2201. 昼下りの決斗
もし自分が主人公の立場なら、おいおいカンベンしてくれよ~と言いたくなるようなお話で、金の輸送を請け負ったはいいものの、アホ娘の結婚騒動に巻き込まれるし、仲間は裏切るし。んなコトに命賭けられるかよ、と。しかし、この、「自分≠主人公」という可換性の乏しさというものが、“ヒーローもの”の重要な条件でもあったりする訳で。そりゃこんな男に入れあげて結婚まで誓っちゃう娘がアホだから悪いのであって、およそ彼女に分が無いのだけど。しかし誰にでも過ちはある、身捨ててはおけぬ、とこのアホ騒動に対し毅然と立ち向かう主人公。正義のため? いやこれは「自分の信念のため」でしょう。裏切った仲間、これはさすがに“誰にでも過ちが”と簡単に許す訳には行かぬ、とは言え、信念の戦いを共にするのであれば、やっぱり共闘しちゃうのです。身を削るような、接近戦のガンファイト。戦うきっかけとなった事件なんぞツマラなくったっていい、重要なのは、戦いによって守るべき信念。まさにこれぞアナーキズム。ペキンパーここにあり。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-18 23:43:10) |
2202. 戦火のナージャ
途中から始まって途中で終わっちゃう映画、と言われりゃ確かにそんな感じなんですけれども。でもこれがスゴイんだ。第2次大戦、ドイツ軍の侵攻が始まったソ連で、生き別れたまま互いの生死も分からぬ父と娘が、戦火の中、エゲツない光景を目の当たりにしつつ、互いを探し求め続ける。映画で描かれる時間も場所も行ったり来たり、解りやすい構成とは言えないけれど、この構成が、迷宮のような感覚と言いますか。いやむしろ、未来永劫続く無間地獄とでも言いますか。時間軸の曖昧さは、逆に、この親娘の無限に続く苦しみを感じさせ、そこにこそ本作のエゲツないまでの“コワさ”を感じました。乗っていた船が攻撃を受け、海に投げ出されたナージャは、機雷にしがみついて漂流し、一命をとりとめる。しかしまるで彼女の命と引き換えのように、他の船がその機雷で沈没してしまう。あるいは、ドイツ兵に追われるナージャがある女性に助けられる、しかしその際にドイツ兵を殺害したため、報復として他の村人たちが虐殺される。ナージャが生き残るために、無数の人々が犠牲になる、それは生き残ってしまった者が宿命的に抱える罪。戦争の罪悪だけではなく、この映画では、生きることに伴う原罪そのものが、我々に突き付けられるのです。そしてその原罪を抱えながら、互いに会える見込みも無く互いの姿を求めて無限の時間を彷徨い続ける親娘。コレ、手塚治虫の『火の鳥』が想い出されて仕方が無い。この親娘の姿と、猿田の姿がダブって仕方が無い。彼らは、自身が無限に苦しみ続ける存在であるとともに、他のすべての人々の苦しみに対する傍観者でもある訳で。この映画においては、この親娘だけが主人公じゃない。むしろ、彼らの目を通じて描かれる、彼らを取り巻くすべての人々が、主人公とも言えます。足が切断された兵士の死体、と思いきや、その兵士はまだ息があり、しかし降り積もる雪にやがてその姿は消え去っていく。無言の、無名の、人々の、無数の姿。この映画は、ひたすら“周辺”を描き、その“周辺”によって中心にあるものを暗示する、という作品であって、そこに伴う絶望感たるや、これはもう、稀有の作品と言ってよいのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 9点(2012-02-18 22:31:52)(良:1票) |
2203. ミツバチのささやき
ドン・ホセがハンサム過ぎる・・・。一生自由を得ることのない働き蜂について父親が語る時、それは時代の閉塞感と子供たちの暗い未来を語ってもいるのだけど、作品の背景にあるスペイン内乱。大恐慌から世界大戦へと向うその時代の閉塞感というものは、何だかこの、世界が不況にあえいでいる21世紀初頭の今とリンクしている気がしてならない。なりふりかまわぬ通貨安競争、近隣窮乏化政策。そしてTPPの行く末にあるものは、かつて日本を追いつめたブロック経済ではないのか?次に追いつめられる国は?(って、まあ、そりゃ、ねえ) 冷戦下より、まさにこの今こそが、真にヤバいんじゃないのだろうか。とか思いつつ。この映画ではそんな不安の時代(今、まさに我々が抱える不安でもある)を背景に、その軸(大人の世界)と直交するように、子供と“死”との戯れ、という軸が描かれる。これは内乱の不安とは別個に存在する永遠の不安。