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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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461.  HERO(2015) 《ネタバレ》 
 テレビシリーズを見ていない人間には何が面白いのか判らないシーンだらけ。純粋にこれ単体で映画を見に来た人向けのフォローは一切ありません。   また、脚本的に何の冒険もしていません。「犯罪捜査が大使館の外交特権に阻まれて」なんてお話、刑事ドラマでお馴染みですよね。そこから何らはみ出す事はなく、映画として刺激を受ける部分が希薄です。事件そのものの解決はしても、人間関係にケリつけるような事はせずにお茶を濁してみました、みたいな。   結局テレビシリーズのファンのためのお祭り映画。それ以上のものではありません。最近の邦画にありがちな冒険のない、保守的な展開に人気キャラ配してみましたパターンの映画。見る方も余計な頭も心も使わず安心。アニメも含めてこのところそんなのばっかり。かと言って冒険してるような邦画は大抵監督の自己満足世界だったりしますけど。   キャラのリアクションにウケまくる満席の劇場内で激しい疎外感を抱きながら思ったのは「キムタクは何を演じてもキムタクだねぇ。だけどなんか老けてシャープさが欠けてきたねぇ」とか「お松は齢を重ねてもやっぱりいいねぇ」とかって程度の事。  あと、いちいち食べ物がアクセントになっているところがちょっと面白かったかな。   これと言って特に見るべき、語るべきところもない中で、ちょっと気になったのはカメラの位置が微妙に悪い?って事。人物をミディアム~アップで捉える時のカメラの高さ、これがちょっと低い気が。かなり多くのカットがアオリ気味なんですよね。顔アオると不細工に見えたり高慢に見えたりするんで、その顔でよかったの?ってカット多数。背景の映り込みポジションを優先しちゃったかな?  あ、あと音楽がうるさかったでした。とにかく音楽鳴らしとけ、みたいな。   そんな訳で「テレビシリーズも見てないような映画オタクが特に期待もせずに見たところでカメラポジションの心配しちゃったりする程度の映画」でした。
[映画館(邦画)] 4点(2015-07-29 21:54:08)(良:1票)
462.  ヒックとドラゴン2 《ネタバレ》 
 映画的には6~7点くらいって感じなのですが、前作が私の生涯ベストワンでスクリーンで58回見てシネコンで貸切の上映会までした、それだけ思い入れのある作品の続編の個人的感想としては精一杯でも4点というところで・・・   まず私が最も問題に思ったのは今日的な現実を反映し過ぎた作りだと言う事。フロイトのエディプス・コンプレックスをあからさまに引用し、9.11がなければ存在しないような物語であり、その現実感は『ヒックとドラゴン』の世界に意識が入り込んでゆく事を阻害します。   トゥースがヒックと一心同体である事が描かれた上でのストイックの最期は父親殺しを示していますし、母親とのランデブーは近親相姦願望をイメージさせる、つまりこれは絵に描いたようなエディプス・コンプレックスの世界なわけです。そしてそれは前作をも穢してしまう事になるわけで、トゥースは男根の象徴であり、テストドライブのシーンは精通と射精の快楽を、トゥースがストイックに連れ去られるシーンは去勢の恐怖を象徴していると取れます。もちろん、到底受け入れ難いです。   また理解し合う事のできない敵を配し、「誤った思想」を「正しい思想」の下で力によって制圧する事の正義なんていうのを描かれた日にはアメリカの大義を感じない訳にはいかず、そんな事を『ヒックとドラゴン』でやるなよ・・・と悲しくなります。   この作品内ではヒックはもはや成長もせず(妙に悟ったつまらないキャラで状況を受け入れるだけ)、ヒロインであった筈のアスティにはドラマすら無いヒックの飾りポジション。ラフの方がよっぽどドラマがあるっていう。   また、描きたい事を優先させるあまりに展開に不自然な点が多く、キャラの行動に納得がいかない点ばかり。敵ボス前でヒックが延々と儀式的行為に走り、ボスは何故かそれを放置するという状況が二度も存在しているあたり、どうにも擁護のしようがありません。   作品の価値を高めようとメッセージ性を強めたがゆえに逆に妙に視野が狭く不自然な流れの映画になってしまっている気がしました。   それでも日本では劇場公開されなかったのが残念でなりません。私はたまたまイベント上映に応募してシネコンの大スクリーンで見る事ができましたが(ブルーレイ上映でしたが)、劇場で見たかった多くのファンが涙を飲む事になりました。最近、やたら日本の映画後進国っぷりを象徴する出来事が起こりますが、これもそんな中の1つ。20世紀フォックス配給になってから6本製作されたDWA作品はまだ1本も公開されておらず、中でやっと『ペンギンズ』がビデオ発売と同時に限定公開という扱い。早く他社に配給が移って欲しいもので。
[試写会(吹替)] 4点(2015-07-24 22:11:58)
463.  バケモノの子 《ネタバレ》 
