381. ウォーリー
《ネタバレ》 良く出来ているが終盤の人間登場は不要では。 「ディストピア極まれり」と言う作品になってしまうが、宇宙へ活路を見出した人間は既に死に絶え、 地球を探査しに来た地球とは別の星から来た生物との邂逅を描く展開ならもっと面白くなった様な。 または”インターステラー”で描かれた様な『遺伝子移住』を目的とした宇宙船がやってきて、 遺伝子を新たな人類に成長させる役目をウォーリーが負う・・・と言う展開だったら、 サイレントランニング顔負けのいじらしいエンディングになったかも などと考えている次第。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-06-05 13:11:52) |
382. メッセージ
《ネタバレ》 難しい。 不本意ながら鑑賞後にネットの「ネタバレ」サイトを見て、本作に関し自分が完全に誤った解釈をしている事に気が付いた次第。 私は完璧に、物語冒頭や宇宙人との意思疎通を試みる間に挿入される娘との幾つかのエピソードは「主人公の過去の出来事」だと理解していた。 いやはや、お恥ずかしい限りだ。 あれらが全て地球外生命体の言う「武器」を会得したが故にもたらされた未来の情景なのだと途中からでも理解していたら、 本作の感想はかなり変わっていたと思うので、機会があれば再鑑賞したいと思っている。 そうすれば、終盤の中国軍司令官とのやり取りを筆頭に鑑賞している最中は「?」ばかりだったシーンも納得行くものになる筈だから。 [映画館(字幕)] 6点(2017-06-05 13:04:23) |
383. ズートピア
《ネタバレ》 お子様向け映画の殻を被った完璧に大人向けの映画。 「流石」としか言えない。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-24 17:49:55) |
384. スーパーマンII/冒険篇
《ネタバレ》 1作目の出来が良すぎた為、公開当時は「駄作」と評価されていた本作。 私自身、通しで鑑賞するのは実は今回が初めて。 ところがどうして、面白いじゃないですか。 幾分ハチャメチャな構成ながら、絵に描いた様は勧善懲悪はまさしくスーパーヒーローの王道。 ロイス・レーンが一人で登場する時はお約束の様に必ずソフトフォーカスで笑えた。 悪役3人組との戦いのシーン、確かに今では考えられない位に緩慢なものだけれど、 どこかで観た様な構図だな?と思っていたら、「マン・オブ・スティール」が本作のバトル構図を例にしていたのだと判り、 実は旧作へのリスペクトが盛り込まれていたのだと嬉しく思った。 さて、3作目以降は本当の駄作の様で観るべきか否か迷っております。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-19 13:12:15)(良:1票) |
385. 美女と野獣(2017)
《ネタバレ》 【前振り】 巷では「空前の大ヒット」と声高な宣伝が続けられているが、本サイトでのレビュー数は5/15時点で未だ14件、しかもその殆どが比較的辛口なもの。 なるほど、レビューを挙げられた皆さんはそれぞれ、オリジナルのアニメ版に並々ならぬ思い入れがあると推察した次第。。 私の場合、オリジナルのアニメ版は26年前に妻と結婚前に初めて一緒に観た映画。なので皆さんに負けないくらいの思い入れ満載でまとめてみたいと思う。 【本題】 どうしよう、「素晴らしい」としか言葉が浮かばない。 本当はそれ以上の賛辞を持って本作をレビューしたいのだが、改めて自らの語彙の少なさが恨めしい。 今更説明不要ながら、オリジナルのアニメ版はアニメ史上初のアカデミー賞作品賞候補になった誉れ高き名作。 その様な本作を実写でリメイクする事は、世界中で賛否両論巻き起こる事は必至で有り、 下手をすると現代屈指のエンターテイメント提供企業であるディズニーの名を再起不能な程に汚してしまう恐れも有る。 有る意味これは「暴挙」だと言える行為なのだ。 リメイクが決定した時、私が真っ先に感じた事は「何故?」と言うもの。 それほどまでにアニメ版は素晴らしい作品だった。 思い切りハードルを上げて鑑賞した結果としては、その様な心配は全くもって杞憂だった。 名作のリメイクに向けるディズニーの力の入れ具合、「執念」と言い換えても良いかも知れないそれは、 市井の私の考えなど足元にも及ばないもの凄いものだった。 とにかく、全てに於いて「手抜き」が無い。 私はIMAX 3Dで鑑賞したが、CGを否定的・肯定的にどう取るかの違いこそ有れ、 背景の緻密さ・実物セットの精巧さ・俳優陣の配置・画面の構図等、とにかく練りに練られている。 