両者がクロスした時、不安の二乗、どうにもならない閉塞感。イザベルがふざけて死んだふりをすることができるのは、明らかに「生」の側に立ち、「死」というものを知識として把握できているからだろうけど、その点、汽車が来るギリギリまで線路に立っているアナの方が「死」に近いポジションにいるのだろう。火を飛び越えて遊ぶイザベルの行為は確かに危険ではあるけれど、その後、暗くなるまで火を見つめているアナの方が、よほど危険な立ち位置である。ふたりで遊んだ、井戸の横の家は、アナと脱走兵の交流、すなわち死との交流の場となり・・・。直交する軸は二度交わることがない。解を見出すことなく、「どうにもならなさ」だけを残して、映画は去ってゆく。そして今また再び、我々は、見出すことの決してできない解を見出すこと、を求められる時代に生きているのかも知れないのだけど。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-04 03:51:28)(良:1票) |
2204. バットマン リターンズ
はいこの作品、以前から苦手です。これはさすがに「やり過ぎ」ですね。だいたいこの“ペンギン”というヤツ。口からキタナイ色のヨダレ垂らして、ヒーロー娯楽映画にあるまじき趣味の悪さ。いや、それは良いとしても、そういう露悪趣味の塊りのようなキャラのくせに、我々に媚を売りすぎじゃないか。この映画ではもはやバットマンは成金趣味の中年オヤジ、“かわいそうなペンギン”をいじめる悪いやつ(今作のバットマン、どっちかというとドン臭くて、あまりカッコ良くは描かれてないよね)。いやもう結構。「異形だから哀しいんです」なんて白々しいこと、こんな陳腐な手法で言ってくれるな。“ペンギン”が最後に起こそうとする破壊活動、まさにティル・オイレシュピーゲルの誓う全人類への復讐だけど、これを何の伏線もなくいきなり「はい、妨害電波~」と打ち破ってしまうバットマンとアルフレッド。これはイジメ以外の何物でもないワケで。何もそこまでバットマンを悪人して“ペンギン”を持ち上げんでもいいやんか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-01-29 09:03:42) |
2205. サクリファイス
この作品のオチは要するに、「親は無くとも子は育つ」ってヤツですね。口を聞くことができなかった子供が、植えたばかりの木の下で、新しい世界の始まりを宣言する。そしてダメ押しのように、タルコフスキー監督から息子への献呈とメッセージが。「自分の人生は失敗だったと思わないか」「以前はそう思ったが、子供が生まれてからはそう思わなくなった」。自分の人生が自分だけの人生でなくなり、「子育て」という形で、他の人生のために費やされる。自分に子供が出来た時から始まる、自己犠牲。しかしそれは本当の意味の「犠牲」なのか? 一種の自己満足に過ぎないのではないのか? 口のきけない子供、声なき子供、その一方で、大人たちが始めてしまった戦争の影が、いつ明けるとも知れぬ夜の闇とともに、映画の中盤を覆い尽くす。挿入される戦争のイメージ、恐怖のイメージ。そして、その家に集まる大人たちの間にも渦巻くのもまた、結局のところは大人のエゴではなかったか。取り返しのつかない戦争。過去を取り戻すためならすべてを捨ててもよいという言葉、それは結局のところ、単なるノスタルジーであり、自分自身のための祈りではなかったか。そしてマリアの元へ向う主人公が求めていたものもまた、自分自身への慰めではなかったか。やがて明るい朝が来て、主人公の行った行為。それこそが、過去としての自己の否定と、次世代への無限の信頼、すなわち真の自己犠牲であったと思うワケです。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-29 08:32:17) |
2206. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 主人公の女性と、刑事との間に、恋愛を匂わせちゃったのが、この作品のよくわからんところ―――これを作品の多層性と言えば聞こえはいいけど、路線として本当にこれでよかったのかしらん? あまりに殺伐とした作品となってしまわないように(ダーティ・ハリー4にキャラハン刑事が登場しなかったら?)、こうやって潤いを持たせたのだろうか。孤独な主人公に対し、最後の最後に至って差し伸べられた、支えの手。もちろん解決と言うには程遠いのだけど・・・。と言う訳で、この映画は、平穏な生活を破壊された主人公の、孤独の映画。