3761. 夢(1990)
大学の頃に大勢で連れ立って観に行って、帰途は不評の嵐でした。う~む。まあ8話オムニバスということで、確かにまとまりがないという憾みはあります(私も映画には第一に求心力を求めたい)。が、一話毎に、舞台が限られているので、黒澤監督お得意の超長廻しワンカットなど効果的に使われており、「らしい映画」には違いないと思います。「映画」よりむしろ「舞台」っぽい黒澤映画のイビツさが強調されてしまった、とも言えそうですけどね。最後は笠智衆の説教を聞いて寅さんの気分に浸りましょう。 7点(2003-07-13 13:34:07) |
3762. ファーゴ
20世紀アメリカ文学は「犯罪」を抜きにしては語れません。例えばW.フォークナーの『八月の光』では、陰惨な事件が題材として扱われてますが、素朴な妊婦の話が交互に描かれることで、生と死、光と陰の対比が浮き彫りにされます。さてやはり「犯罪」が頻繁に登場するコーエン兄弟の映画ですが、特に本作、壮絶な現実の事件の顛末を描いて、どうして何とか止められなかったのかと嫌な気分になります。でもその一方で、シラジラしい程幻想的な光景や、妊婦役のF.マクドーマンドのユーモアと生命感が、この映画の独特のバランスを支えていて、印象深い作品になってます。 9点(2003-07-12 23:14:43) |
3763. アンツ
フルCGアニメで何もこんな説教臭い映画作らなくても、という気持ちも無いでは無いですが、逆に、こんな映画二度と作れないんじゃないか、という感慨も起ります。アリ達の豊かな表情など、CGは見ごたえありますが、戦闘シーンに至っては、もはやエゲツないと言える程の描写。この辛口さ加減、一体どういう観客層をターゲットにしているのでしょう。まあ貴重な映画です。 8点(2003-07-12 22:32:49) |
3764. バートン・フィンク
イライラさせられるイメージの連続で、ヤな感じを味わわせてくれます。が、暑い暑いと言うんならもっと暑さをうまく実感させるような演出って無いのかなー、とは思いました。これはストーリー上も重要な点ですからねえ。まあとりあえず、ラストはカッコいいよ。 7点(2003-07-12 22:17:54) |
3765. フル・モンティ
情けなくてだらしなくてカッコいい、そんな、イカしたおっちゃん達の映画。とりあえず変に前向きなのがいいですね。おっと明日は我が身かも。クライマックスは、観たいような、あまり観たくないような、妙な気分になります。 7点(2003-07-12 22:02:27) |
3766. 野獣捜査線
これは結構好きですねえ。チャック・ノリスが珍しくカッコいい。アクションもなかなか。しかもクライマックスには妙な相棒まで登場。く~ こんなツボを突かれるとは、我ながら・・・。 7点(2003-07-12 21:25:09) |
3767. 超能力者/ユリ・ゲラー
俺も色んなジャンルの映画撮って来たけど「駄作」というヤツはまだ作って無かったな、とケン・ラッセルが考えたのかどうか知りませんが、実際見事な駄作に仕上がっています。ユリ・ゲラーの伝記ということですが、あのインチキ超能力を、な、なんと、すべて実話として描いてしまってます。まあ考えようによっては確かに新機軸ですけどね。でも十万人に一人くらいは真に受けるかもしれないのでやっぱり気をつけねばなりません。 2点(2003-07-12 21:10:49)(笑:1票) |
3768. グリズリー
これも70年代動物パニック映画界(の迷走ぶり)を語る際には欠かせない作品の一つでしょう。クマが襲ってくるんですが、クマとのカラミのシーンを極力撮影せずにごまかしていて、実に貧相な仕上がりです。しかし、『ジョーズ』のパクリと陰口叩かれつつも、クライマックスのヘリとのカラミは『ジョーズ2』の先取りになっていなくもない点、大注目(おい正気か?)。 5点(2003-07-12 11:54:32) |
3769. ミミック
私は単純なので、冒頭のタイトルロールの映像が凝っている映画に出会うとそれだけで非常に興奮してしまうのですが、これもその一つ。その期待は裏切られませんでした。一種の動物パニックですが、発端からの話の展開がとても斬新です。「一軒家に閉じ込められる」というパニック映画お馴染みのシチュエーションも、地下鉄を舞台に登場して、もう大喜び。 8点(2003-07-06 17:01:48) |
3770. スクワーム
動物パニックは好きですが、コイツはいかん!ほれ~どうだ気持ち悪いだろ~というのに終始しちゃった。襲われる恐怖というのをもっと描いて欲しいんですが。で、最後はちゃんとやっつけて欲しいね。あと、シャワーのシーンはほんとにバカですね~。これは名シーンです。 3点(2003-07-06 16:41:46) |
3771. カプリコン・1
