「谷口六三商店」のイメージが強いので、一体いつになったらお笑い演技を見せてくれるんだろ、って期待してたんですが、最後までどんより系の演技しか見せてくれませんでした。残念。彼女に限らず、登場人物が全員どんよりしていて、陰鬱な事この上ない映画。GOGO千明嬢のどんよりストーカー演技は、コメディ一歩手前状態でしたが(ぬぼぁ~と筒井道隆の後ろから顔を出すあたり)。和風でゾンビものを撮ると、こうなります、というサンプル?(いや、彼女はゾンビとは違うんではないか~?) [映画館(字幕)] 4点(2005-04-11 00:07:43) |
2178. 恋愛寫眞 Collage of our Life
《ネタバレ》 せっかくヒロスエは魅力的に撮れているのに、前半はいい感じの映画なのに、ニューヨーク以降の展開が、別にそんなの望んでないのに、という感じになっちゃってガックリ。小池栄子の壊れ加減は、この映画のカラーからは異質過ぎなんじゃないかなぁ。イメージ映像とはいえ、スプラッタなヒロスエ、なんてのも見たくないんですけど。死体安置所でわざわざ状態を説明してくれなくていいし。もっと、なんつーか、こう、幻とか、夢とか、そういう方向でケリ付けちゃってくれた方が良かったなぁ。 [映画館(字幕)] 4点(2005-04-10 23:59:18) |
2179. 人類創世
《ネタバレ》 遠い遠い過去。まだ言葉もマトモに話せない頃のご先祖様たちの物語。大事な火が消えちゃったよ~、火を探しに行かなくちゃ、と旅に出たら、既に火を作れる種族がいました、と。火を作れるようになる進化の過程を描くのかと思えば、単なるタナボタ。肝心なところがガッカリオチじゃ、一体ナンのために作られたのやら理解不能です。70ミリの大画面に展開する、マジメなフリしたアホ映画、という風情でございました・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2005-04-10 23:56:21) |
2180. アダムス・ファミリー(1991)
ソネンフェルドの笑いのツボ、というのがちっとも判らない私は、この映画を見ても戸惑うばかり。元ネタがちゃんと判ってナンボ、という映画でもあるようですが、それにしても、私が入り込むスキを全く与えてくれない、というのは、本当に困ってしまうワケで。ラウル・ジュリアとアンジェリカ・ヒューストンが醸した雰囲気は好きなんですけど、それ以上のところへは、全く入ってゆけない・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2005-04-10 23:47:16) |