2521. バトル・ロワイアル
冒頭の、父親が「秋也ガンバレ」の文字を残して死んでいるシーンで「無責任な親」と思った瞬間から、この映画が言いたい事がどんどんと伝わってきて、見ていて心が痛い映画でした。反社会的な映画ですが、実のところ、青春映画の秀作なのではないかな、と思います。政治家がケチをつけたあたりも、なんとも象徴的というか、この映画にふさわしいエピソードですね。 [映画館(邦画)] 8点(2003-11-21 14:13:25)(良:2票) |
2522. スピード2
《ネタバレ》 「どーです、このクライマックスの船突入の大スペクタクル!もう、ここだけ、ここだけに全てを注ぎ込んだと言っていい映画です。他はオマケみたいなモンです。大々的に予算つぎ込んだから、もう、しつこいくらいに、クドいくらいにカメラいっぱい、色んな角度から見せちゃいますよ!」 「ボンさん、ボンさん。その船突入、ついこの間、『ロスト・ワールド』で見ましたよ。」 [映画館(字幕)] 2点(2003-11-21 13:55:57) |
2523. いつか晴れた日に
《ネタバレ》 本当に大好きな映画。すぐ感情移入モードに入ってしまう私はラストのエマ・トンプソンに、「良かったねぇ、本当に良かった」と、映画だって事も創作だって事も演技だって事も忘れて感動してました。アラン・リックマンの多彩さを知ったのも、この映画でした(『ダイ・ハード』のハンスとは全くの別人に見えました)。 [映画館(字幕)] 10点(2003-11-21 13:49:48)(良:1票) |
2524. 模倣犯
森田監督が時代の先を行ってやるぜ~、と思いつつ、思いっきりダサくなっちゃってるのがハッキリ見て取れて、痛々しいです。中学生の撮った映画みたいに「アイタタタ~」って感じで、見ていてこっちが恥かしくなっちゃって「やめて~」って。中居くん側の感覚か、山崎さん側の感覚か、どちらかをスッパリ切って整理したら、幾分マシになったと思うのですが。あと、爆笑問題の部分は全く不要かと。そうそう、この映画を有楽町の映画館で見ていて、津田寛治が小池栄子を・・・のところで震度4の地震がやってきて「あわわわ~」。なので映画に集中していない時間があった事を書いておかねばなりますまい。もっとも、集中していたら、点数上がったかというと、それは絶対ナイと断言できますが。 [映画館(字幕)] 1点(2003-11-21 13:38:11) |
2525. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 被災者や仲間を救い、炎と闘うマックイーン演ずるマイケル・オハラハンのカッコ良さに比べると、ニューマン扮するダグ・ロバーツはやる事がいちいち裏目に出てるという悲しさ。いくら直接関与していないとは言え、設計責任者なのにオープン当日になるまで人任せにして旅に出て、好き勝手やられて火事の原因を作り出すわ、屋上からのヘリでの脱出では暴走する女性達を抑えられずにヘリを爆発させちゃうわ、重力ブレーキで展望エレベーターを無理矢理降ろそうとしたら、途中階で爆発起こってリゾレットが落ちちゃうわ。ラストで人類の思い上がりの象徴とか他人事言ってていいんか?相当責任負ってるんちゃうんか?とツッコまれても仕方ない状態です。オハラハンはダグに「お前、頼むからじっとしててくれ、何もせんといてくれ」って言いたかったんじゃないですかねぇ? ・・・なんてコトを考えるようになったのは大人になってからで、子供の頃、映画館で見たこの大災害映画は、そのどっしりとしたスケールにひたすら圧倒されたものでした。見終わるともうぐったり、だけど9回見に行きましたねぇ。ビデオなんて超高価でそもそもソフトが発売されていなかった当時と違って、今はDVDでお気軽に見られるワケですが、今でも映画館にかかってれば何回でも通いたいくらいです。 [映画館(字幕)] 9点(2003-11-21 13:24:53) |
2526. 大地震(1974)
1974年12月31日の午前、日比谷の有楽座でこの映画を見た時から私の映画ファンとしての歴史がスタートしました。お腹の底にずんずん響くセンサラウンドのインパクトや70ミリの大きな画面に、私は「映画って凄い!」とすっかり魅了され、その後、クラスメイトと何度もツアーを組んで出かけたものです(有楽座に2回、東急レックスに5回行きました)。今見ると、画面歪めたり揺らしたりしてるだけのお手軽特撮が多い事に気付きますが、オープンミニチュアセットやマットペインティングは見事。当時はホンモノ壊してる!とか思ったりしましたからねぇ。高速道路から落ちる牛満載のトラックの映像に、「あー、あの牛達はやっぱり死んじゃったんだろうなぁ。