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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2593
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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481.  フォレスト・ガンプ/一期一会
アイデア、ストーリー展開、エンターテイメント性、スタッフの技術、俳優の能力、この作品はあらゆる面で映画という娯楽の魅力に溢れていると思う。この映画が描くアメリカという国の良い意味での楽天性やユーモアや多様性はそのままハリウッド映画の偉大な魅力であると思う。トム・ハンクス、ロバート・ゼメキス、ハリウッドを代表するエンターテイナーの力量に脱帽。ゲイリー・シニーズの印象的な演技にも注目。
[ビデオ(字幕)] 9点(2017-08-24 08:26:12)
482.  ネバーエンディング・ストーリー
子供の頃何度も観てそれぞれのキャラクターの造型が脳裏に焼きついている。今みたいにCGはほとんど使っていないのだけれど、クリーチャーの造型に味わい深さがあった。虚無が迫ってくる描写が子供心にとても怖ろしくて、緊迫感があった。一見子供向けっぽい感じはするが、内容や演出は明らかにアダルト向けである。
[地上波(吹替)] 9点(2017-08-24 08:21:13)
483.  亀は意外と速く泳ぐ
“普通”のことを“普通”にしようとすることを、これほどまでに可笑しく見せる映画が今まであっただろうか?ゆるくゆるく流れるこの映画の時間の“ゆるさ”は、その在り方の反面、どこまでも計算されつくされている。まるでそれは、「この世の中はどこまでいってもどこにでもユーモアに溢れている」ということを高らかに、いやこっそりと提唱しているようだ。 たまらなく可笑しく、どこまでもくだらない。でも、だからこそこの映画には、どうしようもない愛くるしさに溢れている。だからこそ、人間たちのあたたかさと切なさが染み渡ってくる。 そういう愛すべき映画だと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2017-08-24 08:06:20)(良:1票)
484.  かもめ食堂
くたびれた日々の中の週末、長い秋の夜、とても良い映画を観ることができた。  ほんとうの“やさしさ”とか“やすらぎ”というものは、潔いつよさの上に存在するものだと思った。 フィンランドという国に、そこでさりげなく構える小さな食堂に、そしてこの映画の主人公にそういうことを感じた。 自分が在る場所と存在を見極め、認めるからこそ、有意義でゆったりとした時間が流れるのだと思う。  そのゆったりとした時間が流れる日々の中で、交わされる言葉、たわいもない出来事、少し変わった人々、差し出されるコーヒー、並ぶテーブルと椅子、シナモンロール、食器、おにぎり……そのすべてがいとおしく感じる。  何が起こるというわけではない。食べる姿が大好きな日本人女性が、遠い北欧のフィンランドで小さな和食の食堂を開き、そこに人が集まってくる様子を描き連ねているだけである。 でも、そこに映し出される「幸福感」は、とても大きい。 そういう空気が流れるところでは、もはや言葉が通じないだとか、文化が違うなんてことは、あまり関係なくて、その共有すべき空気の中で、ただただ自然に存在できるのだと思う。  主人公の店主を演じる小林聡美がさすがにスバラシイ。強い潔さと深いやさしさに溢れたその存在感は、舞台となる“かもめ食堂”そのままであり、この映画そのものと言っていい。 特にラストカットのワンフレーズなど、中々あれほど自然に表現できるものではない。  ふと思う。 遠い遠いフィンランドという国へ行きたい。 ヘルシンキという街へ行きたい。 かもめ食堂へ行きたい。
