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由布さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  フィーリング・ミネソタ 《ネタバレ》 
なんだかんだ言って、やっぱり、この作品好きだ。確かにドタバタで、バタ臭いんだけど、役者がそれぞれいい味出してるんだよね。一人の女を発端に吹き出る兄弟間の確執が、迫真でね。憎んでも憎み切れない。いっそぶっ殺してやりたいのに殺せない。道路挟んでの石の投げ合いがリアルで象徴的。何より、キアヌの役者としての力量が、凄い。演技巧者とか熱演とかいうのではなく、凄いリアルなのよ。確執し軋轢した兄貴が、結局は他人に殺されていくのを目の当たりにする時のキアヌ=ジャックスの表情は、上手いとかじゃなく、リアルなんだな。ドノフリオも、負けずに迫真に演じてるし。インディ系の映画だけど、キアヌの作品の中では、キアヌの持ち味が詰まってる一作だと思う。 売りは、キアヌ・リーブスとキャメロン・ディアスの共演らしいけど、本作は、ヴィンセント・ドノフリオとキアヌ・リーブスの共演が正しい。この二人&エイクロイドの掛け合いが、凄いのよ。
10点(2003-09-04 23:26:22)
22.  ディアボロス/悪魔の扉 《ネタバレ》 
何度見ても、やっぱり「笑うセールスマン」を思い出すなぁ。人間やっぱり、辛い思いより楽しい思いの方がいいし、日々の食費を切り詰めるより、余裕のある暮らしの方がいいに決まっているもんなぁ。隣りの芝生より綺麗な芝生を欲しがるのは虚栄かもしれないけど、そういう欲があるから向上心もあるわけで、そういうところに付け込まれたら、人間、ひとたまりもありませんって。確かに、人が作り出した悪魔そのものかもね。「ノイズ」もそうだけど、セロンは、こういう、だんだん正気を失っていく役が上手い。それに、本作のキアヌの存在感は、凄い。この二人のラブラブぶりは、いっそ微笑ましいくらい。それだけに、メアが死ぬシークエンスは、思わず固まってしまった。「It’s time」と言ってケヴィンが自殺する時のキアヌの表情は、魅入ってしまう。落ちは・・・、クライマックスでのミルトンとのやり取りの中で「地元の新聞記者」の話題まで出てるだけに、ちょっと浅はかだな。でも、「虚栄は私の好きな罪だ」って言って、ニシャッと笑うパチーノの顔は、ラストのラストで初めて悪魔が正体を現したって感じがよく出てる。個人的には、ケヴィンのお母さん役の人の、味わいがいいな。なんだかんだいって、お母さんっ子なケヴィンの雰囲気も出てるし。気分の良い映画ではないけど、あそこまで色気に頼らなくても良いような気がするけど、キアヌの迫真の演技が見られて満足。
8点(2003-08-30 00:35:08)
23.  ドラキュラ(1992)
F・F・コッポラの名声がどれほどのものかは知らないけど、何回見ても、どうしても、ドラキュラをコンセプトにしたコスチューム・プレイの「金妻」にしか見えない。何回見ても、「このカマトト、何とかしろよ」としか思えない。いっそ、もっとエロティックを強調すれば、こんな中途半端な映画にならずに済んだのでは? ホプキンスが、そういうキャラではあるけど、一人で気を吐いて浮き捲っていたのも、笑える。逆に言うと、ドラキュラに全く迫力がないのよね。レンフィールドの方が、なんぼか熱演してるし。キアヌは、「あの映画の僕は全然駄目だった」と言ってるけど、今更ながらに、あれでいいと思うなぁ。ああいう内気で消極的なハーカーでさえ、「あんな清純ぶった妄想女の首なんか早くちょん切れ!!」と思ってたくらいだから、これでハーカーが凛々しかったら、ミナが許せなくなる。キアヌ・ファンとしては、キアヌを起用した監督は、やたらとキアヌのアップを撮りたがるけど、本作は、キアヌのアップが意外に少ない稀有な映画だったな。
5点(2003-08-19 00:00:07)
24.  ハートブルー
