3261. シャレード(1963)
やっぱりヘンリー・マンシーニって人は凄いなあ。テーマ音楽が有名なので、その部分ばかりが注目されがちだけど、映画音楽全体をよく聴いてみよう。誰の耳に馴染み易いメロディのテーマ音楽をちゃんと提示した上で、要所要所では様々な技巧をこらした現代的な響きも聴かせてくれる。それでいて音楽の統一感も失っていない! 勿論この映画の魅力は音楽だけではありません。ヒトクセもフタクセもある登場人物たち。特にジョージ・ケネディ、彼は義手という設定だが、時々、手が長すぎるゾ!(←どうでもいいけど)。また脇役ですが、あのヒトのいい収集家も忘れられません。そして意外なストーリー展開。何の予備知識も無く観たお陰で、見事にしてやられました。撮影についても、暗闇の使い方が(ちょいとキメ過ぎのきらいもあるが)実に印象的で、サスペンスを盛り上げます。満足感あふれる一本です。 9点(2004-04-11 02:05:14) |
3262. 赤い河
《ネタバレ》 とにかく牛の大群。その暴走する様は圧巻。これぞまさしく「赤い河」だわい、などと言うと、まるで『黒い絨毯』と同じネーミングセンス(笑)。まあホントは映画の舞台がRed Riverなんですけども。それでもやっぱり牛の群れは濁流に見まがうほどの迫力。『キートンの西部成金』にも引けはとらない! この牛の大暴走、夜に砂糖をドロボーしようとした奴が食器をひっくり返して大きな音をたてちゃうのがきっかけだけど、この食器のひっくり返し方が実に大袈裟でドリフのコントみたい(笑)。←笑ってる場合ではないんだな、その後の展開が。やっぱりジョン・ウェインは翳のある役が似合う。とりつかれたような表情と、異常な目の輝き。強行軍の末、ついにクーデターが発生、トムとマシューの関係は修復不可能なものへと。ううむ、苦労を共にし、最終的な目的も同じハズなのに何故反目しあわねばならぬのか、と切ない気分に。で、なんとかならんものか、と思って観てると、本当に最後なんとかなっちゃった(!)。アレ、そんなんでいいの? いいんです、多分。映画冒頭のエピソードが後半のストーリー展開によく効いていて、「厚み」が出ているからこその説得力。牛のド迫力、ジョン・ウェインのド迫力、それらをコントロールするエピソード群、その辺りのバランスが本作の魅力ですかね。 9点(2004-04-11 01:40:33)(笑:1票) (良:1票) |
3263. 少林サッカー
来週テレビ放送があるらしいので、宣伝しておこう(今更?)。この映画はまさに大爆笑・・・って程は笑わなかったな、残念ながら。それにストーリー展開もあんまり必然性が感じられない(いや少しはあるけどヒジョーに大雑把で、小技が足りない)。シマッタ、全然褒めてないナ。いや、それでもわたしゃ結構好きですよ、コレ。マンガを敢えてマンガのまま実写に置き換えたようなシラジラしさとバカバカしさ。「これぞ映画」とは言わないけど、これもまた「映画だからこそできた、映画ならではの楽しさ」のひとつ、だからやっぱり好きなんだナ。夢があります。こういう「一本とられた」的な映画に対しては、あんまり他の映画と比較してどうのこうの言う気も起こらないし。内容的に、モラル上の問題は無きにしもあらずですが、このテの「毒」はストーリーの推進力として重要な役割を果たす場合もあるわけで、「毒」はあっても「棘」が無ければ、まあ大目に見てもいいんじゃなかろうか、と。 8点(2004-04-11 00:24:50) |
3264. 富江 replay
