421. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 熱い映画だ! これは、庵野秀明氏で無ければ絶対に撮れない作品だ。 もし今後、本作を発端に相次ぐゴジラの来襲により日本のみならず世界が崩壊、その対抗策としてエヴァンゲリヲン製造に繋がる物語が作られたとしても、私は何も違和感を感じないだろう。 劇場で販売していたパンフレットにも記載されているが、この作品を世に出す事が庵野秀明氏に取りエヴァンゲリヲン作製で疲弊しきった心身をリハビリする事に繋がっている事を切に願うばかりだ。 作品の中身に関しては他レビュアー諸氏の熱い記述が既に沢山有るので重複は避けたいのだが、心の琴線に触れる部分は皆さん同じ様でありご容赦願いたい。 ①オープニング CGなど使わないオリジナルに沿ったもの。予想通りでスクリーンを観ながらニヤニヤ。 ②音楽 伊福部昭氏の音楽は偉大で有る事を強く再認識した。 余計な新曲を使わない製作陣の姿勢にも拍手。 ③構成 エヴァと同じ! 嫌味では無く褒めている。東日本大震災で露呈した政治経済の拙さが否応無く反映されている。余分な虚飾を配した分リアリティが感じられた。総理大臣、ご苦労様です。 ④ゴジラ 水生生物からの進化型としての設定は面白い着眼点。いきなりあの様な巨大な生物が二本足でノッシノッシと歩いてきたらやはり興ざめだったろう。 口・尻尾だけ出なく背びれからも攻撃を仕掛けてくるとは・・・ これは庵野秀明氏で無ければ出てこない発想。ゴジラ=使徒、これは確信犯だ。 ⑤放射能への畏怖 オリジナルもそうだったが、東日本大震災を経てゴジラ=放射能に対する日本人の畏怖の念はより強まった筈で、それが作品に色濃く反映されている。 と同時に、人知を結集すれば道は開ける事も描写してくれており、鑑賞していて一筋の光明を見るかの様だった。 ⑥兵器 自衛隊の通常兵器が悉く歯が立たない描写はショックだった。 これで本当の脅威に対抗出来るのか少々心配になった。その一方、電車の活用には新鮮味を感じた。 ゴジラが線路の上に居なければ成り立たない話だが、そこを突っ込むのは野暮だろう。 好き勝手にだらだら書いたが、久々に面白い日本映画を観させて貰ったと思う。 最後に、私は庵野秀明氏のエヴァンゲリヲンは「序」「破」は素直に面白いと思ったが「Q」は大嫌いだ。 冒頭に述べた様に、本作の作成が庵野氏に取ってポジティブなリハビリとなる事により、今後控えているエヴァンゲリヲン次作が、観客に妙な謎掛けをしたり、「判る人にだけ判れば良い」的な作品にならず、「Q」で投げ掛けた巨大な『?』を見事に収拾してくれる作品になる事を心の底から強く願うばかりだ。 [映画館(邦画)] 9点(2016-08-22 13:19:19)(良:1票) |
422. ゾンビ/ディレクターズカット完全版
《ネタバレ》 今更ながらレビューしていない事に気が付いた。 【以下、長すぎる前書き】 私が小学校高学年位の時は、詳しい背景は知らないがTVで劇場公開作の宣伝番組を今以上に沢山放送していた様な気がする。 色々なジャンルの作品が取り上げられていたけれど、「あなたの知らない世界」等のワイドショーをおっかなびっくり観ていた私に取って、 ホラー映画(後に「スプラッター・ムービー」)は一番楽しみにしていた番組だった。 その中でも何故か、この『ゾンビ』はエレベーターに乱入してくるゾンビ達のビジュアル含め、私の記憶に強く刻み付けられた。 残念ながら初回公開時に劇場で鑑賞する事は適わなかったが、時は流れて1985年、18歳の私は日芸映画学科に入学した姉の影響も有り、 単なる時間潰しでは無く、意識して映画館に足を運び、レンタルビデオ屋にも足しげく通ういっぱしの映画青年になっていた。 そんな中で開催された第一回東京国際映画祭、中でも目玉企画の一つであった東京国際ファンタスティック映画祭の開催は、 日本に於いてホラー映画が初めて正式に認知された記念すべき出来事で有り、私はなけなしのバイト代でチケットを買い、 連日の様に今はもう無い渋谷パンテオンに通い詰めていた。 この流れで過去のホラー映画にも再び焦点が当たり始め、ゾンビのリバイバル公開と言うこれまた記念すべき出来事に至る。 当時、満席(!)のオールナイト上映で本作を3回連続で観たのも、今となっては良い思い出だ。 