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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2514
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 宝塚とディズニープリンセスとプリキュアが好きな還暦+2おかま。
宙組は当分観ないわ。

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2321.  バイオレンスアクション 《ネタバレ》 
 ハシカンがバンバンとアクションキメる映画なんてそれだけで最高!...って期待してたのだけど、酷くポンコツな映画でシオシオのパーよ。最初からバカくさいカット割、編集で台無し。   そもそもハシカンがなんで殺し屋なのか判んないのよね。どういう過去、経緯、経験、意志、思い、キモチから人を殺してるのか最後まで不明。人殺しよりも簿記の勉強の方が大事らしいっていうのは判るのだけど。  それに毎度お馴染みなヤクザの内部抗争話なんて面白くもなんともない上、親分がねちっこいクドい演技(つーか芸風)でゲンナリな佐藤二朗さんでしょ? 更に岡村隆史さんもテレビで見るいつものバラエティノリだし、アイツただの不死身だし、あんな店構えじゃ普通にお客さん入ってきちゃうの当たり前だし、警察存在してないし、あの状況から彼が生き延びる方法を論理的に説明して頂きたいところだし、もうマジメに映画作ろうって気はないです、みたいな。  唯一良かったのは太田夢莉さん演じるスナイパーだりあくらいね。彼女にはドラマがあったし血が通ってたわ。それでももっと掘り下げて、いや、せめてもうちょっと長くスクリーンに映しておいて欲しかったけれど。   これマンガ原作なので多分マンガの感覚を映画で表現してみようとしてるのよね? でもコマ割みたいな繋がってないカットは本当にちゃんと繋がってなくて破綻しちゃってるわ。そのアクションと次のアクションは矛盾してるので成立しません、みたいな箇所がたっぷり。ハシカン本人が動いてるところはモッサリしてるし、かと思うとフラッシュかソニックかみたいな動きしちゃったりするし(あれだけ動けるのならば中盤以降苦戦なんかしないハズでしょ?)。   もっと圧倒的に激強で可愛くてカッコいいだけで良かったのに、そしてもっと上映時間ずっと短ければ良かったのにね。途中でもう見るのやめて帰ろっかな・・・とか思っちゃったわ。そうは言っても貧乏性だから見ちゃうんだけど。
[映画館(邦画)] 3点(2022-09-08 21:30:26)(良:1票)
2322.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 
 浜辺美波が可愛い以外の感想が出てこないわ。原作知らないけど、つまんない映画。   ここからはネタバレ注意ね。   まず、予告編やCMから受ける情報と実際の映画とは大きな違いが2つあって、もはや詐欺みたいなモノね。  1つは3人の探偵&助手がペンションで起こる殺人事件に立ち向かうって印象だけど、実際には1人は早々に退場しちゃうわ。なんていうの、『エグゼクティブ・デシジョン』のセガールっていうか『ディープブルー』のサミュエルみたいなモンね。  もう1つはゾンビものだってこと。ゾンビが跋扈する世界での閉ざされた空間での殺人ミステリーなのよね。ゾンビと何かをブレンドしてみたのはいけれど大して面白くない、って『アナと世界の終わり』みたいね。   で、ゾンビ化してしまうのは誰かが野外フェス会場でウィルスを注射しまくるテロによるものなのだけれど、そこは具体的な説明をしないのよね。犯人の目的とか動機とか一切描写ナシ。解決すらしてないの。つまりゾンビが存在する理由付けのためだけの設定なの。ならば人の手によってゾンビが生まれました、なんて説明も要らないんじゃない? ハンパね。  コメディタッチでワリと寒めなお笑い描写が頻出するのだけれど、根は陰惨だったり悲劇的だったりして、それをお笑いが緩和するというよりもアンバランスな印象を与えてるわ。ラストシーンからエンドロールへ至る部分なんか、お客さんみんな呆然ってカンジよ。なんかそこに救いがあるのかと思ったら、そんな終わり方?みたいな。  ミステリーとしてはそれ成立するの?ってレベルで(何しろゾンビものなので)、なるほど!みたいな推理が見られるワケでもなくて。ハンパに金田一耕助モノのパロディ入れたりするのも意味不明ね。   極端に短いカットの連続やここが見せ場ですよ的なスローモーションも煩わしいばかりで、なんだかしょーもないモノを見せられてる、って口あんぐり。   それでも浜辺美波は可愛かったわ。それだけ。
[映画館(邦画)] 3点(2019-12-24 21:31:05)
2323.  GODZILLA 星を喰う者 《ネタバレ》 
