221. なぜ君は総理大臣になれないのか
《ネタバレ》 例の、桜を見る会・前夜祭についての国会質問(令和2年2月17日)。まるで、大きな風呂敷をきれいに畳むが如く、丁寧で美しい小川淳也議員の国会質問を見て、本作に辿り着きました。本作を視聴して、なんと応援しがいのある小川議員なんだと思う。明朗で明晰。屈託がなく頭がいい。ワタシ、本来こういう人が苦手なんですけど、なんかそういうヒガミの対象にならないんですよ。家族にこれだけ応援されている人は本物です。井出教授の応援演説もすごい。暗雲立ち込めるなか、光が差し、そしてまた暗雲すら味方につけるかのよう。泣けるドキュメンタリー。32歳の初陣の輝きに泣いたし、小池禍(希望の党ブーム)の逆風を戦い抜いたところで泣いた。視聴後、タイトルの趣が変わる。視聴前は「疑問文」、つまり「あなたが総理大臣になれない理由はなんですか」なんだけど、視聴後は「詠嘆文」になります。「君のような人こそ総理大臣になるべきなのに、ああ、なぜなれないのか」。オレ、これ書いてる今、どうにかしちゃってるかなとも思うんですが、これは10点だ。【231223変更】10→9点。最近は、「だから君は総理大臣になれないんだ」。 [インターネット(邦画)] 9点(2021-01-01 22:01:47)(良:1票) |
222. 柳生一族の陰謀
《ネタバレ》 豪華なのはわかるが、それが押し付けがましい。登場人物が全員、直球勝負。軟投派がいないんだ。だから、味が単調。なので、ワタシには昭和の結婚式の引き菓子のようでした。歌舞伎が楽しめるような素養があれば面白いのかも知れません。 [DVD(邦画)] 2点(2020-12-24 22:07:36) |
223. 刑事コロンボ/仮面の男<TVM>
《ネタバレ》 ラストシーンの冗談の日本語訳がテキトー過ぎて、なんだかコロンボが物語の最後に気の利いたことを言おうとして、スベってるみたいになってて気の毒でした。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2020-12-23 22:43:14) |
224. ペガサス/飛馳人生
《ネタバレ》 うーん。なんだろうなあ。例えていうなら、昭和の少年雑誌で早々に連載が終わってしまったC級レース漫画を、なぜか現代の技術で実写化に成功してしまったような感じ。だから、基本的にはつまらないんだけど、妙な感じでオカシイところがあるんですよね。「朱春娟(チュンジュエン)のおかげだ」というところで、不覚にも笑ってしまった。一体誰なんだよ。なんか、取るに足らない面白さとでもいうのかなあ。破綻してるけど、憎めない。不思議な映画だったなあ。どうしても2点だとは思うんだけどね。 [DVD(吹替)] 2点(2020-12-18 20:45:58) |
225. グリーンブック
《ネタバレ》 物語後半、どんどん打ち解けちゃって、すっかりいい話みたいになっちゃうんですけど(そこがいいとも思っていますが)、前半の世慣れたイタリア人と、何か屈託のある天才黒人ピアニストのギスギスしたパートも好きでした。太陽のような主人公(イタリア人)に照らされて、静かに輝く孤独なピアニストが何を企んで南へ演奏旅行に旅立ったんだろうとワクワクしていました。ミュージカルよりも音楽がキモ(ドン・シャーリーの才能)の作品なんじゃないかと思いますので、いいスピーカーのついたシステムでの視聴をおすすめします。トニーの奥さん、かわいかったぁ。手紙を読むシーンや「あ、お父さん、帰ってきた」のシーンが好き。【追記】なすさん、ありがとうございました。元々はそう言ってたんですね。しかし、そうなると字幕翻訳は二次創作ともいえるものですね。賛否あって然るべきかもしれませんが、この翻訳も私は好きですよ。 [DVD(字幕)] 7点(2020-12-06 22:59:47) |
226. Fukushima 50
《ネタバレ》 ■全国民が固唾をのんで見守った、あの日、あそこで起こっていたこと。とても知りたい気持ちはある。しかしそれは、こんな風に脚色された、センチメンタルなのではなく、硬派な事実だけを知りたいんだ。■あの事故のことを描くのであるなら、事故以前の原子力政策と、事故後の世論の日和見を描かないと、50人の壮絶な絶望は伝わらないんじゃないだろうか?■あの事故は、終わっていない。■復興五輪のためのプロパガンダとして作られた作品が、コロナ禍により早々にその役割を終えた。見ていて、悲しくなりました。 [DVD(邦画)] 2点(2020-12-04 10:46:31)(良:1票) |
