21. 西鶴一代女
《ネタバレ》 ラストの方で、田中絹代演ずる主人公が、奪った我が子を抱き抱えて屋敷の庭を逃げ回るシーンでの、捕まえようとする家来たちの手をすり抜けていく彼女の軽ろやかなフットワークは、まるでNFLの選手のようで、いたく感動いたしました。 10点(2003-10-14 15:33:40)(良:1票) |
22. リオ・ブラボー
《ネタバレ》 観れば観るほど面白さが増す痛快娯楽西部劇の王様。さすがに腕利き保安官(ジョン・ウェイン)といえども、味方がなにせ“飲んだくれ”(ディーン・マーティン)と“老いぼれ”(ウォルター・ブレナン)と“どこの馬の骨とも分からぬ若造”(リッキー・ネルソン)ときているから、危機また危機の連続で、観ているこちらは分かっていても手に汗握ってしまうのである。ところが、クライマックスは大銃撃戦かと思いきや、実に大らかな手口で敵を降参させてしまう。血の雨を降らせるよりか“綺麗なオネエちゃん”(アンジー・ディキンソン)の下着を降らせたほうがよっぽど観客は喜んでくれることを天才監督ハワード・ホークスはちゃあんと心得ているのだ。ニクい! 10点(2003-10-14 14:59:17)(良:1票) |
23. 獅子座
師ジャン・ルノワールの『素晴らしき放浪者』へのオマージュか? ヌーベルバーグの盟友であるクロード・シャブロルの遺産相続のエピソードを元に、エリック・ロメールが長編処女作として撮りあげた獅子座生まれの楽天的で呑気な四十男のパリ放浪の物語。かくいう私も獅子座生まれの40男です。 10点(2003-10-14 12:08:41) |
24. パリの恋人
もう何度も観ているはずなのに、なぜかお話が一向に思い出せない。それでも、ミュージカル好きな私を惹きつけて止まないのは、オードリー・ヘップバーンが自ら歌い踊っていること。おまけにお相手がダンスの神様フレッド・アステア、曲と詞は、20世紀の偉大な音楽家ガーシュイン兄弟ときているからゴキゲンこの上ないのだよ。“S'Wonderful”なんて、こうしてコメント書きながら、思わず口ずさんじゃうもん! 9点(2003-09-12 20:24:52) |
25. ベニイ・グッドマン物語
《ネタバレ》 ヴィブラフォンの名手ライオネル・ハンプトンが、食堂のおやじに扮して登場し、主人公たちの目の前で、いきなり、名曲「アバロン」を弾き出す。このゾクゾクする高揚感と存在感こそが、「私の考えるJAZZ」 10点(2003-08-09 17:55:11) |
26. 裸足の伯爵夫人
《ネタバレ》 何よりも映画的=感動的なのは、踊る素足のクロースアップから登場するエヴァ・ガードナーのテクニ・カラーによる美しさ。(『カサンドラ・クロス』とかでしか彼女を観てないそこのあなた、これは必見ですぞ!)こりゃあ、伯爵ならずといえどもぞっこん入れ込むわな。『めまい』のキム・ノヴァクと同様、あまりにも身勝手な男の思い込みによって、結局女の方が悲劇的な結末を迎えるというのが、逆に男性映画ファン(って、もちろんオイラのことですけど)の琴線をくすぐる。故に、妖艶な魅力により男を破滅に陥れる「運命の女(ファム・ファタル)」と呼ぶには、ちょいと可哀想か。それでも、終始ハード・ボイルドを押し通すボガードの身振りと語りも含めた確信犯的なマンキウィッツの演出は、大胆かつカッコ良く決まっていて、これも、れっきとしたフィルム・ノワールじゃん!とオイラは思うんだな。 10点(2003-08-09 17:53:03) |
27. 浮雲(1955)
『アデルの恋の物語』でも書きましたが、ダメな男をひたすら愛し続ける女の悲劇を描いた傑作がここにもありました!灼熱の太陽がふり注ぐインドシナから始まって、冷たい雨の降り注ぐ屋久島までの道程を「やるせなさ」の名匠・成瀬巳喜男があの小津安二郎もため息をつくほど見事な演出で描いています。 10点(2003-01-11 14:44:54)(良:2票) |
28. 眠れる森の美女(1959)
ディズニー・アニメの最高傑作。特にダンス・シーンが素晴らしい(今のスタッフにはちょっと見習って欲しいです)。うちのカミさんに言わせると、「シンデレラ」や「白雪姫」と違って、自ら馬を駆って、お姫様を助けに行くから良いのだそうな。たしかに他の王子様って何もしないよねえ。 10点(2002-12-13 20:08:51) |
29. フレンチ・カンカン
芸の厳しさも、恋の厳しさも、そして人生の厳しさも全て、ルノワールは、上質なエンタティメントを通して教えてくれる。観終わった後に思わず"ブラボー"と喝采をあげたくなる映画。 10点(2002-11-26 20:56:05)(良:2票) |