「一体何人の関係者が胃を痛めたのだろうか・・・」と余計な心配までしてしまう始末だった。 オリジナルに対し現代に相応しく若干の変更が加えられた脚本・皆楽しそうに演じている俳優陣、そして説明不要の珠玉の音楽達。 本編終了後のエンドロール、セリーヌ・ディオンの歌声と共に主要キャストが紹介されている描写は素晴らしかった。 ある程度の予算が有り、現代の撮影技術とCGを駆使すれば見た目をきらびやかに着飾ることなど容易だ。 だが、本作はオリジナルを充分以上にリスペクトしつつ、更にそれ以上のディズニーの看板に恥じない作品を世に送り出そうとする、 関わった人々の本作に向ける並々ならぬ熱意(ここでは敢えて「愛」と呼ぶべきだろうか)が有る。 これが、本作と巷に溢れる数多のリメイク物が一線を画している最も大きな理由だろう。 オリジナルのアニメ版は名作だが、本作もそれに違わぬ名作だ。 ディズニーはまたしても、後世に残る名作を創り上げた。 That's an Entertainment! 来年のアカデミー賞発表が今から楽しみだ!! [映画館(字幕)] 10点(2017-05-15 13:45:33)(良:1票) |
386. マンチェスター・バイ・ザ・シー
《ネタバレ》 (なんと一番乗りですか・・・ 責任重大ですね) 太鼓持ちでも何でも無く、アカデミー賞主演男優賞・脚本賞獲得も納得の素晴らしい作品。 時系列を巧みに入れ替え、ケイシー・アフレック演じる主人公リーの人となり・心情、そして心の傷を、台詞による説明を多用せず細やかに描いていく過程が素晴らしい。 主人公リーの抱える心の傷は余りにも深く、恐らく一生癒える事は無いだろう。 でも、図らずも後見人となった甥っ子との束の間の共同生活と不器用なぶつかり合い、そして郷里の人々とのふれあいを経て、 ほんの僅かではあるけれど主人公の心に光が差し始める過程は感動的だ。 何故、兄は自分の息子の後見人に弟を指名したのか。 映画冒頭の船の上でまだ幼い甥っ子と楽しげに釣りをするシーンと、 ラストのお互いに余計な事は喋らず、ただ黙って互いに釣り糸を垂れる描写がその回答ではなかろうか。 出番は少ないながらも、傷ついた弟と身寄りを無くした息子の行く末を案じた兄を筆頭に、主人公以外の他キャストも皆素晴らしい演技を魅せてくれる。 アメリカ映画は潤沢な予算に物を言わせたCGテンコ盛りの大作が殆どと誤解されがちだが、 本作の様な巧みな脚本・カメラワーク・素晴らしい音楽・素晴らしい演技で緻密な心理描写を紡ぎ出す事が出来る事に、 改めてアメリカ映画の懐の深さ・拡さを思い知らされた次第。 [映画館(字幕)] 9点(2017-05-15 13:03:01)(良:1票) |
387. スーパーマン(1978)
《ネタバレ》 「真っ直ぐ」「真面目」な作風の中で時折見られるユーモアが楽しい、鑑賞していてとても気持ちの良い作品。 何せ39年前の作品である。CGテンコ盛りの現在の作品に比べ特撮部分が劣るのは仕方が無いし、そこを比較して云々言うのは野暮以外の何者でもない。 私の場合、初鑑賞はまさしく39年前。 当時10歳で夏休み中の私は母親に弁当を持たされ、それこそ朝から晩まで丸一日、映画館で本作を観ていた記憶がある。 (現在と異なり、指定席を除いて入れ替え制の劇場は少数だった) その後、TV放映やCS/BSの普及等で本作を何度と無く観返しているが、年代が変わっても共通している事は「人助けをしてこそ、真のスーパーヒーロー」と言う事。 昨今の悩んでばかりで街を破壊しまくるスーパーヒーローの描写も興味深い物は有るが、やはりスーパーヒーローの基本は人助けではなかろうか。 作品は変わるが私はスパイダーマン(サム・ライミ版)、中でも「2」が大好きで何回も観ているのだが、地下鉄のシーンは何回見ても胸が熱くなる。 感動のポイントは変わらないのだなと実感している次第。 本作の場合、主演のクリストファー・リーブの後世を思うと余計に胸に来るものがある。 今更ながらのレビュー掲載だが、様々な思いを込めて感謝の10点献上としたい。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2017-05-10 11:43:11)(良:2票) |
388. LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
