301. トランスポーター2
《ネタバレ》 世界一格好いいハゲの異名は伊達ではない。マッハ!!とかジャッキーとか「肉体正統派」が巷であふれている今、「アクションはCGを使っていても面白いんだぞ」というのを教えてくれたという意味で、本作品の意義は大きい。それは絶望的な状況の中で、「こいつどうやってこの場を逃れるんだろう」という期待を、「ダイ・ハードとは別の方向性(クレーンで爆弾を取ったりするところとか)」で応えてくれるという点にあるのだろう。最後一番の巨悪を殺さなかったのも、たぶんこの映画を作った人は「観客をどうハラハラさせるか」を重視しており、「悪党を皆殺し」にする事に面白さを追求しないという方向性の表れではないかと思う。 [地上波(吹替)] 9点(2008-02-12 22:34:42) |
302. TAXi
これ、実は物凄い点数つけるのに迷った作品。寒いんだけど、面白くないの一言ですませられない何かを持っているんだよね。でも10点をつけるのにも「ううん」と唸り、0点をつけるのも趣旨が違ってくる。いろいろ考えた末、8点が最大の賛辞だという結論に至った。これからも続いてほしい。 [ビデオ(吹替)] 8点(2008-02-12 22:17:16) |
303. パール・ハーバー
《ネタバレ》 妻投稿■私はゼロ戦が大好きで(ゼロ戦について詳しいわけではない)、モノホンのゼロ式戦闘機が飛んでいるのを見れるだけでこの映画の価値はあるんです。しかもモノホンの空母やアメリカ軍の軍艦をロケに使用して、爆破しているわけですから・・・。ただ、仮にも太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃において、ベン・アフレックとベッキンセールの恋愛を見せ続けられるのは正直つらい。こういうのは映画館ではなく、9時ドラマで食傷気味なんで・・・。■真珠湾攻撃に対して私は人並みに知っているわけでもないのかもしれませんが、靖国神社の博物館を見る限り、ハル・ノートという無茶苦茶な要求を突き付けられたのが、日本を真珠湾攻撃に走らせたみたいです。つまり、日本が一方的に悪くないのだと思います。が、実際に自国兵隊を殺され、攻撃をされたアメリカ人に対して、「日本にもこういう事情があったんだ」「日本軍も我々と同じ人間なんだ」という見方を求めるのは虫のいい話で(そもそも暴力ってのはそういうものでしょう)、攻撃してしまった以上、日本人はその正当性や歴史的評価は別として米国人のそういう反応は理解すべきだし、当時の軍隊の首脳も予測すべきだったんだと思います。日本人だって原爆投下を絶対正当化出来ないわけですし。■とにかく、戦闘機を描いた映画では間違いなく5本の指に入ると思う凄い空中戦と、実際に人が死んでいくという野戦病院のシーン。戦争の高揚感と悲惨、また高揚感と悲惨という人間の愚かさがそのままループしたようなアドレナリン映画を見られた事に9は入れたいんだけど、そのループにどうでもいい恋愛を入れられた空気破戒を考えると7点が限界。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 01:24:52) |
304. ディープ・ブルー(1999)
途中で食べられた女の人の方が美人だった。もし2を作るんだったら、かわいくてぴちぴちしたのを沢山食べさせてあげてください←【病気だな】・・。 [地上波(吹替)] 6点(2008-02-11 00:10:29) |
305. JAWS/ジョーズ
「海に落ちる=サメに襲われる恐怖」という図式が僕の頭の中で出来上がったのがこの作品だ。海面下を左右にうごめく独特の不気味なシルエット、青い海に広がる鮮血。人間というものは地球上において唯一天敵が存在しないともいえる生き物だが、捕食者の前にあまりにも無力な状況下があるとするなら、海のど真ん中に取り残された時だ。あれは・・・本当にぞっとするね。その現存する潜在的恐怖を見事に再現し、人物描写と合わせて最高のスリラーに仕上げた脚本と演出はお見事としかいいようがなく、これを超える「食べられる恐怖」の演出に成功した映画は知る限り、ない。 [地上波(吹替)] 9点(2008-02-11 00:00:56) |
306. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
《ネタバレ》 これぞ冒険活劇!コネリーとフォードの凹凸コンビの織りなす珍道中、そして洞窟の中のハラハラドキドキの冒険劇は、製作者のセンスとエンターテイメントへの真摯な追求が感じられ、それがラストの夕日への疾走を最高に素晴らしいシーンに仕立て上げている。ただこんな素晴らしい冒険映画だからこそ、出来ればあまり人を殺さないで欲しいなというのが、僕ちんの我儘だったりする。 [地上波(邦画)] 9点(2008-02-10 23:41:16) |
307. 9デイズ
