241. 東京物語
《ネタバレ》 熱海でおばあちゃんが立ち眩んで転んでから、ずっと胸が締め付けられるような気持ちで観ていました。そしてその後は随所で不覚にも涙。どうも僕はおばあちゃんに弱いようです。これは一種の家族崩壊を描いた作品だが、ただ哀しいだけで終わらせなかったところが◎。今観ても十分名作だと思うけど、もっと年を重ねてから観たら、もっともっと堪能できるんだろうなぁ。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2005-11-20 20:04:22) |
242. 赤ひげ
三船敏郎が出演した最後の黒澤映画であり、最後のモノクロ作品でもある。確かに集大成的な感じはあるけれども、どこか説教臭いところがあってちょっと困った。特に佐八の臨終とかおとよのエピソードなんかは、過去の黒澤作品に比べてもちょっとお涙頂戴な感じがします。 [DVD(吹替)] 7点(2005-11-20 20:00:58) |
243. 乱
正直言って、大殿よりも三兄弟よりも狂阿彌よりも、楓の方が一番インパクトがありました。もう怖い怖い。『蜘蛛巣城』の山田五十鈴以来の衝撃です。本作も『影武者』同様、無駄に長過ぎる気がします。大殿と狂阿彌が歩き回るシーンなんて、もっと削っても良さそうなものだが。 [DVD(吹替)] 6点(2005-11-20 19:23:57) |
244. 影武者
50~60年代の名作群に比べると、パワーダウンした感は否めませんね。最後の合戦のシーンにしても、『七人の侍』や『蜘蛛巣城』あたりと比べると明らかにモタモタしている。あのどぎつい色彩もどうかと思います。仲代達矢もいいんだけど、なんかもう一押し欲しかったなぁ。 [DVD(吹替)] 6点(2005-11-20 19:16:06) |
245. 天国と地獄
一級のサスペンス映画でしょう、これは。かなり長い映画なのに全然緊張感が跡切れないところが凄いです。公衆電話の位置の割り出しや身代金の受け渡し、そしてピンクの煙など、印象に残るシーンは多い。ただこのあたりから三船敏郎が「動」から「静」へとシフトしてしまい、その辺がちょっと寂しかったりする。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2005-11-20 19:01:24) |
246. 椿三十郎(1962)
『用心棒』の続編というか番外編というか姉妹編というか…まぁそんな作品。しかし、前作よりはちょっと展開が強引かなと思う(若手有志たちと手を組むところとか、奥方奪還とか)。椿の合図は非常に面白かったと思います。最後の居合いも凄まじい。でもあの終わり方はちょっと後味が悪かったかも。 [DVD(吹替)] 8点(2005-11-20 18:53:16) |
247. 用心棒
《ネタバレ》 なんといっても桑畑三十郎が強い! 強過ぎる! こいつとマトモにやり合えるのは『七人の侍』の久蔵しかいない(?)。でも単純な無敵のヒーローじゃなかったのがよかった。一回つかまってボコボコにされるけど、あれがなかったら多分つまらなくなっていたでしょう。三十郎ももちろんいいが、卯之助や権爺など、脇役も非常に輝いてる。とにかく思い切り楽しめる痛快時代劇です。 [DVD(吹替)] 8点(2005-11-20 18:47:06) |
248. 悪い奴ほどよく眠る
これはもう徹底的に救いのないお話。後味の悪さは『生きものの記録』以上である。『隠し砦の三悪人』と『用心棒』の間にこんなとんでもない映画を作ってるんだから、やはり黒澤明は恐ろしい。社会悪に対する糾弾という意味では『生きる』に通じるものもあるけど、あちらの志村喬はいい人すぎてちょっとアレだったけど、こっちの西は単あるヒーローではない。悪と戦うためなら自分も悪になると公言するような男であり、そこにこの映画の面白さがある。その西の前に立ちはだかる「ワル」たちもなかなかのクセ者ぞろい。観ていて本当に胸くそが悪くなる。でも本当に胸くそが悪いのは、このストーリーが45年経った今でも少しも色褪せてないことだ。 [DVD(吹替)] 8点(2005-11-20 18:42:08)(良:2票) |
249. 隠し砦の三悪人
相変わらず三船はカッコいいし、千秋実&藤原釜足のコンビも抜群。雪姫は…まあいろんな意味で強烈なキャラだった(笑)。今回は他の時代劇と比べて馬の印象が強いです。特に凄いのが、六郎太が猛スピードで馬を走らせながら、片手で娘を掴んで後ろにひょいとのせてしまうシーン。あまりに凄過ぎて一瞬思考が止まった。いい映画だったんだけど、できればもうちょい尺を短くしてほしかったです。この内容で139分はどう考えても長い。 [DVD(吹替)] 8点(2005-11-20 18:34:58) |
250. どん底(1957)
『蜘蛛巣城』に続く西洋文学の時代劇化。ただし今度はロシア文学。本作の場合は原作が原作だけにほとんど密室劇と化しているが、それで二時間以上やるんだからちょっと退屈してしまった。今回は三船敏郎があまり目立ってなかったのも減点要因のひとつ。でも最後のどんちゃん騒ぎと、喜三郎の捨て台詞は最高によかった。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2005-11-20 18:28:43) |
