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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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201.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 
現在、あの二人と同じ役をこなせる女優がいるだろうか? 特に桃井かおりの憎らしさは振り切れていて、鑑賞者の心をダークサイドへ突き落とす。誰かあの女を痛い目に会わせてくれないものかと願ってしまった。もう製作者の思う壺だ。自分にとっての一番の見どころは、無罪判決後の二人の会話。社会的立場という意味では天地の開きがある二人だが、桃井かおりのひと言はスタンスの優劣を逆転させる強烈な一撃だった。「私は私が好き。あんた自分が好きと言える? あんたみたいな女、みんな大ッキライよ」。娘との別れで凹んでいた岩下志麻の傷口へ、ピンポイントで塩を塗り込みました。とびきりクールな岩下志麻でもスルー出来ない捨て台詞。ワインを浴びせ返したが、あれは桃井かおりの完勝です。憎まれっ子、世にはばかる。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-02-18 11:34:56)
202.  大阪物語(1999) 《ネタバレ》 
大阪出身です。「仕方がない」と諦めるとき大阪では「しゃあない」と言う。この言葉は「仕方がない」とは微妙に違う。他人に迷惑を掛けたり、大バカをしでかしたときは人にも使う。女房以外の女を孕ませた隆介(沢田研二)は「しゃあない奴」だ。もうひとつ、「面白い」とほぼ同義で「おもろい」という言葉がある。これを人に使うときは、表面的に笑わせるというより内面のユニークな人間味にまで言及していることが多い。今作を観て大阪らしいと思ったのは、隆介の行動や扱われ方がほとんど全て「しゃあない奴」なのに、少し時間が経つと「おもろい奴」に変わったりするところだ。学生時代の友人たちが軒並みそう証言するし、病院で隆介と対面した際の若菜(池脇千鶴)の笑顔は安心したと同時に、包帯だらけの親父が「おもろい奴」に見えたから。つまり「しゃあない奴」には断罪以外の意味が予定調和的に重ねられている。それは、脱力と諦観と友愛と寛容などを混ぜ合わせたような深い情感だ。人によっては人情とも呼ぶ。そこに大阪気質を読み解くヒントがある。その気質を行動で表現していたのが、腹違いの弟の世話をする若菜。あの面倒見の良さは奇異にも映る。でも彼女が義務感だけでやっているとも思わない。そこをくどくど説明せずに「大阪物語」というタイトルに投げ返すのが今作の上手いところだ。映画初出演、初主演でこの微妙な役を演じた池脇千鶴は「えらい」お姉ちゃんでした。今作でもうひとつ特筆したいのは、ダンプとケンカした隆介を即死させずに、家族とのひと時を確保した脚本の優しさです。あの時間がとても嬉しかった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-02-17 23:08:21)(良:1票)
203.  鬼畜 《ネタバレ》 
映画としての見どころは、岩下志麻の鬼ぶりと緒形拳の葛藤だろう。特に岩下志麻。でも彼女を「鬼畜」とは思わない。鬼畜は両親を形容した言葉です。産まれる瞬間までは平等のはずだけど、生まれた直後から環境に翻弄される子供たち。言いたいことは山ほどあるけれど、まとめる自信がないので以下に集約。生活力のない大人が親になってはいかん。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-02-14 13:47:43)