《ネタバレ》 7デイズに13デイズに9デイズ・・・ううん、覚えにくい。悪者が1人残らずきれいに殺される部分と、捜査員は殺されないのにホテルマンや駅員が殺されるという部分は好きではないが、それ以外ではブラッカイマーの趣向がいい意味で出ていた面白い映画だと思う。全く考え方や環境が違う2人の人間が、目的のために戦ううちに互いに敬意を払うようになるというストーリーにおいて、ポプキンスと黒人(すまん、この手の作品に出てくる黒人ってみんな同じキャラで分かりにくい)のタッグは、高倉健とマイケル・ダグラスとは全く違う意味でいい味を出している。特にポプキンス・・・れくたー博士のイメージが強いせいか、スパイ組織構成員というステンレスみたいに冷たくて不気味な役柄があっているが、それが黒人キャラ(またその名前を・・・)に、「俺を馬鹿にするんじゃねえ」という言葉を態度で示され、徐々に丸くなっていくのがほほえましい。 [地上波(吹替)] 8点(2008-02-10 23:23:48) |
308. ムトゥ/踊るマハラジャ
《ネタバレ》 妻投稿。無茶すぎる。ありえない。これがこの映画に対する第一の印象である。インドは世界有数の格差社会。何千万人という子供が奴隷にされているような国だ。そんな国の映画の冒頭で、「欲を捨てれば世界はお前のものだ」なんて暢気な歌を歌う映画が受け入れられるのだろうか。・・・・それが受け入れられているのである。■一見歌って踊っての馬鹿映画だが、この映画は「お金のないお前たちは不幸なんだ」と言い切ってしまう世の中への挑戦。冒頭の手間かかりすぎの手書きの登場人物紹介や突如現れるハデハデダンスは、人々の心の中に忍び込む「不幸感や被害者意識」に対する宣戦布告。映画全体がいかに些細なことに意味を見出すか、いかに日常を楽しむかを日々模索する人生ランナーに対する最大限の賛辞となっている。格差や女性に対する暴力、殺人、詐欺など重いテーマを扱いながらも決して復讐殺人を達成するシーンがないのがその証拠だ。私が結構重視する分野であるアクションシーンも、香港のジャッキーやタイのトニー・ジャーと違う怪力を軸とした路線を追求しており、ラジニカーントのその後の映画でさらに洗練されている。■エンターテイメントとは何か? 私はただ笑わせるだけでなく、手に汗握る冒険のすえ幸せにするのがエンターテイナーだと思う。この映画は狂った踊りによって私に人生の楽しみ方のヒントを与えてくれた点で、私にとっては極上のエンターテイメントだ。 [ビデオ(字幕)] 10点(2008-02-10 02:48:40) |
309. 七人のマッハ!!!!!!!
《ネタバレ》 「タイで活躍している実在のオリンピック選手どもを集めて、アクション映画を作ろうぜ」「じゃあ、敵はゲリラ部隊でいいよなあ」「いいよいいよ、オリンピック選手vsゲリラ部隊! 大ヒット間違いなしだ」・・・・・そんな企画が成立してしまう恐るべきタイ王国。内容は一括して殺戮の嵐。ストーリーもへったくれもない。爺さんも戦うわ、ちびの女の子も戦うわ、主人公の暴れっぷりはめちゃくちゃだし、もう本当にアクションだけ!! もし(ありえないと思うが)小説版が出るとするなら、「ぎゃああああ」「ぐあああああ」「どどどど」「わーーーー」「ずどん」「やったー」といった擬音が大半を占めるんじゃないかと思う。それにしてもラスボスは生き残っているってことは、まさか2を作る気なのか? おそろしや・・・・ [DVD(吹替)] 6点(2008-02-10 02:21:28) |
310. 奇跡の海
《ネタバレ》 妻投稿。とりあえず自己中、排他的で独善的な宗教、狂信的な愛、他人の無茶に付け込んで欲求を満たそうとする外道、間違った方向にしか進まない人間の「良心」・・・いろいろ描かれていたが、私みたいな素人が感じることと言えば唯一、文字通り全てがイカレポンチという事だけだ。ヤンはイカレポンチ、ベスもイカレポンチ、レイプ野郎漁師もイカレポンチ、私もイカレポンチ、私の旦那もイカレポンチ、ランス・フォン・トリアーもイカレポンチ。教会の人間はまともな人間だが、イカレポンチから見ればやっぱりイカレポンチ・・・。最後の空の鐘は、何の幻覚なんだろう? 他のレビュワーの皆さんもその幻覚を見ていらっしゃるという事はひょっとして皆様も・・・? こうなったらここにイカレポンチパワーを集結させ、「死霊の盆踊り」の夜の帝王と北京原人を3体ほど召喚しましょう。あのイカレポンチ村を平定できるのは彼らしかいない・・・。 [ビデオ(字幕)] 10点(2008-02-10 02:01:18) |
311. ドッグヴィル
《ネタバレ》 この映画を見るときのコツは、観客自身が自らを変態と自覚すること。だって変態じゃなかったら家の壁や犬がチョークで表現されているなんて「幻覚」は見えないでしょう? そう、あなたは目撃するのだ・・・変態の監督によって撮影された変態映画に登場する変態登場人物たちを変態の視点から。そしてこの幻覚世界の中(だけ)では現実世界の衣や良識を殴り捨て、残虐な心と偽善的な心、支配欲、ニコール・キットマンをいじめる変態嗜好を満足させるのだ。それでよいのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-09 11:24:10) |
312. スパイダー パニック!
