241. マチェーテ
《ネタバレ》 お笑いアクションスプラッターというところか。テンポはよいけれど、都合がよすぎ。伏線が浅い。スプラッターが嫌いでなければ、勢いで楽しむにはよいと思う。【ネタバレ注意→】不法移民問題を扱っているけれど、ステレオタイプが過ぎるのではないか。これで共感を得られるのか疑問がある。また、マチェーテが捕まって九死に一生を得たところが、具体的にどうだったのかわからなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2010-12-12 15:09:17) |
242. パラノーマル・アクティビティ
《ネタバレ》 低予算でよく作ってある映画だとは思う。あらかじめ、そのことがわかっているので、たいした視覚効果も期待しないのだけど、それを割引いて見るという考えから抜け出せなかった。とにかく感情移入しにくい。カメラを映す、という設定をやめられないのはしかたがないが、あれでは“無理解な彼氏”以外の何物でもない。“無理強いする役柄”なのかもしれないが、ちょっとわざとらしい感じ。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-28 01:33:27) |
243. ソウ ザ・ファイナル 3D
《ネタバレ》 佳作。だが、3Dである必要はまったくない。いまどき“手前に飛んでくるモノ”のために3Dを使うな。映画館の問題もあり全体的に映像が暗く、2Dで見たかったと思う。これでマイナス1点。脚本は、いかにも“ザ・ファイナル”らしいまとめ方であると思う。【ネタバレ注意】冒頭の公開された場所でのトラップというのは、いままでにないシーンでその後の展開を期待させた。ただ、このトラップは「ソウ」のアマンダと同じ程度にやさしい(他人を犠牲にするだけで済む)。ボビーの役割は新しい。だが、彼が本物なら渦中の犯罪に巻き込まれたわけで、警察やマスコミの追及を長期にわたって誤魔化し続けられたとはとうてい考えられない。しかも、犯人が捕まっておらず、事件が止まったわけでもないのだから、身の危険は想定の範囲内であるはずだ。トラップには誰も成功しないが(助かる人数が決まっている場合を除く)、トラップに成功したら虐殺シーンにつながらないので(ガレージのシーンなど)、失敗を予測させてしまう。旧作のように、意外な方法でトラップを抜ける(以前のストラム刑事)、過酷なトラップをやり遂げるという展開が欲しかったところだ。とくに声を挙げなければ助かったであろう秘書のトラップは、胃の中に痛点はないのだから(気持ちは悪くても)声を抑えられないほどの激痛があったのかは疑問が残る。また、ここからの場面は、「ひとりでも助けていたら複数で行動することになっていた」ことが想定されていなかったと思う。秘書を助けていれば二人目はずっと容易に助けられただろう。また、誰か一人でも同行できていたら歯を抜かずに灯りの近くで歯に書かれた番号を見てもらうことができたはずだ。そしてボビーの最後のトラップ、そうするしかないんだろうが、着てるものを使えば、もっと楽に、かつ安全に昇れたのではないか。ところで、ゴードン医師は、元々足を切ってでも会いたい家族がいたはずだが、どうしたのか。ジグソーに心酔するようになったとしても、あの集会に出てくるほど表舞台に顔を出すなら家族にも会い、警察の聴取を受けたのではないか。そのときに最初の犯行現場を隠し通したのか。隠すなら「抜け出した人」として登場すべきではないだろうし、隠していないなら続編で同じ現場を犯行の舞台にできなかったはずだ。とまあ、突っ込みどころは山ほどあれど、なんとかファイナルとしてまとめられていたと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2010-11-21 04:00:02)(良:3票) |
244. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 “小品”という話は聞いていたけれど、全体としてはいい作品だと思う。ジブリ作品にしては声優が(まだ)マシな方だった気もするが、樹木希林はしゃべってる顔が浮かんできてしまい、興ざめした(それでマイナス1点)。【ネタバレ】たしかに「君たちは…」のくだりはシーンではいまいちではあるけれど(とくに子供向けとしては)、そこには背景が用意されていると思えば、それもありではないか。しつこい展開もなく、説教臭くもなく、話が発散してもおらず、子供とともに安心して楽しめる作品だと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2010-09-17 23:39:53) |