227. 刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM>
《ネタバレ》 犯人自身が目撃者って話の持っていき方はすごい好き。なので終幕の鮮やかさはあリます。しかし、医者でしか使えない薬物を使って、催眠術で遠隔殺人って、精神科医である犯人のこと、脚本家がバカにしすぎてないですか。ボーデン医師に「(あなたに)殺人事件について質問しているんですよ!」とキッパリ言ったコロンボは地味にカッコ良かったです。【追記】狐狸庵先生って言ってるみたいじゃなかったですか? [地上波(吹替)] 6点(2020-11-27 20:00:44) |
228. はりぼて
《ネタバレ》 うわあ、見終わって複雑。この映画が上映されること自体も含めて、極めて今日(こんにち)の日本的な本作。是非とも、皆さんには、今見て見解(レビュー)をアップして欲しい映画ではあるのだけれど、ワタシはこの映画を高く評価したいとは思わないんだ。しでかした事とペナルティの差が大きすぎないか。政務活動費の不正使用による全会派25名の返還額は6,523万円は、精緻に調査すればおそらくもっとあるのだと思う。誰よりもモラルを求められる議員がやったことであり、これによりカネでは測れないもの(社会への信頼)がダメージ受けたのだとも思う。しかし、メディアを通じてすでに社会的な制裁も、法的な制裁を受けた人を、改めて映画にして晒すことまで必要なのか。富山市議会全体のモラルみたいな話になってるけど、おそらく市議個別に事情は違う。私的流用まで手を染めている(それならアウト)人もいるだろうし、あくまでも公務のための運用だった人もいるだろう。清濁合わせ飲む。成し遂げた仕事とのバランスで評価する。新しい政務活動費の運用指針ができる以前のスキャンダルいつまでも突いてて、話は前に進むのか。だから、村上和久さんは今もなお(4回目の辞職勧告決議が可決されたとのこと)市議を辞めないんだろうし(どんな仕事をした人なのか知りたい)、また富山県での上映決定が遅かったんでしょうなあ。雑な感想を持っちゃいけない作品のような気がします。でも、やっぱり、オレ間違っているのかなあ。【追記①】でも、あの、「コメントする立場にない」とか言ってた人だけは、(以下略、目を閉じて深くため息をつく)。絶対、ババを引かないことでのし上がってきた人なんでしょうなあ。組織って、頭から腐るって言うみたいですよ。【追記②】監督の五百旗頭監督が、「ドキュメンタリー映画を撮るのは、諦めた」という趣旨の発言をしていると聞きました。もったいない!本作における五百旗頭監督の有り様(ありよう)はまさに異色。この人から逃げられないという佇まい。次回作、期待しています。 [映画館(邦画)] 6点(2020-11-21 16:58:50) |
229. 残酷で異常
《ネタバレ》 これは、かなしいおっさんの「バタフライ・エフェクト」。 [インターネット(字幕)] 9点(2020-11-14 19:05:33)(良:2票) |
230. 刑事コロンボ/ハッサン・サラーの反逆<TVM>
《ネタバレ》 「これ、公式の詫び状」って、ついでみたいに渡してるコロンボがかっこいい。サラーに負ける気が全くないのですね。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-11-13 09:43:21) |
231. Kamome
《ネタバレ》 福田和子をモデルにした映画が、2000年に2本上映されています。本作と「顔」(阪本順治監督)。本作について。「顔」と比べるまでもなく、より実際に近い福間和江なワケですけど、なんか魅力がないんだ。おそらく、福田和子には、ものすごい人を惹きつけるチカラがあって、だからこそ逃亡が可能だったのだと思うのですが、福間和江には引き込まれるところがない。自殺するか自首するか悩んでたというモノローグがあるのですが、言ってるだけにしか見えない。葛藤が見えない。だから、なんかお人形さんみたいなんですよ。どうやったって面白いネタがなんでこんなになっちゃったんだろうという気持ちです。 [DVD(邦画)] 3点(2020-11-09 19:30:18) |
