2261. 上海グランド
何と言っても、レスリー・チャン&アンディ・ラウの男の艶やかさに引き込まれる。彼らの画面に映えるその目つきだったり、話し方というものはやはり魅力的だと感じた。ストーリー的には裏社会における男の友情とその破錠を描いたもので目新しさはないけど、演じる俳優に華があるので観ていて飽きることがなかった。最初のアンディ・ラウのキャラクターに疑問は残るが、この手の映画としてはなかなか秀逸な仕上がりだったと思う。レスリー・チャンの映画を多く観てきたわけではないが、惜しい俳優を亡くしたものだと思う。 7点(2003-12-08 17:06:19)(良:1票) |
2262. シックスティナイン
タランティーノ、もしくは日本のSABU監督作品を思い起こすような、日常の破錠によるバイオレンスな展開がシニカルなユーモアと衝撃に溢れタイのこの新鋭監督に力量を感じた。汗が染み出るようなじっとりとしたタイの空気感が異様な緊張感に拍車をかける。なかなか魅せるタイ映画だった。 7点(2003-12-08 16:58:41) |
2263. GHOST SOUP
一風変わった天使(?)に扮した鈴木蘭々とデーブ・スペクターのコンビが可笑しい。テレビ作品なので、フィルム作品における岩井俊二の映像美はないが、彼らしいと言えるファンタジーに溢れている。ユニークで温かい年の瀬にふさわしい作品。 6点(2003-12-08 16:47:32) |
2264. あずみ
原作の設定と流れをただなぞっただけの映画作りに落胆したというのが正直な印象だ。個人的には原作自体あまり好きではないのだけれど、それでも原作の持つパワーと真意をまったく反映できていないように感じたことは否めない。せめてこの監督得意とするアクション描写だけは評判通りのインパクトを与えてくれるかと思ったが、それさえも下手なワイヤーアクションやスローモーションを多用しただけに過ぎない陳腐なものだった。カメラワークもただ右往左往するだけで観客を引き込むだけの斬新さはまったく無かったと言える。おそらくろくな演出もなかったらしく、俳優陣の演技もことごとく軽薄である。主演の上戸彩はあずみのキャラクターにはハマっていて、アイドルという肩書きを感じさせない眼光を見せていたが、映画の中でのキャラクター自体が薄かったためもうひとつ目立たない。唯一の救いは「あ、やられちゃったよ」と死んでいく遠藤憲一か…。とにかく、海外からの評価も高い北村龍平であるが、その映画監督としての資質には疑問が残る。 3点(2003-12-08 16:31:59) |
2265. アンラッキー・モンキー
相変わらずと言っていい主人公の疾走と共に破錠していく展開は興味深いが、例えば「ポストマン・ブルース」ほどのストーリー的な完成度の高さは無かった。主人公の幻想のまま物語自体もぼやけて終わってしまった感が拭えない。 5点(2003-12-05 23:17:20) |
2266. ソナチネ(1993)
北野映画におけるヤクザ描写は今作において確立されたと思う。独特の凶暴性と哀愁、ユーモアを含んだヤクザの面々はある意味、北野武監督の最大の売りであることは間違いない。特に今作における大杉漣のキャラクターはそれを代表するものであり、狂気と哀愁に溢れている。映画監督北野武の名を知らしめた紛れもなく傑作。 8点(2003-12-05 23:06:04) |
2267. 五条霊戦記//GOJOE
結論付けるならば、やはり石井監督の演出が不味いと言うほかない。これだけのキャストを揃えておきながら、退屈極まりない展開には落胆の程が大きい。ストーリー自体の盛り上がりの無さも致命的であるが、派手なばかりで見にくい映像世界が観ていて辛かった。 3点(2003-12-05 17:11:14) |
2268. TAXi2
今作の場合、続編ならではの新しさは必要なく、前作のようなノリの良ささえ携えていればそれなりに楽しい映画になっていたはずなのに、それさえ消えうせ只々くだらない駄作に終始してしまった。モロに狙ったギャクも一切笑えず、出るのは失笑ばかり。 2点(2003-12-05 16:20:10) |
2269. パーフェクト ストーム
災害パニック映画は大好きな私であるが、今作の完成度の高さは数ある災害映画の中でも随一でなかったかと思う。神の意志さえ感じそうな荒れ狂う高波のCGは圧倒的なクオリティの高さだった。何よりも私が感心したのは、今作のラストである。このラストこそ、最も災害を真摯に描いた結果だと思うのだ。 8点(2003-12-05 16:15:11) |
2270. リプリー