勿体ない事するなぁ」なんて。よーく見ると、その脇でワーゲンがころりん、と飛ぶんでミニチュアだって判るんですけどね。チャールトン・ヘストンやエヴァ・ガードナーというスターの事を知り、マーク・ロブソンという監督を知り、ジョン・ウィリアムズという作曲家を知り、映画の魅力は本当にいろんなところにある事に目覚めた映画、私に、映画の楽しみ方の第一歩を踏み出させた記念碑的作品なのでした。センサラウンド方式上映作品が登場したら、今でもすっ飛んで行っちゃうんだけどな(原体験のせいで以降「なんとか方式」に騙される事、数知れず・・・)。 [映画館(字幕)] 8点(2003-11-21 13:15:44)(良:1票) |
2527. ハリー・ポッターと賢者の石
ポッタリアンのためのお祭り映画。原作大好き!って人ならば、イメージほぼそのままに再現された世界に浸って時間を忘れ、そうでない人は、映画としてのテンション保ててないダレダレの展開にウンザリ。おっさんポッタリアンとしての私の不満点は、フレッド&ジョージの出番を増やせ!ってところ。映画ファンとしては、もう少し刈り込め!ってところ(あ、軽やかに矛盾してる・・・)。 6点(2003-11-21 13:05:58)(笑:1票) |
2528. タイタニック(1997)
初見の時、感動しまくった自分の気持ちを素直に肯定するとしましょう(結局公開当時4回見に行ったしね)。私は男ではありますが、ローズに感情移入しまくりで見ていたので、ジャックと離れてゆく→やっぱり一緒に!のシーンで「はふ~ん」と夢見る乙女状態。ああだこうだと色々言われる映画ではありますが(そして私自身、今ではDVDで見ても自殺しようとするシーンとかダイヤをコートに隠すシーンなんか、イライラして早送りしちゃいますが)、これだけのスケールを制御する能力は、やっぱり凄いと思います。それに、当時の映画館での熱狂度、自分の周囲の盛り上がりを見ても、この一本の映画が作り出した世界的な大きなうねりっていうのは凄かったなぁ、と。『ジョーズ』『E.T.』と共に特別なノリを体験した映画として刻まれてる、今となってはイベントとしての貴重さも評価したいと思います。まあ、ジェームズ・ホーナーのワンパターン音楽のせいで、いつ見てもジャックとローズが水から逃げるシーンでは後ろからエイリアンがやってきそうに思えて仕方ないですけど。 [映画館(字幕)] 9点(2003-11-21 12:52:36) |
2529. りんご
父親が二人の娘を長年家に軟禁していて逮捕されたという、現実に起こった事件を元に、その当事者を実際に起用して劇映画にしてしまった、大変びっくりな映画。冒頭のドキュメンタリー映像から、そのまま劇映画に突入してゆくという驚きの構造。そしてそれが1つの作品として下手な映画よりも完成されたものになっているのですから更にびっくりです。さて、この映画には、人間にとって、そして子供にとって何が一番幸せなのかを深く考えさせられました。軟禁されているから可哀想、言葉を知らないから可哀想、そういう、ごく当然な価値観は、実際の彼女達の、いきいきした表情、仕草によって、あっさり否定され、それぞれの人の暮らしがあって、そしてそれぞれの幸せがあるんだ、って思い知らされます。彼女達なりの生があって、それがフィルムに現実として焼き付いていて、その姿は憐れみや悲惨さとは無縁な、大切な無垢の光を放っています。あと、途中で一緒に遊ぶ事になる女の子の演技、最高です。 [映画館(字幕)] 9点(2003-11-21 12:39:17) |
2530. キングコング(1976)
《ネタバレ》 純粋な映画少年(?)だった当時「騙された!」と思った映画。イラストじゃ貿易センタービルをまたいでるコング、実際には貿易センタービルの間を飛び移るだけで必死だし。実物大を作った!と宣伝してたコングは腕とか首とか、ごくごく部分的に、のたーのたーと動くだけだし(着ぐるみと毛並みも色も違うヨ!)、固定ショットと移動ショットを合成しちゃってるし、落下するコングが空中から突如現れたりするし。でも、今思い返すと渋谷のガラガラのボロい映画館の淋しい状況と、映画に漂う空虚なイメージとが重なって、切ない思い出が甦ってノスタルジー気分。コング大暴れ!という映画じゃなくて、ガラーンとしたニューヨークをコングがとぼとぼ歩き、なんだかやたら編成の少ないオケによるジョン・バリーの音楽が淋しい気分を更に盛り上げてくれる、大作って言ってもナカミがないモノもあるのよ、っていうのを実際のカタチにして映画少年に現実を見せつけてくれたよーな映画だったんだなぁ、と。だからって評価高くしたりはしないですけどね。 [映画館(字幕)] 5点(2003-11-21 11:56:53) |