[DVD(邦画)] 8点(2017-08-24 08:06:03)
485.  アメリ
とても可愛らしくファンタジックではあるが、ジャン=ピエール・ジュネ独特の悪趣味さは健在という絶妙なバランスが映像的にも物語的にも非常に見応えがあった。いろんなものを詰め込んだ大人のおもちゃ箱という感じの映画世界に引き込まれずにはいられない。個人的には10代最後に観た映画となったので、思い入れは尚更深い。
[映画館(字幕)] 9点(2017-08-24 08:03:42)
486.  オンリー・ゴッド
いやあ、ひさしぶりに変ッな映画だった。 明らかに屈折した「何か」を抱えつつ、バンコクの暗黒街を牛耳る兄弟。 わけも分からぬまま、狂気に取り憑かれたように暴挙に出た兄が、問答無用の制裁により惨殺される。 兄への偏愛に狂う母親に命じられるままに、復讐に駆り出される弟。 と、プロットだけを見ても、その偏執さは漂ってくるけれど、この映画は観客のその想定をも暴力的に壊してくる。  主人公の精神そのものを投影するかの如く、冒頭から各シーンの描写が倒錯する。 これは現実か?幻想か?自分が今観ているものは何なのか?まるで分からなくなる。 羅列されるシーンの一つ一つにおいても、描かれ方が“どうかしている”。 過激な暴力描写は嫌悪感を覚えるほどに凄惨で遠慮がない。 だがその反面、すべてのシーンに美しさを感じ、ときに恍惚としてしまうことも否定できない。  暴力の螺旋と、それに伴う罪と罰。 奇妙な“神”の如き存在を目の当たりにして、血塗られた両の腕を遂に差し出す主人公。 彼が迎えたラストにあったのは、絶望か、救済か。 一説によると、公開版のラストシーンの後に、主人公とヒロインが仲睦まじく“暮らす”シーンの撮影もされたらしいから、やはり彼は“血”によって宿命づけられた地獄から抜け出せたのだろう。  ただし、いかんせんそんなことは、この映画だけをフツーに観ていただけではまるでわからない。  偏執的な支配は、神によるものか、それとも悪魔によるものか。 おぞましくも美しい狂気と暴力の錯綜と混沌。 いくらそれっぽい言葉を並べ立てようとも、無意味だ。 いやあ、やっぱりわっけわかんねえ。  安易な「理解」など諦めて、奇妙な神の如く、無表情のカラオケに興じるべきかもしれない。
[インターネット(字幕)] 7点(2017-08-05 22:32:05)
487.  オクジャ/okja 《ネタバレ》 
韓国が生んだ巨匠ポン・ジュノの最新作は、Netflixによる世界同時配信映画であるに相応しく、非常に触れやすく見やすいエンターテイメント性に富んだ楽しいアクション・アドベンチャーである……ように見えるが、勿論そんな映画ではない。 当然ながら、ポン・ジュノがそんな分かりやすく楽観的な映画を作るはずもない。 この作品は、おそらく、「食品」として肉を食べている地球上の人間総てにとって、居心地の悪い映画となることだろう。  この“居心地が悪い”とは、「気持ち悪い」とか「見ていられない」とかそういう類のものではない。 冒頭に記した通り、この映画はエンターテイメント性に溢れていて、愉快だし、高揚する。それは間違いない。 けれど、そういった映画としての「娯楽性」を感じた瞬間に、はたと気づく。 「あれ…、自分はこのシーンに対して楽しんでいい立場の人間ではないぞ……」 現実を突きつけられて、途端に居たたまれなくなる。 極めて「意地悪」な映画であり、だからこそ流石だと苦笑いをしつつ感嘆する。  不可思議な巨大生物と幼気な少女のハートウォーミングな交流シーンから、突如として、この世界の「食」が抱える闇と真理が、「肉採取機」のように容赦なく抉り出される。 その様は、あまりに残酷で無慈悲に見えるけれど、観客はそれを心の底から否定できない。 そして、映し出される描写が滑稽であるほどに、徐々に確実に笑えなくなってくる。  