《ネタバレ》 徹頭徹尾、無駄な虚飾を廃した真面目な作風は好感度高し。 主演のデブ・パテル(線の細いお坊ちゃんのイメージを覆す渾身の演技!)や、 アカデミー候補も納得の印象的な演技を見せるニコール・キッドマンも素晴らしいが、 私が一番の拾い物と思ったのは、出番は少ないながらも真摯な演技を見せる主人公幼少期のお兄ちゃん役の俳優さん。 この人、これから来るかも。 それにしても、IT関連技術の進歩は誇張抜きで現在の魔法だと思う。 本作鑑賞がきっかけとなり、GWに幼い頃過ごした田舎の某都市に約20年振りに来訪する事となった。 旅のプランを練る時、本作よろしく某地図アプリで昔の記憶を辿りながらバーチャルシュミレーションをしたのは、 何とも言えない不思議な感覚だった。 [映画館(字幕)] 8点(2017-05-09 00:20:57)(良:1票) |
389. ゾンビ・ガール
《ネタバレ》 自分が主人公だったら、趣味で大切にしている拘りの品々を本人の許可無く勝手に処分する様な身勝手な彼女とはとっとと別れて、 共通の趣味を持つ女性と付き合いますね。 そんな感じなので優柔不断なアントン・イェルチン(合掌・・・)の態度に終始イライラ。 おまけに私の好みのタイプはアシュリー・グリーンじゃなくて圧倒的にアレクサンドラ・ダダリオなので、 イライラに拍車が掛かった次第。 目の保養にもなる一風変わったゾンビ物としてなかなか楽しめます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-27 15:22:51)(良:1票) |
390. レッド・ライト
《ネタバレ》 時代と設定を微妙に変えた「プレステージ」の様な映画だった。 「本当の仲間」を探すべく、真実を偽りながら種明かしの毎日。 ようやくめぐり合えた「本物」も、手口は巧妙ながら実はペテン氏・・・ 視点を変えれば可哀想な話ではある。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-04-27 15:16:05) |
391. 聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実―
《ネタバレ》 良い映画だとは思うが、もう少し山本五十六の描写に生々しさ・泥臭さが有っても良いと感じた。 偉人伝なので仕方が無いが、聖人君子的に描きすぎ。 日本が経験した戦争の殆どを実体験し、聨合艦隊司令長官にまで昇り詰めた人物を描くには映画では物足りない。 自分の目で改めてその人となりを確認してみたいと思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-27 15:07:18) |
392. 10 クローバーフィールド・レーン
《ネタバレ》 とにかく中途半端。 密室からの脱出劇を描きたいのなら、地球がエイリアンに襲撃されている設定など蛇足の極み。 幾つかの伏線は結局回収させずに尻切れトンボ。 オリジナルの面影など微塵も無い変な作品。 見所はジョン・グッドマンの怪演とメアリー・E・ウィンステッドのアップが多い所くらいか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-04 13:04:10) |
393. キングコング: 髑髏島の巨神
《ネタバレ》 IMAXの為に有る様な作品。 単純明解この上無し。 何か文句あるか⁉️ と仁王立ちのコング、カッコいいじゃん! と思っていたら、最後に奴が全部かっさらって行った… [映画館(字幕)] 7点(2017-04-04 00:32:36) |
394. テラフォーマーズ
《ネタバレ》 思っていた程には悪くない。 昆虫超人になる一連の流れ(薬剤血管ドバ〜)は本作に取って一種の儀式の様なもの。 致し方なし。 第2弾は無いのかな… 実は楽しみだったりする。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-04-04 00:28:42) |
395. アノマリサ
《ネタバレ》 本作を創った人も、製作資金を出した人も、皆病んでいる。 CSで放送されている数多の作品からわざわざ本作を選び、 不特定多数の方々が見るであろう本サイトに感想を投稿する私も、 同様に病んでいる。 観た人を何故だか不愉快にさせる、 傷痕に出来て剥がすに剥がせない瘡蓋の様な作品。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-04-04 00:24:10)(良:1票) |
396. エージェント・マロリー
《ネタバレ》 御大ソダーバーグもジーナ・カラーノと言う存在を活かしきれなかった様だ。 と言うよりも、説明されなければ本作がソダーバーグの作品とは誰も気づかなかったかも。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-04-04 00:18:02) |