2531. JAWS/ジョーズ
《ネタバレ》 前半の恐怖映画から後半、冒険映画へ一転する、あの心地よさ。意匠を凝らしまくったカメラワーク。若き日のスピルバーグのエネルギーが画面から溢れ出てる感じです。海上で鮫を追うシーンではスピルバーグとジョン・ウィリアムズの才能の相乗効果によって最高にエキサイティング。持ち上げて落としてまた持ち上げてを絶妙のタイミングで繰り返して観客を翻弄するスピルバーグの上手さが最も光った映画でした。公開当時、満員の映画館では悲鳴や歓声、そして大拍手に湧き、お祭り騒ぎみたいな場内に、子供心に興奮しまくった記憶があります。あんな体験、後にも先にも、あの時だけでした(そもそも1500人以上入ってる映画館で映画を見る、なんて体験も今はできないですしねぇ)。 [映画館(字幕)] 10点(2003-11-21 11:50:04) |
2532. ブルーサンダー
《ネタバレ》 初デートで彼女をこの映画に誘ったのは、今考えてみれば、とってもバカ、『タクシードライバー』のトラヴィス状態。でも、マーフィがブルーサンダーで決定的証拠を記録し、大佐がそれに気付いて呆然とするシーンで、彼女が小さく「やったね」ってつぶやいた事が、今も印象に残ってます。まだCGが殆ど役立たずだった時代、ロスの街で本当にヘリを飛ばして撮影した映像は、迫力たっぷりでした。それに、ロイ・シャイダーが好きなんですが、この映画でのロイが、個人的にはいちばんカッコ良かったと思います。ニヒルな表情をキメてサマになるのって、やっぱり憧れるなぁ。できれば、公開当時のヴァージョンを見せて欲しいんですけれど、ビデオ、LD、DVD、テレビ放映と、全て変更されたヴァージョンになっているのが残念。そうそう、この映画も今となってはすっかり忘れられた存在になっている感じがしますが、サントラだけは今だ健在のような。『カメラは見た!決定的瞬間!!』みたいな番組では、この映画の音楽がジャジャ~ン!ジャーンジャーンジャカジャ~ン!!と高らかに鳴り響いておりますね・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2003-11-21 11:39:26)(良:2票) |
2533. キル・ビル Vol.1(日本版)
一体、この映画はナンなんだろう?という不思議な感覚は、やがて記憶の奥底を刺激し、ノスタルジーを誘うものになりました。昔、土日の午後のテレビで見ていた、どこの誰が作ったのかも定かでない、映画史などとは無縁のB級の映画達。本来、忘れ去られてゆく筈のものに対して愛情を向けたこの映画、「笑えた」という意見が多いなか、私は妙に泣けてきてしまって、仕方なかったのでした。映画を見る眼を研ぎ澄ましてきた人にはダメ映画として映りそうですが、どんな映画でも、どうしても切り捨てる事ができないまま生きてきた人には最高の映画なんじゃないでしょうか。【追記】再度スクリーンで見たところ、初見の時よりも更に印象アップしました。実は意匠が非常にしっかりしていたんですね。特にクライマックスでのブライドとオーレンの対決シーン。ブライドが映る画面は障子から洩れるオレンジの光が、オーレンの映る画面は雪が散りばめられた空のブルーが常に背景にあって、熱さと冷たさが対比されています。怒りに燃えたぎるブライドの温度と、冷たく情を捨てて生きてきたオーレンの温度。単なる日本映画のエッセンスを置いてみました、というのではなくて、その映像に「日本映画の血」を確実に見たのでした。 [映画館(字幕)] 9点(2003-11-21 11:30:24)(良:1票) |
2534. マトリックス レボリューションズ
《ネタバレ》 「リローデッド」は眠くて仕方なかったんですけど、これはちゃんと起きてました。生キアヌも見られたしね。でも、大きなオチを用意したら、それがネタだとみんなに気付かれず(デウス・エクス・マキナを創作用語通りに出してみました、という)、思いっきりハズしちゃいました、みたいな感じが悲しいウォシャウスキー兄弟。ちょっと映画がシリアスになり過ぎちゃったのかな? CGお腹いっぱいな戦闘シーンは凄いけど、「マトリックス」で見たい映像じゃなかったですし。求めていたのは、1作目の、あの、ひたすらカッコつけたアクションの世界だったんですけどねぇ。 【追加】ああっ、眠ったままのネオを救いにゆく展開、甦ったものの主力戦には参加しない主人公一同、この展開は「スター・ウォーズ」の「帝国」~「ジェダイ」の流れではっ?・・・ってそれに気付いたからどーなの?・・・むぅ。 [映画館(字幕)] 5点(2003-11-21 10:11:18)(良:1票) |