21. パレード(2010)
演出に7点。非常に息苦しくて不快な映画でした。私はそれなりにこれまでの人間関係に満足しています。人間関係に対する嫌なイメージを膨らませるのはやめて下さい。迷惑です。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-17 12:55:46) |
22. ゆれる
《ネタバレ》 画としてはとても見応えがあり楽しめました。ですが、脚本が少し変だと感じました。その変加減が必要以上にこの映画の謎を深めてしまっている、分かりにくくしてしまっていると感じます。 例えば、兄が洗濯物を畳みながら智恵子との関係を詮索していたシーン。兄は弟と智恵子が関係を持ったことに気づいていると、弟が思った描写に見えました。それ以前に兄と智恵子の関係を疑ってるようなカットもありましたし、「風呂はいらないか。」なんてセリフは明らかに「智恵子の家で入ってきたんだろ?」って言われてるようなもの。唐突に酒の話を持ち出したのも鎌をかけてるのが見え見え。それに対する弟の反応や意味有り気なクローズアップは「ヤバい、兄に感付かれてるかも」という心理描写にしか見えません。 終盤になり父の智恵子は酒に弱いというセリフで、兄が気づいてたことを知ったらしいですが、私としては、弟は既に分かってるもんだと思ってず~っとストーリーを追って来てるわけですから、その時点で無駄な再検証が強いられるわけです。これは解釈の幅や謎が明かされたなんてものじゃなく、無駄な誤解が原因です。誤解させる意図なんて無かったはず。誤解する方が悪いなんて到底思えない。 鑑賞中に一から心理の解釈をリセットして考え直さなければならないなんて変な映画です。リセットしなければ、終盤の弟の証言の解釈にズレが出てしまいます。これはさまざまな解釈ができるなんてものじゃありません。 また、序盤に兄は高所恐怖症だと明らかにしており、当然弟もそれを知ってるものだと思ってず~っと観てたわけですが、実際は過去のビデオテープを観て思い出したらしい。だったら鑑賞者にも弟と同じタイミングで高所恐怖症の事実を示してほしかった。弟と同じ心情で物語を追うことができてなかったことがここでも明らかになり、更なる無駄な再検証を強いられたわけです。 他にも変だと感じるカットがありましたが終わります。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-16 18:22:22) |
23. 殯の森
言葉や理屈で説明すると陳腐になってしまうことを映像で表現することはとても価値があると思います。が、この映画はやや表現が直接的という印象を持ちました。森の脅威や肌の温もりで生を実感するという表現自体が陳腐だという印象です。それがダメだと言うつもりはありませんが私は面白味を感じませんでした。先に見た「ブンミおじさんの森」の方が映像が美しく、ストーリーもスマートだと思うので物足りなさを感じました。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-10 12:41:13) |
24. 十二人の怒れる男(1957)
映像に魅力を感じない。なぜか脚本だけでなく演出まで緻密だと評価されてることが解せない。クローズアップを利用した巧みな心理描写などと言われている。平凡な教科書通りの作りにしか見えない。ワンシチュエーションであることは言い訳にならない。この映画よりも29年前に製作された「裁かるゝジャンヌ」はさまざまなアングルのクローズアップや細かいカット割りを駆使し、もっと緻密な心理描写を実現している。なおかつ全ての画が美しい。このころから映像的に何も進歩してないと思う。会話劇が中心で映像はおまけ。語るのは役者だけで映像は何も語らない。このような映画が名作中の名作のような扱いをされてることが虚しい。 ただ…面白かったです! [DVD(字幕)] 7点(2013-08-04 19:48:42)(良:2票) |
25. デトロイト・メタル・シティ
《ネタバレ》 もっと笑える内容のはずなのにあまり笑えない。恐らくテンポが悪いからではないでしょうか。コメディパートとしんみりパートのテンポが変わらない。コメディパートをじっくり見せ過ぎて、最初クスっと笑ってだんだんつまらなくなった気がします。特に顕著だと思ったのが部屋を破壊するシーン。もっと細かくカットを割ってスピーディに加藤ローサが出てきてたら爆笑したかもしれない。タワレコとカフェを行ったり来たりするシーンももっと短くカットを切り替えて良かったかもしれない。マジックミラーの向こうで怖がられるシーンもワンテンポ長い気がする。変態モードの松雪泰子を正面からじっくり見せ過ぎて観てるこっちが恥ずかしくなってくる。そんなことを思いました。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-03 00:30:10) |
26. 赤ちゃんの逆襲
声を出して笑った回数0回。微笑んだ回数2回。引いた回数38回。最後は少し感動。おかしいな。笑いたくて観たはずなんだけどな。 [DVD(字幕)] 5点(2013-07-15 12:52:27) |
27. マーズ・アタック!
