21. 静かなる決闘
《ネタバレ》 千石規子さん超当たり役です。ダラけたようなナメたような喋り方が味わい深い。三船敏郎さんはクライマックスの怒涛の長廻しのモノローグが感動的。あの場面の撮影のときは黒澤監督もカメラマンももらい泣きして涙を流しながら撮影したのだそうです。そんなエピソードも頷ける感動的な場面でした。 [DVD(字幕)] 10点(2006-02-12 03:20:22)(笑:1票) (良:1票) |
22. 酔いどれ天使
《ネタバレ》 若い三船敏郎さんの格好よさ、美しさに見惚れました。作品の随所に出てくるもの悲しいギターの音色がとても効果的です。敵役のひとの登場場面は「よ、待ってました!」的な格好よさで、娯楽映画のツボをおさえているなあと感心しました。三船さんがペンキで真っ白に染まって死んでいく場面の凄絶さは、映画史上に残る美しさだと思います。 [DVD(字幕)] 10点(2006-02-11 14:02:50) |
23. 七人の侍
活劇映画としてこれ以上の面白さはありえないという水準に達していると思いました。これ以上はありえません。永遠にありえません。それは間違いありません。 [DVD(字幕)] 10点(2006-02-11 13:58:24) |
24. ブラウン・バニー
全篇、凄絶に美しかった。終盤やや説明過多な気もしたのですが、本質的な問題ではないでしょう。途方もない傑作だと思います。この容赦のない美しさ。音楽もとてもとてもいいです。 10点(2005-01-11 21:49:03)(良:1票) |
25. 自転車泥棒
つげ義春さんが「これ以上の傑作は絶対にない」と書いていました。父が捕らえられたときの息子の表情はいまだに忘れられません。 10点(2004-01-31 15:18:57)(良:1票) |
26. 穴(1960)
《ネタバレ》 脱獄モノは数あれどこの作品を超えるものは永遠に作られないんじゃないでしょうか。語り口、撮影、展開、すべてが完璧に思えます。10点満点以外つけようがありません。しかしまあ、終盤近く、完全に騙されて、油断してました。ぴっくりしました。ベッケル監督の思うツボですね。ともあれ大傑作です。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-29 18:25:48) |
27. モロッコ
もうディートリッヒが映っているだけで脳内麻薬が出まくりです。美しさにため息が出ます。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-28 19:38:26) |
28. ラヴィ・ド・ボエーム
アキ・カウリスマキ監督の作品の中では、この作品が一番好きです。私にはこういう社会の周縁で生きる若者たちを淡々と描いたような映画が一番ぐっと来るようです。1992年作品とはとても思えないような古風な映像で、決して派手さはありませんが、じわじわと心の底の方に染みてきます。マッティー・ペロンパーはじめ、主人公の3人がとても味わい深い。最後は涙が出ました。ラストの選曲も凄いですね。鳥肌ものです。 10点(2004-01-26 12:10:51)(良:1票) |
29. 八月の鯨
人生が愛しくなるような作品です。生きたくなりました。リンゼイ・アンダーソンという人は小津安二郎が好きらしいですね。影響を感じさせるような雰囲気もあったような気がします。とにかくいい作品です。 10点(2004-01-25 10:55:20) |
30. チップス先生さようなら(1969)
《ネタバレ》 高校生時代に始めてみました。大人になってもう一度見て、やっぱり涙が出ました。愛に溢れた映画です。登場人物を見つめるまなざしが優しくてステキです。映画に続いて、原作の小説の方も読んだのですが、こちらもやはりいい作品でした。映画が良かったという方は小説もオススメですよ。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-24 12:44:21) |
31. バッファロー'66
《ネタバレ》 随分遅れて見たんですけど、正直、びっくりしました。良すぎて。最初の10分くらいでもうノックアウトされていた気がします。役者も音楽も素晴らしい。作品がひとつの美意識で統一されています。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-24 12:40:07) |
32. レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う
《ネタバレ》 前作に比べ、物語のとりとめのなさが強化(?)されている気がしますが、ギャグは相変らず冴えていますし、何より演奏される曲たちが良いです。テキーラの歌、ギニワッチの歌などめちゃくちゃ笑えますし、しみじみと聞かせる歌もありますし、音楽面では前作よりもずっとバラエティに富んでいて良いと思います。ギニワッチの歌の場面では笑いすぎて死ぬかと思った。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-24 12:20:11) |
33. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
《ネタバレ》 とても格好いい映画です。詩情に溢れています。ちりばめられた冗談も笑えます。監獄に閉じ込められたメンバーたちが空き缶などでカンカンとリズムを刻み続ける場面が良かった。散髪屋のオッサンがギターを弾き語る場面も実にしみます。とっつきやすいので、アキ・カウリスマキ入門にも最適。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-24 12:13:32) |
34. レ・ミゼラブル(2012)
全身全霊で歌いあげられる美しいメロディーの数々。音楽の豊かさを堪能することができました。力作です。 [映画館(字幕)] 9点(2012-12-24 16:46:33)(良:1票) |
35. ミュンヘン
《ネタバレ》 暗殺シーンが反復されるミニマル・ミュージックのような構成が秀逸です。淡々とした進行ながら、いつのまに業が深くなっていきます。映像の美しさ、計算され尽くしたカメラワークも素晴らしい。 [DVD(字幕)] 9点(2011-02-14 19:37:48) |
36. マイノリティ・リポート
最初からラストまで、非常に楽しめました。21世紀型、進化したヒッチコックという感じです。 [DVD(字幕)] 9点(2011-02-04 18:08:24) |
37. まぼろしの市街戦
《ネタバレ》 なんとも不思議な映画です。とぼけた雰囲気ながら、ラストのメッセージは痛烈。ヒロインのジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドが可愛らしい。 [DVD(字幕)] 9点(2010-08-09 23:36:33) |
38. オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-
《ネタバレ》 実験精神にあふれた映像表現が素晴らしい。ごく単純なからくりであっても、視覚的に新鮮な刺激を与えてくれます。映画全体の雰囲気として「かしこくなったエド・ウッド」みたいな感じがあり、良い意味でのボケっ放し感がとても楽しめます。形式に捉われず、のびのびとインスピレーションの羽を伸ばした名作だと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2009-05-11 06:58:09) |
39. アキレスと亀
《ネタバレ》 前作、前々作のような難解さは影をひそめ、オーソドックスなスタイルで語られる物語が徐々にしみてくる名作です。特にラストが秀逸。「アキレスが亀に追いついた」ということが映像だけで見事に表現されていて、非常に鮮やかでした。隣の席のお客さんもラストの瞬間にハンカチを取り出して涙をぬぐっておられました。私も「やられたっ」と思いました。あのラストカットのお陰で、後味がぐんっと良くなっています。 [映画館(邦画)] 9点(2008-09-22 11:32:54) |
40. 街のあかり
《ネタバレ》 恋も、仕事も、すべてを失った男が、最後に見つけるもの。 洗練の果てに結晶化した、カウリスマキ節の極北という感じがします。 カウリスマキ監督自身 「主人公にとって幸いだったのは、この映画の監督が心優しい老人であったということです。ラストシーンは希望で光り輝いています」 と書いているラストシーンの完璧さには、打ちのめされます。 いくつか散りばめられているユーモアも、とても笑えます。 [DVD(字幕)] 9点(2008-08-30 22:26:32) |