 つまんなかったです。   何が問題かって、全部セリフで説明しちゃうの。キャラの状況や背景はおろか、その時の心情や象徴される事柄やメッセージ、テーマまでも。物語まるごとセリフで構成されている状態で、そこに描かれたものが世界の全て、だから当然ながらそこからは情感、情緒が抜け落ち、こちらは頭や心を全く刺激されないんですよね。  一から十までこと細かに説明しなくちゃならないと思ってる、作る側が観客を一切信用してないの。   一方で構成は明らかに不自然で、九太が大きくなってからの取って付けたような唐突な展開は何か途中で色々面倒臭くなったんか?みたいに思えるような雑さ加減。楓との出会いから人間としての意識を広げてゆく部分でのやっつけ仕事っぷりは、急速に映画の温度を低下させてゆくような印象。そこで慌てて色々な伏線を登場させたようにも思えて、その前との繋がりが希薄になっています。   で、せめてじゃあビジュアルで面白がらせて欲しい、刺激して欲しいところなのですが、大して動くわけでもなく(モブはCGでゆーらゆーら動かしてる状態ですし)、目を見張るような斬新な、或いは奇想天外な世界が広がっているわけでもなく。  この監督の作品に共通している、影を付けずにその分動かすっていうの、元々『未来少年コナン』の昔に宮崎駿監督が言ってた事なわけで、時代も違うし、テレビと劇場用映画っていうフォーマットも違うし、杉野昭夫作品のように3段影付で華麗にアニメートさせてみせる世界だってあるわけだし、っていうかならばもっと動かしてみせてよ、っていう。   『サマーウォーズ』以降、アニメーション表現が定型フォーマット化してきていて、その傾向は改善されるどころか、どんどん強まっている気がします。形骸化した国産アニメの姿を見せられているようで見ていてつらいんですよね。宮崎駿監督はどんなに作品重ねたって、作品的な出来不出来は別としても刺激的な絵を作り出してきた、それに比べるとなんか小さいところでまとめちゃってるよなぁ、と。   今、日本の観客に求められているものはこのくらいの塩梅のもの、という作られ方をしているような気がして、ちょっといたたまれない気持ちになってしまうのでした。
[映画館(邦画)] 3点(2015-07-24 21:27:17)(良:2票)
464.  インサイド・ヘッド 《ネタバレ》 
 シンプルなキャラクターがシンプルに織り成す複雑な「心」の物語。   ライリーという一人の少女を中心に据えてその心の動きと精神の成長を描いていますが、それはライリーのみの閉じた世界ではなく、誰にも共通して存在する世界。映画を見ているうちに自然と観客は自分を見つめる事になります。これは子供向けのようでありながら、全ての世代に対応した物語。   指令室から放り出されてしまったヨロコビとカナシミが帰還するまでの冒険物語は、引越しによって大きく揺らぐライリーの心にシンクロし、そこには成長する事の痛みが描かれます。谷底に棄てられた無数の記憶、イマジナリーフレンドとの別離はこちらの深層をも揺さぶってきます。可愛らしいキャラクターとファンタジックな映像によるポップな映画のように見えながら、非常に奥の深い作り。   ディストピアもののようなスタイルで、世界が滅びに向ってゆくファンタジー(そう、『指輪物語』や『はてしない物語』のように)でもあって、そこには暗さ、重さ、悲しさといったネガティブなイメージがつきまといます。でも、それこそがこの映画のテーマを映しているのですね。悲しみもまた成長にとって重要な感情であるという事。喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、恐れ、それらと上手くつきあって成長する。自分はそれと上手くつきあえてますか? 子供や他人のそれと上手くつきあえてますか? そんな事を考えさせてくれる映画。   そこにはディズニー、ピクサーの作品的成長すらも反映されていて、アメリカのアニメーションの奥行きと可能性をしっかと感じさせてくれる作品でした。良質なものに触れて心を豊かに、そんな成長の欲求を満たしてくれる映画だと思います。  【追記】字幕版を見てきましたが、字幕版の方が理解しやすいようです。吹替版は何故か抽象的表現が多くて難解になっている気が。それにしてもセリフだけでなく各所のブロッコリーの映像を全てピーマンに置き換えてあるあたり、ディズニーのローカライズ能力は凄いです。  【追記2】日に日に思い返しては心の中で大きくなってゆく映画で、なので点数をちょっと訂正。本当はいちばん悲しい存在なのはヨロコビ(ジョイ)なんですよね。それが切なくて。
[映画館(吹替)] 9点(2015-07-23 13:59:55)
465.  愛を積むひと 《ネタバレ》 
 話はほぼ『あなたへ』と同じ。アレの旅が石塀作りに代わったようなもの。   夫婦二人の静かな北海道生活。まー邦画にありがちなリアリティのない甘ったるいスローライフな世界。幾ら都内(蒲田)とは言え、親から継いだ工場を手放して借金返済した上で北海道に新築一戸建ての広めな土地を購入して働きもせずに老後過ごせる、ねえ、無いよねぇ。車プリウスだし。軽に乗って細々と暮らしてゆくのが精一杯でしょうねぇ。   でもまあシネスコ画面に広がる北海道の景色はいいですし、役者も悪くないですし、あとはセリフを5分の1にカットして、ベタベタとした音楽も5分の1にカットして、説明的な映像を半分にすればいい映画になるんじゃない?みたいな感じ。  とにかく全部セリフと音楽で説明するものだから、別に映像なんてほとんど無くたって話としちゃ成立するんじゃね?って。真珠のエピソードなんか全部先読みできるの。ああ、じゃあ毎年1つずつなんだな、で、あの時に盗まれたんだな、みたいな。新しいモノを見るのではなくて確認作業をしているような感覚。   作る側が「見る側のアタマの程度はこの程度だから」みたいに思っているので親切にコマゴマ説明した作りになるんでしょうけれど、子供だって判るハズの『インサイド・ヘッド』に対する理解力を見るに、本当に日本の観客は何から何まで親切丁寧に説明されないとダメになってきてるのかもしれませんね。アニメも含めて邦画全体がそういう作りになってきている気がしますもん。   そのうち日本で上映される映画の画面には「この後想像を絶する大事件が!」みたいなキャプションと映像見て判りやすいリアクションとるタレントの顔が必要になってくるのかもしれませんね。
