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 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。127ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3957
性別 男性
年齢 53歳

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2521.  インクレディブル・ハルク(2008)
印象的な長廻しによって始まる、クライマックスのパニックシーンが、いいんだなあ。そうそう、こういうのが観たかったのよ、ワカッてるねえ、とうれしくなっちゃう。街のど真ん中でモンスターが暴れまわる、もうこれだけでワクワクしちゃうんだけど、ひょいと自動車をはねのけて見せる怪力ぶり(そしてその何気なさ)が、また楽しい。この手の映画、CGなのか実写なのか、もはや区別がつきかねるんだけど、少なくともこういった場面では、実写(だよね?多分)による破壊シーンで、しっかりと質感を感じさせてくれる。また、コケオドシのドアップばかりではなく、時にはモンスターをロングで遠方に小さく捉えて見せることで、これはこれでちょっとリアルなスケール感も生まれる。いやはやなかなかカッチョよいバトルシーンでありました(うれしくなったので、子供を呼んで、このシーンだけ見せてみた。反応は・・・聞かないで下さい、とほほ)。全体的には、雑な場面とか、独り合点のワケワカラン場面とかもあるんだけど、その辺は多少目をつぶるということで。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-01-04 16:37:03)(良:1票)
2522.  ドミノ(2005)
一見バカ映画を装っているけれども、こりゃたいした労作です。トップガンの頃は正直、エイリアンの七光り、くらいの認識しかなかったトニー・スコット、いやはや、職人ではないですか。「理解してくれとは言わん、ただ、俺にとっては、こういうのがカッチョよいのだ」という、その姿勢が、カッチョよい。ミッキー・ロークがMVP。サントリーリザーブのCMよりも、コッチの方が似合ってるぞ。
[DVD(字幕)] 8点(2010-01-04 10:48:41)
2523.  ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
日常から突然、普段着のまま未知の海岸にたどり着く発端が魅力的。なんだけど。そこから先、何もない。続編だからコレでいいのだ、というつもりかも知れないけど、やっぱりダメでしょ。主人公のきょうだい達、最初からいきなり、「さあ今回もいっちょやってやるぜ」みたいなノリで、最後まで超人的に大活躍。物語を通して成長するでもなければ、たいした決断をするでもなし。何ら転換点のないまま、通り一遍の戦闘シーン(いったんは敗れてみせたり、とか)を、「ほれ~すごいスペクタクルだべ」と見せられてもなあ。まるで大オーケストラでもって、ただの主和音を長時間聞かされているような気分だよ。しかし、いやまて。ワタシはこう見えても心の広い人間なのであった。いやあ、実に見事なCGで、スバラシイデス、はい。
[DVD(吹替)] 6点(2010-01-04 08:27:32)
2524.  ビヨンド
サンゲリアなんて作品はまだノンビリのほほんとした感じがあるんですけど、こちらの作品は、一応、ガンバって陰惨な雰囲気に仕上げております。オカルトとスプラッタの見事な融合! しかしこの表現は、美味しいケーキを誉めるのに「クリームとスポンジの見事な融合!」と言うようなもんであって、そりゃもともと不可分だろ、と。そこが融合してなきゃそもそもケーキじゃ無かろう、と。それに、オカルト映画とはすなわち、「イマイチ内容が要領を得ないホラー映画」のことを指してたりする訳で、本作も、まあ、よくわかりません、ハイ。ただ、残酷描写は結構エスカレートしております。というか、だいぶ自信もってやってますね。ちょっとやり過ぎで、思わず笑ってしまったりもするのですが(クモの襲撃シーン、しつこ過ぎませんか?)。本作の注目点はむしろ、音の使い方、ですかね。かすかな音によってかえって不気味な静寂感を出したり、不快なノイズのような効果音を多用したりと、ヤな雰囲気がなかなかよく出ているんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2010-01-04 07:49:39)