251. 蜘蛛巣城
『七人の侍』よりはこっち派。時代劇なのにシェイクスピア原作ってのがまた凄いわなぁ。本作のように、目ン玉ひん剥いてソワソワと動き回る鷲津を観ていると、「やっぱ三船敏郎はこうでないと!」とつい思ってしまいます。『赤ひげ』の様に落ちついてしまった壮年期の作品にイマイチはまれないのもそのせいかも。 [CS・衛星(吹替)] 9点(2005-11-20 18:25:46) |
252. 生きものの記録
最後がとても衝撃的だった。時代劇・現代劇を問わず、当時の黒澤作品はわりとキレイに話がまとまって終わっていたのに、これだけは違っている。映画が終わっても観客に考えさせようとしているのだ。確かに喜一老人は狂っているかもしれないが、目の前にある核戦争の危機に対して目を反らし知らん顔して生きている奴こそが本当は狂ってるのではないか、と。深い映画です。 初代『ゴジラ』や『世界大戦争』などとセットで観るのもいいかと。 [ビデオ(吹替)] 9点(2005-11-20 18:14:10)(良:1票) |
253. 七人の侍
これが邦画の最高峰かどうかはともかく、確かにもの凄い映画であることは間違いない。七人の侍はもちろん、百姓の一人一人までもが生き生きとしてよい(逆に、野武士に全く個性がなかったのも◎)。最後の豪雨の中の戦いはものすごいインパクトがあるんだけど、実際に戦ってる時間でせいぜい5分程度だったりする。200分強のなかでたった5分。それでもあれだけの印象をもたらすのだからやはり黒澤明は凄い御方です。 [CS・衛星(吹替)] 9点(2005-11-20 18:02:49) |
254. 生きる
突然通夜のシーンに切り替わる後半部分が、ちょっと役人批判の色が強過ぎてちょっとついていけなかった。渡辺課長を見習って生まれ変わろうと決意した部下たちの顛末は、皮肉が利いててよかったです。それにしても本作の志村喬には狂気すら感じますね。怖い。 [ビデオ(吹替)] 7点(2005-11-20 17:54:49) |
255. 野良犬(1949)
この映画はとにかく暑い! クーラーをつけて観てもまだまだ暑い! 特に延々と闇市を歩き回るシーンの暑さは凄まじい。逆にあの暑苦しさがないとこの映画は生きてこないと思う。三船・志村のコンビも非常にいい(この映画のように「動の三船」「静の志村」の組み合わせが好き)。あと出番は少なかったけど、『七人の侍』からは想像もつかないようなキャラを演じた木村功が光ってました。 [ビデオ(吹替)] 9点(2005-11-20 17:48:55) |
256. 酔いどれ天使
先に『七人の侍』や『生きる』を観ていたため、本作における志村喬の暴れっぷりにはちょっと驚かされました。しかし本作はやはり三船敏郎に尽きる。個人的には菊千代・桑畑三十郎と並ぶ彼のベストアクトだと思います。 [ビデオ(吹替)] 9点(2005-11-20 17:43:38) |
257. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
前作に引き続き、非常に完成度の高い作品。最初と最後の合戦シーンの丁寧な描写には唸らされました。今回はかすかべ防衛隊がほとんどでないばかりか、野原一家でさえ脇役になってしまっているところに少々不満がありますが、映画としては十分満足のいく内容。それにしても、やはりあのラストには驚かされましたね。小さい子供も見に来る映画でここまでやるか、と。子供が観てトラウマになってなければいいが。 [地上波(吹替)] 8点(2005-11-20 17:33:37) |
258. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
冗談でも何でもなく、21世紀最大級の社会派ドラマだと思う。昨今の病的な昭和懐古ブームはひたすら「古き良き昭和」の部分ばかりを強調するが、当然いいことばかりがあったわけではないし、ケンの言うように全ての人が夢と希望に溢れ、心を持って生きていたとは限らない。「あの頃はよかった」なんて言って過去にすがるのは単なる甘えであり、我々は歯を食いしばってでも今を生きるしかないのだ。しんちゃんの最後の「ズルいぞ!」って台詞は、きっと全国のオトナ帝国予備軍に対する容赦ない「喝」だったのかもしれません。 [地上波(吹替)] 9点(2005-11-20 17:24:55)(良:3票) |
259. PARTY7
七人の変態が二時間近くの間、好き勝手に騒いでいるだけの映画にしか映らなかった。キャプテン・バナナのあの奇抜な衣装もあまり活きてなかったし。結局、唯一笑えたのはエンドロールだけ。 [ビデオ(吹替)] 2点(2005-11-20 17:05:43) |
260. サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS
あの『セカチュー』の先駆けともいえる泣ける映画、いや泣かせる映画。最後の手術のシーンなんて「さぁ泣け!」っていうのがミエミエで逆に興醒めである。そういや最初のサトラレってどうなったんだろう? 出番あれだけ? [地上波(吹替)] 3点(2005-11-20 17:00:51) |