[映画館(邦画)] 5点(2015-07-20 14:35:39)(良:1票)
466.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 
 ジャパンプレミアで鑑賞。   予告編時点でイヤな予感はしました。その映像や設定から連想されるのが『ジョーズ3』だったり『ディープブルー』だったり。  で、実際に見てみたら見事にそこら辺の感じと言うか、もう少しレベルダウンして『ジュラシック・ランド』とか『ダイナソー・パーク』とかいったタイトルが付いてるような、ビデオスルーの低予算亜流映画みたいなお話し(実在する作品的には『シャークトパスVSプテラクーダ』に設定や話が近いです)。そういう映画のCG部分がチャチじゃなくて超豪華仕様になってます、って感じ。   ここ一番ってところのキメの演出、パシッと決まった画で飾るってのが、もう全然出来てないの。恐ろしいもカッコイイもなんだかダラーンと繋がった画の中に呑み込まれちゃっていて、そんな中ではキャラクターの感情もメリハリが薄く感じられて、存在感のない、軽い登場人物ばっかりのB級感。初代『ジュラシック・パーク』は今見ると大仰な演出が目立ちますが、あのくらいやってくれるからこそ人間も恐竜も際立って見えたわけで。  テーマパークのスケール感やリアリティは格段に上がっていて、大ゴトっぷりも今までの比ではない筈なのに、なんでみんなそんなに呑気に喰われちゃってるの?みたいな。  2万人もの観客が危機に陥る中で、パークの人間達の行動には疑問符付きまくりですし、クリス・プラットの人間的魅力が描かれていないので恋愛描写も子供達の信頼も取って付けたような状態。子供達に与えられた設定が最終的にちっともドラマに昇華されていかないもどかしさ。   それでも点数がいいのは子供目線でワクワクする恐竜ランドの世界をハッキリと視覚で見せてくれたから。これまで部分部分でしかなかった、あの島に広がるテーマパークが完成されていて実際に大勢の観客がいて、その中でみんなと一緒にドキドキの体験をするような感覚。それは一作目の『ジュラシック・パーク』の、観客を島内ツアーに誘う作りに見事に則っています。  最近大活躍のマイケル・ジアッキーノ担当の音楽も手伝って、その世界のワクワク感は『トゥモロー・ランド』と似ていたりしますが、両作ともこれまでは成し得なかった子供の夢の具象化が今の技術で表現可能になったという点で感慨深いです。   あと、恐竜にこれまでは殆ど無かった性格・個性・意思を与えている点は賛否あると思いますが恐竜がキャラ立ちする事で怪獣映画っぽくなって個人的にはそれはそれで心ときめく感じで。クライマックスなんか、色々な不満をねじ伏せる気持ち良さ。   なのでこれは大画面、大音響で楽しんでこその映画。シリーズに則ってビスタサイズなので通常のスクリーンよりもビスタサイズを大きく表示できるIMAXの方がより効果的かもしれません(TCXならフルサイズがシネスコの日本橋、新宿、六本木よりもビスタの船橋ですね)。アトラクション要素が強いので4DX、MX4Dでも存分に楽しめるでしょう。   正直なところ、映画としてはツッコミどころ満載なのですが、細かい事は気にせずに、その見世物映画っぷりを味わうのが吉という映画でした。
[試写会(字幕)] 7点(2015-07-16 23:12:34)(良:4票)
467.  リアル鬼ごっこ(2015) 《ネタバレ》 
 「園子温、嫌いやわ~」っていうのをわざわざお金払って時間かけて再確認しに行くという不毛な作業ね。   ドローンやステディカムを使った、風のように流れてゆく映像は良いです。死(あるいは時間)からの逃走を試みて駆ける少女をひたすら捉えてゆく、運動し続ける画。   だけど、映画はわりとすぐにこれが不条理劇である事が見えてきて、となるとその生も死もサスペンスも不確実な、不確定要素ばかりな世界だと悟り、つまりは何が起きたところで、それはそういう世界で閉じたモノなんだ、って事になっちゃうのでそれはそれであんまり面白くないなぁ、と。  実際「2人目と3人目」のエピソードに移行してからはどんどんと絵空事っぷりが加速していって、なんだかバカらしい映像が繋がってゆく感じに思えてしまって冷める冷める。  でも、むしろそのままラストシーンまで不条理劇で突っ走ってケムに巻いてくれた方が良かった気も。クライマックスでその不条理の理由をセリフで説明するという不粋な事をしてしまっているので、うっわー、ダサいわー、って感じになっちゃって。どんだけありがちよ?って話に堕ちちゃう。   そこにあるのはある種の悪意ですわな。女性という性を男の消費の対象にするな、っていうフェミニズムを「そういうパッケージング」をされた作品で打ち出してみせる、っていう。見に来たオタクに「オタク大嫌い」って冷や水浴びせた『THE END OF EVANGELION』みたいなモンで。  だけどこの作品の興味はどうにも前半の女子高生が無惨に殺されてゆく部分の方にあるようにしか見えません。大勢の女子高生が胴体真っ二つにされて血飛沫上げてるって画こそが見たい見せたいやりたい事だったんだよね?って(頻出するパンチラはさすがにあざとすぎてわざとらしいですが)。  となるとなんだか自虐的な、言い訳がましい映画のように思えちゃって。「お前が言うな!」ってツッコミ待ちな映画って事かしら?   トリンドル玲奈は可愛らしく撮れておりますが、篠田麻里子は「アイドルも歳を取るんだよ」みたいな撮り方で、そこら辺もその悪意の中の1つって事なのかな?と。  そりゃ舞台挨拶見に来たオタクの方々と舞台上の女優さん達との間に微妙な空気も流れるってモンですわ。上映後の舞台挨拶だったのですが「もう1回2回と見にきてください」って言われた後の気まずさと来たら(苦笑)  あ、私はチケットがダダ余りしてたのでどんなモンなんざんしょ?って取っただけで誰のファンとか全く一切無くてそもそもこのトシでアイドルとか無いわ~って状態なのであくまで蚊帳の外の存在ですからね。そこんとこハッキリさせとかないと(言い訳)。   ヤなモン見ちゃった感じで、いい加減そろそろこの監督の映画にお金払うのやめたいわねぇ・・・。