232. アフターショック
《ネタバレ》 うーん。この映画は、もしかすると地震と津波のことを世界的に致命的勘違いをさせかねないぞ。悪党の暴動による死と津波によるそれを一緒に扱ってないか?この間のトルコの地震(20.10.30)でも、地震発生後15分には津波が来てたみたいじゃないですか。ましてや、チリ沖地震では言わずもがな。悪党にも肉親にも構わず、みんないっしょじゃなく、一人一人が高台を目指せ。命てんでんこ。【追記】パニック映画やホラー映画の作中人物の生き残るためのアレやコレやも、一度(ひとたび)津波がくれば、あっけなく泡のもくずという映画かと思い直しました。しかし、悪い思い違いがおきそうですよね。なんか頑なで、恐縮です。 [インターネット(字幕)] 2点(2020-11-07 19:22:19) |
233. SF核戦争後の未来・スレッズ<TVM>
《ネタバレ》 うーん。当時の世相もあったのだと思いますが、とにかく全面核戦争が起こってしまったら超悲惨ですという方向一辺倒すぎて、気持ちが揺り動かされない。核戦争後の人類は、とにかく無力で状況に翻弄されるだけって、それホント?って思ってしまう。弱いけれども、利他的な行動をする。弱さから、とても狡猾な行動をとる。そんなこんなで、社会を作り上げて行くのが人類なんじゃないですか。13年経った世界で、全く文化的な復興がないのもおかしい。教育が昔のビデオを流すだけなんて(もしかすると制作したBBCらしいアイロニーかもしれないが)。「言葉」がものすごく後退してしまっているのがおかしい。なんだか「文字」の気配がない。何もかも壊されたとしても、人類をそれたらしめている「言葉」は、だからこそ大事なツールになるのではないでしょうか。というわけで、人類なめんなよ、と言わせていただきます(なんだそれ)。 [DVD(字幕)] 6点(2020-11-02 18:30:58) |
234. 1980(イチキューハチマル)
《ネタバレ》 あああ。これは、もう観たオレが悪いのだと思うが、しかし。言わせてもらうならば、「ばしゃ馬さんとビッグマウス(2013)」を観たときと同じような気持ちになりました。ピンぼけの試写会で、何のてらいもなく踊るシーン。イケてる高校生の傍若無人っぷり。一瞬で寒気がして、今、ワタシ本当に風邪を引いたのではないかと思っています。本作において、三女の映画作成パートはほんの一部ですけど、1980年といえば、監督が高校生の時(ワタシもほぼ同学年)であることを思えば、あのパートは監督の青春記なんでしょう。あのころ屈託まみれだったワタシの視線がおかしいのは十分認めますが、若気の至りが目に痛いんだ。 [DVD(邦画)] 2点(2020-10-29 16:41:43) |
235. ウィークエンド・シャッフル
《ネタバレ》 これはたしかに、「ウイークエンド・シャッフル」ではあるのだが、面白いのか、面白くないのかよく分からないという困った代物です。そこで、原作を読み直してみました。するとやっぱり、筒井康隆の原作の方が天才的に面白いわけで、本作では要らないこと(追いかけられるヤクザ、逃走するぶたとか)をたくさんやっているのだなあと思うのです。ただ、原作にはない「斑猫家は土足可」、「子どもが誘拐を教唆」、「強盗は兼業でセールスマン」、「強盗の死に際」という部分については、筒井ファンであろう監督か脚本家はこういう風にあの原作を読み砕いたのね、と(いい悪いはともかく)興味深かったりもするのです。特に、「土足可」にするとこんなにいっぺんにヘンテコになるのかと感心しました。そんなこんなで、どうかと思いますが、結論としてはまあまあ面白かったです。 [DVD(邦画)] 6点(2020-10-24 12:29:28) |
236. 悪い種子