 どんな映画でもそれなりに入るTOHOシネマズ六本木ヒルズ、今回は前作から1人減って自分も含めて観客5人ね。  毎回モンク書きまくりなシリーズも今回で完結。もちろん、いきなり名作!ってコトになるなんて思ってはいないので、ポイントでタダ見。   今回もかなりつまらなかったのだけど、でも明確なテーマを打ち出して終わらせただけマシと言える・・・のかしらねぇ。   前半に延々と禅問答が続くのはこれまでと一緒。  ゴジラがシンボリックな存在で、それは別にゴジラじゃなくても成立するでしょ?というのも一緒。  そしてゴジラがあんまり動かないのも一緒。   一応話がまとまって終わらせている点はマシ、なのかもしれないのだけど、でもそこに至る道筋がどうにも色々とイヤなカンジで。   宇宙の真理みたいな大きなモノと人間の感情っていう小さなモノとの話なわけだけど、大きなモノの意識が傲慢なのよね。その傲慢さは作者の傲慢さにも繋がっている気がして仕方ないわ。  とりあえず真理を置いておきますね、そしてその上で人間はどうあるべきかのテーマを打ち出しましょう、みたいな感じで、あなたのホンネは上から目線のあのキャラに反映されてるんじゃなくて?みたいに思ってしまって。宇宙規模の高次では広島・長崎すらも肯定されるものなのかしら?って言いたくなっちゃう。 それ、傲慢だし、頭でっかちな中二病っぽくって呆れるわ。   あと、展開から思えば双子は大人の女性としてデザインされなければならなかったわよね。未成年者の少女に見えるわけだけど、無自覚でああいうコトをさせているのだとしたら、とても気持ち悪いわ。その性癖は一生秘匿して生きてゆくべきじゃなくて? 大々的にスタッフを動員して表現するもの?  というか、その古臭い考え方そのもの(女性を田んぼや苗床として捉えているようなモノね)が気持ち悪くて。   1作目からずっと行動に納得できる点のない主人公が最終的に他人まで巻き込んで自己完結して酔ってるような映画、それは製作者の姿を映すようで、まー酷い3部作だったわ。
[映画館(邦画)] 3点(2018-11-16 19:48:27)
2324.  デス・ウィッシュ 《ネタバレ》 
 これねぇ、単純な復讐モノの娯楽映画として作れば良かったのよね。もうなーんにも考えてない、悪いヤツを父ちゃんがボコりますよ、ってそれだけで閉じた世界にしちゃえば面白い映画だったと思うの。   冒頭、アメリカの銃社会に警鐘を鳴らすような作品?と思わせちゃうわけよ。シカゴでの銃での死傷者がどうこう、増加してどうこうって説明するわけね。  で、その上で、映画は「自分の大切な人は自分で守るしかないので、家に銃を常備して、銃を手に取り、その時に備えましょう」みたいなハナシになっちゃうワケ。ウラで全米ライフル協会がバックアップしてる?とか思ってしまうような作品ね。   武力にはもっと大きな武力で対抗しましょう、武力による正義が暴力に対する抑止力になるのです、みたいなニオイがしてしまって、あー、コレはダメって。  SNSの時代なので、当然、主人公の粛清行為に対する反応が描かれるのだけど、法を無視した個人による制裁の否定に持ってゆくことがないの。一応賛否両論的な描写はあっても、最終的には肯定しちゃってるわよね、アレ。  悪者世界だけで閉じちゃってるんじゃなくて、そういう社会との接点を描いた以上は、そこに社会性を織り込まなければいけないんじゃない? 行為に対する責任は描かれるべきで、そこは娯楽映画だから、って逃げちゃうのは問題でしょうよ。   しかも被害者側と加害者やチンピラ側とで人種や階層の線引きしてるっていうね。こういう人達って、こういう連中よね、っていうイメージをハッキリキッチリさせてるわけ。  そして最後はまるで主人公の活躍によって犯罪率が減少したような印象を与える、っていう。  「力による正義」なんてものが通用するなんて本当は信じてないでしょうに。   こんなもん、トランプ政権下でのプロパガンダって思われても仕方ない感じ。何やってんだか、馬鹿アメリカ映画界。
[映画館(字幕)] 3点(2018-11-01 19:26:24)(笑:1票)
2325.  GODZILLA 決戦機動増殖都市 《ネタバレ》 
 同時期に『レディ・プレイヤー1』『パシフィック・リム:アップ・ライジング』『ランペイジ 巨獣大乱闘』と怪獣リスペクトなハリウッド映画が次々公開されている中、本家の看板をぶら下げてるコレは一体何をやっているのやら。   基本は前作と一緒。ゴジラをダシに、設定世界のおたく的披露に終始する映画。前半というか、大部分が大量のセリフによる設定の説明、クライマックス部分にアクションあります、と。しかし、今回メカゴジラが登場するわけですが、これもおたく的ヒネリを効かせてみました、って状態で、その設定を面白がれるのって虚淵玄ファンくらいのモンでしょ、っていう。そんなメカゴジラを見せられて楽しいか?と。『レディ・プレイヤー1』のメカゴジラのサービス精神の欠片もないわ。  そのクライマックスにしても前作と似たような絵ヅラに終始して、やってること、ほんと、前作と変わりゃしません。3部作なわけですが、1作目から作品として発展してないって、しょーもない。  主人公は相変わらず優柔不断で行き当たりばったり、ヒロインや武闘派の種族の連中の言動もまるで共感できず、キャラにちっとも魅力がないのもそのまんま。   それでも前作よりはマシな点数付いてるのは、双子のキャラが良かった(しかしちっとも物語に活かせてないわけですが)のと、前作の存在がある分、入り込み易い(つまりここから見ても訳わからない、これ1作では全く評価できない)から、それだけ。   双子と卵って要素を出しつつモスラも出さずにスカして、とりあえず色々ワザとスカしてみせるやり方を面白がってるみたいですが(バカじゃね?)、ゴジラの看板を掲げている以上、抑えるべき最低限ってものがあるんじゃないかなぁ。今回のゴジラもまた、シンボリックな存在に終始してるだけですし。   どんな映画でもそれなりに入ってる六本木ヒルズのシネコンで観客6人とか、なかなかレアな体験させてくれた訳ですが、東宝的には笑い事じゃ済まないんじゃないですかねぇ。
[映画館(邦画)] 3点(2018-05-24 23:07:41)
2326.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》 