さらに内容はグダグダ。困ったもんです。確かにガンバってる部分もあります。でも、あんまり思わせぶりに中途半端なことするくらいなら、もっとシンプルに怖さを追求した方がいいよ、絶対。 2点(2004-04-10 01:06:02) |
3265. 富江 tomie
《ネタバレ》 「じゃあカンノちゃん、ゴキ手づかみしてもらおうか」「かんとくぅ、わたしできませ~ん」「何言ってるんだ!女優がそんな事でどうする、女優魂を見せてくれ」(本番)「・・・かんとく!できましたぁ!」「さすがカンノちゃん!それでこそ女優だよ!」 観ててもちいとも怖くないので、関係ない想像をしてしまいました(上記はフィクションです、多分)。 2点(2004-04-10 00:52:09) |
3266. ガンヒルの決斗
《ネタバレ》 今週はBS2で西部劇を特集してたが多忙のためだいぶ見逃しちゃった。でもコレが観られたので、もうニコニコ。だって、面白いもんね。妻を殺されたカーク・ダグラスが犯人を追ってみると、旧友(町を牛耳る実力者でもある)の息子だった、てな話。開始早々に妻が殺されてしまうもんで、主人公と妻の間のエピソードもこれと云って無く、お涙頂戴ふうの盛り上がりはあまりありません。が、何しろ、敵の中に一人飛び込む主人公、最終的には「立て籠もり型映画」へと。いいですナア。映画の展開とともに、ホテルとその周囲へ舞台が絞られてきて、観てるうちに舞台に愛着が沸いてくるんですよ。しかしいつまでもそこにとどまることはできない。ホテルは燃えるわ、汽車は来るわ、さあいよいよホテルから出て行くクライマックスは、もうドキドキもの。ラストが多少あっけなくても許せてしまう(笑)。アンソニー・クインの倒れ方は絶妙だと思うぞ。ところで、中盤のホテル篭城のシーン、鏡台をうまく使用したはいいけど、後で元の位置に戻す必要はなかったと思うが。 8点(2004-04-10 00:44:08)(良:2票) |
3267. 酔拳2
誰もやらないような無茶を映画でやってみせながら、スターへと成長していったジャッキー、それはボクらの少年時代、ボクら自身が成長していった時期と重なる(ボクらはブルース・リーのブームに「遅れて」しまったんだね)。従って、やはり昔の作品の方にこそ独特の感慨を持つのは避けられないんだけど。初期の肉体アクション映画から、やがて現代を舞台としてカーアクション等を交えた大掛かりなアクション映画と発展したジャッキー映画。そこでまた、原点の歴史モノの肉体アクションに舞い戻った本作への意気込み、それは、想像を超えるものでした。コレはスゴイです。肉弾戦としてはもう、究極と呼んでいいんではないでしょうか。個人的な思い入れとかなんとかいったもの、すべてを凌駕してしまう、強烈なエネルギーを持ったこの映画、本当にシビレました。 9点(2004-04-05 17:20:46) |
3268. ドランク・モンキー/酔拳
以前、NHKの某主婦向け番組で、護身術を特集してたんですね。中国人と思しき講師の先生の指導で、護身術の説明があった後、「では、先生に模範演技を見せて頂きましょう」。そしたら、先生が始めたのは、何と酔拳! 護身には役に立たなそうだなア。でもまあ、その位、酔拳というのは日本でも定着してるのかな、と。それには間違い無く本作が絶大な貢献をしています、やっぱりスゴイ映画ですね(ウ~ム、こんな強引なまとめ方でいいんだろうか)。さすがに、あまりにもストーリーが単純(無いに等しい?)、という気もしますが、逆に言えば、まさにこれはエッセンスだ、ということも言えましょう。 7点(2004-04-05 16:58:51) |