これ、映画館で見たときは、はっきり言って最後の大波しか印象に残らなかった。ビデオで見返して、意外なほどバイオレンスな映画だったんだなぁと、思った。でもって、こんなに惜しげもなく人が死んでるのに、なんで印象に残らなかったのかも、分かった。わりと引き摺られるように見ていたのに、ラストまで人間関係が完結してないんだな。密度を濃くしようとしているのに、それが仇になってる。ボーディとジョニーも抽象的だし、タイラーとジョニーも、だから結局どうなったの?って感じだし。ラストで、ジョニーがまだ捜査官ってのが、また興醒めでね。纏まりをつけようとして、バラけちゃったみたいだ。でも、本作のキアヌは、気合いが入ってるなぁ。爆発寸前の苛立ちとか、言うに言えない葛藤の表現は、そりゃあ見事なもの。しかも時折り、溜息が出るほど綺麗。キャサリン・ビグローが「リバース・エッジ」でキアヌに惚れて、本作の主演にしたっていうのが、分かる。ホントにキアヌのための一作だったな。
6点(2003-08-18 01:48:14)
25.  リトル・ブッダ
ベルトルッチ監督のアジア観や宗教観はともかく、見終わったあとの感想は、「これって、欧米の人が見て、分かるんかな?」だった。理解とかいうんじゃなくて、感覚として共感なり共鳴なりとか、出来るんかな? まあ、アメリカで受けなかった理由は、分かったけど。でも、日本の風土に育っていても、さて、どうか。輪廻転生や、色即是空、空即是色の意味、中道の在り方、海に還り、空に還り、大地へと還る理とか。勿論、分かったような気になるだけで、本質なんか分からないけど、これって、今風に言えば、マトリックスの世界だよなぁ。マトリックスも、器と魂の中道を求める話だし。ネオも、救世主というよりは、求道者という感じだし。そういう風に見れば、本作も分かり易いかもしれない。たど、映画的には、もっと、こう、人生の岐路に立った父親の方の魂の救いみたいな感じを強調すれば、もう少しは一般受けしたかもしれないな。それにしても、キアヌの、モナリザの微笑は、御見事。モナリザの微笑は、見る人によって、慈愛に満ち、癒しにも見えるけど、逆に、人によっては、軽蔑され、見下されているようにも見えるんだそうだけど、つまりアルカイック・スマイルなんだよね。ガリガリに痩せて、ボーボーの髭面、ボロボロの衣装でも、川に入った時の解き放たれた表情といい、本作のキアヌは、本当に美しいです。物語としては、6点なんだけど、キアヌのアルカイック・スマイルにプラス2点。
8点(2003-08-15 23:33:25)
26.  雲の中で散歩 《ネタバレ》 
恋愛映画って触れ込みだったけど、どっちかっていうと家族愛がテーマのお話だったな。両親も知らず、出征中に心の離れた妻しかいない青年が、ひょんな巡り合いから家族を見つけるんだな。キアヌ=ポールも、一晩だけの約束を二日・三日と居付いてしまうのは、ヴィクトリアへの愛情よりも家族というものへの憧憬の方が強いし、キアヌが、天蓋孤独の青年の不器用な憧れと、それは所詮茶番劇でしかないという虚しさを誠実に表現してた。ポールとヴィクトリアの愛情の変化も、押し付けがましくなく、葡萄が熟成していくように、なるべくしてなったなぁって感じがいい。頑固親父のジャンカルロ・ジャンニーニが、エキサイティング。こ~~んなに渋くなっていたなんて。それにしても、亀の甲より年の功? アンソニー・クインの爺さまのお惚け振りは、もしかして、ぜ~~んぶ御見通しだったのかな? おおらかなお母さんが、新婚の娘夫婦の為にベッドを用意して、夫婦の枕の真ん中に一本置いた真紅の薔薇が、心憎い。ランプ1個で葡萄園が全焼っていうのは無理矢理っぽいけど、見終わった後に、「ああ、よかった」って思える作品だった。キアヌの素朴な誠実さも堪能できる作品だけど、やっぱり、働き者で頑固一徹、愛情深いお父さんに、私は弱いらしい。息子ペドロとの近代化対決を、もう少し見たかったかな。
9点(2003-08-02 00:43:19)(良:1票)
27.  死にたいほどの夜
普段、こういう系の映画は見ない。まず、見ない。でも、キアヌが出てるってことで見たけど。映画的には、ビートニク・ムービーって言うんですか? ニール・キャサディの若き日を、走馬灯のように描いた作品って感じかな。人生のダイジェストみたいな感じ。ヒッピー全盛時代の人のバイブルみたいな人生なんだろうけど、映画としては他人に薦めるのは二の足を踏むな。クレア・フォラーニは、「ジョー・ブラックによろしく」のイメージが強いせいか、ニールの恋人役には御嬢様的過ぎる感があるけど、これはニールの「夢の家庭像」の象徴なのかな。エイドリアン・ブロティが、ちょっとゲイっぽい、いかれた役で出てたけど、でも、特筆は、やっぱりキアヌ。グレる、拗ねる、愚痴る、汚れたキアヌは、本作の骨格を事実上支えていて、凄いぞ。本作のキアヌを見ると、特殊効果満載映画に出しとくのが、勿体無い。