[映画館(邦画)] 4点(2015-07-12 20:11:12)
468.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 
 「審判の日を回避するだとぅ? 『2』の愚行を再び犯すのか!」と予告編見て憤懣やるかたない状態だった『1』至上主義な私ですが(なので個人的には『2』よりも『3』や『4』の方がまだマシ)、本編見たらそれ以前の問題でした。どんどん別の時間軸が生じて、どんどん書き換え可能です、って設定にしたらさ、もうなんでもアリだっての。そんなもん、幾らでも作れちゃう。   映画は二次創作みたいな状態です。『1』と『2』の事が大好きなオタクが妄想爆発させました、みたいなシロモノで、その両作の設定をひたすら弄ぶばかり。物語は『4』以外の定型フォーマットに則って毎度おなじみの事してます、って状態。何か新しい事をしたか、と言えばその都合のいい設定をした事と、今回の敵が(既に予告編時点でネタバレしてるので書いちゃいますが)ジョンだって事くらい。それだって過去の設定を弄んだだけですけどね。  T-800が老けてる部分を始めとして「むしろファンとしてこのオマージュから来る面白味を共有してね」的な甘い作りが目立ちます。でも、そのワリにそこはおかしいんじゃない?って部分もあって。カイルがジョンから貰ったサラの写真は途中で燃えちゃうハズじゃなかった?みたいな、そもそも『1』と比較してズレてる部分があれこれあるんですけど?って点があって。  大体、シュワT-800の顔にはとことんこだわってるクセになんでサラとかジョンとかカイルとか似てなさ過ぎなん?   でも今回最大の問題はキャラにちっとも魅力がない点ですね。T-800は単なる過去作のパロディキャラの域を出ませんし、サラはこれまでと別の第三の人格として登場しますが背景がややこしい事になっているので背負ってるものの重さが見えてきません。カイルに至っては一切の影が無くなってただの短気なおっさん。T-1000は単なる咬ませ犬で「これでもか」っぷりがとても希薄。   色々なシチュエーションを並べて「これって面白いでしょ?」って見せつけてくる感じですが、キャラに魅力がなくて、どうとでもなる設定では危機感も希薄になって、もう『ターミネーター』の世界で遊んでます、って感覚。   謎を残して更なる続きの予感を示して終わりますが、この物語に延長線を引っ張ったところで同じ事をダラダラ続けるばかりになる気がするんですが。  未来に向かうとか言いながらひたすら過去に囚われ続けてちっとも未来に進んでいかない皮肉なデキの映画ではありました。
[映画館(字幕)] 4点(2015-07-10 22:06:49)(良:3票)
469.  ストレイヤーズ・クロニクル 《ネタバレ》 
 面白くなりそうな要素はあるのに、脚本と演出が延々と外してゆくような感じ、明後日の方向を向いたまま最後まで突っ走ってるような感じでもどかしいったらありゃしないっす。   大雑把に言っちゃえば安っぽい、スケールの無い『X-MEN』なわけで、それでも面白くする事は可能だと思うんですが、とにかくまず脚本が雑で。  各キャラクターが何を考えているのか、何を動機としてその行動に出るのか、どう心情の変化が生まれてゆくのか、そこら辺がもうまるで計算されてないんですよね。ただだらーっと並べてあるだけ。エピソードが唐突で繋がっていない状態で羅列されるばかり。だから誰にも感情移入できず、悲劇なのですが全く心に迫ってきません。何しろ殆どのキャラクターは「クライマックスまでずっとただの馬鹿に見えるけれど唐突に実は悲しい存在として散ってゆく」って状態で。散々馬鹿だったのに最期だけドラマティック気取られても、みたいな。  クライマックスに向ってゆくに従ってどんどんテンポダウンして、間延びしてダラダラモタモタした状態を見せられるのは苦痛です。  大体、岡田将生が洗脳されちゃった仲間に首絞められて「うぎぎぎ」ってのを3回も繰り返す必要がこの話のどこにあるんでしょう?   そして、物語がそんな状態なので演技が大根状態に思えてしまいます。この映画のキャラ達は画面に映っていないところでは棒立ち状態になっているとしか思えないんですよね。他キャラが動いている間、一体何をしていたのかまるで見えてこず、計算したようなタイミングで画面内に割って入ってくるような状況が連発され、それはまるで学芸会的タイミングの世界。エピソードに流れが無くてブツ切れになっている事も手伝って、こんなにも役者を揃えているのに全員大根演技に見えてしまうんです。   演出は中途半端にスタイリッシュ気取ってますが(画面に時間経過を表す文字を出すなら最初の方でほんの数回でなく全編通すべきですし、分割画面もちょっとだけ使ってみました、みたいなハンパさではそこだけ浮きます)、それよりも各キャラを明快に、だけど奥深く描く事に腐心して貰いたかったところです。   碇ゲンドウの出来損ないみたいな伊原剛志の存在も含めて独りよがりの設定を納得させる努力も無く、なんだか随分と自己陶酔型の映画を見せられちゃったなぁ、って印象。最後まで見るのがシンドかったです。あまりのツラさに「あー、やっと終わった、もうとにかくさっさと帰ろう」と気が急いてシネコンに傘忘れてきちゃいましたよ。