憎い。嫌いを通り越して憎いです。デザイン全般が嫌い。下品でバカバカしいユーモアが嫌い。この映画を巡る嫌な思い出もあります。 賞賛してる日本人が少なくないことが理解できないです。この映画のユーモアは日本人の感覚の中にあるものでしょうか?笑えますか? 下品でバカバカしいのに社会風刺が効いてるところが知的でイカしてると感じるとか? 勉強できるのに授業さぼってタバコ吸ってるのがかっこいいとか? この映画が好きな人はスターシップ・トゥルーパーズも好きそうなイメージです。 作家性が強い作品を制作できたことに関しては賞賛せざるを得ないので1点はあります。 [映画館(字幕)] 1点(2013-07-14 12:25:10) |
28. スローターハウス5
某サイトの解説に「時間と空間を超越した体験を幻想的に描く」とあり、期待感を持って鑑賞しました。 感想は、映像に面白味がない、です。 時間を飛び越える表現が教科書通りのような場面転換ばかりでがっかりしました。 映像が美しいとの評判もありその点にも期待してましたが、私はそれほど美しいとは思いませんでした。確かに美しい風景はちらほらありましたが、構図や色彩表現がさほど優れてる映画には思えません。 別のもっと美しい画を撮る監督で見たかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2013-07-13 21:56:55) |
29. パリの灯は遠く
この年のパルムドールはタクシードライバーですが、個人的にはこの作品の方が挙げたいです。 映像で語る映画。とにかく演出が細かく情報量が多いです。私はほとんどの演出意図を汲み取れてないでしょう。正直過食気味でもう一度見て理解しようとは思わないです。 ですが、演出力は高い賞賛に値するもので、一見の価値有りだと思います。この監督に興味を持ちました。 カフカの審判に似てると思います。テーマは不条理、自己の存在価値への不安でしょうか。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-06 10:12:31)(良:1票) |
30. オブリビオン(2013)
《ネタバレ》 「月に囚われた男」+「ラ・ジュテ」+「続・猿の惑星」+「クローンは故郷をめざす」+「2010年」+「インデペンデンス・デイ」+「マイノリティ・リポート」 [映画館(字幕)] 6点(2013-06-29 20:28:20)(良:1票) |
31. バック・トゥ・ザ・フューチャー
最近見直してみましたが子供の頃に感じたワクワク感はありませんでした。 芸術性、美しさに欠ける画が退屈に感じます。 伏線をバラまき回収に邁進する脚本は一定の楽しさとカタルシスはありますが、言語的で奥行きは感じません。 脳や精神に負荷を感じることなく楽しい鑑賞時間を過ごせるという点で大衆的で優れてると思います。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-29 13:32:27) |
32. ダイ・ハード4.0
あまりの不死身ぶりが面白くてコメディのように笑えました。 リアクション芸人ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-29 10:49:12) |
33. 劇場版 SPEC~天~
伊藤淳史とマダムはSPECホルダーというより妖怪。そもそも、当麻のSPECに霊が絡んでくるのも不満。タイトルをSPECではなくOCCULTに変えた方がいいと思う。 [DVD(邦画)] 4点(2013-05-11 17:31:03)(良:1票) |
34. 灼熱の魂
《ネタバレ》 映像が凄い!どこを見ても隙が無く美しい。力強さもある。印象的なカットも多いです。 この映画はヴェネツィア上映、サンダンス上映、アカデミー賞外国語部門ノミネートするも大きな賞は取れず。 前半はなぜ賞を逃したのかという疑問を抱きながらの鑑賞でした。しかし、後半になり物語のテンションが上がるにつれて私のテンションは失速。 特に、序盤と繋がりを見せる最終盤のプールのシークエンスが残念でした。あまりにも都合のいい展開であり、技巧的な演出がせっかくの作品の品を落としていた印象です。サスペンス的なテクニックは排除し、直球勝負の人間ドラマにしてほしかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2013-01-14 18:04:25) |