6点(2003-07-28 23:27:47)
28.  スピード(1994)
これがキアヌの出世作かぁ。映画としては面白かったかな。偏執狂的なまでのデニス・ホッパーの切れ具合といい、犯人がジャック=キアヌいびりに走った経緯もはっきりしてるし。でも、あんだけ引き摺っといて、やけにあっさり退場したなぁ。疾走するバスが遠慮会釈なく障害物を薙ぎ倒していくところは、アクション映画の醍醐味。イケイケ状態満喫。渋滞したら? ガス欠になったら? も、ちゃんとフォローしてるしね。スワット(かな?)姿のキアヌは決まってるんだけど、今ひとつ無理矢理ヒーローっぽくて、なんか、ね。無理に熱血させないで、「人質を撃つさ」と言ったみたいに、もう少し醒めた感じでいけば良かったような気がする。サンドラ・ブロックのアニーと恋に落ちる落ちはともかく、ラストのやり取りは無粋。最後のセリフのおかげで、なんだかベタベタになってしまった。もう少し粋に落として欲しかった。
6点(2003-07-22 23:00:14)
29.  JM 《ネタバレ》 
作品の出来や興行収入や批評家受けはとにかく悪かった作品だったけど(何しろ「スピード」の後だけに)、改めて見ると、キアヌは本作の主人公を演じるのを、きっと楽しんだんだろうなぁと、しみじみ思う(さわやか青年役の間っこなだけに)。何せ、唯我独尊、縦横無尽の嵐みたいな男だものね、ジョニーってばさ。ある意味、最後まで縦横無尽な唯我独尊男だったし。ま、当時は、それが嫌がられたんでしょうけどね(だって「スピード」の後だし)。でも、本作のキアヌは、何気に凄い演技をしていたりする。ヘブンに着いて発作起こした時の白め剥いた顔は、かなり怖い。ついでに、ヒロインと妙にベタベタにならないけど、「そう、そこでキスよね」ってところで、きっちりしてくれる自然さがいいな。着眼点はいいのに、ストーリーが変に間延びしているのは、タケシ演じるヤクザの使い方が徹底してないせいだなぁ。今作れば、もっと違う使い方をされるんだろうけど、本当に残念な使い方だった。ところで、本作がマトリックスに似てるのは、サイバーパンクなだけでしたね。精神世界は全然別物だったのね。
8点(2003-07-22 12:26:55)
30.  クール・ワールド(1992)
着想そのものは、悪くないんだな。でも、アニメ世界であるクール・ワールドの描き方が、無意味に騒がし過ぎ。現実を逃避した、オモチャ箱をひっくり返したような子供の世界を描こうとしたのだろうとは思うけど、そもそも子供向けアニメではないのだから、初めから開き直って、ストーリー重視で構成していれば、着眼点は悪くはないし、役者は豪華だし、もう少しはマシな評価になったと思うなぁ。ブラッド・ピットは、やっぱり華のある役者だなぁ。「スリーパーズ」の時も思ったけど、こういう髪型でフォーマルを着せたい。
6点(2003-07-16 01:56:53)
31.  エビータ(1996)
歴史物の重厚さを失わずにコミカルに描き、コミカルに描きながらも、人生の重さをきちんと表現していた。しかも、殆ど全編、ミュージカルで進めていったところが凄い。一人の女としてのエビータを、マドンナが気負うでもなく、とても素直に演じてるし、何より、綺麗。それにしても、バンデラスが、渋い。生歌ですか。いい声ですねぇ。思わず、サントラが欲しくなった。史実物としても、そんなに悪くはないと思う。
8点(2003-07-05 23:45:03)
32.  マイ・プライベート・アイダホ