204.  歩いても 歩いても
特になにも起こらないけれど、凄い映画だと思いました。登場人物たちの会話に、それぞれの関係性と距離感を示す記号を含ませる。無駄になっている台詞がひとつも無いくらいの、一種の緊張感がある。その会話が、誰の立場に自らを置き換えても思い当たるような微妙な既視感を呼び覚まし、静かな共感が起こる。何気ない言葉の端々に垣間見える生活感は、各人の人生という領域までを想像させる。たとえ家族であろうとも、完全には分かり合えない心の壁を深刻ぶらずに見せられる。会話の中に宇宙が見えました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-02-14 12:54:32)(良:1票)
205.  上意討ち 拝領妻始末 《ネタバレ》 
とても内容のある映画でした。三船敏郎が演じる笹原伊三郎は剣の腕は立つけれど、養子身分の宮仕え。その伊三郎の息子の嫁にと、藩の上層部が藩主の側女を押し付けてきます。詳しくは映画を観て欲しいが、この嫁を巡るゴタゴタは藩側の強引な都合で二転三転し、最終的に伊三郎親子は藩に反旗を翻す。それはまるで、一国対親子の戦争といった様相でした。この行動は他者から見れば「キレる」という形容になります。でも、決して馬鹿ギレした訳ではないことが映画を観ている人には良く分かる。表面的には、藩側が理不尽な権力を濫用し、伊三郎親子は我慢に我慢を重ねた結果なのだが、伊三郎の背景に仕官先や家庭で長年積もったストレスがあったことは見逃せない。さらに、伊三郎は息子夫婦の絆を命を懸けても守る価値があると判断した。これは、謀反を起こす大義を得たということだ。大義とは清廉な動機です。それを得た伊三郎の剣は正義の剣であり、彼は三船敏郎らしい(笑)期待通りの剣客ぶりを発揮しました。さらに脚本的に特筆したいのは、息子の嫁の描き方です。彼女の毅然とした姿勢がテレビなどで見慣れた時代劇とは違う文法で描かれており、いい意味で予想を裏切られた。刀こそ帯びていないけれど、彼女も立派なサムライでした。伊三郎が抱えていたストレスは、現代人のそれと変わりません。サラリーマンの多くは、伊三郎のようにキレても良い大義を求めているんじゃないかな…。ホントにキレるかどうかは別の話だけど、自分には伊三郎がサラリーマン代表のように思えて心から応援しました。タイトルからは気難しい印象を覚えるけれど、とても観やすく解り易い映画です。これはもの凄くオススメです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-28 02:29:38)
206.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 
公開中の「アバター」もそうですが、驚異的な映像という意味で映画を捉えたときエポックになった作品が何本かあると思います。自分にとっては、1968年「2001年」、1980年「帝国の逆襲」、その次に来たのが1993年の今作でした。だって、本当に恐竜がいると思いましたもの。後半は恐竜たちから逃げてばかりいるストーリーが少し残念でしたが、映像に驚いたという意味では過去最大級でした。ジュラシックパークを検分に訪れる博士たちは危険度や倫理観からNGを出します。そりゃ、ティラノサウルスにリアルに食われそうになったらそう言います。でも自分はとても残念でした。このプロジェクトが一般に公開されたら、自分もホンモノの恐竜が見られるぞ。そんな期待感で映画を観ていた気がする。だがら、しょげているハモンド氏にも同情しました。彼はたぶんスピルバーグの分身ですね。人を驚かして楽しませることを生き甲斐にしている人ですから。映像表現が飛躍的に進歩するタイミングって、10数年ごとに来るようです。この次、純粋に映像に驚かされるのは2025年くらいか…。ん? 私は何歳だ?