2525.  エイリアンVS. プレデター
うーん。予想したよりさらにヘボかった。映画の設定を、登場人物に遺跡に刻まれた文字を読みあげさせることで片っ端からセリフ説明させてしまう、という、このやる気の無さ。それならそれで、我々が観たい“バトル”を徹底的に充実させてくれるんなら、「まー要するに設定なんかどうでもいい、って訳だな」と、ワタシも納得できたと思うんですけれど・・・この映画、『エイリアン』よりも『プレデター』よりも、エンジンかかるの遅くないですか? 元映画に負けてませんか? 以前別の映画で出てきたモンスターがまた出てきて、新鮮味の無い映画だなあ、という印象だけが残る映画。ついでにランス・ヘンリクセンも出演させておけば、我々が喜ぶとでも思ったかい、ふん。ラストに至っては、プレデター2の二番煎じ(つまり出がらし)。
[地上波(字幕)] 5点(2010-01-03 08:55:17)
2526.  シンデレラ(1950)
タイトルは『シンデレラ』で内容的にも確かにそうなんですけれど、映画の半分は“トムとジェリー”。ネズミ対ネコの死闘(?)が見どころ。ウチの子もノリノリで観ておりまして、ネズミが抱えたチーズを落としそうになると、つい画面へ手をのばしたり、ポケットのカギを盗もうとするシーンでは怖がって自分も逃げ回ったり。映画を観ても楽しめるし、子供を観てても楽しめる。そんな作品。
[DVD(吹替)] 8点(2010-01-03 08:44:52)
2527.  サンゲリア
国破れてサンゲリア、ゾンビもミミズも呼んダリア、みんな仲良く飲んダリア。と私も一応、言っておこう。さて、グロ映画の代表みたいに言われている本作ですけれども、いやこれがどうして、むしろ、なかなかの映像美が目を引きますね。冒頭、秘境の世界から都会に漂着する謎の船(ちょっと“ドラキュラ”の設定を思い起こさせる)、そして船上での謎の警官殺害事件。これが、主人公たちと我々を、秘境の世界へとおびき寄せる。秘境で待ち受けるは、ゾンビと鮫の死闘、あるいは眼球突き刺しなどの、常人の理解を超えるヘンテコな演出の数々。これだけでもこの映画を珍品化させるのに十分だけど、あくまでゾンビ大量出現は後半のお楽しみ、と、ここでは抑えた演出で、南の島の素朴な感じもよく出ております。後半は、待ってましたとばかり、土中からキタナらしい腐敗ゾンビが続々登場。と言っても、これもあくまで明るい陽光のもと、ますます素朴な美しさもあったりします。しかし、ゾンビたちを包む乾いた風と砂埃には、マカロニのニオイが漂い始め、ついにクライマックスには、銃と火炎ビンで武装した主人公たちと、ゾンビたちとの全面対決へ。まさにマカロニ全開、結構、シビれます。火炎ビンで炎上する建物、と言ってもまだ全然燃えていないくせに、上からは屋根材がバラバラと落ちてきて、危機感を演出。その落ち方がこれまたコンスタントで、いかにもスタッフが上から落としてます、ってな感じなのが、素朴でイイですね。ラストはまた都会に戻り、「無許可撮影です」ってのを隠すどころかむしろ全面に押し出したような、あの有名なラストシーンへ。本作、子供の頃は「観てはイケナイ映画」のように思ってたもんですが、いやあ、ちゃんとした映画じゃないですか。ところで、ゾンビに襲われた鮫は、やっぱりゾンビ化するんですかね?この路線でもぜひ一本。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-31 11:21:04)(良:1票)
2528.  盲獣VS一寸法師