ティルダ・スウィントンが相変わらず演技派女優らしからぬぶっ飛んだ演技で「悪役」姉妹を一人二役で怪演している。 しかし、結果として、彼女たちは何も裁かれることはない。むしろきっちりと計画的に当初の目論見を成し遂げる。 何故ならば、彼女たちの悲願である“ビジネス”は決して悪事ではなく、現代社会の食文化の「理」そのものだからだ。  愛する“オクジャ”を救うために、身ひとつで巨大企業に挑んだ少女は、その「理」に跳ね返され、打ちのめされる。 彼女が唯一携えていた「現実」によって、すんでのところで“オクジャ”は救い出せたように見えるけれど、それは自分が愛する巨大な生物をついに「食品」として受け入れざるを得なかったことに他ならない。 そうして彼女は、おびただしい数の虚無と絶望に文字通りに覆い囲まれながら、暗い暗い帰路を辿る。   世界の食糧事情を解消するために「遺伝子操作」をすることは罪か? それでは、美味しい食肉を生産するために「品種改良」をすることは罪ではないのか?  その身勝手で曖昧なラインが明確にならない限り、この映画の「居心地」は益々悪くなり続けるだろう。 そういうことを感じながら、今日も僕は、この世界の何処かで“作られた”肉を食べている。
[インターネット(字幕)] 8点(2017-07-19 18:14:37)(良:1票)
488.  美しい湖の底
或る強盗事件の発生前後の4日間が、一日ずつ章立てされた時間逆行型のストーリーテリングで描かれる。 今更、時間逆行型サスペンスなんて珍しくもなく、Netflixオリジナルの劇場未公開映画ということもあり、あまり期待せずに観始めたが、なかなかどうして、充分に一定の見応えを備えた作品であった。  語り口とルックだけ捉えれば非常に洗練されていて、犯罪映画としてコーエン兄弟監督作のような佇まいも感じる。 監督はコメディ畑の作り手らしく、一見陰鬱な映画世界の空気感の中に絶妙な塩梅で挟み込まれるコメディセンスが、映画のテイストに対してとてもフレッシュで、光っていたと思う。
 あまり有名な俳優は出演していないが、キーパーソンである主人公の兄を演じるレイン・ウィルソンは、アンチヒーロー映画の傑作「スーパー!」の記憶が新しい。今作においても、ブラックなユーモアと狂気性に満ち溢れたキャラクターを見事に演じている。  期待が低かった分、鑑賞中は概ね満足はしたのだが、観終わってみるとストーリーの描き込みの弱さは目立つ。 予算の都合も多分にあるのだろうけれど、絡み合う人物たちにとって重要な「過去」の描写が全く映し出されないため、今ひとつ人間関係が掴みづらいままクライマックスを迎えてしまう。 ラストのワンカットでも、“湖での出来事”の真相なり、キャラクターたちの若かりし頃の描写なりを見せていたならば、もっと味わい深く、エモーショナルなサスペンス映画に仕上がっていたかもしれない。  まあ取り敢えず、Netflixオリジナル作品は今後もしっかりと追っていかねばならないとは思う。
[インターネット(字幕)] 6点(2017-07-09 22:45:49)
489.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
絆、きずな、キズナと安直に謳う映画は多いけれど、果たしてその内のどれくらいの作品がその実態を描けているだろうか。甚だ懐疑的である。 そんな数多くの“エセ絆映画”に対して、持ち前のハイテンションとノリの良さを全面に打ち出しながらも、「絆」というものの本質をストレートにぶちかましてくる。 世間の期待値を遥かに上回る世界的大ヒットとなった前作も勿論存分に楽しんだけれど、個人的には前作を遥かに越える満足度の高さに対して、エンドロールを観ながら恍惚としてしまった。  前作では、全編通して繰り広げられる70年代ヒットチャートが世代的に今ひとつ突き刺さらなかったことと、個々のキャラクターが魅力的だからこそ生じた描き込みの物足りなさに、ノリ切れなかったことも事実だった。 