2661. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 見ているときははらはらどきどきで最後まで一気に見切れたのだが、振り返ってどこが主題だったのかと考えると、意外に難しい。どちらかといえば、時間をかけて盛り上げている部分よりも、一瞬の切り取りの描写の方が印象に残った。例えば、2回目の独房の5年間を一切描かず、白髪と足腰の弱りだけで表現するセンスとか。また例えば、最後の最後に、割とさらっと発されるホフマンの一言の重さとか。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-07 13:17:02) |
2662. この自由な世界で
《ネタバレ》 このリアルタイムの社会問題に着目し、しかも主人公を必ずしも善人としていなかった設定のセンスは優れていると思うが、描写そのものはややストレートにすぎ、主人公の内省だけで話が終わってしまった感がある。ところで、日本でも派遣問題や低賃金問題は存在するのだが、切り込もうという映画人はいないのかな。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-05 23:17:50)(良:1票) |
2663. 恍惚の人
《ネタバレ》 73年という時期に認知症を正面から採り上げた問題意識は今日でも価値を有しているし、変なひねりをいれない誠実な描写は現在でも通用すると思う。ただ、終盤はいろんな場面での「おじいちゃーん」の連呼が妙に耳についた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-06-05 01:21:59) |
2664. 裸で御免なさい
ストリップどうこうというのはアイディアとしてはインパクトがあるけど、それ以外のところでひねりがありません。結果、同じやりとりが繰り返されているように見えます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-06-04 23:27:37) |
2665. 美しき運命の傷痕
《ネタバレ》 せっかく3つの素材を用意していながら、それがクロスしたり関連したりする要素が薄いのが残念。ただし、その中でも、よくあるような夫の不倫話を一本の筋の通った独自の世界にしているエマニュエル・ベアールの存在感は素晴らしい。仰々しい邦題はかえって損をしていると思う。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-04 04:19:35) |
2666. 父、帰る
「父が久々に帰ってきた」という一事だけで、それを息をひそめるようなじっとした雰囲気で描き出していく前半はなかなか見事。後半は少しテンションが落ちているが、中途半端に何かを盛り上げようとしないのがよい。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-03 22:11:51) |
2667. サン・ジャックへの道
筋的には細切れのエピソードを重ねただけという感じですが、ただの道を黙々と歩いている風景とか、その辺でぼてっと休んでいる状態とか、映像的には意外に面白いのです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-03 04:15:44) |
2668. ビヨンド・サイレンス
《ネタバレ》 例えば、父と娘の会話の場面で、会話の切れ目に父の視線が反れると、娘は手をちらちらさせて、父の視線を自分に向けさせる(そうでないと手話が見えない)。そのような描写の1つ1つがしっかりしているところに感嘆するし、しかもそれは日常生活の前提にすぎず、さらにクラリネットというエッセンスに寄りかかることなく、日々の一歩一歩を地道に描いているところが良い。ラストシーンも、突然栄光に包まれるのではなく、あくまでも薄暗いステージであるところがいいですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-01 23:47:41) |
2669. 煙突の見える場所
描写の対象を下手に拡げず、あくまでも身近な範囲でまとめているところは作品の堅実性を増加させていますが、それでもやはり食い足りない印象は否めない。上原謙が途中からどんどん格好悪くなっているだけなのも、何だかなあ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-06-01 02:07:59) |
2670. カリフォルニア・トレジャー
笑わせたいのなら徹底的に笑わせてくれないと、逆に親子愛などの要因にも感動できないわけで、何とも中途半端なコメディ。マイケル・ダグラスの老け具合もちょっとショック。 [DVD(字幕)] 3点(2011-05-25 10:11:47) |
2671. おしゃれ泥棒
オードリーのようなお姫様顔だと、やっぱりこういう軽いタッチの作品には合わないんじゃないかな・・・。多少はアホさ(広い意味で)を感じさせるくらいでないと、この種の主役には違和感があります。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-05-24 02:33:05) |
2672. ぼくの最後の恋人
ラブロマンス色はあまり感じられず、むしろ生活の中のああだこうだで笑わせようとするコメディ作品に近いのだが、そのネタが別に笑えないのです。それよりも、いろんなところでギャーギャー騒がしいのが気になります。 [DVD(字幕)] 4点(2011-05-21 02:44:27) |
2673. 竜二
《ネタバレ》 派手な喧嘩も銃撃戦もない。ひたすら地道な生活の描写。その中からにじみ出てくるヤクザ者の悲哀。途中であっさり堅気の生活に転進してしまうのも、今から見るとかえって斬新だったりする。さっと切り上げるラストも、ある種の容赦なさを感じさせて清冽。ただし、永島瑛子のベリーショートはあまり似合わないと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2011-05-21 00:58:22) |
2674. パリで一緒に
《ネタバレ》 脚本家がああだこうだと考える内容が、それこそ思いつきを並べただけで、発想も計算も感じられないのが最大の難点。お馬鹿映画だからこそ、締めるべきところは締めないといけないのです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-05-20 00:11:42) |
2675. シャレード(1963)
主演の2人が常に同じような感じで同じような演技をしているため、この人たちはどこでどうしたいというのがよく分かりませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-05-19 20:59:20) |
2676. 無法松の一生(1958)
《ネタバレ》 運動会のシーンでも、太鼓のシーンでも、その底にじっと抑えた慕情と悲哀がそこはかとなくにじみ出ている。そこがいい。だから、ポスターのシークエンスが、何ともいえない重みをもって静かな光を発している。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-05-17 23:24:57) |
2677. アドレナリン・ブレイク
何というか、とにかくみんなが揃いも揃って互いに顔面攻撃を繰り返し、とても痛そうな話。それ以外は何も印象に残っていない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2011-05-17 03:10:45) |
2678. 大殺陣
《ネタバレ》 前半のところで、誰が何をしようとしているのかがあまりにもごちゃごちゃしていて、ほとんど入り込めませんでした。ラストのしら~っとした静寂感はなかなか良いです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-16 02:44:26) |
2679. 十一人の侍
《ネタバレ》 これだけのキャストの中で、夏八木先生を主役にしてくれただけで、私としては何も言うことはないんですよ。まあ、尺をもっと長くして、個々の面々の背景なども取り入れるのがオーソドックスな手法なのでしょうが、そんなまだるっこしいことはせずに一気に突き進むのがこの作品の魅力であるともいえます。作戦中止のときの延々と続く馬の音、執拗に馬の一隊を追うカメラが強力ですね。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-05-15 23:22:45) |
2680. 名もなく貧しく美しく
《ネタバレ》 双方が聾唖者という設定を逆に生かして、主演の2人が存分な演技を見せつけている。また、出産を無事に行って幸福の前兆を感じさせながら、一瞬の隙にその子を亡くならせたり、次の子とも実の親子でありながら上手くいかなかったりと、現実の厳しさという要因にも配慮しているのが、作品に厚みを加えている。 [DVD(邦画)] 6点(2011-05-13 21:13:59) |