 こういう映画ってワリと初日に見に行ったりするのですが、これは前作があんまり好きじゃなかったので割引デーまで待って見に行きました。これが意外にも!ってな展開だと良かったんですけど、なんか前作より酷くなってません?   単純な表現で片付けてしまえば「子供向けのバカ映画に見えるけれど下品さと悪趣味さでどうやら子供向けではないらしい」あるいは「ロジャー・ムーア版のボンドをキタナく汚したような映画」。前作より知能指数下がった感が。   この監督の映画、毎度のことながら人を破壊するように殺すとか、人がただの物体と化すとかを面白がったり、快感を抱いているようで、そしてそれを隠さず、露悪的に見せびらかしてみるようでゲンナリ。そのアレだって、別にオリジナリティある訳じゃなくて、はいはい『エクスタミネーター』ね、としか、ねぇ。   で、その上で今回は脚本がとても雑でいい加減で。  人(や犬)がどんどん死んでゆくのですが、そこにちっとも「気持ち」が感じられないままにどんどんすっ飛ばされてしまう状態で、なんか冷たい映画って印象。  ハル・ベリーが最終的に昇格するまでの過程はセリフで現状に不満を言った、という単純なフラグだけで済まされてますし(アレは現場に出て活躍させてこそなんじゃ?)、主人公がカノジョのパパに暴言を吐いた後の処理がないままに結婚式まですっ飛ばれてされてしまいますし。カノジョが主人公の努力によって救われたのでした、って流れが無いのが疑問です。あと犬の存在がその場限りで放置されたり。  記憶を戻すのにとても苦労したかと思えば、一発で記憶が甦るヤツもいるし、解毒剤は世界中に既に用意されていたり(じゃあ、あの場所までわざわざ取りに行く予定だった東洋人は何故そんなに遅かったの?)、ついでにどう考えても前のめりに転がるであろうゴンドラは急な斜面をあくまで滑り降りる、と。そこは大変にムーアのボンドっぽいですが。   冒頭のカーチェイスなど、もうCG使い過ぎちゃってCGアニメ状態で、なんでもアリ(だが数多のCGアニメ映画の方がよっぽど説得力のある画づくりをしてる訳で)、音響やかましく、汚い映像の羅列じゃ、これもう英国紳士っていう題材がただのギャグ要素でしかなくなっちゃってるんじゃないかと。  過去にちょっとくらい麻薬に手を出しちゃったとしても許してね、って言い訳がましさだけは伝わってきましたけどね。
[映画館(字幕)] 3点(2018-01-11 20:39:33)
2327.  斉木楠雄のΨ難 《ネタバレ》 
 私がこれまでに見た福田雄一監督作品の中では最もつまらない映画でした。   「何も無い映画」なんですよね。話としては何も起こらない。キャラクターが成長したり学習したりは一切しませんし、物語の始まりと終わりとで何かが変わる事はありませんし、何も生まれず何も失われません。  そして、そんな映画ならばそんな映画なりのあり様がある筈、そういう映画としての美学があっていい筈ですが、そんな事には一切頓着していなくて、単なるネタ集であり、そして殆どのネタがハズしてるという状態。原作マンガに準じているのでしょうが、マンガをそのまま映像にすればそれで面白いのか?という基本的な部分で間違っているのではないかと。   全てのキャラに一切のリアリティなどなく、この世界の中だけで閉じているキャラで、ならばこの世界なりのルール、面白さを示すべきだと思うのですが、そこを創造する気はさらさら無いようですし、単なる面白キャラなりの面白さすらも示せておらず、演じてる役者さん達はそこに存在し、その世界の登場人物となり、ギャグを演じてはいるけれど、みんな目が死んでる、って状態。  福田監督の悪いクセである投げっぱなしで回収しない、オチを付けないエピソードが大量に散らかっていて、でも、そんな事もどうでもいいくらいにそもそもの芯となる基本的な物語がつまらないという。   今年の橋本環奈出演作3本の中で、最も彼女を魅力的に撮れていない映画でもありました。3本中これとあともう1本も福田監督なんですけど、そっちに比べても全然。別にヘン顔してるからとか、そういう意味でなくて(アッチでもヘン顔してるけど、アッチはそれでも魅力的でしたし)。   お金を払って見るレベルではなくて、この映画にかける時間すらも勿体なくて、「何も無い芸」ってのは、だけどそういうモンじゃないんだって学んで頂きたいところです。喜んでお金と時間を提供できる「何も無さ」ってのがあるとして、少なくともコレは全く違います。
[映画館(邦画)] 3点(2017-11-05 19:03:01)
2328.  打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(2017) 《ネタバレ》 
 新房昭之と大根仁という2人の退屈なおっさんのつまらないリビドーによって出来上がったオタクアニメは、2人が岩井俊二(と押井守)の才能のカケラすらも持ち合わせていない俗物である事をわざわざ世間にお披露目してみせただけという状態でございましたとさ。   絵がキレイ。それだけ(それも後半パートになると怪しい箇所が出てくるんですが)。岩井俊二のドラマを原典としてどうしてこの程度の発想力と表現力しか持てませんでしたかぁ? この映画、ドラマ版がわざわざそーっと避けてきた部分を無神経に露骨に得意気に披露してみせていて、見ている方が恥ずかしいです。  キーアイテムを出して、SFにしてみせちゃった時点で大失敗って感じな訳ですが、あのドラマ版からそういうカタチで展開させてしまったっていう、その絶望的な頭の悪さにはマジで頭痛がしてきます。そんな事しなくても発展的に描くことはできたでしょうに。  なずなに対するエロティズムの視点はドラマ版から存在していましたが、今回はもっと露骨で、そしてそれは確実におっさんの視点で、自分がこの2人と同世代であるだけにもう本当に恥ずかしくて。  