しかし、今作では、オープニングクレジットと共に繰り広げられるスペクタクルシーン+ベビー・グルートのキュート過ぎるダンスシーンに、一気に心が鷲掴みにされた。 そして、続編故にガーディアンズの面々の“チーム感”と個々のキャラクター性は、序盤から細やかに描き込まれており、彼らが織りなす大エンターテイメントにすんなりと呑み込まれることができた。  ガーディアンズの面々は前作以上に魅力的に描かれている。 しかし、何と言っても今作のMVPは、前作に引き続きマイケル・ルーカーが演じた“ヨンドゥ・ウドンダ”以外にあり得ないだろう。 個人的には前作においても、ハイライトと思えたシーンは、敵の大群に囲まれ絶体絶命に見えたヨンドゥが唯一無二の武器「ヤカ」で大群を蹴散らすシーンだった。 今作でも、失意のどん底に突き落とされたヨンドゥが、見紛うことなき“リーゼント”を模した赤いフィンを頭頂部に差し込み、起死回生の美しすぎる大逆転シーンを見せつける。  またしてもハイライトをかっさらったこの青い肌の宇宙盗賊の首領は、今作の主題の核心的なキャラクターとして存在感を終始発揮し、世界中の映画ファンに永遠に愛し続けられるであろうキャラクターへと昇華する。 「クリフハンガー(1993)」以来のマイケル・ルーカーファンとしては、彼が演じたこのキャラクターの昇華は堪らない。因みに雪が降り積もる場面でのシルヴェスター・スタローンとの対峙シーンは、完全に「クリフハンガー」オマージュだろう。  これでもかと繰り広げられるスペクタクルを心ゆくまで楽しむべき大エンターテイメント映画であることは間違いないが、主軸となるストーリーラインには、人と人とが繋がること、または離れることで生じる避けがたい辛苦や残酷性も孕まれている。そのあたりには、ジェームズ・ガン監督ならではのシビアさも多分に反映されていると思えた。   これは紛れもない「家族」にまつわる映画である。 理屈ではない。心で動かすのだ。青い無頼漢が操る縦横無尽の赤い矢が心に突き刺さる。 文句なしにノックアウト!号泣メーン!
[映画館(字幕)] 9点(2017-06-24 22:47:01)(良:1票)
490.  ワイルド・スピード/ICE BREAK
冒頭、「Fast & Furious 8」とタイトルが掲げられ、いつものようにストリートレースを挑まれた主人公がハバナの街を激走する。 シリーズ8作目にして、公開されるやいなや喜び勇んで映画館に足を運び、お決まりのレースシーンに早速高揚させられた時点で、この映画を否定する余地は微塵もなかった。勿論端からそのつもりはないのだけれど。 言わずもがなこのカーアクション映画シリーズの大ファンである。 決して自動車自体に強い興味があるわけではない僕を虜にして久しい今シリーズの稀有なエンターテイメント性はもはや奇跡的であるとすら思う。  ただし、この最新作に対して不安が無かったわけではない。 前作「SKY MISSION」は、ヴィン・ディーゼルと共に主人公を演じてきたポール・ウォーカーの急逝を乗り越え、彼と彼が存在したこの映画世界に対する多大な慈愛に満ち溢れたまさに奇跡的なアクション映画だった。 傑作の後を受け、必然的に新たなキャラクターバランスの構築を余儀なくされたこの最新作が、果たしてどんな仕上がりになっているのか、期待と不安は入り混じっていたと言える。  しかし、様々な苦難を乗り越えながら“PART8”まで作られてきた今シリーズの底力は伊達ではない。 これまで幾度も「強引」という言葉を覆い隠す「豪快」な展開により、映画世界そのもののテイストやキャラクター設定すらも変革してきた今シリーズだからこそ許される「前作までのキャラ設定ほぼ無視」の展開力により、新たな娯楽性の付加に成功している。 過去作での出来事を振り返れば、「さすがに強引過ぎる」という意見も分からなくはないけれど、もはやそんなことに目くじらを立てていては、目の前で繰り広げられる圧倒的娯楽性に対して勿体無いと思える。 