361. ラヂオの時間
三谷幸喜節が見事に炸裂した一作。 「みんなのいえ」が個人的に合わなかったこともあり、最初はテンポの速い展開に「またか・・・」と 悪い予感がしたが、知らない間にどんどんのめりこんでいった。 洗練された頭脳的な笑いというものは簡単にできないはずだが、 この映画の素晴らしいところは、それぞれの俳優の体当たりの演技がピタッとはまっている点。 話がどんどんおかしな方向になっていくのに、筋書きを破綻させないところが監督の才能である。 鈴木京香の素人っぽいが妙に色っぽいのも当たり役。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-03 22:48:33) |
362. 陽のあたる場所
《ネタバレ》 最初は若者の立身出世物語かと思いきや、サスペンスさながらの展開に思わず釘づけになった。 主人公の心の葛藤が見事に映し出され、エリザベス・テイラーの魅力にも惹きつけられた。 それにしても、最初の女性が哀れでならない。 ラストにしてもアメリカの映画にしては救いがなく、現実のドキュメンタリーを見るようだった。 出来には拍手を送るものの、全体的に哀しい気分にさせるためにこの映画を見るのは一度だけで良いと思った。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-09 10:14:08)(良:1票) |
363. アフリカの女王
カラー映画ならではの迫力ある大自然が素晴らしい。 男女の奇妙にも映る恋愛を描いた作品で、意表をついてくる展開に心が動かされたが、全体的に違和感はあった。とくに女性の心変わりなど、心理描写の場面では唐突過ぎる印象を持った。 また、あまりにも都合の良い展開が多い。そこに昔の映画らしさを感じた。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-09 10:10:50) |
364. 男はつらいよ 幸福の青い鳥
ヒロインの相手役として現代的な青年が出ているのが印象的だった。 世間でも浮ついた空気に影響されたのだろうか。 寅さんシリーズの中でのキャラクターとしては意外な気がした。 ただそれが逆にこの作品にリアリティを持たせていたといえる。 長渕剛と志穂美悦子はお似合い。実際に結婚しているのを知って、なるほどと思った。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-11-09 10:07:32) |
365. 男はつらいよ 柴又より愛をこめて
美保純と栗原小巻がそれぞれ別のストーリーのヒロインとなっていて、正直あまり楽しめなかった。 あらかじめ元ネタの007や二十四の瞳を見ていればまた違った印象かもしれない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-10-22 16:14:35) |
366. 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾
《ネタバレ》 マドンナ役の樋口可南子の存在もさることながら、今回の脇役が良い。 クリスチャンのおばあちゃん、民夫の恩師役の松村達雄、民夫の実家の父親と それぞれに自然な演技でありながら良い味が出ていた。幸せな気分になれる一作。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-10-22 16:12:41) |
367. キートンの大列車追跡
当時はギャグ満載でテンポの良い傑作だったに違いない。 しかし、娯楽の発達した今日、目の肥えた観客には平凡に映る。 それでも自ら体を張ったキートンの演技にはドキドキハラハラさせられた。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-22 16:10:58) |
368. トイ・ストーリー3
あまりの高評価に、居ても立ってもいられずに鑑賞。前作、前々作を見ないで続編を見るのは初めて。しかも、ずっと避けてきた3D映画を見るのも初めて。 評判通り完成度が高く、涙あり笑いあり感動ありの3点セットで、魅力的なのは分かった。終盤にもらい泣きしてしまったぐらい、ツポを突いてくる点も評価できる。1や2を見て感情移入できるプレーヤーがいれば、なおさら得点は高くなるという気持ちも分かった。 しかし、子供向けアニメにありがちなドタバタの展開に早口のセリフの応酬は、ゆったりまったりとした雰囲気が好きな自分には正直つらい時間帯もあった。たとえば、バズのスペイン語バージョンで、カウボーイやフラメンコ風に歌って踊るシーンのノリとかね。 まあしかし、全体を通してアイデアと細部の決め細やかさはさすがに素晴らしい。フルCGで表現できる映画の無限の可能性というか広さを感じた。 [映画館(吹替)] 7点(2010-08-28 19:28:02) |
369. 聖者の眠る街
現実的でありながらも人を惹きつける映画だ。 ドキュメンタリーに若干の脚色を加えたようなもので、 人間の本道から外れていないから人の心をつかむのだろう。 しかも、ハリウッドにありがちなご都合主義や、ハッピーエンディングは存在しない。 地上波でテレビが放送しないわけだ。 お互いが心に闇を抱える相棒に声をかけて希望を取り戻すシーンが印象的。 全編を通して流れる終始重苦しい雰囲気に、心が洗われたというより、 少しだけ背中を押してもらった気がした。 [ビデオ(吹替)] 7点(2010-08-28 19:25:29) |
370. ポストマン・ブルース
これは面白かった。 丁寧な脚本の組み立てで最後まで飽きない。 まだまだ邦画も捨てたもんじゃないと感心した。 極力アクションシーンを抑えながら、平凡な郵便局員の日常が暴走していく様はお見事。 警察側の勘違いがエスカレートしていくにしたがって、観客の笑いも加速していくという仕掛けが秀逸。 見終わったあとに「すっきり爽やかな気分」とはいかないけれど、映画が持つエンターテインメントの奥深さを垣間見れて、すっかり得した気分になった。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-07-10 00:14:31) |