本作には無数の差別的表現が含まれておりますが、作品の変態性を尊重し、そのままDVD化します、ってな感じですかね。妄想炸裂、インディーズ魂あふれる一本。と言えば聞こえは良いけど(良くないか?)、ま、正直、安っぽいです(ビデオ撮影で、画質も、何だかなあ)。無理やり2本の小説をごちゃまぜにし、一本で2度おいしい、という仕掛け。実に無理やりで、そこがまた珍味。プロには出せない素人役者の妙味も見逃せない(大根とも言う)。そしてシメは、やっぱり丹波ですか。やっぱりね。って納得するなっての。ミゼットレスラーのリトル・フランキーさん、この後、亡くなってしまいました。合掌。
[DVD(邦画)] 6点(2009-12-29 04:08:33)
2529.  荒野の1ドル銀貨
そりゃまあ、完成度が高いか低いかと聞かれれば、高くは無いのだけれども、波乱万丈、危機また危機で飽きさせない娯楽作品として観れば、完成度が高いか低いかと聞かれれば、決して低くは無いだろう(だからと言って高くもないだろう)、という、いかにもマカロニらしいマカロニウェスタン。わかりやす過ぎるBGMが、映画を盛り上げるとともに、映画を安っぽく見せてしまうのだけど、ここまで音楽の使い方がわかりやすいと、何かミュージカル映画でも見ている気分になって、意外に悪い気はしない。そしてこの映画、何と言っても伏線の張り方が上手い、上手過ぎる。ほとんど反則。ここまで上手いと妙な感動を呼んでしまう。これが、この映画のポイント。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-06 23:00:28)
2530.  アンダーカヴァー(2007)
シビれた!圧倒されました。警察署長である父、やはり警察官である兄、彼らとは正反対に、チンピラ同然の弟。警察とマフィアとの抗争の中に、彼ら家族の確執、絆、そして運命が描かれる、という、物語自体も確かに劇的で魅力的なんですけれども、何と言っても、映像の力強さが目を引き、映画に強くひきこまれずにはいられません。この映像には、温度が、時間が、深さが、確かに感じられます。この映像の持つ生々しさがあってこそ、物語が生きたものとなり、物語が生きているからこそ、映像もまた生きたものとなるわけで。アクションシーンをとっても、これほど「泣ける」カーチェイスが、かつてあったでしょうか(ごめん、あったかもしれない)。抑え気味のセリフが、かえって感情を雄弁に物語っているんだけれど、しかし、この映画の中で最も雄弁であったのは、弟役を演じるホアキン・フェニックスの後ろ姿、印象的な彼の大きな「背中」ではなかったでしょうか。出会えてよかった、と思える映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2009-12-06 22:45:43)(良:2票)
2531.  バンコック・デンジャラス
『グラン・トリノ』と『タクシードライバー』と『季節の中で』を掛け合わせたような作品。そんな掛け算できるかい。主人公のヒットマンを演じているのは、これは一体どこのオバチャンか、と思ったら、ニコラス・ケイジでありました。観た人は皆、そう感じるはずなので、改めて言うのもどうかと思いつつ、「ケイジさん、あなた、変です」。前から変だったけど。その彼のおばちゃんヘアばかりが原因でもないのだけど、どうもこの映画、絵ヅラが悪い。このザラザラ感は、狙ったものなんだろうけど、映画を通じて感じられる、全体的な“素人クサさ”が、どうにも気になって、すっきりしません。だけれども。そこに何やら、懐かしさ、みたいなものも感じられたりして。アメリカ映画に日本の光景が登場しても、あまり日本っぽく見えなかったりするのだけど、この映画に出てくる光景は、明らかに日本じゃないのに、奇妙に日本っぽい。どこか邦画っぽいニオイがあるんですね。そして、スマートじゃなくてもエネルギーがある。この妙な“懐かしさ”も、どうやらそこから来るらしい。という感じで、いかにも「出所不明」な、得体の知れない感覚、それが魅力。そういえば、主人公のオバチャン、じゃなかったヒットマンも、いかにも出所不明、過去不明、正体不明。達観したように、人生に倦んだように、この物語に突然現れ、わざわざ自分であれこれシガラミを作って、映画が、物語が、自ら動き始める。何か、イイですね。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-05 09:03:54)
2532.  28週後...
