461. カプリコン・1
《ネタバレ》 昔はこんな独創的なストーリーがあったんですね。まぁ陰謀ものと言えば、言えなくもない。映画しょっぱなから、グイグイ引き込まれます。ラストの空中アクションは、観てる方が軽く酔っちゃうほどのカメラワーク。今ではアトラクションとかで珍しくないですけどね・・。この時代にこんなシーン、撮影してたってとこが凄い。💮8点! [ビデオ(字幕)] 8点(2014-04-29 18:00:14)(良:1票) |
462. そして父になる
《ネタバレ》 確かに映画は進化してる。役者の演技らしからぬ演技を引き出す是枝さんの演出。内容もとてもいい。最後までどうなるか、分からないストーリー。仮に子どもの交換だって、今の時代、なんか平気でやりそうな大人ばかりだ。だから、どんな最後でも、あ~そんなもんか、そんなもんだよね、って言ってしまいそうになる。映画が生まれてから、創られた映画の中で一生懸命、人間ってそうじゃないよね、って映画人がずっと叫んできたのに、時代はますます非人間的になってきてる。それでも言い続ける映画が、映画人が僕は好きだなぁ。 [DVD(邦画)] 8点(2014-04-26 09:56:29)(良:1票) |
463. ザ・ロック
《ネタバレ》 ジェリーブラッカイマー。彼がどれほど映画界を盛り上げたか・・。アクション映画の一番、面白かったころかもしれない。CGなどでリアルな仮想世界創りに映画人が夢中になる前の映画だった。しかも役者がショーンコネリーとエドハリス。彼らが出てくるだけで画面がひきしまり、そして観る方は安心する。彼らなら「やってくれるだろう」って・・。そんな映画こそ、僕にとっては、面白い娯楽映画だった。 [ビデオ(字幕)] 8点(2014-04-26 09:47:52) |
464. ルナ
《ネタバレ》 美少年の秘密を描く展開で、最後、本当の父親の愛のビンタと共に、母親のさらなる真っ直ぐな歌声が響くクライマックスで見事に幕。これぞ映画的説得力の醍醐味。こまった展開に対して、どのように落とし前をつけるのか、その興味で引っ張っていくのも、映画の見所の一つ。それに加え、ベルトリッチは音楽の使い方が見事である。その音楽でラストの主人公の心の整理と、母親の音楽の芸のさらなる進歩を掛け合わせ、見ごたえのあるフィナーレにしている。確かに、女性観が粗いとの指摘もあろう。似たような素材と言えば、ルイマルの「好奇心」(未見)。ベルトリッチの映画でも度々監督の分身が出てくるが、彼は相当の映画青年である。フィルターを通した女性観が出来上がっているかもしれない。(あるいは日本の女性とイタリアの女性の違いか?)(あるいはベルトリッチの人生の振幅の大きさなのかもしれない。)しかし彼はそこを乗り越えて、映画的説得力で、演出していくとこに自分はいつも「感動」させられてしまう。「結婚しない女」のクールな女優に、あんな演技をさせたいなどという下衆な監督ではないのは確か。映画は錯覚の芸術とも思う。普段、感じることできない「感動」をさせる映画の可能性に自分は魅せられて、またDVDを借りてしまう日々である。 [DVD(字幕)] 8点(2014-02-23 06:04:56) |
465. イヴの総て
《ネタバレ》 やはり性根の歪んだ人間が出入りする業界なのか・・。職人の中に大きな野心の人物が大きな顔をする職場ってどんな感じだろう。映画の最初のシーンでは、居並ぶおエラさん方が悪(ワル)なのだろうと思ってた。で賞を受賞したアンバクスターがピュアなんだろうと・・。でも一通り話を追うと、シーンは同じ場面なのに、なんと彼女の受賞スピーチの白々しいこと。そしてベティディビスの見事に余裕のあること。同じ場面で始まりと終わりをはさんでおきながら、観てる方の気持ちがまったく逆転してるところが見事!「アカデミー賞に外れなし!」けだし名言である。(最近のはともかく・・笑) [ビデオ(字幕)] 8点(2014-02-09 06:21:05) |
466. 駅馬車(1939)