本作は、良くも悪くも、キアヌ・ファンとリバー・ファンにとっては、未だに衝撃的な作品であり、キアヌとリバーの、以降の行く末まで写してしまったような一作だった。リバーの繊細な演技は、本人が脚本を書き直す程の入れ込み具合からも分かるとおり、硬質さの残るキアヌの演技とは比較にならないものだけど、そのせいで、リバーは永遠の少年のイメージを強くしてしまったように思う。対してキアヌは、敢えて硬質で計算高い役柄に挑んだおかげで、少年のイメージからの脱皮に成功したように思える。当時、リバーは役柄に嵌って絶賛され、キアヌはその硬質さを酷評されたというけど、年齢の過渡期にある役者の、役柄選びのシビアさが見える作品のようだ。でも、キアヌの出演作の中では、本作のスコットのキアヌの声が、一番セクシーなんですけどね。
8点(2003-07-05 22:04:46)
33.  レザボア・ドッグス 《ネタバレ》 
暴力的だの過激だのという風評を聞いていたので、観る前は、それなりの覚悟をしていたのだが、実際には、犯罪捜査の心理スリラーという展開で、私にはいい意味で裏切られた作品。確かに銃撃戦はあるし、警官をいたぶるシーンもあるんだけど、全般としては、下手に転ぶと地味っていうくらい抑えの効いた出来に仕上がってるのに、何故、暴力的で過激だという評価が出るんだろ? 男臭い映画のはずなのに、俳優陣の個性と演技、洒脱な演出のおかげで、すっげぇカッコイイ作品になってる。ブラック・スーツの男達が集団で歩くシーンは、最高。でも、ラストで、三人が撃ち合って、三人共倒れっていうのは、そうしないと終幕しないのは分かるけど、なんだか御約束っぽくて、ちょっと引いた。それでも、こういう映画は好きだなぁ。結局、最後まで中立、蚊帳の外にいたピンクの棚ボタだったんだな。
8点(2003-06-26 14:39:12)
34.  テルマ&ルイーズ
ブラピ・ファンにとっては、大恩ある映画ではあるんですけどねぇ。どうしても「好きな映画」とは言えない。テルマとルイーズの二人も、抜き差しならない状況の中で、二人きりに追い込まれていっただけだし、これを「女の友情」だと言われてもなぁ。それにしても、セクハラの暴言で人ひとり殺しちまうほどのトラウマ抱えてるルイーズに、プロポーズの指輪持って駈けつける男がいるってのが、不思議でならない。本作を見ながら、「ヒミツのお願い」がどうしても被ってきたのだが、多分、本作からは初めから度外視されてる「子供」というファクターを入れてコメディに仕立てたのが、「ヒミツのお願い」なのかな。両作品共にブラピが出ている為かもしれないが、両作品共にブラピが出ているというのも、面白い。ラストまで辿り着くのに、かなり忍耐の要る作品だったが、ラストのデイビスとサランドンの表情は圧巻。作品には共感出来なかったのに、思わずグッときたものなぁ。ブラッド・ピットは、そりゃあ、あの笑顔ですよ。
6点(2003-06-16 01:31:46)
35.  エバー・アフター
ダ・ヴィンチ先生には、やられたなぁ。「これで歴史に名を残す。扉を開けた男」って、確かになぁ。そのおかげで、当時の歴史的背景まで見えてしまうだけに、そんなに呑気な時代かなぁとも思ってしまうんだけど、ある意味、最も自己主張や自己の確立の精神の強い時代でもあったから、ダ・ヴィンチが魔法使いでも不思議と違和感がなかった。欧州は強い女性がゴチャマンといたしね。でも、フランス宮廷にナイフとフォークを伝えたのは、カトリーヌ・メディシスが輿入れをしてからだけど。「肩に担げるものならなんでも持っていけ」というジプシーが、当時の、あの辺りのヨーロッパの慣わしを映してて、結構細かい設定に感心した。元々、シンデレラ自体が、人にしたことは自分に返って来るんだよという寓話だから仕方ないけど、ラストの継母と義姉への処遇は、ちょっと無理矢理っぽい。でも、もう一人の義姉の対比が、人間的でいいなぁ。やっぱり、人にしたことは・・・ってことで、収まっているんでしょう。強い女のこが主人公だと、どうしても男はグレードが下がってしまうのが、ちょっと寂しいな。
7点(2003-06-09 23:59:03)
36.  ムッソリーニとお茶を
こんなにレビューが少ないなんて、意外だった。タイトルで引いてしまうのかなぁ。良質な好い作品だと思うんだけどなぁ。パワフルなおばちゃま達がパワフルに作品を引っ張る、コメディ・タッチな映画ではあるけど、それがまたイタリアっぽくって良い。「イタリア的な、あまりにイタリア的な」って感じは、とても良く出ていると思う。主人公は英国婦人達ではあるんだけどね。その女優陣の円熟した演技は、ほんとに素敵だった。時間の経過が早過ぎるのが難だけど、フィレンツェの名所・名跡を盛り込んだ映像は、一見の価値はあると思う。