レンタル店に行くと、よくこういう、「ヒット作にそっくりな邦題をつけて、間違って借りさせる」的な三流作品置いてますね。とは言っても、コレは珍しく、正規版の続編。とは言っても、ダニー・ボイルは製作総指揮とかいう名誉職で、監督・脚本はよくからんヒトがやってたりする。『28日後...』はそれなりに楽しんで観たけれど、これは「もっと変な映画かと思って観たら、意外にフツーのゾンビ映画でした」という、意外性が意外にも無かったという意外性によって楽しめたのであって、別に、もう一本同様の映画を観たいとは思わない。「イヤなら観るなよ」と叱られそうだけど、でもですね、レンタル店で「お父さん、遅い」と子供に急かされると、こういうの(続編モノ)をつい手に取ってしまうものなんですよ。ってな訳で。うーむ、ゾンビ襲撃のパニックシーンが、「何かのドアップ」がチラチラするばかりで、さっぱりわからん。とか言うのは、ヤボなんですかね(ヤボでも、言ってやる)。しかしまた一方、ゾンビと市民が入り乱れたところに狙撃兵が無差別射撃をするシーン、これはどうなんでしょ。狙撃兵の目から見て、ゾンビか人間かわからない、という混乱は伝わるんだけど、正直、私の目にも、どれがゾンビかイマイチわかりにくい。こうしうシーンの構成って、狙撃兵からの混乱した観点のほかに、ゾンビと人間を区別できる視点、人間が射殺されてしまう悲劇を伝える視点、ってのが、あってよさそうなものなんだけど。物語は、ゾンビ病の再発と、免疫のあるヒトのオハナシ。あまり新味が無い。またそこに、「家族」とか「父との葛藤」みたいな定番のテーマ(であるが故に難しいテーマ)が絡む、らしいのだけど、これまた何とも浅い。オマケみたいなもの。とか、ボロクソなんだけで、でもやっぱり、「大都会を舞台に、よくこんな映画撮ったなあ」という感動については健在、いやむしろパワーアップしており、その点におけるファンタジー性に関する限り、本作も十分に楽しめたなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-02 03:35:05)
2533.  それいけ!アンパンマン とべ!とべ!ちびごん
40分しかない上に、歌で引き延ばしを図っており(そのシーンも、アニメーションの動きとしてはテレビ版並みあるいはそれ以下で、ちっとも面白くない)、非常に薄味の作品でした。ちびごん(これがまた変な顔)が登場して適度にガンバって見せて、おしまい。むしろ見どころは、ホラーマンがイイ人として登場する点ですかね。あと、あん/しょく/カレーのトリプルパンチは、敵を倒すばかりではなく、味方を応援するためにも使えるのか、と。これは大きな発見。ええい、どうでもいいっての。
[DVD(邦画)] 4点(2009-11-26 02:15:33)
2534.  映画 ふたりはプリキュアMax Heart
この頃のプリキュアって、強いよなあ。どうでもいいけど。プリキュアたちの前に、謎の人物が現れ(これが「声は鉄郎だけど姿は車掌」という感じで、ちょっと笑った)、いきなり戦いが始まる。しかしあっさりヤラレてしまい降参。実は悪者ではなくって、プリキュアに助けを求めにきたカエル星人なのであった(たぶん違うけど、そういうことにしておこう)。で、力を貸しに3人のプリキュアたち。しかしカエル星人の一人はプリキュアを認めず、キュアブラックと衝突する。立ち去るキュアブラック。しかしそこにコウモリ軍団を引き連れた悪い魔女(だと思う)が登場、攻撃を仕掛けてくる。キュアホワイトは、ブラックがいない今、プリキュアに変身できない。ひとりシャイニールミナスが敵に挑むが力及ばず、倒されてしまう。あわてて戻るブラック、しかし時すでに遅し。