俳優それぞれの演技や部分的な演出は極めて巧く、秀逸な世界観を創造していたと思うが、映画全体としては完成度に欠ける感があった。終盤のストーリー展開に盛り上がりに欠ける印象があり、それが最たる敗因だと思う。マット・デイモンの気持ち悪さはなかなか良かった。 5点(2003-12-05 16:09:41) |
2271. グラディエーター
物語のスケール、映像的な怒涛の迫力は大作の名にふさわしく、壮大な映画であることは間違いないのだけれど、それほどの印象深さがない。面白かったし、もう一度観ても面白いという感想は変わらないだろうけど、あまり心に残ることはないだろうと思う。 7点(2003-12-03 13:19:33) |
2272. 雨に唄えば
有名すぎるほどの土砂降りの中でのダンスシーンは流石に素晴らしく、圧倒的な迫力があった。ストーリーに説得力やリアリティなんて皆無だが、それでもその映画世界に引き込まれる。これこそ映画の最大の魅力であり、娯楽映画のエネルギーであろう。 8点(2003-12-03 13:05:36) |
2273. ゴッドファーザー
名俳優たちの存在感たっぷりの演技や、監督の濃厚な演出には確かに目を見張ったが、ストーリー自体に世論ほどの物語性と感慨深さを感じなかった。長~い尺のせいもあるかもしれないが、盛り上がりのないストーリーには明らかに間延びの感があった。世間的にいやにこの映画における「愛」を評価するものが多いが、どこにそれほど特筆するほどの愛が描かれているのか理解できない。これならば、まだ日本のヤクザ映画の方が愛と気概に溢れているのではないか。まだこのパート1しか観ていないので、続編も含めて再度観たいとは思いますが…。 5点(2003-12-03 13:00:56) |
2274. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
物語の超目的が「最期に海を見る」ということなのだが、主人公たちが壮絶な紆余曲折を経てたどり着くラストシーンの海が極めて美しく、感慨深い。ノリとテンポのよい中盤の展開も非常に巧く秀逸であるが、すべてが集約されるラストシーンには「あー、やられた」という感じだった。 9点(2003-12-03 12:52:19) |
2275. 八つ墓村(1996)
金田一シリーズとしては初めて観た映画だった。豊川悦史の演技が駄目だったのかどうかは分からないが、金田一のキャラクターにしっくりとこないものを感じた。事件そのものに焦点を当てた物語なので仕方ないが、殺人そのものは最後まで完結してしまい、名探偵金田一の活躍がほとんどないことに拍子抜けを拭えなかった。 4点(2003-12-03 12:27:53) |
2276. タイフーン・シェルター
舞台は確か台湾かその辺だったと思うけど、アジアの異国での浅野忠信、緒川たまき演じる主人公らの生活を描いた作品。ストーリー的に盛り上がりはなく、緒川たまきのわざとらしいキャラクター性にも違和感がった。クリストファー・ドイルの映像美はさすがに綺麗だが洗練はされていないという印象。 3点(2003-12-03 12:21:47) |
2277. シティーハンター ベイシティウォーズ
テレビ放映されたのを観た記憶が薄っすらとある。「シティーハンター」は原作の作画が美しく巧いだけに、アニメ化した際のキャラクターの造型のクオリティの低さに違和感があった。でも声優の配役はなかなか良かったと思う。 3点(2003-12-01 15:39:48) |
2278. 食人族
スプラッター映画など絶対に観ることはない私であるが、こればかりは高校時代に付き合っていた人と観た記憶がある。まったくノリとはいえ、見たくないものは見るものではない。うぷ…。 1点(2003-12-01 15:32:05) |
2279. フードファイトスペシャル 香港死闘篇<TVM>
テレビドラマはまったく観ていなかったのに、このスペシャル版だけなぜか観てしまった。特急列車内で次々と表れる大食いの猛者どもを相手にしていくという展開は「男塾」的な漫画ぽっさがあってバカバカしくて好きだった。しかし主役の草薙の食べる様にまったく説得力がなく盛り上がることは微塵もなかった。 1点(2003-12-01 15:22:55) |
2280. エリザベス
映像的、展開的に映画としての盛り上がりにはやや欠ける感があったが、エリザベス一世の人物像を映像として見る上でケイト・ブランシェットの演技は極めて素晴らしく、その生き様に感慨深さを覚えた。愛を振り切り、女王としての宿命についに身をゆだねるラストシーンの彼女の姿はまさに衝撃的で、ある種の神々しささえ感じた。演技的にはブランシェットに尽きるが、脇を固めるジェフリー・ラッシュ、ジョセフ・ファインズ、ファニー・アルダンらの存在感も秀逸だった。ヴァンサン・カッセルのかぶきものぶりも印象的。 8点(2003-12-01 13:59:22) |