8点(2003-06-09 17:47:33)
37.  マトリックス
「スター・ウォーズ」の時に、R2D2を見た衝撃度を思えば、マトリックスの衝撃度も、やはり、このランク。しかも、初見の時よりも、2度目、2度目より3度目と、味わいが深まるのは、ネオに集中して描かれたストーリー性の賜物。何より、キアヌ・リーブスの役者としての魅力を、最大限に引き出した一作。キアヌの魅力は、どうしていいか分からないまま引き摺られる受け身的な、その曖昧さで、本作は、そんなキアヌの持ち味を十二分に引き出して、映画の養分にもしている。日本アニメやSFのパクリと、突っ込み所は山程あっても、それを、一度はやってみたい夢に見るようなアクションと、変にべたつかないロマンスに絡めて、やっつけたい奴をやっつける快感を満喫させてくれて、でも、ほんの少し緊張感の残るラストを、過不足のないキャストで、見事に実写で映像化した本作は、やっぱりパーフェクトなんだなぁと、思う。無論、マトリックス全容の評価は、「レボリューションズ」を待たなくては、出来ないけれど。
10点(2003-06-09 00:54:31)(良:1票)
38.  傷だらけのランナー
サンディ・タン監督は、いつ、主演を切り替える気になったんだろう。冒頭は確かにリック・シュローダーが主演だったのに、気がつくと主演はブラッド・ピットになっていた。映画としては、低予算の青春ドラマなんだけど、これは、私的には、自分を映す映画でもあって、ちょっと苦笑いした。ピット=ジョーが弟に「優等生してたのは、長男だから」と語るシーンは、ダイレクトにきた。上に姉なり兄なりがいるから、おまえは好き勝手してられんだろ!と、罵ってやれよ、ジョォォォと、思ってしまった。ついでに、アル中の親父なら、いっそくたばって欲しい本音もある。本作は、要するに、個人的にリンクしてしまった話だったな。兄弟間の確執がもう少し描けていれば、青春ドラマとしても、もう少しは見応えがあったかもしれない。
5点(2003-05-31 01:51:04)
39.  カリフォルニア(1993)
ジュリエット・ルイスに共演してもらった、ブラッド・ピットのデモ・テープ。って、それ以外、なんかあるか? ブラピ・ファン、ルイス・ファンなら必見だと思うけど、役者に特に思い入れがあるわけではない人には、是非見て、とは言えない。ルイスとブラピの純真故の常軌の逸脱は見事なものだけど、連続殺人者の精神の根底に迫るには、描写が足りな過ぎ。せめて、ブラピ=アーリーが自分の女を「ママ」と呼ぶ理由くらい描けば、冒頭に出てきた「連続殺人犯の心理」も無駄にはならなかったのに。ドゥカブニー=ブライアンも、アーリーの狂気に晒された時、少しでも「連続殺人を考察する物書き」の片鱗を見せていれば、ラストも意味があったのに。悪いけど、本作の描き方では、ブライアンは物書きに向いてない。冒頭の主題が忘れられているだけに、ラストも嘘っぽい。ルイスとブラピと演技だけが売りの一作でしょう。
5点(2003-05-29 02:05:39)(良:1票)
40.  リバー・ランズ・スルー・イット
光と緑と水を、澄んだ空気で丁寧に丁寧に織り上げたような一作。自然の色を、ここまで綺麗に撮ることが出来るんだなぁ。そして、ブラッド・ピットを最も美しく撮った作品。兄の「この世を超越した芸術品のようだった」と、父の「あの子は美しかった」の言葉に帰結するためとはいえ、マジで綺麗。それも、手を加えた造形美ではなくて、風景に溶ける自然な美しさは、ピット自身の持つ魅力もさることながら、当時まだ無名に近かったピットを起用したレッドフォードの目と、その瞬間を切り取った撮影スタッフの手腕は凄い。若くして亡くなった弟への懐古と故郷への想いを綴った、兄の原風景的な叙情を、変に荒れさせることなく、それは綺麗に、それは見事に描き出している。突っ込んで言えば、女はやっぱ、安定がいいかぁ、てか? いえ、それでもやっぱり、ポールが可愛い。
8点(2003-05-18 22:29:28)
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