オタクアニメではこう表現します、っていう現実から離れた記号的表現、きっと無自覚でやってるんですよね。  本来ブラウスは胸の大きな女性の、その胸の形をクッキリ表現するような構造にはなっていませんし、スカートで自転車に乗る時には絶対スカートごとサドルに座りますわね。スカートのお尻をヒラヒラさせる事はしませんわね。そういうオタク思考表現を深夜アニメやOVAじゃなくメジャーなハコにかかるアニメ映画でやってるのがとっても恥ずかしくて。こんなモンがクールジャパンってヤツなんか?って。  ドラマ版から新たに展開してゆくエピソードの通俗的な流れ、『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』の表面だけなぞって古びたメッセージを投げかけてくるさま、あちこち色々と恥ずかし過ぎてもう逃げ出したくなりましたわ。   劇団イヌカレーの助けをもってしても、このおっさん達の絶望的なセンスを覆い隠す事はできなかったのですなぁ。
[映画館(邦画)] 3点(2017-08-20 17:37:18)
2329.  トランスフォーマー/最後の騎士王 《ネタバレ》 
 しばし「なんじゃこりゃ!」と見てましたが、ああ、そうだった、マイケル・ベイの映画は無駄なキャラが多くて、意味の無いセリフが多くて、余計なカットが多くて、不要なシーンが多くて、なのに必要なカットが足らなくて、結局支離滅裂ってのがお決まりだった、って思い出しましたよ。  あの少女とちっこいロボットは結局要らなかったんじゃね?って状態ですし、いや、それを言えばアシスタントみたいなのも、科学第一主義のヤツも、ヒロインの家族も、つーか敵みたいだけどクライマックスでは共闘する連中は誰が誰なのやら、ってグチャグチャ。   で、今回はアーサー王伝説から連なる杖の行方を追う物語、ってのがメインになるのだけれども、これがまあつまんない。大した話でもないのに、それが余計な脇道と余計な会話で更にモタモタと進行するばかり(カット割り細かくて、超展開でどんどんと進んでいるように見えるけれど、本筋はちっとも進まないっていう)。目標はあっても杖が具体的にどう機能するのか、世界がどうなっちゃうのか不明。進行上、ロボットはほぼ脇に存在してるだけで、ロボットの見せ場はちょぼちょぼ。  一方、オプティマス・プライムが地球を滅亡させる側に回る、闇堕ち状態になる訳ですが、それがどんな具体的な行動になるのか、どれだけ地球を脅かす存在になるのかと思ったら、これがまあ全然。クライマックス前までほぼ行動無しで、バンブルビーとちょっとバトルして目覚めちゃう。闇堕ちする必要無くね?みたいな。   IMAX版はアスペクト比がころころ変わるのですが、これが変化する必然性が全く無いという。どういうシーンで広がりますよ、って統一されたモノは一切無くて、会話シーンの単純な切り返しでアスペクト比が1カットずつ変わるとかいう未完成品みたいな馬鹿馬鹿しさを見せます。それでもクライマックスの飛行シーンでの3Dの立体感だけは良かったのでIMAXの必要性皆無という訳ではありませんでしたが。   今回、マイケル・ベイは大人になろうとしたのかもしれません。物語に拘ったのと、おっぱいとかお尻とか控えめにしたのと(おっぱいはあったけれどアップにしたりしませんでしたし)。でも永遠の中学生が背伸びしたって無理があるとしか。同じマイケル・ベイらしさならロボットがガチャガチャ動いてておっぱいとお尻が乱舞する世界に徹してた方がまだ良かったのかも。いや、どっちにしたって高い点付けたりしませんけど。
[映画館(字幕)] 3点(2017-08-06 21:03:21)(良:1票)
2330.  メアリと魔女の花 《ネタバレ》 
 ジブリのガワだけを被った空虚な作品。ジブリ的記号で映像が作られていますが、絵のタッチをコピりました、ってだけ、それだけ。大粒の涙をぼろぼろこぼす表現など、やってて恥ずかしくないのかな?くらいにそのまま持ってきているものの、スタイルさえ持ってくれば名作になるって訳もなく。   もうありがち過ぎる魔法学校な話ではあるのですが、それでも幾らでも面白く見せる方法ってあると思うんですよね。だけど、ジブリ的記号に依存しているだけで脚本も演出も作画もやっつけ仕事にしか思えないつまらなさ。この物語を面白く見せる工夫というのが全く見られません。  この監督の毎度の欠点でキャラに魂が入っておらず(主役はキキというより千尋のコピーみたい)、魔法学校の世界の描写が異様に狭く(登場人物少な過ぎな上、魔法を見せる事も殆ど無し)、魅力的な絵も乏しく(これまで一切ジブリ作品を見た事がなければ、あるいは魅力を感じる描写が少しはあるかもしれませんが)。  キャラクターデザインを全く別タッチにして、美術ももっとギッチリと細かい描き込みをしていたら、もう少し見られるものになったと思います。  脚本はおばあさんの過去と現在とを中心にして肉付けしてゆけば魅力が出たんじゃないかなぁ。   この監督、ジブリ出身であるという事だけで、どうも作家としての個性や魅力が見えてこないんですよね。『アリエッティ』『マーニー』、そしてこの作品と、キャラクターの生が感じられません。ただセリフを語る絵。固まったスタイルに固執するばかりで「人」を見ようとしていないように感じてしまいます。  そして、ジブリ作品には存在している「絵に宿る魂」が、うわべばかりのこの作品には無い分、前2作よりも更に見劣りするようで。   ジブリが手詰まり気味なんで、ジブリのパチもん大々的に公開しちゃいました、みたいな印象の作品ではありました。   で、話が結局『AKIRA』だったりするんですが、それは原作からしてそうなんでしょうか?