[映画館(字幕)] 8点(2010-01-26 01:45:40)(良:2票)
207.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 《ネタバレ》 
クレしん映画でベストの評価を得ているこの作品。私自身の観賞は2作目になりますが、ビックリでした。初めて観たクレしん映画「雲黒斎」は子供向きじゃないなぁと思うところもあったけれど、今作は子供も大人も一緒に観賞できる。そんな良作だと思います。ざっと他の方々のレビューを見ました。しんちゃん必要ないじゃん論に対して私見を述べますね。あのタイムスリップには何らかの契機があったはずで、さらっと廉姫がそのことを口にしました。「この場所で、又兵衛が戦で死なぬように祈っていた」。その願いが、あの水辺の未来で暮らす野原家に届き、しんのすけが使者として召喚されたということでしょう。まず、タイムスリップ直後に彼はその使命を果たしましたね。お尻を出して。続いて、又兵衛や廉姫、そして殿様に21世紀のこの国の状況を伝えます。それは幼稚園児なりの形容だったが、難しい理屈が省かれているだけに身分差のない平和な時代というエッセンスが強調されたようです。しんのすけの話を聞く人達の姿勢が礼を尽くしていて大変心地良い。そして、その話を聞いた殿様が廉姫を他国へ嫁がせない決心をします。これは再び廉姫の秘めた願いに応えた、ということじゃないだろうか。同時に高虎との合戦の引き金になったという意味で、それはそれは重大な転機にしんのすけは関わっています。彼がいなかったら、このストーリーは無いですよ。確かに、重みという意味では又兵衛と廉姫の悲恋に負けていたけどね…。「おい、青空侍」には私の涙腺も少し緩みました。クレヨンしんちゃんで、そんなことになろうとは! 鑑賞中、自分は宮部みゆきの「蒲生邸事件」を思い出しました。過去へタイムスリップした人物が、歴史を変えるのではなく、歴史に関わって成長する類似性。たぶん生まれて初めて近しい人を亡くす経験をしたしんのすけが、何を感じたのかにもう少しフォーカスできると良かったかな。でも、それは大人目線の話であって、あの又兵衛の生き様を観た子供たちは充分に何かを感じたことでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-05 02:47:33)(良:2票)
208.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争 《ネタバレ》 
20世紀のある年号から始まるこの映画。自分はそこに現代との大きな違いというテーマを読み取りましたが、当時を知らない世代にはレベルの低いコメディに見えても仕方がない作り方ですね。歳がバレますが、ママチャリ君はたぶん私と同学年。もうそれだけで自分にとっては観賞意義のある作品ですが、その中身には嬉しくて泣きそうになった。というのは、自分も当時の仲間たちと交番のおまわりさんを相手にいたずらを仕掛けたことがあるから。何度も。その目的も内容も、今となっては記憶の彼方に霞んでいるけれど、とても他愛のない馬鹿くさいものでした。この映画が見せてくれた「戦争」には、陰湿なイジメや過激な暴力とは違った色彩があります。現代の若者たちが、今作のようなバカなイタズラをやっているかどうかは知りませんが、ニュースで見聞きする少年犯罪や非行の中味は、当時とは明らかに様変わりしています。極めて個人的な意見ですが、部活などに精力を注がないのであれば、ママチャリ君たちのようなイタズラで発散すればいい。あのイタズラも一種のコミュニケーションです。そういう意味で、自分は彼らの行動原理に同世代の人として誇りを覚えました。駐在さんの応戦に対しても同様です。劇中に散りばめられたあの頃の風景は、とても懐かしかった。母親役の石野真子の目の前で、彼女のデビュー曲をBGMにして、その歌詞をなぞったシーンが展開します。これもイタズラ同様に馬鹿くさい。でも面白かった。考証的に多少はえっと思うシーンもありますが、R40台後半なら楽しく笑えるんじゃないかな…。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-01 12:49:40)(良:1票)
209.  太陽を盗んだ男