そして、ジェイソン・ステイサムのファンとしては、アレほどこのアクションスターに相応しいアクションシーンを見せられては、諸手を挙げてニヤニヤするしかなかった。  おそらくは次回作以降もラスボスとして存在するのであろうシャーリーズ・セロンの“絶対悪”感も最高だった。 いよいよ筋肉バカだらけになってきた熱苦しい映画世界の中で、まさに氷の女王のような冷ややかな美しさと悪意がほとばしるこのアカデミー賞女優の存在感は、見事に新たなキャラクターバランスを構築していると思う。  キューバ・ハバナを激走するファーストシーンで明らかなように、この地球上に走っていない場所がある限り、このシリーズは新たな娯楽性を生み出し続けられるとすら思う。 アクション映画として体感は10点満点。さあ、次はどこを走るのか。
[映画館(字幕)] 8点(2017-06-24 20:29:56)
491.  カジノ
時は70年代、ラスベガスがまだマフィアの支配下にあった時代。 決して臆すること無く彼らは「欲望」の波を奪い合う。ある者はビッグウェーブを乗り越え、ある者は呑み込まれ藻屑と消える。 ただし、この街は一人の者が勝ち続けることを絶対に許さない。 幾つもの大波を越えた強者であっても、一寸の揺らぎで途端に波に呑まれ、溺れて沈む。  そこからすんでのところで、“生還”した者が、本当に追い求めていたものは、ただただ純粋な愛だった。  そんな哀しくて、虚しくて、愚かで、残酷で、ギラついた夜が延々と続いた時代が、凄まじい「映画力」によって描き出される。 圧倒的な3時間。凄い。   マーティン・スコセッシ×ロバート・デ・ニーロ、かつてこの二人がハリウッドにおける「最強タッグ」として数々の大傑作を映画史に残してきたことは当然認識していたが、実際に観ていたのは「タクシードライバー」と「ケープ・フィアー」くらいだった。 1981年生まれの映画ファンにとっては、スコセッシ監督作の主演俳優といえば、デ・ニーロよりも、レオナルド・ディカプリオの方が印象強く、実際作品を漏れなく鑑賞しているもそちらである。 しかし、今更ながら往年の「最強タッグ」の最後(2017年時点)の作品を観て、偉大な監督と偉大な俳優の映画愛と野心に溢れた映画世界に圧倒された。 そして、22年前の今作を、今まで鑑賞していなかったことを激しく後悔した。  何と言ってもロバート・デ・ニーロの存在感が素晴らしい。 今作の主人公である“エース”は、他作でデ・ニーロが演じてきたキャラクターと比較すると、決して激情的なキャラクターではない。努めて冷静に物事を見据え、対処し、物語の舞台であるカジノを支配する。 キャラクター的な激しさを捉えたならば、脇を固めるジョー・ペシ演じる“ニッキー”やシャロン・ストーン演じる“ジンジャー”の方がよっぽど激しく暴れまわる。実際、この二人の演技も物凄い。 しかし、やはり映画を支配しているのは、ロバート・デ・ニーロだ。 実在した天才賭博師を演じきった彼の佇まいには、長年組んできたマーティン・スコセッシに対する絶大な信頼に裏打ちされた映画俳優としての“極み”を感じた。  兎にも角にも、マーティン・スコセッシ×ロバート・デ・ニーロの未見作があることは、映画ファンとして恥ずべきことだけれど、逆に言えば、「レイジング・ブル」も「グッドフェローズ」もこれから“初見”できるわけで。 それはそれでハッピーなことだと思う。
[インターネット(字幕)] 9点(2017-06-14 08:44:08)
492.  シェルブールの雨傘