[映画館(邦画)] 3点(2017-07-10 21:10:50)(良:1票)
2331.  忍びの国 《ネタバレ》 
 無門がほぼ全編サイコ野郎なので見ていてイライラするばかり。   育った環境のせいでサイコ野郎になりました、里全体がサイコ集団です、っていう背景があるのは判ります。そして、そこから脱却して人間性を獲得するのが主題なのも判ります。でも、それが流れとなって具体的なカタチのドラマになっているのは平兵衛であり、大膳であり、無門はラストでお国を亡くす時点までずっとサイコ野郎ですから、主人公は果たして無門だったと言えるのかどうかも疑問な状態。延々と感情移入を拒むアンチヒーローとして描かれた無門、それでいいのかなぁ?って。  お国もまたドラマにはなっていないんですよね。かつて無門に拉致された、けれどキツい性格という設定描写から先へとは殆ど進まないまま最期を迎える状態で、ドラマの無い者同士で最後に悲劇を演じられたところで感動できません。   金が全てに優先され、人間としての感情が欠如した存在、それを現代の人間に象徴するのはいいとして、その醜い姿をわざわざ現代人にオーバーラップさせるあたりは一体何様のつもりなのよ?って感じで。送り手側が高みに身を置いて世間を見下しているつもりになってる作品って嫌い。本当は別にそんなに偉くはないでしょ? 人のこたぁ言えない生き方しかしてないでしょ?   アクションシーンでの笑えるというよりはバカバカしい長回しや、突然のカメラ目線のウケ狙いなどは真面目にやる気があるのかないのか。お笑い人殺し合戦っぷりがテーマとの齟齬をきたしています。   救いは平兵衛を演じた鈴木亮平と大膳を演じた伊勢谷友介。脚本的には言動に不安定さがあるものの(登場人物全員そうなのですが)、その熱さ、力に満ちた感じが魅力的でした。対して主役のクセにサイコな大野くんは損な役回りというか。っていうか彼のキャラがこの役に合っていたのかどうか。サイコながらも抗えない魅力を醸すとか、そういうのは全く無かったですからねぇ。   痛快時代劇かと思いきや、ひたすらストレスを抱き続ける作品でした。
[映画館(邦画)] 3点(2017-07-04 21:21:09)(良:1票)
2332.  サクラダリセット 前篇 《ネタバレ》 
 色々なタイプの超能力者が登場するのですが、それらの能力と、制限された部分とが全て「物語を構成するための能力と制限」でしかなくて、物語の都合によって設定されています、というのが丸出しなので冷めます。つまりそれは原作時点でダメって事なのでしょうけれども。  そんな作品のための都合によって生かされているキャラクターに血の通った魅力がある筈も無くて、その能力を持っている事、その能力が示す個性がキャラクター造形に直結しているようには思えず、駒を動かしているような展開に見ていてぐんなり。   最初に謎(というより隠してある部分)がいっぱいあって、設定世界の説明にやたら時間を費やして、疑問だらけの設定を投げつけつつ「さあ、ついて来い」と観客にかなりの努力を強いる作り。一応、冒頭に事件を起こす事で掴みを配置しているものの、その掴みのエピソードが主役2人とリセットの事しか語っていないので、実際の強引な飛躍のグチャグチャなパズルで構成された中身を語るにはあまりに薄いのですよね。最初から能力に縛られた描写のみですから、本来のパーソナリティも全く見えてきませんし、それは結局全編に及びます。   で、セリフによる大量の説明がある一方で、思わせぶりな、間延びした映像が続くので、映画への興味を持続させるのが大変。施設内の移動描写にたっぷり時間を取りますが、それが後の展開の大きなキーになっているのかというと、別にそんな事は無くて。全くとは言いませんけれど、だったらもう少し位置関係を印象づけて後の侵入シーンでのサスペンス描写に利用できたんじゃないかと思いますが。   写真の理屈がどうにもアレなので、どんどんと疑問が重なっていった上でのクライマックスに、いや、すいません、納得できませんが、って状態になって、その上で次回作に繋がる衝撃の真実に、だからなんだというのだろう?と思ってしまって。次回作見てえ!とか全く思えませんでした。見ちゃった以上、義務的に後編も見る事になるんでしょうけれど、ネットであらすじ調べて読めば十分かな、くらいな気持ち。   次回作が実は3時間、とかいうモノでもない限り、前後編に分ける必然性はまるでなくて、一本で描けたよね?って感じで、密度の薄い時間を過ごすハメになったのでした。  ここ最近の前後編商法邦画を見てると、そろそろリスクの方が大きくなってきてる気がして仕方ないのですが、どうでしょ?