初見は公開後のテレビ放送でした。大学に入ったばかりの頃で当時は衝撃的でした。うだつの上がらない教師が原爆を作るという設定に驚いたものね。原発(だったかな…)に忍び込むジュリーがルパンみたいでカッコ良かった。これは高度成長が終焉した後の時代の閉塞感みたいなものを映し出している映画でしょう。比較的最近(と言っても10年ほど前か…)に再見した際には、すでに衝撃でも何でも無く、突っ込みどころが先行するクライム・サスペンスでした。今の時代に初めて観ていたならこんな点は付けないでしょう。思いっきり観るべき時代を選ぶ映画で、鮮度で勝負していたとも言える。比較的新鮮なうちに食して良かったです。長谷川和彦には、この後にも映画を創って欲しかったなぁ…。
[地上波(邦画)] 8点(2009-12-07 01:39:00)
210.  コドモのコドモ 《ネタバレ》 
もし本当に子供たちが無邪気に遊んでいるうちに妊娠してしまったのなら、それは責められない。言い出せなかった理由も分かる。子供たちだけで無事に出産ができたことは結果論であって、無謀な行為以外の何ものでもない。そう考えると、やはり周囲の大人たちの対応がこの映画のテーマだと思うが、その部分の突っ込みは不十分。妊娠に気付かなかったこと自体は事故性が高いけれど、事前と事後の対応に関して、家族、学校、PTAの誰にも決着を付けていない。でも、そんなことは抜きにしても自分が高得点を付けるのは、麻生久美子が演じる担任の描写に感心したからだ。若い女性教師(ここはあえて女性と言い切ります)に有りがちな見識の狭さや度量の小ささがよく描かれている。典型的な空回りタイプ。小学5年生に対して、SEXはコミュニケーションなどと言って理解されるはずがない。彼女がコミュニケーションの意味を最も理解していない。教員資格を与える段階でもっと資質を精査できないものかと思ってしまう。結局、子供たちだけで妊娠を秘匿したのはあの担任に対する反撥が主な理由で、今件に関する彼女の責任は重い。妊娠云々は別にしても、あの微妙な分からず屋加減を上手く演じた麻生久美子は良かったです。いますよ、ああいう先生。自分の遠い小学校時代を思い出し、劇中の教師批判に思わず熱が入ってしまったが、あの担任と子供たちの距離感は中年の自分にもリアルに映りました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-01 01:05:11)(良:1票)
211.  マイケル・ジャクソン/THIS IS IT 《ネタバレ》 
先週、観て来ました。昨日、近くのシネコンは最終日だったんだけど、ネットで調べたら最終の2回は満席で予約不可でした。最近、こういう観られ方をした映画は記憶にない。有名な俳優が亡くなると、追悼番組として代表作がテレビに掛かることは間々あるけれど、ミュージシャンのMJの追悼が劇場でドキュメンタリーとして上映されること自体がとても異質なことだ。それは反対に、彼の存在の異質さを象徴している。ドライな見方をするなら、故人になっていなければこんなに感じ入ることは無かったと思う。追悼の意味を帯びた映像は特殊なパワーを持って観る者に浸潤する。でも、長期の沈黙を経たMJのパフォーマンスには、追悼という意味を抜きにしても刮目させられたのは事実だ。皆さんご指摘のように、その体のキレはとても50歳とは思えないし、日頃から鍛錬していなければあんな動きは出来ないだろう。昔から耳に馴染んだナンバーに、時間が経つことを忘れて聴き入った。マスコミが流すゴシップの真偽に興味は無いが、ミュージシャンとしての彼は真摯に自らの音楽と向き合っていたことを感じさせるには、充分な証拠映像だった。同時に、彼がゴシップネタにされる所以も垣間見えた気がする。スタッフが彼に対して、相当に気を遣っているのが分かった。誰も逆らえないカリスマ性を持ち合わせているが故に、反感を買うこともあったのだろう。リハーサルでもほとんどサングラスをしたままで素顔を見せず、発する言葉もどこが浮世離れした感がある。このドキュメンタリーフィルムからミュージシャンとしてのMJの素顔は見えたけど、人間としてのMJの素顔は見えなかった。彼はやはり食事もしなければトイレにも入らない別世界の人間という印象。そんなことも含めて、彼らしさなのだろう。自分の中では時間と共に風化しかけていたMJだったが、このフィルムによって劇的にエッジを効かせて記憶に刻み込まれた。観て良かったです。最後に、あのスタッフの創作のエネルギーに舞台が与えられなかったことがとても残念です。
[映画館(字幕)] 8点(2009-11-28 01:38:18)(良:1票)
212.  ガメラ2  レギオン襲来 《ネタバレ》 
