21. パッチギ!
《ネタバレ》 握りこぶしであちこちゴツゴツ叩く。素朴で愚直で、後ろ向きでなく、幸福であるための覚悟がわかりやすく、魅力的でした。だいいち登場人物が生き生きと、変に屈折してないのがいいよね。映画でなければならない理由が確かにここにはあるのだが、ただ楽曲「イムジン河」へのこだわりは、シンボリックではあるが少々説得力を欠き、ストーリー展開の小道具としての印象に終わった。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-20 18:41:34) |
22. 点子ちゃんとアントン
好感度の児童教養?映画。点子ちゃんの真っ直ぐで屈託のない行動力と子供らしい心情が楽しい。脇役の家政婦さんあたりもチャーミングだしね。もっとも、本来社会的に解決されるべき問題が、個々の優しさとか思いやりとかに収斂してしまったきらいはあるが、とりあえず、最後のセリフで話がちゃんとまとまって印象アップです。それにしても「点子ちゃん」とは飛び過ぎでしょう、「おチビちゃん」あたりで良かったのではないの? [DVD(字幕)] 6点(2011-05-05 17:20:32) |
23. ワイルドバンチ
我々はいずれ滅びゆくものだが我々の意志は決して滅びさせはしないということ。その説得力。 [DVD(字幕)] 10点(2011-04-15 07:40:56) |
24. 夏時間の大人たち HAPPY-GO-LUCKY
こじんまりとしたスケッチ風小品だが、話のツボの押さえ方がうまく、べたつかず、言い立てず、都会的で、気持ち良い印象、がちゃんと計算されていて、ちょっとずるいんじゃない?と言いたくなる。がこの種のクールさがこの監督の才能なんだろうなあ。時代設定はそうとうあやしいぞ。 [DVD(邦画)] 6点(2011-04-06 07:07:05) |
25. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 両国の緊張の歴史になじみがないので、しばらくは、牧歌的な日常での抗争に現実味が感じられなかった。だが話がのみこめるにつれ、それこそ、北の国のきついウィスキーのようにその独立運動の徹底と妥協との葛藤が胸にしみた。奴は敵だ、敵を殺せ。この単純なパトスは世界のあちこちで未だ説得力を維持し続けている。 [DVD(吹替)] 6点(2011-03-10 18:19:13)(良:1票) |
26. 殺人に関する短いフィルム
《ネタバレ》 ベタに映画タイトル通りで肩すかし。光を絞ったセピア色のさもありげな導入で期待したが、それもその表現であることの理由がみえないまま、延々と続くと、飽きましたね。共感できるものなし。殺人現場と死刑刑場の妙なリアリズムは印象に残ったが、それだけ。 [DVD(字幕)] 2点(2011-03-01 09:24:29) |
27. 長江哀歌
《ネタバレ》 やがて水底に沈む、鉄さびの匂う貧しい瓦礫の中の労働。しかし、人々の暮らしや街や河の詩情は豊かで、汽笛、クラクション、工事音、恋唄などの演出もあり、画面の印象が深まっている。男は過去に拘泥し、女は未来に舵を切る。浮かびあがれるだろうか。なで肩ランニングのオヤジどもがべちゃべちゃ食って、飲んで、タバコ吸って、信頼して、時に幻が空をよぎったり、発射したり。ものうげな遠近と近景に眠気を誘われた2時間でした。 [DVD(字幕)] 8点(2011-02-21 22:46:28) |
28. アラビアのロレンス
砂漠の織りなす圧倒的な叙事詩。画面がいちいち由緒正しい正統派で、広大な曲線、地平線、人間や駱駝の点在感が気持ち良い。空色の、あぶない眼をもつ異形のアラブ人ならずとも、この寂寥と暴力の自然の戦略に絡め捕られては、自らを単純化へ単純化へと駆り立て、いよいよ魂抜かれてしまうのでした。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-15 00:09:03) |
29. 新・仁義の墓場
オレハ チキュウニオチテキタ イセイノガキダ。スキデウマレタワケデハナイ。コウシンキョヒ。幻滅感が胸いっぱい満たされる。救いはない。欲望一直線の三白眼の餓鬼を岸谷五朗が大迫力、脇を往年のなつかしヤクザプレーヤー陣が固めた。我らの穏やかな胃は少々こたえましたね。希望も持てないし、勇気づけられもしない、趣味の悪い映画です。 [DVD(邦画)] 7点(2011-02-14 23:23:24) |
30. 花とアリス〈劇場版〉
《ネタバレ》 今どきの少女生活満載のおしゃべり映画。思い入れたっぷりのピアノBGMが少しうるさいが、映像が透明で、蒼井優の感受性が光る。出てくる大人が、やたら言い直す親父とか、ことごとくはずしていて笑えた。落ちもかわいいしね。しかし青春って言うとなぜいつも波打ち際でたわむれるかな? [DVD(邦画)] 6点(2011-02-04 19:12:02) |
31. トウキョウソナタ
スパイスの効いた、家族の崩壊と再生or新生のドラマ。中産都市生活者の意識描写がカミソリ味でクール。唐突やけくそな展開は消化不良だが、全編台無しになるほど嫌いではない。エンディングのあと、確かに1~2分ほどは幸福などこかに連れて行ってくれたからね。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-31 19:56:57) |
32. ラヴソング
《ネタバレ》 かろやかで屈託のない香港の青春が、これはどうしたのだ?アメリカくんだりまで無意味に出張って、大歌謡メロドラマになってしまったぞ。お疲れ様でした。ボスの背中の純情とやらにプラス1点 [DVD(字幕)] 3点(2011-01-24 20:06:31) |
33. ひかりのまち
ささやかな暮らしの中で生まれる、関係の引っかき傷の化膿とか凝固とか治癒とかが淡々と描かれる。(音楽がやや過剰)。かくして人生はうつろう。ウランちゃん幸せになろうね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-23 18:56:26) |
34. ホテル・ルワンダ
赤とか青とか大地とかカラフルな遠い国の民族抗争ドラマ、しかし訴求力は確実にある。地味・したたかなホテルマンの判断力に好感。金、物、名誉でのくすぐり方。やりますな。 [DVD(字幕)] 6点(2011-01-17 07:46:40) |
35. さらば、わが愛/覇王別姫
妙な節つけた台詞だけが耳に残る、悲劇的なようでわざわざ感の強い3時間でしたね。字幕はうんこだし。すまんが肌に合わねぇよ雷蔵さん! [DVD(字幕)] 2点(2011-01-13 21:30:30) |
36. ギター弾きの恋
食パン髪型のうぬぼれギタ-弾きがてれてれ生きて、最後におんおん嗚咽するお話。全篇、音楽が優しく、監督のセンスが効いた虚虚ないまぜの渋い仕上がりでした。さあ食うのは後にしろ、汽車を見に行くぞ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-11 19:11:24) |
37. パットン大戦車軍団
古い詩を好む、ドン・キホ-テ的なアメリカ武人の話は、類型的ではあるが、偏った知性と単純な肉体を感じさせてなかなか魅力的でした。へなへな犬もよく似合ってたし。 [DVD(字幕)] 6点(2011-01-09 09:50:12) |