397. プリデスティネーション
《ネタバレ》 2017/5/20再鑑賞 冒頭のバーカウンターで会話する二人の間に必ずと言って良いほど、”LADIES”の文字が。 上手い!! -------------------------------------------- 鑑賞する前は半ば馬鹿にするつもりだった。 無駄に出演者が豪華なB級SF作品にありがちな感想、 "ちゃんと仕事選べや、イーサン・ホーク…" 程度の印象しか持たないのだろうなと考えていたが、 良い意味で見事に裏切られた。 タイムパラドックス物で良くある、拡げた風呂敷を後半無理やり収束させる展開では有るものの、 映画で無ければ表現出来ないエンタテイメント性を上手く活かした傑作だと思う。 前半で魅せるイーサン・ホークの胡散臭さは流石芸達者。 そして、数奇な運命(私だったら精神崩壊必至)を辿る主人公を巧みに演じた サラ・スヌーク! お世辞抜きで本当に良い演技をしている。 本作でこの女優さんの事を初めて知ったが、 海外俳優陣の層の厚さに改めて感服させられた次第。 鑑賞した後の "なんか凄い作品観ちゃったぞ" 感や、 観た後で作品についてじっくり考えてしまう反芻度合いからしても、 現時点では2017年度個人的No.1。 私は傑作だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-03-19 08:31:44)(良:1票) |
398. 彼らが本気で編むときは、
《ネタバレ》 荻上監督作品の持ち味であるのんびりとした雰囲気が、どうしても暗くなりがちな作品のテーマを上手く中和している。 マキオ(桐谷健太)が、リンコ(生田斗真)に惚れたきっかけを語るシーン、 私はリンコが凛とした横顔のサユリ(リリィ)の背中を優しく拭いてあげる描写に何故だか涙が出てきて仕方が無かった。 何と言う優しさ・慈愛に溢れたシーンなのだろうか。 他にも名シーン(例えば、児童相談所の調査員がリンコが優しくトモを慰めるシーンを見て通報が誤報だった事を理解し、表情を和らげる描写)は多々有れど、このシーンだけでも私は劇場に足を運んだ価値が有ると私は思った。 トモ役の柿原りんかは逸材。将来が楽しみだ。 [映画館(邦画)] 9点(2017-03-01 13:35:04) |
399. 沈黙 ーサイレンスー(2016)
《ネタバレ》 原作未読・予備知識ほぼゼロで鑑賞。 満員(!)の映画館で濃密な時間を堪能。 良かれと信じて赴いた異国の地に於いて経験した筆舌に尽くしがたい出来事の数々。 幸せにしたいと思う市井の人々が、自らのアイデンティティとも言える信仰の存在により命を落とす。 私だったら間違いなく発狂してしまうだろう。 この地球上に様々な国籍・人種が存在する様に、信仰/宗教も多種多様に存在する。 その意義は一様に「人を幸せにする事」である筈。 形では無い、ましてやお布施や寄付額の大小でも無い、信仰=自らの心の中に存在する「何か」と、 人それぞれどの様に相対するのか? 貴方ならどうするのか?? 私はマーティン・スコセッシから強く問いかけられている様に思えた。 私は信仰・宗教に対し特に敬虔な人間では無いが、人間に取って「心の拠り所となるもの」とは何なのか? と言う事を強く・深く考えさせられた。 ロドリゴは死出の旅に出るまで、あの様な辛い体験をしながら、祖国に帰れない運命をも受け入れ、 心の奥底で自らのアイデンティティである信仰/宗教を失わず、文字通り周囲にその事を「沈黙」し続けて生きてきた。 日本式に火葬されるラストシーン、私には棺を燃やす炎よりも強く、静かに燃え盛るロドリゴの内なる焔を垣間見た思いがした。 このラストシーンは賛否両論有る様だが、私にとっては身体が震えるほどのものだったと明言しておきたい。 登場する俳優陣は皆、素晴らしい演技をされている。 2016年を代表する映画の一つで有る事は間違い無い。マーティン・スコセッシに感謝。 [映画館(字幕)] 8点(2017-02-21 18:09:01) |
400. 独裁者と小さな孫
《ネタバレ》 寓話である事は鑑賞する前から判っているのだが、 映画を真面目に観すぎる性分が災いし、 観終わってから何とも表現し難い嫌な気分になった。 映画の中の話とは言え、数々の描写(軍人が名もなき一般 市民からなけなしの財を搾取したり、 新婚の新婦を新郎の前で陵辱する等々)は目では無く心を背けてしまった。 これらはまず間違い無く、今世界の何処か、 紛争の絶えない国で実際に行われている事実でも有るのだ。 全く、酷い話だ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-08 22:31:33) |