色鮮やかな色彩世界が、徐々に色を抜かれ、ついには雪と夜のモノトーンに終着する。 若者たちの、熱く燃え上がった恋はあっけなく霧散した。 彼らのことを愚かだとは思わない。ただ若かっただけ。 すっかり大人になれば、そりゃ2年なんて瞬く間に過ぎ去り、心変わりの隙なんて生まれないだろう。 けれど、すべてが初めての体験の連続である濃ゆい時間を生きる若者たちにとって、未体験の2年を推し量る術などない。 それは、時代も、国も、関係なく、普遍的な若者たちの姿だ。  全編を歌唱で綴る完全なるミュージカル構成がやはり印象的。 そして、画面を彩る色彩が、そのまま主人公たちの心模様を映し出す。 今年のアカデミー賞を席巻した「ラ・ラ・ランド」が、今作の影響を多分に受けていることは明らかだった。 映画史においての一つのエポックメイキングとなった作品であることは間違いないと思える。 大女優カトリーヌ・ドヌーヴを生み出した作品でもあることも、そのことに拍車をかけている。  時代を越えて、この映画の主人公の若者たちは、大人たちをやきもきさせてきたことだろう。 しかし、人生を「選択」することこそが、若者たちの特権だということも、大人たちは知っている。 だからこそ、限られた華やかさと美しさに彩られたこの映画を、人々は心の中で愛し続けるのだろうと思う。  結果的に、若者たちは不幸になったわけではない。むしろ逆だろう。 恋の未成就をさめざめとしたハッピーエンドとして描き出したこの恋愛映画の在り方は、公開当時、歌唱や色彩の演出以上に、センセーショナルだっただろうな、と思う。
[インターネット(字幕)] 7点(2017-05-12 23:07:09)(良:1票)
493.  沈黙の戦艦
先日気まぐれに観た2000年代の“セガール映画”があまりにも酷かったので、スティーヴン・セガールというアクションスターの“存在”を再確認しようと、彼の代名詞ともなった「沈黙シリーズ」の発端である今作を何年かぶりに観た。  スティーブン・セガールのアクション映画スターとしての地位を確立したと言える今作の最大の成功要因は、やはり主人公のキャラ設定に尽きると思う。 “コック”の主人公の素性が、実は海軍きっての最強軍人だったというアイデア一発で、このアクション映画は成り立っていると言っていい。 このキャラ設定にバッチリとハマったスティーヴン・セガールが扮したケーシー・ライバックというヒーローそのものが、この作品の娯楽性の中心である。  したがって、このアクションヒーローのファンとしては、もっと作品として数多くシリーズ化してほしかった。 「沈黙シリーズ」などという名ばかりの呼称ではなく、今作の正当な続編「暴走特急」に続く第三弾、第四弾、第五段……と様々なステージでテロ事件に巻き込まれ、当然のようにテロリストを駆逐するケーシー・ライバックの活躍を観たかったものだ。  何せ“コック”という手に職を持っているのだから、ホワイトハウス篇、日本大使館篇、エアフォースワン篇、サミット篇, etc.「職場」は次々にあった筈だ。
[インターネット(字幕)] 7点(2017-04-27 22:46:13)
494.  暴走特急
アクションスターという地位を確立し、「セガール映画」というジャンルまで作った(え、そんなの無い?)彼の功績はもっと評価されてもいいような気もする。最近アクションスターと断言できる俳優がいないだけにことさらそう思う。そんなスティーブン・セガールの最高傑作と言っても過言ではないのがこの映画である。マジでこれは面白いセガール映画だと思う。
[インターネット(字幕)] 8点(2017-04-23 19:36:35)
495.  ワイルドカード(2014)
この映画のストーリーラインが描き出したかったことは、うらぶれた人生からの脱却を実は夢見ている裏稼業の男が、不意に現れた“若者”との一夜の交流を通じて、決意と活路を見出していく物語だったのだと推察する。 なにせ、脚本は二度のアカデミー賞にも輝くウィリアム・ゴールドマンである。 きっと本来イメージしていたストーリーラインは、ラスベガスの欺瞞に満ちた輝きの中で、己の腕っ節のみで生きてきた不器用な男の哀愁と、その先に見えた真実の光だったのだろう。 そういうストーリーラインを示す描写や設定は確かに点在している。  しかし、残念ながら結果としては、この映画においてそういった芳醇なドラマ性は生まれておらず、全編通してチグハグでバランスの悪いアクション映画に終始してしまっている。  