【やっと本題】 小学校高学年の時にTVで刷り込まれた印象が強すぎたのか、劇場初見時の印象は実は余り良くない。 もっと派手にゾンビ達を狩るシーンや、人間達が食われている描写のオンパレードかと思いきや、どちらかと言うと冗長な、 悪く言うと眠くなりそうな雰囲気の中で物語は進行していく。 これこそがいわゆる「ロメロ節」の一つなのだが、まだ20歳前の私には理解が出来なかった様だ。 更に時は流れ、ホラー映画が映画のジャンルの一つとして成立し、特殊メイク技術の発達に伴い雨後の筍の如くゾンビ映画が 巷に溢れる様になった今、敢えて本作を見返すと、いまこの年代だからこそ判る表現・描写が多い事に今更ながら唸らされる。 本作を評するのに既に使い古されたフレーズだが、本作はそのまま人間社会の縮図であると言える。 表面的に映像を追いかけるのでは無く、このシーン・この台詞にはどの様な意図が盛り込まれているのか?と考えながら 映画を観る様になったのも、私の場合は他でもないこの「ゾンビ」からなのだ。 家族みんなでワイワイ観る映画では無い、馬鹿笑いしたいなら、CGテンコ盛りの走り回るゾンビが大挙して出てくる作品を観れば良い。 本作は、夜一人で酒でも飲みながらじっくりと観たい。そう思える作品なのだ。 自分自身の映画鑑賞史に於ける本作の大きさ、後世の数多の作品に与えた影響を称え、満点献上します。 [映画館(字幕)] 10点(2016-08-05 13:50:02)(良:3票) |
423. ピクセル(2015)
《ネタバレ》 私、80年代オタクなのでポイント高いですよ。 昨年度ワースト作品の一つらしいですが、そもそも真面目に論評する類の作品では無いと思います。 「地球人が宇宙に発したメッセージに対し、異星人が何らかの形で返答する」シチュエーションは劇場版第一作目の「STAR TREK(W シャトナーの方)」や、 「コンタクト」でも使われていましたが、夢が有っていいじゃないですか。 個人的にはドンキーコングのシーンをもっと観たかった。 何せファミコンでハマリまくっていた世代なので・・・ マーサ・スチュワート、まさかCGじゃ無いよね? ご丁寧にケーキ持ってたし笑。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-08-05 13:15:22) |
424. キングスマン
《ネタバレ》 面白いんだけどな... この手の作品では仕方ないけど、人が死に過ぎ。 主演のあんちゃんは今後に期待大。 6点はラストの王女様とのエピソードに対して。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-02 18:02:40)(良:1票) |
425. イントゥ・ザ・ウッズ
《ネタバレ》 火に油を注いでしまい申し訳ないのですが、本当ににつまらないです。 まとまりが無く、皆ただ騒いでいるだけ(歌は上手いが)。 無駄に豪華な出演陣もつまらなさに拍車を掛けるだけ。 エミリー・ブラント贔屓の私としてはマイナス100点にしたい位。 あんな中途半端な死なせ方させるな。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2016-08-02 17:59:29) |
426. 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド
《ネタバレ》 漫画原作の実写版映画でカタルシスを感じる描写は殆ど第一作で観させて貰った。 さて、期待の2作目且つ完結篇、どうやって拡げた風呂敷を回収してくれるのか?と思ったら、 物の見事につまらない作品になっちゃってました。 他レビュアーの皆さんが揃って指摘されている脚本や設定の粗は、もう説明不要でしょう。 私が強く言わせて貰いたい事はたった一つ。 SFアクション映画を下らんセリフの応酬だけで終わらせるな! です。 お粗末。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-07-25 12:55:07) |
427. プレデターズ(2010)