35. ラヴソング
演出が多様で工夫に溢れていて視覚的に楽しく観ることができました。 画と内容の軽さがメロドラマの域を出ていないと感じたので7点止まりです。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-13 00:38:08) |
36. クローンは故郷をめざす
邦画の本格派SFドラマというものが非常に珍しいのではないでしょうか。ストーリーに新鮮味があり、映像もかなりの質だと感じました。 日本らしい田舎の家屋や風景と、近未来的な無機質な建築物のみで構成された画面が好印象でした。 しかし、セリフの内容やその口調がとてもわざとらしく感じました。共鳴の伏線の張り方もすごくわざとらしい。役者がしゃべる度に変な違和感が気になり、美しい映像に集中できなかったです。あれはあれで良いのでしょうか?なぜ?もったいない…という思いです。 [DVD(邦画)] 6点(2013-01-11 23:07:12) |
37. 君とボクの虹色の世界
少しだけ変わった感性を持ち、少しだけコミュニケーションが苦手な人達の群像劇。 彼らはそれぞれ独自の世界観を持ち、その世界をそれぞれの手段で表現する。大多数の人達には理解されないその世界が一部の人間とのコミュニケーションを生み、その世界の共有が幸せな時間を生む。 自分の個性、価値観を無条件に受け入れてくれるようなやさしさに溢れた素晴らしい映画です。 社会の中で"自分"を表現することの難しさを感じている人ならば、この映画に何かを感じ何か救われるものがあるはずです。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-06 22:47:19) |
38. ポテチ
《ネタバレ》 優れた頭脳を持っている忠司。しかし、その才能に自分も周りの人間も気付いていない。彼は空き巣という卑しい仕事をし、【劣等感】をごまかしながら生きている。社会から全く認められていない。 彼と同じ日に生まれたプロ野球選手の尾崎。彼は優れた才能を持ちながらも、監督に嫌われていることもあり、現在は結果を残せずにいる。彼もまたかつての栄光がありながらもプロ野球選手として認められていない。忠司の地元の憧れの選手。 そんな中、忠司と尾崎は出産直後に取り違えられていたことが判明。これほど劣等感を感じてしまう対象はいないのではないでしょうか。なぜ忠司は劣等感の対象である尾崎をあんなに応援したのでしょうか。自分に重ねて応援してたとは思えないです。劣等感に押しつぶされまいと必死だったんではないでしょうか。 目の前でチャンスをものにした尾崎を見て、涙ながらに喜んでいる忠司の姿に心を打たれました。心が貧しい私が忠司の立場なら、劣等感が増して落ち込むばかりの状況に思えます。彼はこれから劣等感に打ち勝って、強く生きていけるのでしょう。 自分の今の状況に気持ちが沈んでいる人におすすめの作品です。 [DVD(邦画)] 7点(2013-01-03 18:03:28) |
39. ブンミおじさんの森
奇妙奇天烈な出来事が起き、説明的なセリフは極力排除されています。思考や想像を巡らせる間がたっぷりと用意されています。繊細で美しい映像がスクリーンに惹き付けます。 まさに【お手本のような映画】だと思います。映像から心情や事象を読み取り、想像する奥行きのある映画こそ価値があると私は思います。心情や事象を言葉で丁寧に説明する小説では絶対にできない類いの想像体験ができるからです。 そして、美しい映像が映画を最後まで楽しむ原動力となり、日常では見ることができない世界を観ることができ、私にとって理想的な映画でした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-12-26 17:49:20) |
40. 運命のボタン
《ネタバレ》 火星人はなんであんな回りくどいことするんでしょう?ボタンを押したら直ぐに息の根を止めればいいのでは。 妻の美しい心を知るも助けるつもりがないところを見ても、ボタン後の騒動が茶番にしか思えなかったです。 実存主義を説明するためだろうが、アダムとイヴや神とやらを絡めるためだろうが、説得力の無い展開の前では、深みどころか蛇足にしか思えないです。 心の底からつまらなかったです。 [DVD(字幕)] 3点(2012-12-26 00:04:23)(良:1票) |