大事な(よくわからんが大事なんだと思う)ブレスレッドも魔女に奪われてしまい、非難を浴びるブラック。カエル星人との約束を果たすため、そして斃れた(死んでないけど)シャイニールミナスのため、ふたりのプリキュアは決死の覚悟で敵の本拠地へと向かうのでありました・・・。ってな感じのオハナシだったと思います、はい。とりあえず、敵の魔女はメチャクチャ強くてカッチョよいのですが、最後にパワーアップとばかり、巨大化してみせるのは、いただけない。そもそも最後に巨大化した悪役が、強くなったためしがない。必ず直後にやられてしまう。体が巨大化すると、弱点も巨大化するのですね。とても勉強になりましたです。
[DVD(邦画)] 5点(2009-11-24 22:30:07)
2535.  ラスト・ホラー・ムービー
「あなた」がこの『ラスト・ホラー・ムービー』なるホラービデオをレンタルビデオ屋で借り、観賞していると、開始早々、映画が中断し、変な男が登場する。こやつ、このホラービデオに、自分が撮影したビデオを上書きしちゃったらしい。とんでも無いヤツだ。上書きした自作ビデオってのは、自分が実際に行った殺人の記録、すなわちスナッフ・フィルムなんだけど、そんなことはどうでもよろしい、みんなが楽しむビデオなんだからもっと大事にしてもらわないとねっ。弁償しろっ。ってな趣向の作品。ネタ的には、「今さら、なあ」と言いたくなります(例えば竹本健治の『~偽書』なり『~基礎論』なりを思い起こすと、まさに周回遅れ、という印象)。ま、そもそも、コレをビデオではなくDVDで観賞してる時点で、ハズしちゃってる訳ですけど、それは些細なことであって、最大の難点は、ドキュメンタリを装えば装うほど、墓穴を掘っちゃうってところ。全編にわたり、手持ちビデオカメラで適当に撮ってるような感じを出しており、ところどころで、この“スナッフ・フィルム”が撮られる背景を垣間見させるような「舞台裏」的なシーンも入るんですけど(例えば、実際にカメラを持っている“助手”の存在)。しかし別にノーカットで撮っている訳でもなし、“作品”として適度に編集を入れてるのだから、そもそも、そういうシーンはちゃんと切っとけよ、と言いたくなっちゃう。敢えてそういう不要なシーンを残すことが、すなわち、何とかホンモノっぽく見せてやろうという作為の明らかな表れなのであって、「ホンモノっぽく見せようとする努力の形跡こそ、最もウソっぽく見える点」というヤツなんですな。せっかく“助手”の存在を仄めかしているのだから、この存在をもっとうまく利用して欲しかった(“助手”=観察者。最も映画的な存在ではないか!)。助手は助手で、「殺人鬼」氏に内緒でシーンを勝手につけたして、映画がますます混乱する、とかねー(コレも古い手法かな?)。残念ながら本作は、最後のオチを言いたいだけのために、ダラダラとどうでもいいことを垂れ流してしまった作品となってしまいました。一応、最後にこれだけは叫んでおこう「でもこういうの嫌いじゃないぞー」
[DVD(字幕)] 4点(2009-11-24 22:02:06)
2536.  ダイアリー・オブ・ザ・デッド
ロメロは何故ここまでゾンビにこだわるのか?それはやはり、ゾンビというキャラの持つ、アナーキーさ・無軌道ぶり・ヤサグレ感・どこか漂う哀愁・・・。映画にいくらメッセージ性を込めても、ゾンビを登場させる限り、映画を支配するのは終末感覚であり、諦念であり、だからこそ、メッセンジャーとしてのロメロではなく、映画作家としてのロメロが活き活きとしてくるのではないか、と。ヘナチョコサスペンス『URAMI』は、やはりテーマ性が目立ち過ぎた。やはり、オブザデッド・シリーズこそが本領・・・と言う意味では、本作って、どうなんだ? テーマ性とゾンビ性(そんな言葉があるのか?)