《ネタバレ》 いや〜面白かった。 劇場公開時、線が細いイメージのエイドリアン・ブロディに プレデターと闘う役なんか務まるのか? と思ったが、これがどうして。 中々の骨太キャラじゃないですか。 他キャラも個性的な面子で期待が持てます。 どう考えても人間の方が不利な中、やはり一人づつ減って行く登場人物。 さて、どうやって物語に起伏を与えるのか… と思っていた所の御大、 ローレンス・フィッシュバーン登場! サイコなキャラ付けも楽しい。 残念ながら物語は終盤失速気味になってしまうが、ヤクザのキャラが華麗に 同士討ちするシーンは拍手喝采! 数多のプレデター関連作品ではオリジナルを覗いて一番面白いと思いますよ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-07-19 23:51:06) |
428. 崖っぷちの男
《ネタバレ》 噂に違わね無茶苦茶な脚本ですね。 でも私、こう言うノリの作品嫌いじゃ有りません。 お気楽に鑑賞するには中々の拾い物かと。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-19 23:37:28) |
429. 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
《ネタバレ》 何て事は無い、超人ハルクですな(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-07-19 23:33:45) |
430. 月の輝く夜に
《ネタバレ》 なんともう30年も前になりますか・・・ CSで久々の再鑑賞、当たり前だが出演されている皆さんが若い! ニコラス・ケイジの若さは椅子からずり落ちそうになる位。 逆にシェールは余り変化が見られず少々怖い。 お話は良くあるファミリードラマ。 深刻な要素は無いのでワインでも飲みながら気楽に楽しめる。 [映画館(字幕)] 7点(2016-07-14 18:24:07) |
431. 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
《ネタバレ》 学生の時に名画座(確か飯田橋佳作座だった筈)で鑑賞した。 お目当てが同時上映のもう一本だったので、本作には全く期待していなかったのだが、 渋いトランペットの旋律とこれから夜を迎えようとする街の情景が絶妙に混ざり合ったオープニングシーンから引き込まれ、 妖艶なミシェル・ファイファーにメロメロ(死語)になった。 映画館を出た足で秋葉原の石丸電気(泣)に行きサントラを購入、翌日興奮気味に学生仲間に本作の良さを説いて回ったが、 誰も賛同してくれる人が居らず寂しい思いをしたのも今となっては懐かしい。 DVD等のソフトを見かける事が無く、久しく再鑑賞の機会を持てなかったが漸く先日CS放送で再鑑賞。 25年以上前の印象通り以上の作品だった事に驚いた。 実兄弟俳優とこれから正に旬を迎えようとしていた女優の3人が織り成す人間模様と、それらのシーンに悉くマッチする素晴らしい音楽達。 これを珠玉の名作と呼ばずにどうするのか。 [映画館(字幕)] 10点(2016-07-14 18:18:19) |
432. ロマンス(2015)
《ネタバレ》 AKB48のファンでは無いが、大島優子の事は前から気になっていたのでCS放送を機に鑑賞。 大島さんがどの様な出自で現在に至ったのか詳しくは知りませんが、 いわゆる「アイドルグループ出身者」としてはかなり良い演技をしているのではないでしょうか? この手のどちらかと言うと地味な作品に出演した方が光る女優さんなのかな?と言う感じです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-07-07 13:01:27) |
433. シャドー・ダンサー
《ネタバレ》 アンドレア・ライズブロー目当てで鑑賞。 想定以上の硬派な作品。 情報屋の正体とその結末に戦慄。 英国EU離脱が決まった今、改めてアイルランドの近代史を勉強したくなった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-07 12:57:05) |
434. 王立宇宙軍 オネアミスの翼
《ネタバレ》 信仰心に目覚めたという背景は有るとしても、あれだけの苦労と努力をして周回軌道に乗ったのだから、 作品の中で一言でも構わないので計画が成功した喜びを爆発させる場面を観たかった。 エンドロールで主人公が帰還後に笑っているかの様な挿絵を見ることは出来るが、どうにも物足りない。 満点で無いのはそれが理由。 アンタバライ!! [DVD(字幕)] 8点(2016-07-05 13:34:34) |