何度も現れる主人公の“歩く姿”が、孤独を浮き彫りにする。そしてまたこれは、過去の平穏な生活だけではなく、現在の自分自身をも見失っていく映画。悪人退治。それはまさに、殺るか殺られるか。とりあえず主人公は、丸腰の相手に不意打ちを食らわせてまで悪人を殺す訳ではなく、一応は、撃たれそうになったりナイフを突き付けられたりハネられそうになったりした上での殺害であり、時には相手に大怪我を負わされたりもする(ただし、次第に自分から危険を呼び込み、殺すべくして殺す方向へと向って行っているのだけど)。狂気と正常のはざま。そしてついに見つけた憎き敵。クライマックスにおける“復讐”は、それまでの悪人退治とは趣きを異にする。不意打ちの、一方的な殺害。逆襲も受けるが、すぐに刑事が駆け付け、あっさりと有利な立場に舞い戻る、そしてやっぱり、無防備な相手を殺害する。復讐の完遂、すなわち不安定で自分を見失いうつある状態の終着であり、また、無防備な相手を殺害するという、これはもはや狂気の世界でもある。そして何より、正常の側に自分を繋ぎとめていた筈の刑事、彼までもが復讐へ加担する。もはや彼女には何も残っていない、ただ静かに消え去るしかない。という何とも寂しいラストでございました。ところで刑事はこの後、あんな無茶苦茶な説明(で、周りを納得させられたのだろうか。どうでもいいんだけどね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-24 23:34:47) |
2207. スルース(2007)
観直してみて、ジュード・ロウとマイケル・ケインが完全に二人一緒に写っているショットが、意外に多かったんだなあ、と驚いた。もっと限られたシーンだけ(ネックレスをつけるシーンとか)だったかと勘違いをしていたもんで。会話する二人が完全に別ショットで区切られているシーンもあるけれど、それは必ずしも多い訳ではない。しかしそれでも「二人一緒の場面」という印象が薄かったのは、種々の目眩ましが施されているからであろう。様々な障害物、様々な光。場面によっては、モニターに映る姿を含めると二人よりも多くの人物が現れるシーンもある。限られた登場人物、限られた舞台の中でありながら、そこには多様な光景が織り込まれ、ただひたすら、変容が繰り広げられていく。あーホンマに気色の悪い映画やったなあ。 [地上波(字幕)] 7点(2012-01-14 23:45:14) |
2208. 誰が為に鐘は鳴る
スペイン内戦を素材にしたヘミングウェイの小説の映画化。内戦終結から間もない1940年に発表されたこの小説を、早速映画化し、43年に公開、ってんだから、ものすごーくタイムリー(しかも実際は、内戦が終結したというより、戦火が第2次大戦へと拡大したのがこの時代)。ということを思うと、意外におとなしい作品、という気もします。打倒ファシスト!みたいなプロパガンダ色は感じられず、ベストセラー小説をそのまんまスペクタクル映画に焼き直してみました、というノリでしょうか。細かいことは抜きで、とりあえず戦争映画だからスペクタクルです、恋愛もあります、ちゃんとスターを起用してます、どうかよろしく、と。ハードボイルドな原作に比べると、やはり映画の方はいかにも軟派な感じで、愛想のよい作風。主人公ロバート・ジョーダンから受ける印象も、「ひたすら行動の人」と言う感じではなくて、結構ベタベタな恋愛シーンを繰り広げてくれちゃったりする、人間的なオジサン。恋愛ありアクションあり、まさに娯楽作品の王道、な訳ですが。ただこの映画、原作の細かいエピソードやらセリフやらを、あまり深く考えずにバカ正直に脚本に取り入れちゃったりしていて(細かくない所はカットするくせに)、ちょっと節操が無い気もします(そのエピソードなりセリフなりが、原作においてどういう意味を持つのか、映画の中でどういう意味を持たせるのか)。もうちょっとオリジナリティを発揮しちゃったりしてもよかったんでは・・・。ところでこの作品、観ているとどうしてもクーパーとバーグマンの二人に視線が行ってしまうのですが、何しろこの二人以外は皆、顔に薄汚れたメークをして、岩肌みたいな顔の色してるもんで、まるで保護色。まるでカメレオン。二人が目立つというより、二人以外が目立たないのです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-14 23:01:33) |
2209. バットマン・フォーエヴァー