245. インセプション
《ネタバレ》 「面白い」という噂を聞きすぎたのかもしれない。「なんだつまらない」というような酷い映画というわけではないが(というより「面白い」部類の映画だと思うが)、ちょっと設定のアラが気になってしまった。【ネタバレ注意→】脚本として禁断の“夢落ち”を逆手に取ったともいえる着想は面白い。「夢を共有する」という仕組みは、あまり理由づけされていなかったが、夢の中は時間が長く感じる、音楽は聞こえる、中耳の感覚を残して“落ちる”ことを認識して目覚めるといった日常の感覚をうまく活かしていると思う。もちろん、時間を長く感じるのは、“感じる”だけであって、実際に高速化されるわけではない。そんなことはわかって脚本を書いているのだろうけれど、それが階層ごとに時間が伸びることになっているのはちょっと可笑しかった。しかし、もっと気になったのは“落ちる”シーンだ。“落ちる”ことが認識できるなら、それは車が落ちて無重力になるところで認識できるはずだ。落ちることは、何かにぶつかるということではない。それなら、叩き起こせばよかったからだ。ホテルで延々何をするんだろうと思っていたら、エレベーターを動かしてぶつけるだけというのは、ちょっとがっかりした。しかも、1階層目から2階層目には、そのような連動があるのに、2階層目から3階層目には、あまり影響を与えていないようだった。 [映画館(字幕)] 7点(2010-08-12 03:01:22) |
246. セブン
《ネタバレ》 これは凄い。【ネタバレ注意】途中までは、犯人像っぽいものがまるでなく、なんだか最後の最後で犯人が出てくるパターンかと変な不安をいだいていたのだが、そういう展開とは思わなかった。ミルズの暴走が軽率すぎると思ったが、これなら仕方がない。冒頭のミルズ刑事が「なぜやってきたか」が明確にならなかったのと、オープニング・エンディングの音楽だけが少し残念なところ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-26 17:31:20) |
247. マンマ・ミーア!
《ネタバレ》 ABBA のヒット曲にのせたミュージカル、だったんですねぇ。元々ミュージカル映画は苦手なので辛めの点数になってしまうんだけれど、面白い設定を用意しただけでストーリーが単調。ヒット曲の勢いでごまかされてしまって、もっと複雑な心理があっただろうに何も描かれていない感じがする。ミュージカルで見ていたら印象は違ったのかもしれないけれど凡作。メリル・ストリープがもったいない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-06-13 10:09:42) |
248. ウォーターボーイズ
《ネタバレ》 面白い。冒頭、強引な話を持っていきかたや役者の演技に距離感すら感じてしまったところではあるが、テンポのよい展開で、うまいまとめ方をしている。【ネタバレ注意】つわりは妊娠初期の症状なので、そこは大いに無理がある。その頃には、とっくにお腹の中で動きもあるはず。後で再登場させるためにしかたのない設定だったのだろうが(その時点で、それを予想させるのだが)、冒頭で、かなりいい加減な設定していると思った部分。プールに放流された魚で遊びまくっているのもヘン。途中で気がつけよ。あと、長期に頑張っていた5人の見せ場を用意しないと、あとから興味本位で集まっただけの人たちと同じでは“主人公たちの水族館での苦労”の意味が感じられなくなってしまう。“見せ場”が優先されてしまった印象。あれだけ練習する時間があるなら、演技の練習にも時間を割いてほしいところ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-06-13 10:04:10)(良:1票) |
249. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 面白い。【ネタバレ】どんな業界にも面白い裏話があるものだと思うけれども、期待異常で引き返して緊急着陸するだけというテーマでよくここまで作りこんだと思う。たった一度のフライトにしてはトラブルが重なりすぎるという指摘はあるけれど、おそらくごく稀に起きるようなことをまとめて描写したということなのだろう。そこは映画というフィクションだからこそ許されるものだと思う。ただ、構成上仕方がないとはいえ台風が過ぎ去っていない羽田に戻るというのはたしかに疑問。綾瀬はるかの役どころもいまひとつ。でも、全体的にはテンポよく最後まで見られた。 [DVD(邦画)] 7点(2010-06-04 11:30:56) |
250. おくりびと
《ネタバレ》 よい映画だと思うけれど、アカデミー賞で話題になった割にはあっさりしていて少し拍子抜けした。心境の変化をくどくど説明せずに表現していくところはうまいけれど、きれいにまとめすぎて空々しくすら感じてしまい、心を打つものがない。伏線もあからさまで、きっとそうなるだろうという方向に進む。ただ、それでも魅せるのは、本木雅弘のすばらしいところ。彼は若いころからよい役者。あと、納棺師に対する職業差別的な意識は、都会にいるとわからないのかもしれない。それにしても広末涼子がダイコンなのは皆、気になるんだね。 [DVD(邦画)] 7点(2010-06-03 11:30:11) |
251. レスラー
《ネタバレ》 佳作。“あの”ミッキー・ロークが、こんな役を演じるという意外感。そして、その演技に魅了される。ストーリーは比較的単調だけれど、プロレス界の(おそらくよく知られた)裏側を丁寧に描写するなど、随所に光るシーンがある。マリサ・トメイの実年齢にも驚いた。この映画の成功は、キャスティングの成功であろう。プロレスのシーンは、プロレスが苦手な人には辛いかもしれない。【ネタバレ注意】個人的に「80年代の音楽は楽しかったが、ニルバーナがあらわれて90年代はダメになった」というセリフに大変共感した。レスラーどうしの仲がよく、最後まで裏切りがないというのはよい描き方だったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-28 09:46:38) |
252. アイアンマン2
《ネタバレ》 『アイアンマン』を楽しんだ人なら、十分楽しめる映画だろう。アクションシーンは前作同様によくできているし、ロバート・ダウニーJrはもちろん、ミッキー・ロークの悪役ぶりも素晴らしい。スカーレット・ヨハンソンの切れ味もよい。ただ、ローズ役のドン・チードルは前作のテレンス・ハワードの方がお調子者っぽくてよかったと思う。【ネタバレ注意】ストーリーには、やや粗さがあった。何の伏線もなく「どうして、相手がそこにいることを知っているんだ」という場面が何回かあった。「わざわざ、そこに戻るなよ」という展開もあった。その方がアクションシーンが盛り上がるという事情はわかるのだが、それには何かしら“まっとうな理由付け”が欲しいところだ。競合企業のトップの悪事も、ステレオタイプな描き方で、あまりひねりが感じられない。本作に感動のストーリーを求めているのではないが、娯楽映画としてよくできていると思うだけに、残念な部分である。 [映画館(字幕)] 6点(2010-05-27 00:09:11) |
253. カールじいさんの空飛ぶ家
《ネタバレ》 ディズニーらしい映画。よくできたストーリーだし、映像もよく、面白いけれど傑出した作品とも言い難い。CG がよくできていて、つい“アニメ”であることを忘れてしまうからかもしれない。冒頭のまとめシーンはすばらしいが、“アニメだからできる”都合のよい設定が、リアリティを薄れさせている。回想シーンは、ジーンとしたが。あまり目立たなかったが「3D映画」にありがちな「3Dのための演出」は、普通の画面で見ると邪魔になる。やはり良い映画は、3Dにする必要がないんだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-25 11:04:43) |
254. ミルク(アメリカ映画)
《ネタバレ》 濃い映画。ほとんど予備知識なく見たので、ちょっと面食らった。もともとハーヴェイ・ミルクを知らなかったが、ストーリーは、いかにも“アメリカらしい”。史実に基づいているため、あっと驚くような展開はないが、うまく構成されているので最後まで飽きずに見られる。ショーン・ペンにしても、ジェームズ・フランコにしても、ゲイの人々や当時の映像をよく研究したんだろうと思うが、凄い。ただ、からみのシーンが多めなのはちょっとどうか。そんなにふんだんに取り入れなくても十分に伝わっているのではないかという気はする。 [DVD(字幕)] 6点(2010-05-25 10:46:11) |
255. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 傑作。実際は、そんなにうまくいくはずがない、と思いつつも、あからさまなほど都合のよいストーリーに魅了された。【超ネタバレ注意→】収容所の実態がそんな生易しいとは思えず、“シャワー”を浴びていなくなっているはずの子供のために食糧を分けていたら、本人がまいってしまうはず。子供も、ずっと隠れていられるほど分別がある年ではないだろうし、トイレはどうしたのかということも気になる。陽気に見せる面と対比されるはずの辛い環境が、あまり深刻には描かれていなかったのは気になるところ。また、あのときドーラが乗り込んでこなければ、グイドは息子のことだけを考えることができ、最後に危険を冒す必要もなかったわけで、乗り込んでくるときに「来るな」と言わずに、「お母さんも来た」と息子に話しかけていたのは気になる。一度くらいはグイドとドーラが顔を会わせられたらよかった。 [DVD(字幕)] 8点(2010-04-29 21:50:25) |
256. トレインスポッティング
《ネタバレ》 ドラッグを助長しかねないと思うほど麻薬中毒の主人公がカッコよく描写されてしまっている気もするのだが、それなりにネガティブな描写もあるから許されるというところか。ストーリーのつなげ方はうまい。汚い演出はやりすぎな印象もあるのだが、全体的にはよくできていると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-28 22:57:35) |
257. インクレディブル・ハルク(2008)
《ネタバレ》 なんだか残念な映画。「めいっぱいスカっとする」わけでもなく、かといってストーリーも心に残らない。技の名を叫ぶのは変。 [DVD(字幕)] 5点(2010-04-28 22:52:09) |
258. ラビリンス/魔王の迷宮
《ネタバレ》 今では特撮で何でもできてしまうから、いくらか陳腐に見えてしまうのはたしかだが、この時代にこの演出はなかなかのものだったと思う。デビッド・ボウイの曲がなんだか合わない気がすると思うくらいで、よい映画。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-28 22:46:41) |
259. グラン・トリノ
《ネタバレ》 つまらない映画とは言わない。よいストーリーだし、イーストウッドの演技は素晴らしい。ただ、映画らしいと言えば映画らしいのだが、善人対悪人というステレオタイプから変化がない。悪い人は、ただ悪いまま。へそ出しの女の子も、息子たちも、最初に見たままの印象で終わってしまう。私にとっては“感動の映画”ではなかった。【超ネタバレ注意→】最後の展開は予想できたし、あれくらいしかないだろう。そこが見えてしまったのが心が惹かれなかった理由だとも思う。そもそも、それまで何回も銃で脅していたこと、犬を預けたりして「撃たれに行く準備」をしていたこと、“犯人”側に計画性がないこと、それどころか被害者が内ポケットに手を入れて素早く抜きだして撃つふりに見えたことを考えてみれば、彼らに重い刑が科せられるかどうかも怪しい。わざわざ「長い刑期になる」というセリフが入っているのはそのためかもしれないが、不自然な印象を持ってしまうラストだった。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-28 22:39:12)(良:1票) |
260. アンダーワールド(2003)
暗い。話が暗いのではなく画面が暗い。まあ、そういう雰囲気の映画なのだろうけれど、あまり話にメリハリがなく、ただ暗くてつまらないという印象を強くしてしまう。それでも話が破綻せず、意外にまとまっていくのは、さすがハリウッド映画というところなのだけど、だからなんだという驚きも感動も生まれない。ケイト・ベッキンセールはきれいだし、キマッているのだが、もっとテンポよく話を進めてほしいところだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-09 15:26:22) |