[映画館(邦画)] 3点(2015-07-09 23:01:21)
470.  アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 《ネタバレ》 
 「今回は社長の発明が地球の危機を呼ぶの? じゃあなんでもアリな神様相手と違って面白いかも」って思ったんですけどねぇ、結局いつものヤツで。そもそもあの杖の存在が一見さんお断りを高らかに宣言しちゃってる訳で、ちゃんと関連作全部見てきてるハズの私だっていちいち覚えてないっての。   とにかくゴチャゴチャ。ただでさえヒーローいっぱいな上に絡んでくるキャラがいっぱいでエピソードが複雑に絡み合う、と言うよりももう少し整理しようよ、ってレベルでゴテゴテと盛られてる状態。マイケル・ベイとかクリストファー・ノーランの映画みたいにとにかくエピソードたっぷり詰め込んでおかないと不安です系ハリウッド大作のパターン。  ウルトロンが成立してゆくまでの過程とか、新ヒーロー誕生までの過程とか、なんであんなに回りくどい必要があるの?みたいな。  ヒーローに対する洗脳もいちいち進行の足を引っ張ってる気がしますし。その恐れから見る夢というか幻覚がキャラによって過去か未来かの差がある点が興味深くもあったりするのですが、全員洗脳される訳でもないのでなんか半端です。   クライマックスのスペクタクル要素満載なアクションシーンはもちろん面白いのですが、そこまでさんざん自分達のせいで大ゴトになってるのに人命救助がメインな展開になるっていうのはツッコミどころですか。ヒーローはやっぱり人命救助してこそ!みたいな?  ハルクVSハルクバスターとか、アクションシーンは総じて面白かったと思いますけど、何やってるのか判りづらい状況が多かったのはIMAXのいちばん前なんて席で見た私が悪かったのかな?   結局ファンのためのお祭り映画。そんなに各キャラに思い入れない私としてはスカヨハのブラックウィドウが心の拠り所でしたね。クインジェットからバイクで降りるシーンなんか、『ガッチャマン』でゴッドフェニックスから降りる白鳥のジュンのバイクを思わせて心躍りましたわ。   クライマックスで敵だったスカーレット・ウィッチにホークアイが「ここから外に出たら君もアベンジャーズだ」って言うあそこの上がりっぷり、あの上がりっぷりをもっともっと体験したかったなぁ。
[映画館(字幕)] 5点(2015-07-05 09:32:45)(良:2票)
471.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
 個人的には「ツイッターのTLに溢れてる“映画史に残る大傑作”って程の映画じゃあねえよなあ」とは思いましたが、でも面白かったです。   映画のルール的にはどうなんだろ?って思う部分もありました。イマジナリーラインをガン無視していて、それはそれでスタイルとしてアリなんですけど、その無視し過ぎっぷりが爆走のベクトルを曖昧にしちゃってるんですね。みんなして迷走状態なの。どっち目指してるのか、逃げてるのか立ち向かってるのか、映像的に決まった方向性が無いので、もう乾いた大地をひたすらグルグルしてるだけです、って感じになって。  だからノンストップ猪突猛進映画を期待していたら、意外と足が鈍ってるところがあるぞ、みたいな。そこで今ひとつノリきれなかったかなぁ。   映画自体は西部劇の超最新作、あるいはヒャッハーの世界のチルチルとミチルみたいな、古典的な要素が礎にあって、それが独自性の強い世界観で語られるのが良かったと思います。暴力的ですが、抑制が効いていて激しい生理的嫌悪感を与えるような映像はありません。むしろそこには特有の美しさがあって。   ヒャッハーの祖がデジタルの時代の毒々しい色彩を用いてヒャッハーの美学、ヒャッハーの美を徹底的に描出してみせる、その映像と音響の陶酔感は他では得難いもの。大スクリーンに大音響という環境にこそ相応しい、イベントムービーでした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-06-30 21:06:02)
472.  テンタクルズ 《ネタバレ》 
 CSで放映していたので久しぶりに再見。今見ると実は意外にしっかりしてるところはしっかりしてます。  水中撮影やヘリコプターショットにちゃんとお金かけてる、って事もありますが、撮り方、見せ方に工夫があって。   冒頭、赤ん坊が犠牲になるシーンでは母親が目を離した隙に海辺に置かれた乳母車が忽然と姿を消す、その一瞬の見せ方が上手くて。  主人公の妻が戻らない知人達を捜索しに海に出るシーンでは船上の妻の姿を超望遠でアップからロングまで長回しで捉え、その妻が犠牲となってしまった後、今度は入港してくる警察の船と集まってくる野次馬をロングで捉えた上で港で過ごす主人公の元まで寄る長回しが先の映像と対になっていて、上手く出来てるなぁ、と。   弦楽器が奏でるテーマ音楽は予兆や犠牲者が出るシーンでは断片として細かく分断され、タコが襲い掛かるサスペンスを描くヨットレースのシーンで繋がった形で明確なモチーフとなる、ってあたりも良い感じで。   でも脚本と肝心のタコの映像がメタメタなのでダメダメな映画になってしまいました。   物語はシュールです。事件を追う記者と警察、事件の原因となったと思われる海底工事を行った会社の社長、それぞれがただ存在するだけ。