先日『バットマン』をウチの子供たちと観たらなかなか好評で、以降何かにつけ「バットマン、バットマン」と言うもんで、ではもう一作。ただし『リターンズ』はさすがに子供が楽しむには厳しいかと思われるのでこれはパスし、『フォーエヴァー』へ。敵の怪人は2人出てくるし、味方も増えるし、かなりオコサマ向けだからイケルかと思ったんですが、まあ、それなり、ほどほどに楽しんでましたかね(バットマン役が代わっている点、説明を要するところではある)。今回の敵はまず、ナゾナゾ大好きのナゾラー(←という名前だったと思うのだが・・・)。体中がハテナマークの衣装、しかもこれがピカピカ光ったりするあたり、さすがは衣装担当出身のジョエル・シュマッカー監督(←全然感心してないくせに・・・)。この安直なキャラ、ゴレンジャーの「○○仮面」を彷彿とさせるものがありますね。そしてもう一人の怪人はトゥーフェイス。これを演じられるのはトミーリーではなくて、やっぱしトム・クルーズじゃないですかねえ(アイスマンと奥さんがイチャイチャしてりゃ、そりゃトゥーフェイスにもなろうってもの)。それはともかくとしまして、この第3作。常識範囲内のバカバカしさ、きらびやかさで、4作の中では一番マトモだと、(少なくとも今回見直すまでは)思ってたんですが、その分やっぱりちょっと「弱い」のかな、と。一通り物語を追ってみました、ゴテゴテでハデハデな感じも一通り盛り込んでみました、みんなが観て喜ぶような楽しい作品にもしてみました。でも、それだけ、という印象。前2作からの「それなりに踏襲、それなりに路線変更」だけで終わってしまって、張り合いの無い作品になっちゃってる。緊張感の欠如。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-09 11:02:05) |
2210. ワイルド・スピード/MAX
ここまでの3作、結構楽しませてもらったのですが・・・ここに至って失速しましたかね。冒頭のスタントに期待が高まったものの、すぐに「もう全面的にCGに頼っちゃいまーす」という割り切りが見えてきて。ラストの方ではちょっとマッドマックスごっこみたいなところがあってニヤリとさせるも、やっぱり映像はCGへ。第1作の二人を出演させてみるも、もはや二人の関係には、緊張感も面白みも無いし。あと、中盤の路上レースのシーンで、カーナビ画面を使ってシチュエーションを“解説”しちゃったのは・・・この手法、確かにわかりやすいんですけどね。でもお手軽過ぎ、ですよね。 [地上波(吹替)] 5点(2012-01-07 09:58:08) |
2211. S.W.A.T.
ソニーピクチャーズがお送りする、鉄板リメイクシリーズの一本。これまでもスパイダーマンだのチャリエンだのと過去のソフトを蒸し返した挙句、さすがに『SWAT』の映画化ってのは、きついよね~、とばかりに、かなりやる気の感じられない作品になっています。冒頭いきなりの銃撃戦から、ラストのタイマン勝負にいたるまで、誰と誰が戦っているのやら雑な描写が続き(さらには、それらの戦いに何のドラマ性も裏打ちさせていない、まーはっきり言ってどうでもいい戦いであるところが、何とも弱い)、この投げやり感たるや、ある意味、画期的な気もいたします。オレを助けたら1億ドルやるぞ~ってか。1ドルを置くんちゃいまっせ(←トミーズのネタ)。1億ドルって、日本円に直すと100億まんせんまんえんくらいですかね~。確か仮面ライダーエターナルも100億円出すって言ってたなあ。同レベルですね。と、このあたりから、飛行機のくだりまで、とってもとっても荒唐無稽で、非常によろしかったかと思います。この部分だけ、他の映画に移植したいですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-07 09:41:59) |
2212. バットマン(1989)
ティム・バートンが製作にも関わって歯止めが効かなくなった第2作よりも、ある程度制御された(ようには見えないけど。笑)この第1作の方が、やはり楽しめます。大の大人たちが、コスプレしてメークして、変なマシンが続々登場して、ヒーローごっこに興じて、と言う訳で本作は、お祭り映画ですね(第2作はもはや“奇祭”という感じ)。それにしてもジャック・ニコルソン、どんなにメークしてもやっぱりニコルソン顔なのが、ある意味スゴイと思います。このヒト、指名手配されたら、絶対逃げ切れないと思う。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-04 09:55:51) |