が真っ向からぶつかり合い、最後はテーマがゾンビを蹂躙した挙句に「ゾンビが血の涙を流して見せる」という問題作、それがこの『ダイアリー~』。いまや“映像”とは、命と魂をかけたプロによって提供されるものではなく、無数のアマチュアたちによって、まるで自然発生的とも言うような形で日々作りだされるもの。ネットを飛び交う出所不明の映像の数々(無論、映像に限ったことではない。この私の駄文も、その類のものである。自戒)。ひたすら、実感を伴わぬ空疎な刺激が求められ、たとえ人の死であっても、映像となった途端、それは娯楽となり、商品にすらなる。死者は好奇の目にさらされ、まるで本作のゾンビたちのように、「死んだ者をもう一度殺す」という扱いを受けることになる・・・。ところで、本作における、フェイクドキュメンタリーの手法って、本作のテーマを描くにあたっての、確かにひとつの選択ではあろうけど、でも、本当に有効であったか? あくまで映画作品たりえようとし、映画らしい技術を持ち込んでしまった結果、浮き上がってくるのは“フェイク”の部分、すなわち“ウソ”である。“ウソ”を積み上げることで“ホント”を作り上げるのが映画であったハズ、それが本作では、“ホント”に成り切れなかった“小ウソ”が知らず知らずに積み重なって“大ウソ”になっただけ、で終わってしまった気が。割り切りの足りなさ。『クローバーフィールド』は映画から逸脱し、映画作品たりえなかったことで、ひとつの完成に達した。本作は・・・割り切りが足りず、でもそうであるが故に、映画作品たりえているのもまた、事実か。
[DVD(字幕)] 7点(2009-11-22 08:47:48)
2537.  処女の生血 《ネタバレ》 
またも出ました、「アンディ・ウォーホル・プレゼンツ」のクレジット。どうせ全然、プレゼンツなんぞしとらんのだろう、とタカをくくっていると、更なる衝撃が我々を襲う、それは「出演:ヴィットリオ・デ・シーカ」というクレジット。どうせ、騙されて出演させられたのだろう、とタカをくくっていると、いやこれが意外にノリノリの演技で、満更でも無さそう? さて、前回の『悪魔のはらわた』がフランケンシュタインものだったので、必然的に(と言ってよいのかどうか)今回はドラキュラもの。オリジナルのネタは無いのかよ、と突っ込んではイケナイ。十分、オリジナルな内容(勿論、良い意味ではありません)。例によってウド・キアが演じている、主人公のドラキュラ伯爵。時代も流れ、世知辛い現代、どこに行っても処女がいない、血が吸えない、ああもう駄目。と、いきなり泣き事をのたまい、何とも気が滅入る。で、目をつけたのがデ・シーカ公爵の美人(かなあ?)四姉妹。処女であれば結婚して連れ帰り・・・と行きたいところだったが、実は次女と三女はドスケベで、ムキムキ絶倫男(何故か共産主義者)と3Pにふける毎日。そうとは知らずに血を吸ってしまい、食あたりを起して苦しむドラキュラ。というアホ過ぎるお話なんだけど、雰囲気はあくまで大真面目のゴシックホラー。次女、三女と、一度ならず二度までも食中毒に苦しむあたり、情けないというか、ダラシないというか。いやそれを超えて、何だかドラキュラが気の毒にすらなってくる。早く医者に診てもらえよ。でまあ、さすがにうら若き(ホントに若いの?)四女ばかりは処女のはず!と思ってたら、ドラキュラの正体を見抜き事態を察知したのが例の絶倫コミュニスト、彼女を助けるのかと思いきや、「処女のままでは危険だ!」と早速ゴーカンしてしまう(どうやらココも笑う場面ではなくって、あくまで真面目なホラーらしい)。可哀そうなドラキュラ。クライマックスに至っては、絶倫男が斧を振り回してドラキュラを追い回すという、ホラーにあるまじき展開。バラバラに解体され身動きがとれなくなっても、さすがはドラキュラ、とりあえずなかなか死なない。それがかえって、情けないというか、ダラシないというか。実に哀れ。まるで大悪獣ギロンに解体される宇宙ギャオスのような最期でありましたとさ。