[映画館(邦画)] 3点(2017-03-28 20:49:48)
2333.  ミュージアム 《ネタバレ》 
 予告編見て『セブン』かなと思ったんですが、本編見たらそんなには『セブン』じゃなくて、でももっとちゃんと『セブン』だったらまだマシだったのに、と思いました。   小栗旬の刑事があり得ないくらいのブチギレっぷりで冷静さの欠片もなくて力み過ぎで独断専行しまくって案の定危機に陥って、一方カエル男は万能過ぎちゃって、どんだけ都合よく動けるんだって状態で(常に誰にも見られずに殺して、死体や生きた人間を一人で運び出せちゃう)、つまり間抜けな警察と超人的な犯人のドタバタっていう邦画の毎度のパターンを踏む映画。犯人の居所が判って以降の後半はどんどん失速していって、映画の流れが停滞しまくってダラケるダラケる。   でも、最もひっかかったのは裁判員制度に対して批判的な立場を取った物語だという事。無実の人間に死刑判決が下された裁判、その裁判員の命が狙われてゆくという物語は、制度そのものに対する直接的な批判ではなく、裁判員になる可能性を持った一般人に対する脅迫という形になっています。現実ではあり得ない杜撰な裁判を通して「裁判員になると命を狙われたりマスコミから人殺し扱いされて追われたりしますよ」と脅しています。スタッフにしろキャストにしろ、ちゃんとそこに責任を負えるんでしょうか? 表現は自由でもそこには必ず責任は伴うわけで。   これ、頭の悪い娯楽映画のフリして観客を脅迫してくる悪質な映画なんじゃないかと思いました。
[映画館(邦画)] 3点(2017-03-08 22:30:02)
2334.  傷物語Ⅱ 熱血篇 《ネタバレ》 
 『帰ってきたウルトラマン』にウルトラマンが怪獣にバラバラにされるエピソードがありまして、ウルトラマンの大きな生首がドーンと堕ちてくる、って画に驚愕し、しばらくトラウマ状態に陥ったものでした。以降もウルトラシリーズはウルトラ兄弟の首が飛んだり、四肢バラバラにされたりと子供にとってはあまりに残虐なエピソードが唐突に登場し、現在に至るまでウルトラシリーズは自分にとって忌避すべきものとなりました(初代ウルトラマンは大好きなのですが)。後々判った事ですが、それらのエピソードは一人の脚本家特有のもので、つまり子供にそういう残虐なモノを見せたがったのは、その人の趣味以外の何物でもなかったんじゃないの?と。   そんな事を、この映画のヒロインの腸が飛び出す描写を見ながら思い出していたのでした。コレも監督の趣味なんだろうかねぇ?みたいな。映画にとって腸が飛び出る必然性など微塵もありません、っていうかその後の治癒描写では腸の存在が物理的にジャマで矛盾しちゃってるんじゃないかと。  人にトラウマを植え付けたいという悪意からならともかく、純粋にそう描きたいっていう願望からそうなってるとすれば、結構病んでない?  っていうか、この監督も庵野監督同様、私と同世代だったりしますが、この監督も庵野監督もああいうウルトラシリーズ見てトラウマになるより何かに目覚めちゃった系かしら? やーね。   さて、映画は相変わらず自己欺瞞的ですが、状況説明のみでプッツリ終わった前作に比べたら今回は物語が存在しているだけ幾らかマシです。ただしダラダラしていた前作と違って、もの凄いダイジェスト。前作で勿体つけた3人の吸血鬼ハンターとの戦いを、簡単にどんどんと消化してゆきます。3人目なんかあまりに唐突に描写が飛びまくるので次回予告かと思いましたわ。でもそれも、結局はどのあたりを気取ってるのかがありありと見えて、恥ずかしい感じで。   作品から演出家のカオが見え過ぎちゃうのって見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうので、自己欺瞞とか自己顕示欲とか自意識過剰とかの「自分自分自分!」って状態は幾分抑えて頂きたいもので。
[映画館(邦画)] 3点(2016-09-13 22:17:23)
2335.  テラフォーマーズ 《ネタバレ》 
 なんでしょうねぇ、このつまらなさ。設定や物語にも映像にもちっともノレてゆけない感じ。パロディを笑えばいいんでしょうかねぇ? 『ブレードランナー』まんま持ってきました的な街の姿をどう楽しめっていうんでしょ? 看板のちょっとした書き文字を笑えって?   キャラに魅力がありません。そこにあるのは人間のドラマじゃないんですよね。与えられた設定を説明する人々。そんな看板を首からぶら下げたような人々がどんどんと殺されてゆく状態に心が動かされる何かがある訳もなくて。せっかくの役者をさっさと退場させて勿体ない使い方しちゃってるなぁ、って感想くらいしか出てきやしません。   どこかで見た、読んだようなモノがずーっと続いてゆくだけで、脳がちっとも刺激されやしません。新しいモノが何かあったかなぁ、って考えても、せいぜいゴキブリの顔が独特って事くらい。三池崇史的記号はあちこちに刻まれてますから、それを楽しめ、って感じ? それ、狭い、狭いよ。   変身シーンで細かいカット割で変化を見せてゆくあたりを見ても、変身モノの特撮・アニメ番組的なるものを狙っているのは判ります。でもそれが主旋律になってちゃダメなんじゃないかと。そんなの本来せいぜいお遊び程度のもので。  体内を変身物質がぐわーって流れてゆくCGとか触角がにょこにょこ生えてくる画とか、繰り返し過ぎでゲンナリ。バッタくんの顔が最期に仮面ライダーそっくりになるあたりのオマージュっていうかお遊びっていうかパロディっていうか、そういうとこより他にもっとやる事あったんじゃない?って。   いっその事、笑わせて貰えるほどのデビルパワーがあれば、それはそれで楽しめたのでしょうけれど、ヘンにマトモなのが余計に退屈さを招いてしまうのでした。