2213. ジャッカル
うわめっちゃオモロイやん。以前観た時はなぜつまらんと思ったのだろうか。ってそりゃ、映画『ジャッカルの日』のオモシロさ、さらには小説『ジャッカルの日』の面白さ(ホントに興奮したなあ)があったからに決まってるんですけどね。大体この『ジャッカル』、原作が「ケネス・ロスの脚本」(フォーサイスの小説ではなくて)とせざるを得なかったところがすでにトホホなんですけれども。しかしその逆境にもめげず、よくぞ製作してくれました。もうこれ、オリジナル作品です、『ジャッカルの日』との関連なんて、事前に試射してみるシーンくらいのもんでしょ。優秀な殺し屋が、よりにもよって暗殺にあんな大砲みたいなヤツを使うなんていう発想が素敵です。前半は、ケガとカツラが似合う男、ブルース・ウィリスが、カツラまたカツラのファッションショー、神出鬼没とばかりに様々な場所に現れる。髪型と背景がひたすら変化し続ける、というのが面白く、自動車のペインティングなどを着々とこなしていく描写も面白い。要するにこの怪人ぶり。ギア様はちょっと存在感が薄く、だもんで、ギア様関連の背景も薄くなってしまった感があるのが惜しい(ってか致命的かも)点ですけど、地下鉄での追跡劇などは、今回観てて本当にシビれました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-04 09:44:38)(笑:1票) |
2214. ジャーロ
冒頭、字幕が英語で出てきて「おいおいこのDVD不良品か?」と思いつつ、よく聞くと会話がニホンゴで(意外に上手い。変だけど)、ちょっとビックリ。しかし中盤で、我々日本人でも聴き取れないニホンゴをスラスラと聴き取るヤツが出てきて(「オーショク」って言われても、なあ・・・)、もっとビックリ。すしのための魚おいしいです、ハイ。それにしてもこの作品、なんなんでしょ。最初は「さすがアルジェント、雰囲気あるね」と、それなりに作品に対して協力的に(笑)観てる訳ですが、そんな甘っちょろい期待感は見事に粉砕してくれます。変です。ヘンテコです。コレ、ワザとやってるんですかねえ。ワザとやってるんでしょうねえ。ワザとやらないでいいのにねえ。誘拐された女性の姉が警察に捜査を求めに行くが、相手にされず、ただ地下へ行けと言われる。地下にいたのが変人のエイドリアン・ブロディ警部。ここまでは良かった。後はひたすらヘン。暗い過去を抱えたとかいう一匹オオカミの警部もショボければ、猟奇的犯人(Byron Deidraと言うヒト。ヘタなアナグラムもあったもんです)もこれまたショボくて。中途半端にシメっぽく、中途半端にアホらしい、というのがどうにも困ったところ。種々のデタラメさ(あり得ない設定の連続)もさることながら、警部がヒーローでも何でもなく、何も解決しないところ、いわばこの中途半端さが“オチ”でもあるのだけど、だからなんやねん。こんな作品でアルジェントの新境地だの、集大成だのと、JAROに電話しちゃうよ、もう。と言う訳で、なんやかんやと結構楽しめましたです。 [DVD(字幕)] 6点(2012-01-04 09:19:22) |
2215. 大列車作戦
「大列車作戦」って、語感が悪いですね~。「大スパイ作戦」では視聴率伸びないでしょ。さて本作。占領下のフランスから、ナチスドイツが大量の美術品を運び出そうとする。それをレジスタンスたちが、列車を利用したあの手この手で、阻止しようとするお話。やってることは小細工というか単なるイヤガラセというか、結構チマチマしているのですが、これを実際の機関車使ってダイナミックに演出されてしまうと、これはもう映画として圧巻。さらには、バート・ランカスターの身のこなしがこれまた凄い。梯子を滑り降りて機関車に飛び乗る一連の動き、機関車のパーツを流れるように作る一連の動き。これらのダイナミックなアクションの一方で、美術品のために人命が失われて行ってしまうという矛盾が描かれ、そこから生じる虚無感の漂う作品ともなっております。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-03 14:11:22) |
2216. さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