[DVD(字幕)] 5点(2009-11-16 23:10:30)
2538.  チャイニーズ・ゴースト・ストーリー
多少ギクシャクしてようと、敢えてコマ撮りなんかにも挑戦してみるその意欲たるや良し、なかなかにご機嫌な香港オバケ映画。死霊のはらわたシリーズに影響受けつつも、逆にあちらのシリーズに影響を与えてる気もしないでもなく。本作、何とも慌ただしい内容の映画でして、1時間半ちょっとの尺で、しかも無意味に回想シーンを織り交ぜているのに、モーレツにモリダクサンな印象を受けます。それは何故かというに、「あっあぶない!」「と思ったら助かった」的なドタバタのオンパレードで、いわば“危機一髪小ネタ集”とでも言うべき装い。観てる間はボーッと楽しめて、観終わったらあなたのハートには何も残さないこと請け合い。それにしても際立つのは、ジョイ・ウオンの美しさ、ではなくて、悪の女王・ロウロウ様の魅力。あの、何ともいえぬ野太い感じが、てっきりオカマさんかと。攻撃する時の姿は、ちょっとビオランテっぽい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-15 09:15:58)
2539.  不知火檢校
立身出世を目指し、勝新演じる盲目の男が、ひたすら悪知恵と非道の限りを尽くす。出世のためには悪を辞さない。出世さえすれば、悪は悪で無くなる。その狡猾さたるや、高木彬光の『白昼の死角』に匹敵、いやそれを凌駕するほど。「盲目」を表現せんとする勝新の芸の細かさ、細か過ぎるまでの細かさが、主人公のヤな感じをますます醸し出し、見事なまでの“得体の知れなさ”を表現しておりますな(最早、「得体が知れない」のは、主人公なのか、勝新なのか、区別がつかない)。この主人公、いつかはしっぺ返しを食らって没滅して欲しい、だけどその「いつか」ってのはもっと後でいい。主人公が危機を乗り切るたびに、ええい畜生、と思いつつも、どこかホッとしたりもする。主人公の成功は、ひとつの“夢”ではあるけれど、主人公の没落は・・・結局は、次の「悪」が現れるだけなのであって、所詮我々は、常に現れ続ける「彼ら」に利用され踏み台にされ続けるしかないという“現実”。時々は良心ぶって、狂ったように「彼ら」に石を投げつけてみるしかない、という“現実”。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-15 08:35:47)
2540.  それいけ!アンパンマン ばいきんまんの逆襲
ばいきんまんが七変化して(そんなに多くは無いが)アンパンマンたちに襲いかかる! と言っても、攻撃のツメが甘過ぎて、頼りなさ過ぎ。観ててイライラします。観てるこちらとしては、アンパンマンをギタギタにやっつけて欲しいわけですから。巨大グモに変身したばいきんまん、糸吐き攻撃だあっ、って、クモのくせに? 口から糸を吐くなんて、オマエはモスラか。カレーパンマンの再三にわたるカレー吐き攻撃。オマエはグレート・カブキか。じゃなくて、その、目を狙う攻撃はやめなさいっての。倫理上、問題アリ。というわけで、教育上よろしくない映画だと思います、ハイ。しかし、映画の中から我々に話しかけてくる、観客参加型ってのは、某クロサワ映画を思い起こさせますな。 
[DVD(邦画)] 5点(2009-11-03 15:49:28)
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