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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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541.  シャン・チー/テン・リングスの伝説 《ネタバレ》 
 主人公が魅力に欠けてしまうのよね。華がないというか同じアジア人の目から見たら冴えない普通の平凡なおっちゃんみたいというか。それはどうにもこうにも、なのだけれど、でも楽しめたわ。   ワイヤーアクションとCGを駆使した武侠映画的優美さや、ジャッキー映画みたいに高低差を立体的に活かしたアクション、ファンネルか波動拳かかめはめ波か、みたいなテンリングス、それに怪獣映画的なスペクタクル。東洋趣味ごった煮なマーベル映画と言った風情ね。『ヒックとドラゴン』な展開になってからはCG感が出過ぎてアニメーション映画っぽくなってたケド。  ベテランのトニー・レオンとミシェル・ヨーと売れっ子オークワフィナの競演もスター映画らしいワクワク感で。特にご贔屓オークワフィナは意外なくらいスクリーンに映ってる時間が長かったし、活躍してたしで嬉しかったわ。オークワフィナ、お肌つるつるでキレイ。   ただちょっと長かったかしらねぇ。もう少し削れたと思うのよね。過去の回想シーンなんか全部ご丁寧に映像化して見せてくれるけれど、それ全部語る必要ないかも、みたいな。そのせいで中盤ダレ気味になってたカンジ。  あと出てくるのが世界中に暗躍する闇組織みたいな設定だけど『ブラック・ウィドウ』も別にそういう組織が存在してたワケで、どっちもお互いの存在を認識してたのかしらねぇ? 色んな悪がいっぱいあってアベンジャーズは結構放置気味だった?   東洋的なるモノで『ドクター・ストレンジ』とのリンクを見せてくれるのだけど『ブラックパンサー』や『ミズ・マーベル』などと共にマーベル・シネマティック・ユニバースが多国籍っぷり、多様性っぷりを示してゆく、その足がかりのひとつとして、これからの展開に期待したいわね。シャン・チーおじさん(というのは可哀想?な32歳のお兄さん?)、どうも冴えないケドね。
[映画館(字幕)] 7点(2021-09-06 21:03:02)(良:1票)
542.  オールド 《ネタバレ》 
 ビーチでの混乱劇は構成や流れがあまりよろしくないように思ったわ(そこが映画の大部分を占めるのだけど)。事件が起きている中、それに気づかず過ごしている人もいて、って状況ばかりで、少ない登場人物と広いとは言えない舞台であるにも関わらず映画を動かす事象を置く事に追われて人物の配置や言動がキッチリと把握できてない、ユルい感じ。  それからラストは「シャマラン監督かくあるべし」みたいな世間の認識に対する強迫観念、プレッシャーからかしら、あまりに説明し過ぎて不粋なカンジになっちゃってて、キレイにオチてないわ。ヒッチコックみたいに自分の作品に顔を出すのが当然って状態になってるけれど、ヒッチコック作品のようなスマートなオチってワケにはいかないのね。   でもまあシャマラン監督だしねぇ。ファンならば「シャマラン監督だったらまあそれもあり」みたいなモノよ。シャマラン監督に求めてるのってそんな大層なモノじゃないでしょ? ねえ。   シャマラン監督は『シックス・センス』から一貫して見えない恐怖、見えてしまう恐怖を描いてきてるのね。  この映画の恐怖は老いの恐怖と大切な子供に対する不安や恐れ。老いて目が見えなくなる、耳が聞こえなくなる、目には見えない恐怖。皺が刻まれる、屍が朽ちてゆく、目に見える恐怖。そして大事な娘が親の知らない間に成長している恐怖、娘の妊娠の恐怖。家族のカタチが失われてゆく恐怖。  今回は時間の経過が与える身近で切実な恐怖を描いているの。それは歳を重ねたシャマラン監督自身が最近抱いている恐怖の反映みたいに思えて、映画見終って「お互い歳を取ったわねぇ」なんて思っちゃったわ。  時間ほど残酷なモノはないかもしれないわね・・・
[映画館(字幕)] 7点(2021-08-31 22:50:11)(良:1票)
543.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