前作が、ガメラの復活&新しい怪獣映画の世界観の提示なら、今作はそれにストーリーの面白さを上乗せした作品でした。地球外の生物であるレギオンの生態解明がストーリーの根幹にあるプロットは前作を倣った構成で、この部分が相変わらず上手い。未知のものへの興味という意味で映画に引き込まれて行きます。ガメラも生物兵器として新たな顔を見せて飽きさせない。これは、怪獣映画とSF映画の融合を試みて成功させた初めての映画と言えるのではないだろうか。良いSF映画の条件は嘘をつき過ぎないことだけど、前作でガメラの設定に力を入れたことが財産として生かされていて、怪獣映画なのにSFテイストが損なわれない。それに一役買っているのが自衛隊。ゴジラシリーズのような意味不明のスーパー兵器を出さなかったことが作品に誠実さを担保している。彼らが今作ほど凛々しく映った映画は過去に無かっただろう。オチも良かったですね。ガメラは人ではなく、地球(の生態系)の守護神。この映画を観た後であれば、説得力を持った言葉に聞こえます。ホントにその意図で人類を攻撃対象にしたガメラが登場する映画も観てみたい。ともあれ、今作は面白い怪獣映画のひとつの完成形でしょう。前作に引き続き、金子修介監督に拍手です。
[映画館(邦画)] 8点(2009-11-14 01:30:10)(良:1票)
213.  ソウ 《ネタバレ》 
今さらながらのレビューですが、猟奇的サスペンスとしては傑作ではないでしょうか。自分は最後のオチを見せるためだけの映画とは思わなかったので、あの死体然としていたジグソウに突っ込みを入れようとは思いません。目が覚めると不条理なゲームに巻き込まれていている人たちが、犯人に操られつつも必死に考え、叫び、そして足を切断するという思い切ったストーリーに、素直にドキドキしながら観賞しました。死を宣告されている人物の、言わば八つ当たり犯罪ですが、命を軽んじている人たち試練を与えるという自分勝手な動機と、猟奇的な仕掛けの辻褄が合っている。そこに思想的な重さを強調しない作り方は、スピード感を必要とするこの種の映画にマッチしていました。かなり凄惨なシーンが、ストーリーに違和感が無く溶け込んでいるところが上手いと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2009-11-10 20:06:21)(良:1票)
214.  きみの友だち
観始めてしばらくは何が言いたいのかが良く分からなかったんだけど、途中からジワーッと自分が子供の頃のことが思い出されて、はっとしました。誰にも共通することだと思うけど、小学生から高校生に至る頃の友だちとの繋がりって、その頃でないと享受できない特殊な関係だと思います。幼稚園の頃の友だちは、いわゆる遊び友だちで、一緒に遊んでいれば満足でした。大学に入ると、友だちより彼氏や彼女の方に意識が占領される。その間に挟まれた頃の友だちは、お互いに自我が成長する時期でもあり、とても不安定な関係だった。でも、多くを語らずに理解しあっていたようにも思える。とげとげしい部分と、許しあう部分がハーモニーを奏でるような関係。好きな友人は独占したいような気持ちもあったかな…。この映画は、そんな年代の密度の濃い友だちの関係を見せてくれます。自分は鑑賞中に何人も昔の友だちの顔が浮かびました。歳を重ねるに従って、そんな友だちとも自然と疎遠になります。期間限定の関係とも言える。それでも彼らは、自分にとってかけがえの無い親友なんだと思わせてくれる映画でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-09 01:42:56)
215.  地底探険 《ネタバレ》 
リメイクの3D映画との魅力の格差に愕然とする。こちらの方が断然おもしろい。50年前の映画なのにワクワクしますよ、こっちは。主人公の教授が言ってましたが「科学の究極の目的とは、未知の世界の解明」で、この映画にはその言葉に込められたロマンが強く漂っている。残念だけど、現代は分かりやすく探求できるロマンが無くなってしまった時代なのかも知れない。地底世界への入り口を指し示す光条や巨石に追われるシーンなど、インディシリーズには随所にオマージュが潜んでいてたことを改めて知りました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-10-28 15:01:11)
216.  遠雷(1981) 《ネタバレ》 