先の読めないストーリー展開のオモシロさは無類で、ハイアムズ映画とは思えない(他がヒドすぎる。勿論嫌いじゃないけどね)。ハイアムズ恒例の「クルマ目線」のカーアクションも見事にキマって、大興奮。ゴールドスミス御大の音楽がたまらなくカッコよくて、『猿の惑星』と双璧をなすカッコよさ。御大、いい仕事してる! 【2009年1月4日追記】今日で冬休みオシマイ、明日から出社で気が滅入るもんで、景気づけに、1月4日にちなんだこの映画を鑑賞(ロケット発射日が1月4日なのです)。いやあ久し振りに観たけどやっぱり最高、そこそこ元気が出ましたです、ハイ。10点つけといたのはマチガイなかった。いや12点くらいに修正したいね。手に汗握るアクションとカッチョ良過ぎる音楽、それに対してエリオット・グールド演じるコールフィールド記者のノラリクラリぶりのギャップがオモシロい。大体、火星ロケットからの映像において、無重力の宇宙にいるハズのブルベイカー飛行士の目から涙が流れ「落ちて」いる事こそを指摘すべきですよね~。気付かない、それがコールフィールド記者の、良いところ(笑)。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2003-07-06 16:28:13) |
3772. レリック
残酷描写はなかなかですが、暗くてモンスターがよく見えず欲求不満がつのります。クライマックスでようやくはっきり登場するとこれまたなかなかの出来で、スゲーと思ってたら何とも呆気無くオシマイ。ガーン。例によってストーリーの面白さに欠けるハイアムズ作品の一つだと思います。監督として気にならないのかなあ(もし気に入らなければ手直しさせるのが監督の役目)。 5点(2003-07-06 16:10:52) |
3773. ナバロンの要塞
無謀なる作戦にさらに意外なる展開が待ち受けていて、ワクワクドキドキハラハラ。しかしなんと言っても好きなのが、大砲発射のシーン。皆そろってゴーグルつけて耳押さえて、で発射!そしたら風圧で顔がブルブル~。どうしたらこんな演出思い付くのかねえ。マジで天才だと思いましたよ。こういうギミックに出会えるのも映画の魅力。 8点(2003-07-06 15:44:48)(良:1票) |
3774. 処刑ライダー
原題は『生霊』ですか。邦題の方が味があるゾ。アクションはなかなか気合い入ってます。カッチョいい。が、せっかくなのでもっとオドロオドロしい雰囲気を出してくれれば、真に忘れがたい迷作になったのではないかという気もします。 7点(2003-07-06 15:24:58) |
3775. 侠女
巨匠キン・フー入魂の、二部構成三時間に及ぶ大作。後にカンヌでも上映されて、観客の度胆を抜いたそうな(アクションに関してはそれ程のもんかどうか)。坊さんの背後に後光が!って、逆光で撮ってるだけやんけ。でも何だか後光に見えてくるからフシギ。活劇でありながら、地から天へ、混沌から浄化へ、というテーマを背景に持つことで、独特の世界を築いています。 8点(2003-07-06 15:09:45) |
3776. アイランド(1980)
ピーター・ベンチリー原作の冒険映画、ってのが売りですが、ベンチリー自身も『ジョーズ』しか売りがないのが悲しいところ。マイケル・ケイン演じる主人公、踏んだり蹴ったりでとても可哀相ですが、クライマックスはちょっとした(ほんとにちょっと)カタルシスを味わえます。 6点(2003-07-06 14:40:55) |
3777. ネバーセイ・ネバーアゲイン
晩年の馬場プロレスみたいなもんで、コネリー=ボンドが観られる事自体がまず幸せではあるのですが中身もなかなかのもんです。米映画ですが、アクション、ユーモア、キャスティング、すべて本家に負けてません。バーバラ・カレラが殺し屋。怖い。ところで、この映画のタイトルは、S.コネリーの奥さんの言葉だとか(「もうやらへん、なんて言わんといて!」)。 7点(2003-07-06 13:08:07) |
3778. 悪魔の毒々モンスター
アチラの世界の人、トロマ総帥ロイド・カウフマンが贈る、確信犯による確信犯のためのサイテー映画。これぞ真のサイテー映画なので本物志向の方々にうってつけだ。そんなバカな。米映画界は厳しい世界だと思ってましたが、こんなラクチンな抜け道もあるわけですね。って言っても、最低限の志を有する人にはツトマリマセン。う~ん、ちょっとでも誉めると誉め殺しになりかねないので、うかつなコメントはできんなあ。というわけで類い稀なローセンス、トロマの毒々魂は21世紀も雑草のごとく健在です。 2点(2003-07-06 12:43:08) |
3779. アトランティス(1991)
よくこんな映像撮ってきたもんだと感心しますが、観ているとさすがにちょっと長く感じました。コレは何科の何という生き物でこんな習性があるんだよ、という説明があれば楽しく観られたかも知れませんが、それじゃNHKの番組と変わらんか。グラン・ブルー完全版の異常な長さを見ても、ベッソンの海への思い入れは、私などより数百枚ウワテなんでしょうなあ。 6点(2003-07-06 01:07:00) |
3780. プロジェクトA2/史上最大の標的
「この映画はナ、最初は『プロジェクトB』っちゅう題やってん」と昔友人が主張していましたが、真偽の程は、知りません。本作、充分面白いのですが、前作が前作だけに、インパクト不足は否めません。個人的には、ウラカン・ラナとおぼしき技を披露してくれた点を重視したいところですけどね。 7点(2003-07-06 00:42:40)(良:1票) |