[映画館(邦画)] 3点(2016-05-05 19:53:30)
2336.  フィフス・ウェイブ 《ネタバレ》 
 もういい加減大風呂敷広げておいて「僕たちの戦いはこれからだ」で終わる宇宙人侵略映画出してくるのやめて欲しいもので。   冒頭のスペクタクル映像こそお金かかってるぞ、って感じで大変な状況を見せつけてきますが、それは本当に最初だけ。以降は生き延びたヒロインのパーソナルな物語と基地に連れてゆかれた子供達の物語が交互に延々と続いてゆくだけです。『トワイライト・サーガ』ノリのヌルいロマンスと『エンダーのゲーム』的な兵士としての訓練を続ける子供達と。一向に侵略者の脅威には話が向かってゆかず、なんでそんなに退屈なモノを見せられ続けてるの?って状態。  クライマックスで双方の物語が1つになるのですが、特にその大きな状況に何らかの解決が与えられる訳ではなく、1つのパーソナルな目的(弟と再会する)が達成されただけで映画は終了になります。   要はアメリカの若い人向けの小説の映画化にありがちな、大状況に対してごくごく狭い範囲の物語に終始するアレです。それらがグダグダ3~4作かけて薄いドラマを展開させる(1作で済みそうな内容なのに)パターンが多い中、この作品はテレビシリーズのファーストシーズンの第一話程度のモノしか見せてくれません。異星人?に侵略され、人類が滅亡の危機に瀕しているって設定に対する物語のパワーは大変に弱いです。幾らでもダラダラと続ける事が出来てしまうような、勝負を避け続けるような。そんなモノにつきあって時間を浪費するのは大変に勿体ないですね。   ヒロインが恐怖心から人を殺してしまう事、子供達が人を殺す訓練を受ける事を通して銃社会アメリカの病巣を批判している、ようにも思えますが、一方で子供達の武装蜂起を喚起させるようなラストシーンだったりもして、マジメに映画を作ってるのかいな?と思ってしまい。   それにしても、画面にSONYのスマホしか出せないくらいなら、いっそスマホ映さない方がいいんじゃないスか?
[映画館(字幕)] 3点(2016-05-04 21:07:20)
2337.  バケモノの子 《ネタバレ》 
 つまんなかったです。   何が問題かって、全部セリフで説明しちゃうの。キャラの状況や背景はおろか、その時の心情や象徴される事柄やメッセージ、テーマまでも。物語まるごとセリフで構成されている状態で、そこに描かれたものが世界の全て、だから当然ながらそこからは情感、情緒が抜け落ち、こちらは頭や心を全く刺激されないんですよね。  一から十までこと細かに説明しなくちゃならないと思ってる、作る側が観客を一切信用してないの。   一方で構成は明らかに不自然で、九太が大きくなってからの取って付けたような唐突な展開は何か途中で色々面倒臭くなったんか?みたいに思えるような雑さ加減。楓との出会いから人間としての意識を広げてゆく部分でのやっつけ仕事っぷりは、急速に映画の温度を低下させてゆくような印象。そこで慌てて色々な伏線を登場させたようにも思えて、その前との繋がりが希薄になっています。   で、せめてじゃあビジュアルで面白がらせて欲しい、刺激して欲しいところなのですが、大して動くわけでもなく(モブはCGでゆーらゆーら動かしてる状態ですし)、目を見張るような斬新な、或いは奇想天外な世界が広がっているわけでもなく。  この監督の作品に共通している、影を付けずにその分動かすっていうの、元々『未来少年コナン』の昔に宮崎駿監督が言ってた事なわけで、時代も違うし、テレビと劇場用映画っていうフォーマットも違うし、杉野昭夫作品のように3段影付で華麗にアニメートさせてみせる世界だってあるわけだし、っていうかならばもっと動かしてみせてよ、っていう。   『サマーウォーズ』以降、アニメーション表現が定型フォーマット化してきていて、その傾向は改善されるどころか、どんどん強まっている気がします。形骸化した国産アニメの姿を見せられているようで見ていてつらいんですよね。宮崎駿監督はどんなに作品重ねたって、作品的な出来不出来は別としても刺激的な絵を作り出してきた、それに比べるとなんか小さいところでまとめちゃってるよなぁ、と。   今、日本の観客に求められているものはこのくらいの塩梅のもの、という作られ方をしているような気がして、ちょっといたたまれない気持ちになってしまうのでした。
[映画館(邦画)] 3点(2015-07-24 21:27:17)(良:2票)
2338.  ストレイヤーズ・クロニクル 《ネタバレ》 