《ネタバレ》 「禁じられた遊び(1952)」以降の作品とすると多少割引いちゃいますけど、それでも面白い。それほど周到な悪ではなく、やっぱり子供らしいツメの甘さ(宝箱にメダルを保管しちゃったり、雇い人の誘導尋問に引っかかったり)があるところがむしろ怖い。おそらく母親のことは、本当に世界一綺麗で優しいと思ってた彼女がやらかしていることだと思うとゾッとする。雇い人の焼死のシーンを母親の視線だけで見せたシーン。母親の絶望がみるみるうちに伝わってきます(へんな言い方?)。最後天罰が降るシーンは、見た時は興醒めとも思いましたが、これを書いている今は、時代のついた味わいだと思っています。お尻ペンペンのシーンも含めて。今時の身も蓋もないのじゃなくて、演出にいわゆる良識のあった頃の映画なんだなって。 [DVD(字幕)] 7点(2020-10-19 22:05:31)(良:1票) |
237. この世界の(さらにいくつもの)片隅に
いやあ、これは‥。ようするに2016年版の「ディレクターズ・カット」、「特別編」、「完全版」のようなものなんでしょ、ってタカをくくってというか、少々見るのが億劫な感じで見始めたんですが、しかし。観終わった今、2016年版は長すぎる予告編だったのだなと思っています。(大げさか?)あいや、すずさんとその家族の身の上に何が起こるか知っているから、初めから切なくってしょうがないんだ。「みんな、笑ろうて、暮らせりゃあ、いいのにね。」これは、見るべし。 [DVD(邦画)] 10点(2020-10-07 22:00:44) |
238. 前田建設ファンタジー営業部
《ネタバレ》 50代男の気持ちを鷲掴みにするお仕事映画。悪ふざけの対義語が良しふざけなら、これがそれ。社外にノウハウを求めたところは是非が問われるところですが、ワタシはあり。この仕事はここまでやらなきゃって思う。前田建設の建設会社として品質を広報しているんですからね。いろんなところとの関係も含めて。観ている途中で、何度も「あれ。これでも、ホントには作らないんだよな」ってことを思い出して、フッと変な感覚になることしばしば。これはいいですよ。わかってやってますからね。これは「ファンタジー」なんだって。「大丈夫ですよ。そんな酔狂な会社、うち以外ないですから」って言った小木が好き。六角精児、よかった。 [DVD(邦画)] 8点(2020-10-02 07:39:54)(良:2票) |
239. アングスト/不安
《ネタバレ》 うーん。基地外の行き当たりばったりの成り行きを、同じ基地外が後付けで手前勝手にナレーションをつけたような映画。ホラーでも、サスペンスでもない実録事件ものです。司法に対する批判もあったのかなあ。うんざりする悪夢のような映像が続く中、「黄色いカッパ着た子供たち」が現れますが、めちゃくちゃハッとします。一瞬にして正気にかえるというか。子供ってすごいな(なんのこっちゃ)。タイトルの「不安」は主人公の不安なんでしょう。その視点がないと、さっぱりなんだこれって映画です。だからタイトルだけが仕事をしているような気がします。予告編の「世界各国で上映中止」「37年を経て日本劇場初公開」なんてのに釣られてみちゃいましたが、封印したままで良かったんじゃないの。せっかく映画の日(1日)なのに、なんで、「TENET テネット」観に行かなかったんだろう(後悔)。 [映画館(字幕)] 2点(2020-10-01 19:50:31) |
240. PMCザ・バンカー
《ネタバレ》 なんとも乱暴な映画だったと思いますね。アメリカの大統領選挙の行方を変えるために、北朝鮮の最高指導者を生きたまま奪取する。しかも、その影には中国がいる、ってなあ。マジンガーZ対鋼鉄ジークのような豪華さだ。その話の核になるチーム(キング奪取)をコントロールする隊長が、くわえタバコで仕事に取りかかったときには、この隊長には期待すまいと思ったものです。仲間を見捨てないことが話の主軸になるのかと思いましたが、チーム全滅ではないですか(この辺、予告編が罪深い)。ハリウッド映画みたいなんだけど、韓国映画にはそういうの求めてないんだけどなあ。コマ割りが面白い映画だったと思いますが、なんかゲームみたいとも思ったり。北朝鮮の最高指導者・キングはまるで本作中、活躍あるいは悪役の場がないのですね。デリケートな存在なのだとあらためて思いました。5点。 [DVD(字幕)] 5点(2020-09-22 07:45:43) |