ひょんなことから1作目を観たもんで、コチラも観ようかと。いや~久しぶりに観ました、前回観たのはいつだったか、その際にテレビ版との違いをチェックしたつもりだったけど、マトモに覚えていたのは、映画版では誰が死ぬか(誰が生き残るか、の方が正しい表現?)くらいのもの。他はもう見事に記憶がゴチャゴチャになっておりました。そーか、土方はアンドロメダの艦長じゃなかったのか、等々(アンドロメダの存在感無さすぎですね)。しかしそんなことより驚いたのが、コレ、『インデペンデンス・デイ』にものすごーく影響与えてないですか? 白色彗星帝国が停止したところで帝国の側面へヤマトが攻撃するが全く効かない、というシーンの描写。母船への攻撃がバリアで阻止させるシーンにそっくりですな。下部に弱点がある点も(笑)。そういえば敵の戦闘機の形状まで。似てるんじゃないですか。ってのが今回の一番の印象です。ストーリーは、と言うと、前作を蒸し返してネタ切れを感じさせる部分があり、ちょっと苦しいですかね(デスラーとの戦いは、ドメル戦の二番煎じだし)。ただ、全体的に白兵戦が多いのが、悲壮感を感じさせるところ。あと、テレビ版との大きな違いでもありまた大差無い点でもある(笑)ラスト、この賛否両論のある(否はあっても賛は無い?)ラストですが。前作には「大和は帰ってこなかったが、ヤマトは帰ってこられるのか」というテーマがあり、地球に向うヤマトの姿が印象的でしたが、本作のラストには、地球を背にするヤマトの姿があり、そういう意味で、対照となる2作を持ってヤマトシリーズを終えても、これはこれで良かったんではないかな、と。 [DVD(邦画)] 7点(2012-01-03 13:31:37) |
2217. 塔の上のラプンツェル
《ネタバレ》 髪の持つ“奇跡”を備えて生まれた少女が、かえってその“奇跡”によって囚われの身となっており、その“奇跡”を手放すことによって自由を得る。この長い長い髪がトグロを巻いているのを見ると、ごめん、どうもソーメンが食べたくなってくるのだけど、それはどうもよくて。その「自由を手に入れる」というコトが、この物語においては、「誘拐犯(一応、育ての親と言えなくもないのだけど)を見捨てる」、という矮小化された行為に過ぎないのが、何だか白けるところ。そりゃまあ、交換条件として“奇跡”を手放すことになるのだけど、どうも見てもこれが単に、“邪魔な長すぎる髪を切っただけ”(短い黒髪がまたやたら可愛く描かれてるしなあ)。でしかも、やっと手にした自由、と思いきや、今度はあんなツマラン男につかまってしまうとは、プンプン(←この辺りがいかにもオッサンのコメントですが)。と言う訳で、内容はさておくことにして、CGの表現力に圧倒される映画、でありました。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2012-01-03 12:40:53) |
2218. カーズ2
マックィーンなんぞというキャラは脇役に回した方がよい、という点によくぞ気付いてくれました、おかげで抜群に面白くなったこの第2作。いや続編なんてことは気にせず、単独の作品としてこの“ミステリの傑作”を楽しめばよろしいか、と。もちろんこの、スピード感あふれるアクションも。 [DVD(吹替)] 8点(2012-01-03 12:21:16) |
2219. 悪魔のしたたり/ブラッドサッキング・フリークス
江戸川乱歩もビックリの「舞台で行われている殺人劇は実はホントの殺人でしたとさ」という作品。「脳味噌チュルチュル」などの変態シーンの連続、かなりビョーキの作品ですが、“批評家を血祭りにあげる”などというテーマ性には、一応自覚症状も見てとることができますね。ははは。「こんな映画、どうやって終わらせるねん」と思いつつも、あまりにもヒドイ内容なので感覚がマヒしてきてしまったのか、ラストでは「おお、なるほど」と妙に納得してしまった自分がいる。 点数は一応、1点としておきますが・・・点数をつけることに何の意味もありませんけどね。 [DVD(字幕)] 1点(2012-01-02 08:12:50)(良:1票) |
2220. ザ・タウン
《ネタバレ》 どうみてもベン・アフレックという人はいわゆる「残念な人」系列にしか見えないのだけど、いや~こんな凄い映画を作ってしまうとは、人は見かけによらぬもの。ここにあるのは、単純な善vs悪の構図でもないし、単純な恋愛劇でもない。描かれているのは街の光景、街を舞台に展開されるアクション、この街を支配する秩序。だからこその、ラストにおける「街を去る」ということの重み。シャレてる、と思う。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-12-31 09:13:33) |