3269. A.I.
《ネタバレ》 これは珍しくスピルバーグ自身が脚本書いた映画ですね。観ての感想は、「なんだ、スピルバーグは手塚治虫の『火の鳥』読んでたのか」、と。いや、読んでたのはキューブリックの方なのか。なーんて、別に何の根拠も無い、勝手な想像なんですけどね。デイヴィッドは紛れも無く、ロビタの双子の弟、いやそれは言い過ぎ、歳の離れた兄弟、いやいや、またいとこ、くらいかな? そしてスピルバーグは、火の鳥という存在が何を意味するのかよく解らなかったので、最後、代りにあの変なヒト達が登場する運びと相成ったのではなかろうかと。ま、ホントは『火の鳥』とは何の関係もないんでしょうけど(笑)、でも、何か近いモノを感じました。映画全体にふんだんにちりばめられた特殊効果、その驚愕の映像世界は圧巻で、息を呑むばかりですが、それでいて映画全体に漂う孤独感は、実感を伴って心に食い込んでくる。出会いがあれば、容赦なく別れがある。寂しく果無く、しかし木漏れ日のようなかすかな救いによって締めくくられるラストは、はっきり言って観客をホったらかしにして大暴走してるので(!)、観る側に多かれ少なかれ寛容さを要求するけど、わたしゃ好きですよ。ものスゴイ余韻が残りました。 9点(2004-04-05 16:45:35)(良:1票) |
3270. めまい(1958)
高校生の頃、日曜洋画劇場でヒッチコックを特集した時観たのが初めてで、『裏窓』『知りすぎていた』『めまい』『ハリーの災難』の順で放送されたんだっけか。最初の2週は、うーむ、これは面白いゾ、と思って観てたのに、3週目はガラッと趣きを変え、この『めまい』という異色作。当時は正直あまり好きになれませんでした。が。後に観直すと、いやいや、これは凄い映画じゃないですか。これは追いつ追われつ式のサスペンスではなく、もっとまったりとしたロマンス仕立ての映画なんだけど、不可思議なストーリー展開を神秘性すら感じさせる映像世界が支え、独特の緊張感をはらんだ映画になっています。幅よりも奥行きを強調した構図。人物もカメラも、「左右」より「前後」の動きを強調してます。また特に屋内シーンでのカメラは執拗に低い位置に置かれ、それによって作り出される歪んだ構図もまた、この映画の忘れえぬ印象となっています。そして、やがてその先に見えてくる意外な真相。見事な映画です。 9点(2004-04-05 02:06:32)(良:2票) |
3271. 007/ゴールデンアイ
アクションが凄いです。戦車です。列車です。凄いです。やっぱり007は豪華な映画であって欲しいので、アクションやるならこのくらい徹底的にやって欲しいです。これは充実してます。満足できます。以上、この映画に関しては語り尽くせたと思います。では。 7点(2004-04-05 00:29:34) |
3272. 007/黄金銃を持つ男
《ネタバレ》 こないだ夜中にこっそり放送してたから久しぶりに観たけどやっぱりあんまし面白くないねえ。今回の敵は、スカラマンガという、不細工な鉄砲を持ってる事と、乳首が3つある事以外に何の取柄も無い男。演ずるはクリストファー・リーなもんで、貫禄の無さに拍車がかかる(最後のヤラレぶりも非常にあっけない)。ストーリーが凝ってる訳でもない(楽勝で敵と接触)のに、アクションもイマイチ少ない。まあしかし、変なアジアが堪能できるという点では、かなりのハイレベルに達しています。スモウレスラーにあんな弱点があったとは、気づかんかったね。現役力士は参考にされたし(ウソ)。後半、スカラマンガのアジトには、なんと液体ヘリウムがナミナミと入ったタンクが! 液体ヘリウム、沸点4.2Kだよ。蓋すら無いタンクに液面むき出しのまま(零度以下に保つべしとの謎の注意書き)。おかげで、後でスカラマンガの部下が転落し、大惨事に。うーむ。むちゃくちゃだ。それにしてもロジャー・ムーアはスケベそうな表情が似合いますね。本作では特にスケベそうです。 5点(2004-04-04 01:05:14) |
3273. チャイナ・シンドローム