 面白くなりそうな要素はあるのに、脚本と演出が延々と外してゆくような感じ、明後日の方向を向いたまま最後まで突っ走ってるような感じでもどかしいったらありゃしないっす。   大雑把に言っちゃえば安っぽい、スケールの無い『X-MEN』なわけで、それでも面白くする事は可能だと思うんですが、とにかくまず脚本が雑で。  各キャラクターが何を考えているのか、何を動機としてその行動に出るのか、どう心情の変化が生まれてゆくのか、そこら辺がもうまるで計算されてないんですよね。ただだらーっと並べてあるだけ。エピソードが唐突で繋がっていない状態で羅列されるばかり。だから誰にも感情移入できず、悲劇なのですが全く心に迫ってきません。何しろ殆どのキャラクターは「クライマックスまでずっとただの馬鹿に見えるけれど唐突に実は悲しい存在として散ってゆく」って状態で。散々馬鹿だったのに最期だけドラマティック気取られても、みたいな。  クライマックスに向ってゆくに従ってどんどんテンポダウンして、間延びしてダラダラモタモタした状態を見せられるのは苦痛です。  大体、岡田将生が洗脳されちゃった仲間に首絞められて「うぎぎぎ」ってのを3回も繰り返す必要がこの話のどこにあるんでしょう?   そして、物語がそんな状態なので演技が大根状態に思えてしまいます。この映画のキャラ達は画面に映っていないところでは棒立ち状態になっているとしか思えないんですよね。他キャラが動いている間、一体何をしていたのかまるで見えてこず、計算したようなタイミングで画面内に割って入ってくるような状況が連発され、それはまるで学芸会的タイミングの世界。エピソードに流れが無くてブツ切れになっている事も手伝って、こんなにも役者を揃えているのに全員大根演技に見えてしまうんです。   演出は中途半端にスタイリッシュ気取ってますが(画面に時間経過を表す文字を出すなら最初の方でほんの数回でなく全編通すべきですし、分割画面もちょっとだけ使ってみました、みたいなハンパさではそこだけ浮きます)、それよりも各キャラを明快に、だけど奥深く描く事に腐心して貰いたかったところです。   碇ゲンドウの出来損ないみたいな伊原剛志の存在も含めて独りよがりの設定を納得させる努力も無く、なんだか随分と自己陶酔型の映画を見せられちゃったなぁ、って印象。最後まで見るのがシンドかったです。あまりのツラさに「あー、やっと終わった、もうとにかくさっさと帰ろう」と気が急いてシネコンに傘忘れてきちゃいましたよ。
[映画館(邦画)] 3点(2015-07-01 23:20:13)
2339.  シグナル 《ネタバレ》 
 「あなたのSF脳が試される」とかなんとか言ってますが、そんなモノに踊らされる必要はありません。これ、難解なのではなくて、単純に独りよがりなだけ。だって結末は色々な解釈があるとかではなくて最初から決まっているのですから。そこに至るまでのプロセスをそれっぽい雰囲気で覆い隠してるばかりで。基本は70年代の永井豪や諸星大二郎が描いていたような話。   冒頭のアメリカン・ニューシネマみたいなロードムービーの映像は良い感じです。男2人に女1人っていう構成もアメリカン・ニューシネマっぽいですしね。  でも、事件が起きて隔離されてからはひたすら単調で変化の少ない、思わせぶりなばかりのシーンが続くばかりで映画のテンション、ダダ下がり。このシーン丸々カットしても話としては成立しちゃう、っていう。  で、クライマックスらしきところで、ちょいと花火一発上がる程度で終了。意外なラスト!とかでなくて「あー、こんなモン見せられちゃって、もー」みたいな。   映画が始まる前にTOHOシネマズ新宿限定で見られる『アニメガタリ』という短編アニメでヒロインが「『攻殻機動隊』が『マトリックス』に似てる」と発言して思いきり先輩にツッコまれるシーンがありましたが、それがなんとも皮肉に思えてくるような映画で。   売り込む側はデヴィッド・リンチとかキューブリックとか『第9地区』とか『クロニクル』を引き合いに出してみたりしてますが、せいぜい懐古主義的なオタクが自分の嗜好するものを集めてひけらかしてみせたスノッブ映画程度のモノにしか思えませんでした。
[映画館(字幕)] 3点(2015-05-21 21:13:22)
2340.  繕い裁つ人 《ネタバレ》 
 坂を上がってヒロインの店に行く描写が繰り返され、それはまるで天上の、別の次元へと至る道のようで。ヒロイン自身が店と自分を別世界のものとして気取っていたりもしますし。   だけどその対比は殆ど無効。何故なら映画そのものが現実から遠く離れたぬるい、温室の中の世界としてしか成立していませんから、そこに描かれる現実っぽい問題も、ありそうな苦悩も嘘くさい絵空事にしか見えてきません。絵空事であるならば、絵空事として閉じてしまった方がまだマシなんじゃないか?と。   ヒロインの店に足繁く通い、一日の大半をのんびりとそこで過ごす大丸百貨店のバイヤー・・・大丸百貨店って随分ラクな仕事ができちゃうんですねぇ、と。わざわざ固有名詞まで出して描く事なのでしょうか?   年に一度の夜会に集う排他的とも言える人々、自分のスタイルを貫く事の苦悩、影響されて「改心」してゆく女学生達・・・それぞれに自己完結しまくる登場人物達。  そして最大の問題はその自己完結から生じた価値観を他者にまで押し付ける、その姿勢。その人、この映画だけ、この世界だけで完結すればそれでいいのでは? ステキなドレスに囲まれた温室ワールド、そこに酔えればそれでいいのでは? 何故押し付けてしまうのでしょう?  私にはそれが無自覚な優しい暴力のようにすら思えてしまい、気持ちの悪い映画という印象でした。私にとってこれはある意味ホラー映画。
[映画館(邦画)] 3点(2015-04-06 21:49:25)(良:1票)
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