《ネタバレ》 映画の基本がすべて盛り込まれてるような映画。もう戦前のこの時点で映画は、ある意味、完成している。 [ビデオ(字幕)] 8点(2014-02-04 20:10:15) |
467. カルメン(1983年/カルロス・サウラ監督)
《ネタバレ》 パワフルなフラメンコ。さすが情熱の国、スペイン。モラルで縛りきれぬ燃え上がる愛の炎。でもきっちり悲劇になるとこが人の世の常。しかしだからといって感情をおさえない国柄だから、あのフラメンコダンスの力強さがあるのだと思う。余談だが「ウエストサイドストーリー」の指をならしてのダンスシーンは、フラメンコが発祥?なんてことも考えた。 [ビデオ(字幕)] 8点(2014-02-03 21:37:51) |
468. トゥ・ザ・ワンダー
《ネタバレ》 人間の弱さをはかなみ、神の愛に通じるかのように、世界を美しく描写した映画。テレンスマリックは難解だと聞いていたので(何せハーバード大卒)、挑むように鑑賞したら、案外そうでもなかった。もうこの一言!べンアフレック弱~~~い!!自分の監督作「アルゴ」にまんま置いてきたんちゃう?ちゅうくらい、ただの人形みたいにボサ~~~ッとしくさって、女性に振り回されっぱなしやん(怒)!それにしてもこの映画、カメラアングルとか独特で美しく、音楽も静かで、ただのトウヘンボクの話の後とは思えないくらい、まるで教会で上質な説教を聞かされたような(監督もそれを狙ってるんでしょうね)おごそかな気持ちになるのでした。朝日の出るのを待とうか?なんて気持ちです。はい。 [DVD(字幕)] 8点(2014-02-03 04:37:38) |
469. 魅せられて(1996)
《ネタバレ》 「自分」のない人たちと「自分」のある人たちとの対比が上手。初恋の人に会いに行った女性は、その人が「自分」がなかったことに絶望するが、芸術家たちのゆるやかな愛に囲まれ、「自分」を大事にしていいんだと気がついたとき、なんと庭に点在する作品が、自分の母への愛への表現であることに気づき、父親が誰かを知るという実に、芳醇な作品。彼女はその後、真の愛に出逢うことになる。い~よねぇ。「ラストタンゴ」や「暗殺の森」で空っぽ人間を描き続けた巨匠は、ここでも人生を展開してみせる。この後に撮られる「シャンドライ」は彼の得意な音楽を見事に使い、また素敵な作品にしあげてるんだよね。最近のベルトリッチ(まぁ嫌いな作品もあるけど・・)は、DVDを買わずにいられないほどの素敵な作品が多い。困ります(笑) [DVD(字幕)] 8点(2014-01-08 02:19:45) |
470. 恋する惑星
《ネタバレ》 平成になってかなり経つと、このような楽しい恋の話も素直に創られるようになり、今となってはめずらしくないが、この頃はかなり胸ときめいた若者が多かったろう。前半は、殺し屋稼業とはいえ、紳士的にふるまった男性には、誕生日にメッセージを残すのが女性というもんだよ、と未だに追随者を寄せ付けぬ演出の手ぶれ映像で見せる話。後半は、今でこそ「ラストコーション」などでオスの臭いをプンプンさせてしまったトニーレオンが、白のブリーフ姿も見せる、プレイボーイとは程遠いもっさりした男を好演。相手は見るからに、恋にときめく健康な女の子。変な駆け引きもなく、悪い男も出てこないで、観ていて応援してあげたい位、微笑ましい話。2話とも音楽センスが抜群。ウォンカ―ウァイが好きだという人は、この映画で素直に共感した人が多いのではないか?実に正しい映画鑑賞の入り方だと思う。バッドエンドのニューシネマから入った小生には、ちと羨ましい気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-31 09:50:59)(良:1票) |
471. 孤独な天使たち