その原因が、イメージはあるものの緻密な人間描写の構築まで至ることが出来なかった老脚本家にあるのか、ドラマシーンの演出力に欠いたB級アクション映画監督にあるのか、はたまた良い意味でも悪い意味でも“筋肉バカ”である主演俳優にあるのかは定かではないが、まあ何とも残念な映画に仕上がってしまっていることは間違いない。  監督はサイモン・ウェスト。世間的にはB級アクション映画専門監督というレッテルを貼られており、その認識に間違いはないと思うけれど、個人的には1997年の「コン・エアー」以来、決して嫌いにはなれないアクション映画監督の一人である。 主演のジェイソン・ステイサムとも、「メカニック」「エクスペンタブルズ2」と、相性の良い仕事ぶりを見せてくれていただけに、今作に対してもB級アクションならではの良い意味で“雑多な娯楽性”を期待していた。 実際、アクションシーンの見応えは確かにあったと思う。 “銃”を絶対に使わないというキャラ設定を活かした主人公のアクションシーンにはキレがあり、銃を使わないからこそ生じる残虐性とそれに伴う“痛々しさ”が特徴的だったと思う。  ただし、アクションシーンに限らず総てのシーンが短絡的かつ散文的で主人公の行動原理に説得力がまるでなかった。 「主人公がどういう人間なのか」という肝心な部分が、極めて曖昧で掴みきれない。 勿論、敢えてそういう主人公造形をする作品もあるけれど、結果として本質的な魅力を欠いてしまっていることは、脚本、演出、演技の総てにおいて力量が足りていないということだろう。  詰まるところ、今作においては脚本、監督、主演俳優の“食い合わせ”が悪かったということだと思う。 全く別の座組が実現していたならば、もっと良い映画になり得た可能性はあった……かもしれない。
[インターネット(字幕)] 3点(2017-04-18 16:52:24)(良:1票)
496.  ファイト・クラブ
ブラッド・ピットの正真正銘のクセ者ぶりが素晴らしかった。並んで、精神を支配されたエドワード・ノートンの演技も抜群だったと思う。強烈な映像世界と確信犯的なストーリーが顕著な映画ではあるが、それらを裏付けしたのはさらに強烈な主演俳優二人の個性だったと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2017-04-16 11:32:18)
497.  ゴーストバスターズ2
1のノリの良さのまま作られた続編で、前作と同じようには楽しめる。が、少々遅めの二番煎じ感は否めない。
[地上波(吹替)] 5点(2017-04-08 23:12:48)
498.  沈黙のテロリスト
下げきった低いハードルの更に下をくぐらせるような映画。 アクションスターの栄枯盛衰は宿命だとは思うが、やや肥えた体ででっぷりと座するシーンばかりのスティーブン・セガールを見ていると、年老いて致し方ないこととはいえ、彼自身のアクション俳優としての意識の低さが表れているように思える。  シルベスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーら往年の大アクションスターらが、低迷期を乗り越えて、年相応の魅力を加味して復活し、今なおハリウッドでの存在感を放ち続けている様と比較すると、やっぱりスティーブン・セガールは彼らには敵わない存在だったのだなと再確認せざるを得ない。  まあ、そのセガールを差し置いて、トム・サイズモアが主人公だという時点で、どうかしている映画ではあるのだけれど。
[インターネット(字幕)] 1点(2017-04-08 22:45:37)
499.  駆込み女と駆出し男