この映画、「マスコミ=正義」「原発=悪」というイデオロギー臭い部分に注目してしまうと、何だか胡散臭い映画になっちゃうんでしょうけど、まずそれ以前に、サスペンスとして無類の面白さを持っている、この点で、私は大好きですね。原発で発生した異常事態を発端とし、ドラマは複数の舞台で同時進行しつつ、やがてクライマックスへと収束していく、のっぴきならぬ展開、実に興奮させられます。盛り上げるシーンでも音楽は使用せず、役者の演技とカメラによって見事な緊張感を作り上げており、中盤の操業再開のシーンだって、もう目が離せないドキドキもの。一人称的視点を避け、観る者を、特定の登場人物よりもドラマ自体へ感情移入させて引っ張っていきます。この映画は、「原発に反対」するための映画ではなく、「組織と個人の確執」を描いた映画です、そして、その確執を最も効果的かつ絶望的に示す道具立てとしてここでは原発が選ばれた、という事でしょう。確かに原発の問題点を(やや極端な形で)突いた映画ではあるけど、その問題点とは、実は普遍的なものでもあるのです。いや、あまり言い訳っぽく本作を弁護するのは止めましょう。この映画は、単純に、面白いのですから。 9点(2004-04-03 23:35:27) |
3274. スパイ・ゲーム(2001)
CIAをまさに引退しようとしている初老の男、演じるはレッドフォード・・・これがレッドフォード? そもそも、「初老である事」と「レッドフォードである事」は相容れないもの、彼は歳くっちゃいかんのだ。ってまあそれは無茶というもんだけど。さてこの映画。ブラピが中国にとっ捕まって、24時間以内に何とかせにゃ、死刑になっちまう、ってな設定なのに、大半はレッドフォードが延々と思い出話にふけり続けるだけ、という妙な内容。トニー・スコットも、さすがにこれは緊張感無さ過ぎるということだけは気づいたらしい。何とか盛り上げようと、もう映像テク満載にしております。これは結論から言うと、完全に裏目に出てると思います。本来、もっと静かに語られるべき映画じゃないんですか? 無意味なカット割りを始め、別段目新しくもないテクニックを際限なく連ねており、まあ確かにここまで徹底的に映像をいじるのはゴクロウサンなこっちゃ、とは思いますが・・・少々しつこいし、なんか映画全体がウソ臭くなっちゃったのよね。お陰で緊張感をさらに希薄なものにしてしまってます。この映画はせめて、もっとじっくり、ジワジワ盛り上げながら描かれるべきだったハズなのに。もしかして、トニー・スコットという人は、我慢の足りないヒトなのではないかと思ってしまいました。ゴメンね。 5点(2004-04-03 22:28:00) |
3275. シザーハンズ
かなり以前ですが、ジョニー・デップが私生活で問題を起こし、某一般紙の社会面にも記事が載ったのですが、本人の最新の写真が入手できなかったのか、何故かそこに載っていたのは、本作出演中のエドワード役の顔写真。ものすごくアブナイ人に見えちゃっておりました。つまりですね、この映画、ファンタジー映画にしてはどうも主人公の顔がコワイ。実際、子供は観てて怖いらしく、私の姉も息子達が喜ぶだろうと思ってビデオを見せたところ、すっかり怖がってしまって(どうやらエドワードが悪者に見えるらしいんですね)。しかし私はと言えばもうオトナ、これしきの怖さは耐えられる訳で。この映画、ファンタジックな部分とオドロオドロしい部分、非現実的な部分とミョーに現実的な部分が、混じり合い切らずにチグハグさを残しながら、微妙にブレンドされて、独特の雰囲気を作っています。内容的にも同様の二面性があり、ストーリー自体は、あり得ないような設定の映画なんですが、その一方でエドワードの気持ちというのは実に現実的で---誰でも、とは言わないまでも、少なからぬ人々の共感を呼ぶものではないでしょうか(私もそう)。おそらくティム・バートンにとっては切実な映画であり、私もその切実さに共感せずにおれないのです。 9点(2004-03-28 01:24:47)(笑:1票) |