《ネタバレ》 なんてべルトリッチって素敵なんだろう!いくら抱き合っても、夫婦になっても、埋められない孤独を描いた巨匠の最近の作品は、なんと愛があふれてることか!「シャンドライの恋」は最近のベストだったが、またこんな素敵な作品に出会うとは!しかもどちらもベルトリッチ!異母姉弟の二人の時間。今までの映画だったら、大抵抱き合ったりして、二人だけの秘密を持つとか、虚構めいた創りにするところだ。(この虚構めいてるとこが増々観てる方は孤独を感じていくのだが・・)しかし、今の若者をよく見てる、この作品は・・。孤独な姉が最後、ヤクを吸うのか、もう冷や冷やした。けど彼らは空っぽ(に見える?)親たちと、共に共闘することで、強く連帯し、姉は血のつながった兄弟よりも、より姉らしくなり、人間関係に興味のもてない弟は、姉を立ち直らせた誓いのようなもの(うまく言えないが・・)をもつことで、大人になる。最近の若者は中々やる!そんな感じを持ってる小生には、この危うげのない思春期の冒険を描いたこの作品をとても愛おしく感じます。ベルトリッチ、最高! [DVD(字幕)] 8点(2013-12-31 06:25:36) |
472. リンカーン
《ネタバレ》 なんで伝記映画?と思ってたら、やはりスピルバーグは着目するところが違うね。前半は正直、しんどかった。何やら学習映画みたいな造りで、スピルバーグも自分の孫のためにこんなもん、創るようになったのか、なんて思ってた。でも修正案可決のために20人の議員抱き込みを開始するあたりから、何やら今まで観たことのない社会派映画だぞ!?なんて思ったら、こりゃ世界史史上最も影響の大きい法廷劇だったんだ~!!(感涙)暗い室内でのダニエル・デイ・ルイスのティラノサウルスみたいな目だけがやたら印象的で、感情移入しづらいなぁ、こりゃトミーリージョーンズの方がよっぽど親近感わくよな、と思ってたら、おやおや自分の子どもが戦場に行くなんて言い出して、それで戦争終わらせようとするの?こりゃ知らんかったなぁ、人民のためじゃないじゃん!突っ込みどころ満載の偉人伝かい!そこを政治の舞台裏や議案可決のサスペンスタッチなどあれこれ演出の天才スピルバーグは見事に料理して、我々に提供してくれた。やっぱり、この人、世慣れた天才じゃないかしら?と思わせて、さて次回作は?と思っちゃうんだよなぁ、まったく。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-29 20:12:41) |
473. マイ・ブルーベリー・ナイツ
《ネタバレ》 ウォンカ―ウァイの映画センスはアジアでずば抜けてる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-22 22:24:11) |
474. 一枚のハガキ
《ネタバレ》 自分的には、新藤兼人監督と言えば「裸の島」だが、「墨東綺譚」みたいな作品まであるから、一筋縄ではいかない。まだまだ観てない作品が多いが、これだけ豊潤な人生を描ける監督も逝ってしまった…。クソ「マジメ」な自分には、観ると頭が柔らかくなり、鑑賞後優しい気持ちになるこんな作品がこれからも創られたらなぁとしみじみ思います。 [映画館(邦画)] 8点(2013-11-12 00:51:42) |
475. 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点
《ネタバレ》 元々、二人組の探偵の話って好きなんですよね。(藤竜也と草刈正雄の「プロハンター」なんてテレビシリーズ知ってる?)それに加えて、最近の日本映画界の大きな収穫、大泉洋!さらにただのサラブレッドではない松田龍平のコンビ。このシリーズ、ススキノの世界の中だけなので、いつまでシリーズが続くか、疑問だけど、とてもいろんな要素をぶちこめる、器の大きな可能性のあるシリーズと思いました。前作は新鮮だったけど、ちょっとバカっぽかったけど、今回は、クライマックスではシドニールメットを彷彿させるような、出来のいいエンターテイメントさを感じた。涙が出たよ、正直。あ~、今の日本ってもうこんな映画の出る素地があるんだなと思った。ますますしんどい時代がくるぜ!それにしても河瀬監督の「モガリの森」できれいな素人を使ってるなぁと思ってた尾野真千子ちゃんも、今じゃあちこちに顔出して、イイね♪応援してま~す! [DVD(邦画)] 8点(2013-11-01 01:17:36) |
476. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 映画全編通して、何でこんなのんびりした国が戦争なんてと言わんばかりにきれいなこの国の風景が描かれる。主人公からこんな言葉が出る。「小さくてもカメになる道はないのかなぁ」。これは世界の中での日本のあり方への提言でもあり、デジタル全盛のアニメ業界の中にあって、手書きにこだわるジブリのあり方も言ってるのかもしれない。元々、世界に友人の多い宮崎さんには、技術や文化を通して、世界の人と友達になれるのに、どうして国というものがあり、戦争というものがあるのだろう?という疑問があるのだと思う。映画はまさしくそこを言っている。そして菜穂子との恋愛が丁寧に描かれる。これは人生で一番、大事なものって分かっているのに!という宮崎さんの言葉に思えた。でもね、監督、観客は作品どうこうよりも、あなたが好きだから、そんなあなたの映画が観たいとも思うもんなんですよ。これからは自分の人生を大事にしてください。でも僕は次回作、短編でも観たいなぁなんて思っちゃたりするんですけどね(笑) [映画館(邦画)] 8点(2013-08-17 00:59:45) |
477. みなさん、さようなら(2012)
《ネタバレ》 とにかく最近、濱田岳が良い味かもしだし!彼のコミカルな持ち味をフルに活用した作品に恵まれたせいか、CMでも大笑いの引っ張りだこ。この作品は、彼を主役にドンと置いて、じっくり描いた好作品。女性にもモテモテで羨ましいぞ、この野郎!って感じだ。ただドラマでは付き合った女性とは、別れちゃうんだよね。とてもクールに創られてる。それにしてもお母さんの大塚寧々がまた良~んだ!団地の中でも、世界は均等にある。最後のお母さんの書き残し、「あなたはどこでも大丈夫」の一言に僕も思わず、嗚咽しそうな気持になっちゃったよ。愛のある作品に、とても濱田岳は似合うんだなぁ。 [DVD(邦画)] 8点(2013-06-11 22:41:17)(良:1票) |
478. 海炭市叙景
《ネタバレ》 我々は、この話に救いはないだろうという事はもう分かってる。地方の衰退というのは、自分も身近に感じるし、新聞などを見ても分かる。なのに、不安を観客に押し付けるような内容にはなってなく、最後まで見せる。150分も長く感じられなかった。熊切監督は、地味ながらも確実に作品を残してきてる。力を感じさせる監督である。まるでドキュメンタリーのような暗い映像の中で、物語冒頭の谷村美月のまっすぐな目にひきつけられ、その孤独な生涯をタイトルを見せる前に教えてしまい、それでも最後まで我々を画面にひきとめたもの、それは彼女の目線同様、監督の誠実な映画創りだったように思う。 [DVD(邦画)] 8点(2013-05-22 23:58:23) |
479. 私が棄てた女
《ネタバレ》 化粧してない浅丘ルリ子がこんなにきれいなんて!び~っくり!内容の方は「女性」というものが分かりやすく描かれてある、と思いました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2013-05-12 04:38:49) |
480. ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
《ネタバレ》 このカワイイ「欲張り」なおじさんに対して、やさしい目線で描かれています。またこの人物に対するコメントも実に鋭く、このおじさんが自分で思っている以上に周囲の人はこの人のことを分かっているんだなぁと思いました。素敵な二人です。だんだん、奥さんの方が元気になっていくのが面白くもあるんですが・・・ [DVD(字幕)] 8点(2013-05-08 06:26:30) |