生まれた家に住み続け、成人しても結婚しても親と同居し、家業で暮らして行く。そんな人は多いはずだけど、そのこと自体はおよそ映画的ではありません。そこをストレートに取り上げて、文学的な趣きの見応えを提示していることに感心します。この見応えの根本は主人公・満夫の生き方にあると思います。彼はこの土地を捨てて他所へ移る意思を全く持っていない。地方で農業を営む日々に悩みや不満は持っていても、疑問は持っていない。彼が都会志向の人だったなら、この映画もあまたの青春映画と似た色彩の中に霞んでいたと思える。この生き様が、地方から都市部へ出て働く人たちに接点の無い姿として焼き付けられます。彼が都会を向かない理由も特に述べられていません。「どうして東京へ出て行かないの?」と聞いてみたい。でも、その質問自体が都市部で働く人の価値観の押し付けなのでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-10-22 03:44:53)
217.  イースタン・プロミス 《ネタバレ》 
細かい状況や人間関係を緻密に積み重ねて、ゆるぎなく作られた映画。職人の手による「上手い映画」って感じです。前作から、クローネンバーグは明らかに作風が変わりました。特筆すべきはやはりヴィゴ・モーテンセン。終始、グッと抑えた演技で映画を支配しています。東映映画の寡黙な健さんのような迫力。サウナで全裸で格闘するシーンは、彼の役者としての気合をぶつけられた気分でした。ただの悪人に見えなかったので、素性が明かされた時にはいったん合点が行きましたが、それも彼の正確な意味での素顔では無い。作品全体が、まさに潜入捜査に必要な根気を纏っているような、深い見応えがある映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-19 13:51:44)(良:1票)
218.  ヒドゥン(1987) 《ネタバレ》 
これはもう、いわゆるB級映画の傑作でしょう。破壊衝動の塊みたいな悪の宇宙生物の性格設定が突き抜けている。あのナメクジに何か賞をあげたいです。ロック好きでカセットテープを堂々と万引き(?)するシーンが笑える。カントリーソングが掛かっているラジカセを、おもむろに叩き壊すのも笑えた。スピード狂で最初のフェラーリを乗り潰し、2台目も行くのか?!、と思ったら流石にそこまでは予算が無かったようです。ストーリーはかなりシンプルだけど、最後まで退屈させずに走りきる。そのシンプルさゆえに、細かいツッコミどころが少ないことが功を奏しているんじゃないかな。宇宙生物の描写にも、それほど手間とお金を掛けているように見えない。それでも充分に見応えがあるのが凄いところだ。現代の映画は、この作品の作り方をもっと参考にすべきですね。シンプルな構造という意味ではスピルバーグの『激突!』とか、最近では『シューテム・アップ』とかが似た感じです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-09-05 03:54:30)
219.  宇能鴻一郎の濡れて打つ 《ネタバレ》 
にっかつロマンポルノ版「エースをねらえ!」です。メインキャストの配置もストーリーもオリジナルのエッセンスを遠慮なく導入しています。ロマンポルノ版、と言われても、内容を想像できない方も多いと思いますが、あほらしいネタが盛りだくさんで、めちゃくちゃに笑えます。例えば、鬼コーチが主人公に授けるレッスンも「テニスは腰が大事だ!」とか言って、大真面目にそんなことをやって腰を鍛えたりします。オリジナルのスポ根らしい熱血描写を、ポルノ映画のコードに変換してギャグとして見せる。これは正統なパロディと言えるのでしょう。気になる主人公を山本奈津子が演じています。当時のポルノ系女優の中では、線が細くて可憐なイメージで売っていました。アイドル系ですね。今作も大サービスで、可愛い顔して色んなことをやってくれます。監督は平成ガメラシリーズの金子修介。自分が知る限りは彼の初監督作品だと思います。あのオリジナルをこんなことにしちゃうの、ってくらいに突っ走り、過去に無かったポルノ映画を作ってくれました。徹底したバカらしさに才気を感じます。可愛い主人公がいて、しっかりとそっち方面の興奮があり、パロディとして筋が通っていて、度を越えてバカバカしい笑いがある。にっかつロマンポルノの中でも異色と言えるノリの映画ですが、これにはかなり得した気分にさせてもらいました。おススメです。
[映画館(邦画)] 8点(2009-08-31 20:38:20)(良:1票)
220.  アンダーワールド/エボリューション
ケイト・ベッキンセール最高。この映画を観てそんな事言う人はあまりいないようなので、もう一度言っておこう。ケイト・ベッキンセール最高!
[DVD(字幕)] 8点(2009-08-20 00:54:44)
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