3276. トータル・リコール(1990)
原作「追憶売ります(We Can Remember It for You Wholesale)」は、P.K.ディックの短編の中では珍しく(?)、フツーに楽しめるオモシロ作品ですが、これを下敷きにしつつも、実に大胆に話を膨らませて、これまた超オモシロ映画に仕上げてくれました。それでいて、ロボットのタクシーを始め、原作に登場する幾つかの道具立てを、シラジラしくも映画の中にちりばめておくのが心憎いサービス。ストーリーの方も、観客の裏をかきまくり、まさにオドロキの連続(当時の映画にアリガチだった前提を見事覆している!)。特撮は「丁寧さ」より「大胆さ」で魅力を発揮。このストーリー展開と特撮のカラミ合いが、実にいいんですよ。とにかく飽きさせないための工夫が隅々まで徹底されてます。音楽もカッチョいい。初めて観た時の「あ~面白かったな~」という満足感、格別のものがありました。こういう映画好きですよ。ところでこの映画の主役はシュワで正解ですね。元々顔が作り物っぽいので、どんな無茶な特撮でも違和感無いからね。 8点(2004-03-28 00:35:41) |
3277. ロイ・ビーン
そうそう、こりゃまさにニューシネマ風、そんでもってポール・ニューマンが主演で、もう『明日に向かって撃て!』そのまんまやんけ、と言いたくなるシーンも。違いは、サンダンス・キッドが熊やっちゅうことだけやね。はっはっは。ちなみにこの熊を連れて来るGrizzly Adamsを演じるはジョン・ヒューストン自身ってか。ま、そもそも、映画冒頭のクレジットからしてミョーにメルヘンチックな字体で、嫌な予感がしたんですが、予感的中、内容もほとんどお伽話の世界。ホノボノしてます。まとまった筋立てはあまり無く、細かいエピソードの積み重ねでストーリーが綴られていきます(基本的には、吊って吊って吊りまくるおハナシ、ですかね)。そんなわけで、ジョン・ヒューストンの悪乗りが目立つ異色作です。オフザケやノリの悪さ(音楽も)は、当然ワザとやってるんでしょうが、ワザとやってりゃ何でも許されるってもんでもない。じゃあこの映画ダメなのかというと・・・そんなことなくて、実は結構味があるのね。クライマックスのブッ飛び具合なんぞ、断然買いですよ、これは。観終わった時には、意外なほどの爽快な気分が味わえます。う~む、ただ、やはり人には向き不向きがあって、やっぱり悪乗りならジョン・ヒューストンよりもサム・ライミに軍配が上がるよなあ、という気はします。が、これはこれで良いのです。ところで最後、熊くんもちゃんとクレジットされてましたね。ブルーノ君、という名前だそうですが。なかなかの名優です。 7点(2004-03-27 00:40:24) |
3278. 将軍 SHOGUN<TVM>(1980)
これは元々はテレビシリーズですけど、これがテレビ朝日系列で放送された時はまさに話題騒然。観なかった人っているんですかね。ははは。そりゃいるだろうけど。とにかく面白かった。事前にメイキングがテレビで紹介されたりして「ウワー地震のシーンって、カメラ揺らして撮影するだけじゃなくて、ちゃんと地面が陥没するんだあ。さすが金かかってるなあ」「嵐のシーンもド迫力だあ」「スゲー、人間の首、刀で切り落としちゃったよ(人形だけど)」「あ、この人、霊感ヤマ感第六感の司会者だ(←フランキー堺のこと)」とか、期待高まりまくりの状態で観て、しかもその期待はまったく裏切られなかった!もう夢中で見続けたのでした(首チョンパのシーンは画面の端で切れて映ってませんでした。どうでもいいんですけどね)。内容は、戦国時代の日本に漂着した西洋人の波乱万丈の物語で、この舞台として描かれている日本という国、なかなか悪くない。実にエキゾチックで、私も日本人ながら、憧れてしまうね。セップクなんかもお約束として盛り込んでるし、美人の人妻は風呂に乱入してくるし、もう異国情緒満点。また、この作品、勇壮なテーマ音楽が実に素晴らしいのでした。今でも耳に鮮明に残っています。さてさて、このテレビシリーズを劇場用に編集したバージョンもあって、こちらは確か、上述の首チョンパシーンがちゃんと映ってましたっけ。あとテレビ版との違いは、島田陽子のおっぱいが映ってたこと?それはどうでもよくて。なお、監督はジェリー・ロンドン、そう、あの超名作『殺人ブルドーザー』を生んだ、テレビ映画界屈指の名匠です。 8点(2004-03-21 02:54:10)(良:1票) |