371. 高校教師/もうひとつの繭の物語
これは・・・そうとう話がいびつだ。しかも話の進む方向が暗い。 テレビドラマ版が誇張されすぎていたのだから、もう少しノーマルな方向に持ってきても良かったのでは?と思いながら見た。 途中まではまだ良かったのに、後半で展開がグダグダなのは明らかだ。 出演陣の迫真の演技と丁寧な作りが光っただけに、脚本で損をして凡作に成り下がってしまった。 [ビデオ(邦画)] 3点(2010-07-10 00:10:55) |
372. カラー・オブ・ハート
この評価は脚本の力によるところが大きい。 やや強引な展開は残念だが、 基本になっている話の展開が面白いので、次はどうなるのだろうと自然に引き込まれてしまうのだ。 ところどころで仰々しい音楽が気になったものの、このサイトを見てずっと気になっていた作品だから、出来が嬉しかった。 [ビデオ(吹替)] 7点(2010-07-10 00:08:18) |
373. ライアンの娘
なるほど、これは名作。 荒れ狂う波に象徴されるアイルランドの厳しい大自然のなか、 人妻女の不倫ドラマが描かれるわけだけど、 そんじょそこいらの陳腐なメロドラマではなく、 中世を思わせる偏屈な住民がいる片田舎で、 生死を賭した恋愛と家族の運命が描かれるという、 とっても重厚な映画だった。 ふう。ちょっと長かった。 ビデオは前後2本もあって、あの「風とともに去りぬ」と似ているなあと何度も思った。 雰囲気が終始重苦しい中、マイケルの存在が目立っていた。 私なんぞの眼力ではとても演技しているとは思えなかった。 アイルランドの歴史や、教会の関わり、神父の役目などの知識があればもっと楽しめたに違いない。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-07-10 00:04:37) |
374. REX 恐竜物語
たぶんスタッフは早い段階で失敗作であることを気がついたに違いない。 そうでなければ、コミカルすぎるドタバタ劇、意表をつきまくる演出、あまりにも明らかな矛盾を 観客が最後までニヤニヤと笑ってみることができなかっただろう。 終わりに「HAPPY END」とあるように、子供だましと思わずに最初から喜劇と思ってみれば良いと思う。 ただ子供にはお勧めできないよね(笑) [ビデオ(邦画)] 5点(2010-07-07 00:40:57) |
375. がんばれ!ベアーズ
これはうまい。あくまでドライなタッチの中に、ユーモアをさりげなく織り込んでいる。 少年向けでもあるが、同時に大人の事情も垣間見れる大人な映画。 単なるスポ根ものではない映画がアメリカにもあるんだな。 7点に近い6点献上。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-07-07 00:34:38) |
376. M:I-2
テンポ感、スピード感ともにジョン・ウー監督らしさが感じられた。 意表をついてマスクをはぎとると別の人間が現われるシーンが面白い。 アクションシーンも多くエキサイティングな映画には違いないが、 もっと落ち着いた雰囲気の映画が好き。とにかく目が疲れた。 [ビデオ(吹替)] 5点(2010-07-07 00:31:21) |
377. 真夏の少年
不思議な作品。悪く言ってしまうとすべて中途半端で微妙。 良く言えば、少年のひと夏の出来事を切り取った味のある青春物語。 少年向きなのか、大人向きなのかそれすら分からない。 見方ひとつでずいぶん印象が変わる映画のような気がする。 ほぼすべてが少年の目で語られ、分かりやすいのは間違いない。 和歌山県の海をバックに、この平成の時代に撮影されたとは思えない懐かしい風景が印象的。 [ビデオ(邦画)] 5点(2010-07-07 00:26:35) |
378. 男はつらいよ 寅次郎真実一路
企業戦士の妻役であるマドンナ大原麗子は、役どころのイメージにあっていた。 また、良くも悪くも失踪役のサラリーマンで米倉斉加年のイメージが良く出た作品である。 いつも以上に町の人から蔑まれ、馬鹿にされるお人よしの寅さんが悲しく思えた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-06-26 22:19:45) |
379. 男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎
《ネタバレ》 今回は辛口のコメント評。 寅さんシリーズにしては平凡な出来ではなかろうか。 すべてが中途半端に終わってしまった感がある。 タコ社長の娘、陰気な男性のエピソードも活かされていなかったばかりか、肝心のヒロインの印象が薄い。 さすがに渡瀬恒彦は存在感があるが、曖昧なせりふを残して画面から消すのなら、 最初から堅気で真面目な男性像で行くべきだろう。 今作の寅さんのキャラクターもぶれていて納得がいかない。 人分かりの良い人情味溢れる人間像を前半に持っていきながら、後半の情けない男っぷりは首をひねらざるを得ない。 最後のくだりも笑わせようとしているのだろうけど、笑えない。 美保純のふつつか娘キャラクターがこの映画からシリーズ化されたというのは納得できた。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-06-26 22:16:17) |
380. 義務と演技
落ち着いた雰囲気と現実味がある設定が、意外に良かった。 光を巧みに使った演出や、俳優人の豪華さと演技は、邦画にしては良い出来。 たしか公開当時けっこう話題になったと思うけど、失楽園だったかな? ビデオ鑑賞だったせいか、声が小さすぎてセリフが聞き取りづらかったところがあったり、画面が暗すぎたのは残念。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-06-26 22:14:45) |