281. 日本のいちばん長い日(1967)
昔一度観て面白かった記憶がある。最近原作が大宅壮一編から半藤一利著に変更されたらしいが、そのおかげで偶然読む機会を得た。あまりの面白さに、さて映画ではどうなっていたのだろうと確認したく大急ぎでレンタル屋に走った。良い。これだけの大作、最良の時期であろう岡本喜八が丹念に映像化しており、この劇的な史実に余分な脚色を加えていないことが逆にとても好感。それにしても東宝35周年記念作ということで、豪華出演陣に舌を巻く。中でも阿南大将が乗り移ったかのような三船敏郎の圧倒的存在感に絶句。ついでながら、その時代まで邦画を支えてきた黒澤組の三船と小津組の笠が対峙する場面は妙に感慨深い。展開としては日本版元祖「24」。深遠な史実の内容にはここでは触れないが、もしこの映画を観る方は新たに判明した事実を加えた本を読んでからが絶対にお薦め。 [DVD(邦画)] 9点(2007-03-13 22:23:22)(良:1票) |
282. ペリカン文書
《ネタバレ》 D・ワシントンを除く主要登場人物の立場の変遷が恐ろしく判りにくい。駄作。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-03-13 21:46:12)(良:1票) |
283. 蝉しぐれ
《ネタバレ》 せつない感情を昇華させクライマックスとする・・・。 それが上手くいかなかった典型。 [DVD(邦画)] 5点(2007-03-13 21:39:02) |
284. 不撓不屈
《ネタバレ》 監督の用意!スタート!の声のたび、いくら不撓不屈であってもあの顔から演技を始めねばならぬ滝田栄が可哀想になってしまった。一昔前のようにナレーションの多用で面倒な演出を省いてしまおうという制作側の力の無さを露呈する希有な作。 [DVD(邦画)] 4点(2007-03-03 22:34:39) |
285. ザ・センチネル/陰謀の星条旗
《ネタバレ》 「24にM・ダグラスがゲスト出演というだけの話」というところまでも遙かに及ばないお粗末な出来。 [DVD(字幕)] 5点(2007-03-01 20:27:28) |
286. アフリカの女王
《ネタバレ》 戦況をほとんど知らぬ主人公達の行動故、艱難を乗り越え辿り着いたところには想像とは遙かに違う状況があった。普通なら、そういった展開になるべき序盤。しかし、余りに無理筋を連発したことで、ドイツの軍艦を「道理」と共に吹っ飛ばしてしまった感。これは出演者に救われている。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-03-01 20:19:36) |
287. ドリームガールズ(2006)
普通にセリフを欲しいところが歌になってしまう、ミュージカルは苦手ということが判った。 [映画館(字幕)] 7点(2007-02-26 00:14:25) |
288. 第十七捕虜収容所
《ネタバレ》 期待が大きすぎた。 いくらなんでもあの電気のサインはどうなんでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-26 00:09:33) |
289. ナイロビの蜂
妻の行動の映像表現にとても違和感を感じた。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-26 00:05:10) |
290. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 どこも無駄を感じさせない希有な作品。ジョーイからトムへ、移りゆく過程を若干補足すべきではないのか。その是非を自分なりに考えたい。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-07 01:50:34) |
291. オデッサ・ファイル
《ネタバレ》 とても面白い話。ただ、最後に明かされる主人公の秘密が際だった効果を得ないのはどうしてか。そこに至るまでにスリルが無いから、それに尽きる。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-06 00:55:07) |
292. 花よりもなほ
《ネタバレ》 赤穂浪士を絡め、敵の家庭環境を強引に描写し、伏線と思わせる部分もかなりあざといものだったのでこれを最後にどう料理していくのだろうと期待した。結果、かなりの消化不良を起こしてしまった。作品の生命線たる「生きたい侍の仇討ち回避」が余りに説得力がない。2時間をとても長く感じさせることとなった。ただ、最後の笑顔は良かったし、黒澤の「どん底」を思わせる美術部門と違和感を与えない見事な照明部門は秀逸。 [DVD(邦画)] 5点(2007-02-04 01:42:26) |
293. M:i:III
《ネタバレ》 安直に恋愛を使い、主人公の葛藤描写と共に、観る側を感情移入させる効果として狙ったのだろうが、それは失敗。ただ、アクションも秀逸だし退屈させない。シリーズ3作目としてはかなり良い出来。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-31 23:59:55) |
294. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 やはり周防監督は只者では無い。正直、ずっとコメディを待っていたはずが、まったく違う分野でまざまざと力量を見せつけられた。目撃者の存在とその女性が見つかる過程に安直さを感じさせたが、でもそれをわざと利用しないところを逆に評価したい。設定に手抜きが無く、丹念に調べ尽くされ、近い将来に始まる陪審員制度に対してもある意味影響を与えるだろう。蛇足ながらあの最初の裁判長は俳優なのだろうか、妙な話、彼を見いだした時点で、法廷物としての完成度が揺るぎないこととなった。 [映画館(邦画)] 9点(2007-01-26 01:28:46) |
295. ダウンタウンヒーローズ
《ネタバレ》 山田監督の映画には、自分的には有り得ない純粋無垢な青年達が度々登場するが、ひょっとしてその原点がここらの題材から取られているのかもしれない。そう思うととても興味深い。現在という設定では多分に違和感を与える集団だが、まったく自然に時代の良さが描かれている。多少、異質ながら原作はより傑作。 [DVD(邦画)] 7点(2007-01-26 01:08:44) |
296. 長い散歩
《ネタバレ》 とても丁寧というか、冗舌過ぎてテンポが今ひとつという感もあるが、とても上質な映画だと思う。ただ3つ気になったことが。終盤の雨の中を母親が歩くシーンは要らない。青年が自殺する必然性を感じない。監督自ら出なくても良い。 [映画館(邦画)] 7点(2007-01-22 01:26:14) |
297. トランスポーター2
スピード感で押し切られた。快感。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-19 00:54:50) |
298. 硫黄島からの手紙
この国の首相が言う「美しい国」。時代に飲み込まれた純粋な登場人物達、ここで描かれた彼らの持つ国への情と平面的に結びつく物ではないことをただただ願う。 [映画館(字幕)] 10点(2007-01-17 21:24:21) |
299. THE 有頂天ホテル
《ネタバレ》 三谷作品特有の「芝居」の臭みがそれほどなく、ただ淡々と映画と共に時間を過ごしていくには快適な出来。同じくストーリーの中身が空疎というと、賞を総なめにはしたが、あざとさばかりが気になってしまったAlwaysよりは数段好み。 [DVD(邦画)] 6点(2007-01-11 23:55:58) |
300. オーロラの彼方へ
《ネタバレ》 この種の話は、整合性を保つため多少強引な流れになりがちだし、一旦それを意識してしまうと、観る側もとても疲れるものだと思う。この映画も例外ではなく、首を傾げながらという部分もあったが、オーロラの影響で30年前の父親と無線交信してしまう、そしてその有り得ない状況をあっさりと双方が信じてしまう、というところがそもそも荒唐無稽なのである、些細なことを気にしていても仕方がない。それ以上に父子ドラマの筋がしっかり通っていて、全体のバランスは満足いくものと感じた。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-11 23:44:25) |