何か具体的に明らかになったり、解決に乗り出したりという事は一切無く、なんのために出てきたのか意味不明、ただ状況を描くための要素として散りばめられているだけの存在という。近しい人々が次々犠牲になってゆくあたりはドラマが盛り上がりそうな要素なのですが、これもただ死んでしまったという状況があるだけ。そして、それらはクライマックス前に退場、あとは取って付けたような2匹のシャチによるタコ退治が描かれて幕という。エピソードの繋がりが殆ど無く、よくもこんな脚本を元に映像が撮れたなぁ、とヘンな感心。   そしてタコはただのタコです。大きく見せる努力ほぼ無し。しかも具体的に人を襲う画、犠牲者の画がありませんから何がどう恐いのかすら不明。辛うじて水分を奪われてしまうと説明はされるのですが。メインなハズが存在感無くて可哀想なモンスターなのでした。  でも少なくとも、日本人から見たらちょっと美味しそうでしたよ。
[映画館(字幕)] 3点(2015-06-17 15:45:00)
473.  海街diary 《ネタバレ》 
 原作は『BANANA FISH』で少女マンガの極限にまで到達した作者がガラリと雰囲気を変えて打ち出してきた純文学路線。  画面にすずが出てきた時点でそれまで頭の中に圧縮されていた原作の記憶がばーっと解凍されて先読みしまくって感動先走り状態だったりしたのですが・・・   この映画は原作にかなり忠実、ゆえにメリハリのない、だらーっとしたものになってしまった感があって。姉妹たちの日々の生活のエピソードが幾重にも重ねられてゆく事で作品世界を形作ってゆく、それは単純な起承転結構造の中には納められないもので、元々映画化は難しい素材だったと思います。原作を壊さずに表現しようとすれば、やはりエピソードの羅列状態になってしまうのは明白で。  原作にあったすずの友人関係のエピソードを大幅に省き、「四姉妹の映画」を強調した事は間違いではなかったと思います。ですが、外には四人それぞれの世界があって、それが時に摩擦やすれ違いを生んだり、共鳴したりといった、作品の持つ奥行きは中途半端にスポイルされ、原作ファン的に見ても、映画として見ても、少し残念な、物足りない感覚を受けてしまいました。原作にあまり囚われず、もっと特定の何か(幸かすずの内面とか)を強調したドラマ作りがあっても良かったかもしれません。   四姉妹の個性はとても良くて、原作のイメージから最も遠い綾瀬はるかも気の強い長女役を好演していました。この姉妹の物語をもっともっと見ていたい感じで。   あと、鎌倉を舞台にした、風景がポイントになるのは明白な作品だった筈ですが、これがあまり良く捉えている感じがしなくて。景色と人間との調和、そこに腐心してない訳じゃない、それをやろうとしているのだけど、なんかしっくり来ない、そんな感じ。  ビスタサイズじゃなくてシネスコサイズで撮ったら良かったんじゃないでしょうかねぇ。ラストの海辺の4人の間隔はビスタならではの距離感なんですけど、シネスコの余白があっても問題は無かったかな。   作品世界の雰囲気、空気感はちょっと残念、人は良かった、そんな感じでした。
[映画館(邦画)] 6点(2015-06-14 14:34:28)
474.  予告犯 《ネタバレ》 
 戸田恵梨香(この人の映画見るの、2ヵ月の間に3本目ですな)はなんかちょっと違うんでないか?と。極端な味付けをし過ぎていて。あんな延々ギスギスした演技ばかりしてたんじゃ、んなヤツぁいねーよ、とツッコむしかない訳で。過去の回想シーンとの対比で「だからこういうキャラなんです」ってのは安直に過ぎる気が。で、やっとラストの方でキャラ的に救われるんですが、それがまた本来あり得ないシチュエーションでしか救われてないっていう。刑事だったらあんな行動は取らないよね・・・。そこら辺、ホントに作り物臭くて、また他のメンバーは『SP』の出来損ないのようでもあり、警察側は見ていてかなり厳しい出来な感じ。   一方、犯罪者側はよくできていたと思います。中二病をこじらせたクズのように見せながら、薄皮を徐々に剥いでゆくようにそこに至る悲劇と、でも悲劇だけに終わらない、彼らなりに獲得できた幸せな時間とが明らかになっていって。   名前が映画を貫くキーワードになっていて、名無しの時代に損得勘定でなく名前を持つ人間同士で繋がりたいと願う、切ない話。ネットが普及して誰でも世界に向けて情報が発信できる、けれどその解放されている筈の世界の閉塞感は一体どうした事か?と。底辺で足掻くしかなかった名無しの束の間の輝きが胸に迫ります。   新聞男4人+ヒョロ+インターネットカフェのバイト、役者の好演で存在感を得た彼らによって、映画はこの時代を映す意外な拾い物になっていました。
[映画館(邦画)] 7点(2015-06-12 14:28:45)
475.  トゥモローランド 《ネタバレ》 
 謎をひっぱり過ぎたせいか、知りたいところがちゃんと見えてこない困った映画。  ユートピアがどのような意志によって成立していったのか、そしてそれが何故独裁者が支配する排他的世界へと至ったのか、その辺がどうも明確でないので映画全体がモヤモヤとした印象。とにかく肝心の後半がバタバタ。世界は大量のセリフによって説明され、それを咀嚼する間も与えられず少人数な登場人物のまま戦いが行われ世界は救われました、みたいな。  見終わって、なんかヘンな映画って感覚は否めません。   でも、それでもここまでいっぱい好きなものを並べられてしまうとね、低い点数付けるわけにもいかなくて。  最初のディズニーお馴染みシンデレラ城から既に世界は夢のトゥモローランド。レトロフューチャーなデザインの中にちゃんとディズニーランドのトゥモローランドのデザインも紛れ込んでいて(スペースマウンテンなんかハッキリと存在を主張してます)。  