時代に虐げられる女の苦悩と、それでも生き抜く女の強さ。みな逞しく、美しい。その様に涙が溢れる。  冒頭、各人物によるある種様式的なしゃべり言葉のせいもあり、何を言っているのかが理解し難い。 ただし、台詞の言い回しや、それに伴う人物の動きには、細心の役づくりと演出が施されていることが明らかで、この様式的な馴染み難さが、時代劇として明確に意図しているものだと分かる。 そして、正確には理解できずとも、物語の時代背景や人物の意思はきちんと伝わってきて、観る者を映画世界に没入させることに成功していると思う。  江戸時代末期、幕府公認の“縁切寺”とされた東慶寺を舞台に、女と男の悲喜劇が芳醇な人間描写によって繰り広げられる。 “縁切寺”などと言うと、いかにも時代劇的な特異な題材のようにも聞こえるけれど、いつの時代も男女間のトラブルによる苦しみと悲しみは尽きぬものであり、当然ながらそれは今この時代にもダイレクトに通じる普遍的なドラマ性を孕んでいた。  緻密な時代考証による完璧な時代劇というわけでは決してないけれど、各登場人物の心象に焦点を当てた演出とストーリーテリングは、各人物をとても活き活きと描き出し、映画全体の熱量に繋がっていたと思う。 時に舞台的なダイナミズムをも感じさせる人間描写の豊かさが見事だった。  題材が題材だけに、女優陣がみな素晴らしい。 満島ひかりの存在感はもはや言わずもがな。彼女がこの物語の中心で“生き抜いた”からこそ、映画の豊かさがぐんと上がったと思う。 またヒロイン役の戸田恵梨香の好演が、個人的に最大の嬉しい驚きだった。あまり印象強い女優ではなかったけれど、今作の彼女は非常に魅力的で、今作に相応しい“華”になっていた。 脇を固める樹木希林、キムラ緑子の安定感は流石である。 そして、彼女たちの間を飄々と立ち回り、主人公として映画を締めた大泉洋がやはり素晴らしい。彼が俳優としての地位を固めて久しいが、その勢いはまだまだ留まることを知らないようだ。どこかの映画評では、「現代のフランキー堺だ」という言葉もあったが、まさしくその通りだと思える。   いつの時代も、泣いてきたのは女。いつまでたっても無くならない女性差別や女性蔑視も含め、この物語が孕んでいる現代的な問題意識は無視できない。 しかし、だからと言ってこの映画が画一的なフェミニズムばかりを展開しているのかというと、そうではない。 そういった問題意識を内包しつつ、その上で営まれる女と男の人間関係の愛おしさを描き出していると思う。  女も男も、何かに寄り添って生きていて、何に寄り添うかは自由だ。 女が女に寄り添ったっていいし、その逆もしかり、仏様に寄り添っても、キリスト様に寄り添ったっていい。 大切なのは、誰しも一人では生きていけないということを、他の誰でもない自分自身が認めてあげることだ。 この映画の顛末が伝えることはそういうことだと思う。  だからこそこの映画は、決して完璧ではないけれど、とても「素敵」なのだと思う。
[インターネット(字幕)] 8点(2017-04-08 08:29:09)(良:1票)
500.  ゴーストバスターズ(1984)
昨年公開されたリブート版のせいか(観ていないけど)、発端となる動機が定かではないけれど、ふいにこの僕自身が3歳の時に公開された娯楽映画を観たくなり、Netflixで観た。 こういう“衝動”に対して、動画配信サービスはとても便利だ。  そして、何年かぶりに観たこの娯楽映画は、そうやって衝動的に、気楽に観るに「ちょうどいい」作品として、今に息づく作品だと思う。 10年前ならただ絶妙に古臭くて退屈な娯楽映画として思ってしまったかもしれないけれど、今となればもはや「この時代の娯楽」として古典的な価値さえ感じる。 こうやって、本当に面白くて、愛される映画は、時代を超えて、その時々で価値観を変えながらも、存在感を放ち続けていくのだろうなと思う。  若いビル・マーレイやダン・エイクロイド、シガニー・ウィーバーは当然目立つが、リック・モラニス演じる色々な意味で“ギリギリ”な会計士が堪らない。
[インターネット(邦画)] 7点(2017-03-23 23:32:18)
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