《ネタバレ》 畜生、助けに来るなよ。もうすこしでお風呂上りのぴちぴち女の子をしゃぶしゃぶ出来たのに・・・。あ、蜘蛛の方に感情移入してしまいました。不謝。 [DVD(吹替)] 6点(2008-02-09 11:01:33) |
313. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!
《ネタバレ》 ロケットの中で、「シロ君ありがとう」というリボンと一緒に開かない缶詰が置いてあるのを見て、宇宙に飛ばされるというよりも「地球から追い出される」悲劇を感じました。あー、シロ君かわいそうだよ(涙)。でも野原ひろしがきっちり蹴りをつけてくれました。あと、宇宙人がさり気なく謝りに来てくれたので良かったです。ムトウ・ユージ監督は話の流れはイマイチだが、こういう配慮をしてくれるのがいい。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2008-02-09 01:02:29) |
314. DEATH NOTE デスノート the Last name
《ネタバレ》 原作も映画1も見ていない。でもノートに名前を書いただけで人間を殺せるというとんでもない力をもったモンスターに立ち向かうリスクとスリルは、『バトル・ロワイアル』と同じくらい悲惨で、『シティー・オブ・ゴッド』と同じように絶望的だ。法律を守るとは何か、人間の命を尊重するとは何か。それらが全て空虚に思える状況。追う方も追われる方も通りすがりの人間から自分の命まで粗末に扱いながら、それによってやっと達成できる信念。死神は別に怖いとも感じなかったが、ラスト東京タワーの周辺を舞っているシーンだけは怖かった。そう、そのノートを明日僕が拾うかもしれない、そしてその死神は僕にとりつくかも知れない死神だからだ。そして、もしかしたら、お父さんが妻子にいった「息子はキラに殺された」というのは、嘘ではなく、彼にとっては本当なのかもしれない。 [地上波(邦画)] 7点(2008-02-09 00:46:08) |
315. チャップリンの独裁者
《ネタバレ》 妻投稿■■「独裁者」・・・・なんと便利な言葉なんだろう。この映画には「独裁者を倒そう」とか「独裁者に対する怒り」とか「独裁者の愚かさ」というものがやたらと強調されている。これらは一見すればヒューマニズムに見えるけど、ようは独裁者って「独りで決めている人」という意味だから、私に言わせれば「全部あいつが悪い」と言っているようなものだ。■■その証拠に映画の中のヒンケルは確かに馬鹿な政治家だ。でもそれ、よーーーく見て欲しいんだけど「馬鹿な政治家」なのであって、決して「独裁者だから馬鹿」なのではない。見栄っ張りとか信用できないとか戦争とか、民主主義の政治家だってそんなのはいくらでもいる。なのにこの映画はさも「独裁者だから馬鹿なんですよ」というような展開を見せる。これ、「逃げている」よね。この映画が公開されたときの世界中の感動は、この逃げ道で枢軸国だろうと連合国だろうときっと等しく全人類が持っていたと思う「責任」から解放された感動だったんじゃないだろうかと、私は嫌な妄想をしてしまいました。■■そういえば谷川俊太郎は「未来はひとりが大勢を殺すこと」と定義していたけれど、本当のヒューマニズムって、時に人間そのものを否定する残虐なものなんだと思う。でもホロコーストや独裁国家に突っ走ったことによる惨禍を考えれば、私はあの時代こそ「一度人間性を否定する」作業が必要だったのだと思う。しかしこの映画は人間そのものを逆に肯定してしまっている。あの時代一度人間性を否定しなかったからこそ、現代でも差別や暴力、オウム事件みたいな事が起こったのではないかと、私は勝手に思い込んでいる。少なくとも私はこの映画を「ヒューマニズムの映画」としては評価しない。 [地上波(字幕)] 0点(2008-02-04 02:44:57)(良:2票) |
316. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル
《ネタバレ》 妻投稿■■ラスト野原ひろしはしんのすけに「アクション仮面みたいに強くて優しい大人になれよ」という。そう、ヒーローというものはテレビの画面の中で感傷やお涙頂戴のためにあるわけではない。子供および大人が「僕も私もこんな強い人間になりたい」「こんな格好いい人間になりたい」と思う為に登場するのだ。最近のヒーローものはギャグセンスや「萌え要素」ばかりに傾向して、本来の目的を忘れている作品が多くみられるが、劇中のしんのすけが決死の思いでパラダイスキングに喚くシーンは、こうした最近のヒーローに対するアンチテーゼではないかと思う。■■この作品の際物さは、「このようなヒーローになりたい」という指標だけではなく、「こんな悪党になりたい」という悪の魅力まで提示しているところだ。だが、パラダイスキングのかっちょよさ、魅力も「本物のヒーロー」を描ける映画制作陣だからこそ描けるものなのだと思う。 [地上波(邦画)] 9点(2008-02-03 21:08:13) |
317. ゴジラ(1954)
《ネタバレ》 これほど怖く、悲しい怪獣映画はあっただろうか。逃げまどい焼き殺される人間たち。その背後にうごめくまっ黒な影。惨状を前に、科学者としての良心に苦しむ芹沢博士と、彼が人類のために下した悲劇的な決断。そして断末魔の悲しい咆哮をあげて消えていくゴジラ。骨になり消えてしまったゴジラをよそに無邪気に喜ぶ船上の人々。全てが戦争に対する恐怖、怒り、そして悲しみを見事に表現している。ラスト、喜ぶ人々をよそに「あれが最後のゴジラだとは思わない」とつぶやく山根博士は、戦争の忘却に警鈴を鳴らしていると解釈できるし、最後の敬礼シーンは戦争で殺された全ての人々にこの映画を捧げるという意味なのだろう。この映画は素晴らしいエンターテイメントであると同時に現代未来の人類に贈られた強いメッセージである。 [地上波(邦画)] 10点(2008-01-31 01:35:25)(良:1票) |
318. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
冒険ものとしては結構面白かった。あんな胸が綺麗なかわいいヒロインを骸骨海賊野郎から救うストーリーなんてわくわくするじゃないですか(ついでにかわいいヒロインが荒れくれ野郎にどんな目に会うのかにもわくわくしたような覚えが・・)。しかし、どうもビル・ターナーの過去とかそういうのが話を悪い意味でややこしくしている。アスレチックを舞台にダイハードみたいなアクションとかをやってくれたら、もっと面白くなったのになあと思ったりします。 [地上波(吹替)] 8点(2008-01-31 01:17:42) |
319. ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
とりあえず思ったこと。魔法省の世界は世界の民主主義国ランキングで言えば120位くらいだろう。特定の人種への虐待の黙認、政府に不都合な人間の勾留、「アズカバンに連れて行くぞ」といった脅迫、教育への干渉、政府エージェントの教育現場での虐待の黙認、受刑者に対する精神的虐待などなど・・・。うち、魔法世界に行きたくねえ。Ⅹファイルに出てきそうなのはうようよしているし。 [映画館(吹替)] 4点(2008-01-31 01:02:08)(良:1票) |
320. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
《ネタバレ》 ハリー・ポッターは大好きな作品だが、この映画はときおり面白いおっと思うようなシーンはあるものの、何かすべてが中途半端で映画としては面白くない。1作を1映画にまとめるのは無謀すぎるのだと思う。「ロスト」とか「プリズンブレイク」「24」みたいに連続ドラマでやってくれた方が絶対成功するし全てのエピソードが生きてくると思う。映画でやるならオリジナルストーリーでいい。面白い要素がいっぱい詰まった世界観なので、名監督や脚本家が作家主義に走って暴走してくれれば、あるいは現代社会に風刺的な俊作が誕生するのではというのが、俺の楽しい妄想だ。 [映画館(吹替)] 5点(2008-01-31 00:56:15)(良:1票) |