昭和の昔に少年少女が夢見た希望に溢れた未来都市がこうして明確な形でヴィジュアル化されているのを目の当たりにして、ときめかない訳がありません。  数々のSF映画のオマージュ(っていうかモロなモノいっぱい)まで散りばめられたそこは幸せに満ちた映像空間。  そして都市の守護女神の名を持つアテナ。クラシカルな魅力を持った謎の美少女。彼女の存在によってこの映画はまばゆい輝きを放ちます。想像もしなかった彼女の意外な見せ場も満載で(笑)   セリフで語られるテーマは安直に思えますが、でも、実際にそういう夢を見ていた人々が、今、未来に希望を見いだせなくなっているという現実。この映画に対する批判に多く見られる選民意識、それを感じるならば、それこそが未来に希望を抱けていない事の証明のような気もします。何故自分は選ばれる側の人間だと思えないの?と。夢と希望を持ち努力する全ての人間にトゥモローランドは開かれる、そんなオプティミスティックなメッセージを受け止める事がポイントだと思います。   『鉄腕アトム』と『メトロポリス』と『火の鳥2772』を足したような、本当に手塚治虫な世界の映画で手塚ファン必見の作品でもありました。
[映画館(字幕)] 9点(2015-06-09 21:47:31)(良:2票)
476.  夫婦フーフー日記 《ネタバレ》 
 一体、何が描きたかったのか掴めませんでした。   死んだはずの妻が生前と同じように目の前に存在していて、という部分が映画の主題にはなっていません。それは必ずしも大事な設定ではない、一要素に過ぎないと。で、そこから笑いがそんなに生み出される訳でもなく。  その上で、とてもチグハグな印象を与えるのが、時系列がバラバラな構成と、長回しによる1シーン1シーンの長さ。時系列がバラバラなクセに物語はさして動かず、なので一体何故わざわざ崩したのか意味不明で。流れが分断される事でドラマ性はスポイルされ、感情移入は拒まれ、感動は薄まってゆく、よって長回しは無駄に長いシーンと感じるばかり、という。  そこから死んでゆく事、残される事について、感情的にではなく事象として冷静に向き合ってみましょう、とでも言いたいのかもしれませんが、映画側が一方的に酔っているように見えて、何か主人公の自己陶酔のように見えてしまいます。もっとエピソードを重ねても良かったんじゃないかと。   なんかこのところ擁護するように「役者は良かった」って毎回書いてる気がしますが、これもまあそんなところで。   時系列バラす、長回し、BGMをあまり使わず会話シーン主体、そして幽霊話があくまで主人公の中だけに終始する、とまるで映画ごと自己完結しちゃってるようで、やってる方は繊細なつもりだけど見てる側からすると雑な映画、という印象でした。
[映画館(邦画)] 4点(2015-05-31 20:52:56)
477.  新宿スワン 《ネタバレ》 
 演出は特に語るべきものも無く。強いて言えば「安っぽいタランティーノ」?   問題は脚本ですね。マンガ原作をまとまりの無さの免罪符にしてる、原作がマンガだから脚本もこの程度で仕方ない的な仕上がり。エピソードが羅列されるばかりで流れが無いのでダラダラした印象。  それでも男側のエピソードにはまだ起承転結があるけれど、女側はただ状況があって結末がある(あるいはそれも無い)だけ。まるでドラマが形成されておらず、セリフにあった「女を道具にしている」状態を映画自体が実践しているという皮肉。  栄子の腕にリストカットの痕が無数にあるというのは栄子の設定を語っているだけで、具体的な要因となる描写も無く自殺へと至ったところで、そこにドラマは生まれません。「元々死にやすそうだった娘が死んで悲しい」と龍彦のキャラを立たせるためだけに存在しています。  それに比べればアゲハは幾分マシな扱いを受けているようですが、道具的なポジションという意味では実は栄子と一緒。栄子の反省もなくエピソードを重ねているだけに見えます。  まあ、いかにも「オッサンが作った映画」ではあります。   見せ場と言えば格闘シーンなのですが、どれも同じような撮り方で、肝心なクライマックスも盛り上がりに欠ける感じ。   そんな映画での見どころと言えば、山田孝之と伊勢谷友介の顔。二人のキレのあるオトコの顔がこの安っぽい映画にシャープな印象を与えています。綾野剛も普段のカッコつけた役よりもこっちの方が似合ってる感じでヘラヘラとバカっぽい役がハマっておりますが、山田孝之と対峙してしまうと、ちょっと格の違いが出ちゃうなぁ。   風景的な新宿らしさは出てたと思うので、東京観光をした気分にはなれるんじゃないかと。その内側で生きる者のドラマはともかくとして。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-31 20:18:23)
478.  ピッチ・パーフェクト 《ネタバレ》 