3279. 鳥(1963)
《ネタバレ》 コレ、私が初めて観たヒッチコック作品、っていうか、当時はヒッチコックなんていう人も知らず、一本の動物パニック映画(=当時の私にとっての映画そのものだった)として観ちゃった訳です。「ウワー、自分がこんな目にあっても、この男の人みたいに勇気を持って立ち向かえるだろうか」などとドキドキしながら観てたのですが、パニック映画を観るときにはいつも「最後はどうやって解決するのか?」が楽しみだった私としては、この映画、何とも物足りなかったのですね。他のパニック映画の方がずっと面白いと感じておりました。しかしまあ、後で観直してみると、ウム、これって結構怖い映画じゃないの、と思えるようになってきて。空を埋め尽くすような不気味な鳥の大群が、頭上から襲ってくるというのは、迫力もあり、なかなかの恐怖感(フライングキラーなみに怖い。ウソ。もっと怖い)。また、「死体の描写がミョーに残酷」「自称・専門家が出てくる」「周囲に訴えても最初は信じてもらえない」など、後のパニック映画の萌芽を色々と読み取ることができるのも楽しいところ。そう、この映画があってこそ、70年代にパニック映画ブームが花開く訳です。例えば、鳥ごときのせいでガソリンスタンド爆発という不釣合いな大惨事が起きるのは、その発展形を『スウォーム』に見る事ができます。家の窓に板を打ち付けて篭城するのはもう基本中の基本だし、それでも敵が(何故か凄いパワーで)壁を食い破って進入しそうになるのは『巨大生物の島』。停電が起きたり、一部の部屋が敵に侵入されてしまうのは『巨大クモ軍団の襲撃』。最後に鳥の群れの中をソロソロ歩いて車を取りに行くシーンは、まさに『ザ・カー』のクライマックス前のシーンでしょう。こんな感じで、パニック物の源流であると同時に、まるで総決算のような映画なのですね。これはもう、愛着が沸いて来ずにはおられないのです。それにしても、鳥に襲われて命を落とした人の、致命傷って、何だったんでしょうね。死ぬほどの大怪我はしないと思うんですけども。ま、これは些細なことです。 8点(2004-03-21 01:45:57)(良:1票) |
3280. 第3逃亡者
女性殺しの犯人に間違われた青年が、裁判の途中で逃亡(ものスゴク楽勝で逃亡しちゃったなア、まあいいけど)、自分の無実を信じてくれる警察署長の娘と共に、無実を証明するための物証であるコートを捜し求める。警察に追われながらの追跡なので、一難去ってまた一難、なんだけど・・・その一難が結構セコイ。危機一髪っちゅう感じじゃなくて、何だかホノボノとすらしております。それより何より、娘は青年の無実を信じているらしいんだけど、とても無実には見えんゾ!もし私が彼女の立場だったら、絶対コイツが犯人だと思っただろうね。殺人犯の疑いをかけられてる割には不自然なほど飄々としてて、もう怪しさ炸裂。この映画、冒頭で犯人の姿を見せておいてくれたのは正解、そうでないと、「もしやホントにこの青年が真犯人ではないか?」と深読みしちゃうトコだったよ。で、その後の展開も、とにかく行き当たりばったり、薄弱な根拠でグイグイ進んでいってしまう。う~む。ではこの映画面白くないのかというと、そんなことは無くて、実はなかなか面白い。何と言っても映像が見どころ、ヒッチコックはカメラで縦横無尽に遊んでくれております。そしてストーリーの方も、上述のようにグダグダな部分もありますが、心憎い伏線もきちんと張っており、こちらも見るべきものが。それにしてもラストまでホント都合よすぎる展開だなあ・・・。 7点(2004-03-21 00:52:55)(良:1票) |