435. カリフォルニア・ダウン
《ネタバレ》 是否はこの場では敢えて問わないが、先の大震災によってもたらされた数多の記録映像は、ハリウッドを初めとする世界中の映像作家、否、CGクリエイターと言うべきか、に相当なインパクトを与えたのだろうな と言う思いを強くする作品。 いわゆる「ディザスター・ムービー」で水害を描いている作品は少なくないが、明らかに本作とそれ以前の作品では災害の表現が大きく変わっている。 実際に被災された皆様に取っては、フィクションで有るとは判っていても心が抉られる様な思いだろう。 能天気に作品の事をレビューする気になれないのはどうしようも無い事実だ。 (脚本:有って無いようなもの、演技:いわずもがな、点数は全てCG作成に携わられた皆様の労力に対して) [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-05 13:29:15) |
436. エクソダス:神と王
《ネタバレ》 真面目な映画。 西洋古代史や神話に興味の有る人は、今まで想像や古い映画の中でしか観る事が出来なかった世界を最新の映像で実体験できるので意義深いのでは。 クリスチャン・ベイルはカメレオン俳優だけれど、良くも悪くもブルース・ウェイン役がハマリ役過ぎたので、どんな役を演じていても、 「家にバットスーツを隠しているのでは?」と思えてしまう。 多分本人も少なからずイメージ固定化に苦慮しているのではないかと。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-05 13:09:49) |
437. ローマの休日
《ネタバレ》 映画史に残る珠玉のラストシーン。 中学生の頃から何十回と観ているが、都度新しい感動をくれる。 記者会見場で記者一同を慈愛に満ちた表情で見渡し、その中にグレゴリー・ペックを見つけた時のオードリー・ヘップバーンの表情! これは100点でしょう。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2016-07-05 13:04:41)(良:1票) |
438. ピッチ・パーフェクト
《ネタバレ》 面白いんだけど、ゲロネタは止めて欲しい。 この点は日米の認識の違いを明確に感じる。 (トイレに食べ物を持ち込む描写とか) [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-27 12:59:33) |
439. フォエバー・フレンズ
《ネタバレ》 キャスティングの妙。 容姿・境遇・生活環境がまるで異なる女性二人の友情を丁寧に描いた良作。 片方が病で亡くなる脚本は少々頂けないが、主役二人の名演は観て損はしない筈。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-06-27 12:54:50) |
440. デッドプール
《ネタバレ》 皆さん冷静に想像して頂きたい。 今自分の目の前に青い毛むくじゃらの男が何故かジャンプスーツを着て現れ、「人類平和の為にはなんだかんだ」と大真面目に話をし始めたらどう思われるだろうか? 全身銀色のマッチョな大男がやってきたら? 手足から何故か糸を出して飛び回る全身タイツの野朗が現れたら?? いわゆるアメコミ物映画の凄い所は、今や究極の域まで達したといえるCGI技術を味方に付け、一歩間違えば噴飯物の世界を大真面目に創り上げている事なのだと私は思っている。 そう思いながら私はこうも考えていた。「製作陣の皆さん、息が詰まってるんじゃないかな?」と。 誰でも、ずーっと「良い子」でいるのは大変です。 どうやら、私の考えは的外れでは無かった様だ。 のっけから過去のアメコミ映画が創り上げてきたお約束を徹底的に茶化しまくり、「善人」の集団であるXメンへの加入を皮肉たっぷりに断る主人公。 これ即ち、息の詰まったアメコミ製作陣の積年の思いをそのまま具現化しているのでは。 次回作も有る様だが、「俺ちゃん」には変に良い子にならずこのままで突っ走って頂きたいと切に願う次第である。 追伸 デートムービーでは有りませんからご注意を。 [映画館(字幕)] 8点(2016-06-14 13:21:38) |