 困ったなぁ。結構良かったんですよ。笑えるし、エキサイティングだし、感動もできるし。でも。   全体的にはコメディで軽め。結構、描き足りていないエピソードがある感じ。恋愛部分はかなり物足らないですし、父親とのわだかまりも類型的で薄べったい、基本的なキャラ設定レベルの背景があるだけ。メンバーでキャラ立ちしているのは半分程度ですし、寮のルームメイトの韓国人の扱いは殆どどうでもいいレベル。  それに悪役ポジションの存在に最終的に全く罰を与えていないのが気になりました。ヤツはあのままでいい訳がないのですが。   それでも、スタイルに固執して退屈なパフォーマンスしかできなかった大学のアカペラ・グループが個性的な新入生を寄せ集め、バラバラでまるで調和していなくて、それぞれ反目しながらも実力を付けて上を目指してゆく、それはそれは熱いドラマを見せてくれます。  主人公ベッカを演じるアナ・ケンドリックは表情の変化に乏しい気もしますが、『イントゥ・ザ・ウッズ』の冴えないシンデレラよりは血が通っている感じですし、突き抜けたおデブの“ファット”エイミーや、ちいさな声で恐い事を言う東洋人リリーが魅力的。  ライブ・パフォーマンスシーンは鳥肌モノですし。   で、だけど最大の問題はゲロネタ。この映画の場合、ちょっとしたお笑いのために出てくるのではなくて、ドラマの中心に存在しちゃってる状態なんですよね。ゲロネタやめて、ってこれまで何度も何度も何度も書いてきてるわけですが、これは他とはレベル違い。かなりヤバめで。映画見てる間に具合悪くなりました。なので、良かったのだけれども、もう二度と見たくない映画になってしまっていて。もう少し他の何かにできなかったんでしょうかねぇ。ゲロで笑い取る映画ってのが苦手なので大減点状態になってしまいました。カンベンして・・・
[映画館(字幕)] 5点(2015-05-29 21:39:29)(良:2票)
479.  イニシエーション・ラブ 《ネタバレ》 
 ラストのネタバレすんな、という注意メッセージが冒頭に出てくるので、なるべくそれに則って。全く触れずに感想を書くのはさすがに難しいのですが。でも、そのメッセージの書体からしてふざけてるような感じで、本編でもちょくちょくおふざけが顔を出し、ああ、やっぱり私の嫌いな堤幸彦作品だよ、と。   まず、ラストに明かされる真相、アレは「そういう事なんじゃないの?」って仮定して見てたらその通りだったので、意外性も何もなく、あーあ、やっちゃった、って感じで。やっちゃったのは映画側じゃなくて私の側ですが。ヘンにアレコレと読み過ぎて面白さを消してしまうっていう。  でも、見終わって考えると、その真相を隠すためのテクニックが随分とあざといんですね。映画のセオリーを破ってまで騙そうとしてます。ルール違反状態。   そして、もっと気になったのが堤幸彦って人の毎度の不真面目っぷりが結果的に映画を疑問や不信感たっぷりなものにしてしまう事。  ラスト、あっちゃんが随分と・・・に思えるような描き方になっているわけですが、でも、女性としてかなり一方的に傷を負ってるんですよね? そこをラストのアップで「でも、それはそんな大した事じゃないよ」って帳消しにしちゃってるように思えるんですよ。男が男なら彼女も彼女、みたいな扱い、オチを付ける事で軽い笑いへと転化されてしまうような無責任な姿勢。そうじゃないでしょうに。異様なテンションやバカくさいエフェクトも含めて、この人いつもそう。   80年代を舞台にした青春映画って事で、世代的には私はどストライクだったりするのですが、そのノスタルジーですよ、って要素は「だから?」としか言い様がなく。これ見よがしに並べ立てられたところで恥ずかしいばかり。シーンに合わせて流れる当時の歌なんかは特にそうなのですが(イントロちょっと聴いただけで曲名がすぐ判るレベルの歌の数々)、これは原作由来なようで、そっか、原作からして恥ずかしいのか、と。   全編、騙しのための細工と懐かしネタで散りばめられた映画、だけどその陰に隠されてしまった痛みや切なさ、そここそが本来は大切なんじゃないの?と思うのでした。世代的に、ちょっと馬鹿にされた気分。あっちゃんは良かったんですけどねぇ。
[映画館(邦画)] 4点(2015-05-26 21:12:51)
480.  メイズ・ランナー 《ネタバレ》 
 ティーン向け小説の映画化で3部作の1部目とか、コレ絶対ダメなヤツじゃん!って思ったのですが、意外にも面白くて。   このテの何部作モノ映画って最初に設定の説明を延々とし始めるような、いつになったら本題に入るのよ?ってシロモノが多かったりするのですが、コレは主人公が記憶を失っていて、一体そこがなんなのか全く判らないという設定。観客は主人公と共に物語の進行によって世界を知ってゆく構造になっています。ロールプレイングゲームによくあるテではありますが。  しかも、主人公が訪れた事でそれまでの世界に変化が訪れ、更にこれまで若い男だけだった世界に最後の一人としてヒロインが現れて更なる波乱を生んで、といった感じでどんどんと状況が転がってゆきます。「一体どうなっているんだろう? これからどうなるんだろう?」という興味がずーっと続いてゆく状態ですから、映画に対する意識の集中が途切れてしまう事がありません。   で、「このダンジョンの中だけで3作かけて延々出口探しするのかいな? 中でグダグダと人間同士の葛藤のドラマとか見せられちゃうのかいな?」と思っていると全然違って。葛藤はあっても状況が追いかけてきますから、物語はどんどんと先に進みますし、この映画だけでひとつの完結を見せ、また次なる展開へと続いてゆきます。最近の邦画の何部作モノにありがちな、儲け出すために分けました的な、1本では全然成立していない内容の薄い作品と違って、ちゃんと映画1本見た、っていう満足感はあって、そして続きも見たい、という気持ちになって。   難点としては主人公がワリと軽率に行動する系であまり共感できず、むしろ悪役になっちゃう保守的な少年の言う事に一理あると思ってしまう点ですか。あと『ハンガーゲーム』に似た部分が結構ありますね。   外へ外へと向かってゆく、どんどん開かれてゆこうとする物語のベクトルには気持ち良さがあって、見る前に抱いていたイメージと違って、なかなかに侮れない作品でした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-05-25 22:33:33)
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