 ディズニーアニメーション版『美女と野獣』をベースに細田監督の少ない引き出しを総動員して創られた名作、といった感じね(一応誉めてる)。それしかないんかい、っていう細田監督毎度の記号で埋め尽くされていて(夏空、入道雲、電脳空間、リング状データ、アバター、獣人、鯨・・・今回Y字路はあったかしら?)、でもそれを完璧とはいかないけれど感動的な物語やメッセージとして形にしてる、細田監督の集大成みたいな作品ね。あと『プロメア』少々。   ネットとリアルの対比は人間の裏表、二面性を示していて、だけどすずの周囲は優し過ぎる気もするわ。モブなヒソヒソ系女子にその役割を与えるけれど、すずとコミュニケーションのある人間は総じて善人なのよね。細田キャラの限界ってところなのかしら?   でもリアルとネットとで別の人格のようだったすずとベルとが1つになってゆく過程だとか、夢物語、創作としての『美女と野獣』ならば、その先のリアルは?という感じの展開だとか、結構のめり込んで見られたのね。  それは最初からディズニー的キャラとして創造された(そもそもキャラクターデザイナーが元ディズニーの人なのだし)ベルだからこそのアタシの好みゆえ、なのかもしれないけれど。  リアル世界のすずよりも仮想世界のベルというキャラに心惹かれていて、でも本当はアニメ映画なのだからどちらもリアルじゃないワケで、そこにリアルは無いからこそリアルについて考える事ができるとも言えて。  幾つもの入れ子細工状態が組み込まれていて、それは見ていて楽しいわ。構成力に難アリなのでバタバタしてる感は否めないのだけど。  お母さんに対するキモチなんかはちゃんと最後に繋がっていって良いのだけれど、お父さんやおばさま達はあまり上手く物語に対して機能できてなかったと思うし、ベルのクライマックスの後のすずのクライマックスは間延びしちゃってたわね。そのクセ結局兄弟をどうしたのか、身バレしたベルとすずの世界での扱いはどうなったのかはスルーしちゃってるし(そこに時間をかけたら更なる間延びになったでしょうけれど)。  あれこれと詰め込み過ぎてる感はあって、もう少し余白があっても良かったかな。   あと細田監督は女性を主役にしつつ、女は男を理解しろ、って視点が毎度見られて、今回もそこから抜け出せてはいないので、そこはアップデートして頂きたいわ。   でも今回はアニメの持つ美しさとか快感とか堪能できたので悪くないわ。良かったわ。いつもはワリと細田監督作品にキビシめなんだけど。
[映画館(邦画)] 7点(2021-07-16 22:07:18)(良:1票)
544.  劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 《ネタバレ》 
 テレビシリーズを見ているか否かで、伝わってくるものに大きな差が出てしまうのは、もう仕方のないことなのかもしれないわね。いきなり映画版から見て「意味不明」って文句タレるコトが多いアタシだけど、これはネトフリで全話見ていたのでこの映画版に期待してたし、しっかり堪能することもできたわ。  それまでに描かれたエピソードを見ていれば、ヴァイオレットの表情1つ1つにどんな背景があってその顔をしているのかが理解できて、切なかったりツラかったり。ヴァイオレットが学んできた人の心、ヴァイオレット自身の心、その流れが最後にこの映画に辿り着いて。  冒頭から『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の物語を過去の話とすることで、ここでピリオドが打たれる、って宣言しているワケで、テレビシリーズと前回の番外編的な映画を経てきていると感慨深いものがあるわ。   でも映画として不満点もないではないのよね。  140分と長尺だけど、物語的には2時間以内に収まるわよね? なんか勿体付けた演出が多くて(やたら意味ありげに尺を取ってるカットが多いわ)、テンポ悪いしダレ場もあって。これで完結、ってコトで一応レギュラーメンバー出しておかないと、って感じで必要とも思えないキャラを出して時間を浪費してるようなシーンもあるわ。会話シーンの単調さをごまかすためか、会話途中でハンパに俯瞰(キャラ2人くらいをちょっと見おろしてる)になる絵が何度か登場するけれどそのカメラポジションは無意味だし。そのハンパさはシネスコの画角を持て余しているようにも思えたわ。  それに容赦のなさで定評のある?吉田玲子脚本は今回語り過ぎ。まー、みんな心を説明するする。見せ場押す押す。  ユリスのシーンはここぞとばかりに泣かせを引っ張りまくり。  最後なんかアレ、ヴァイオレットと少佐の浜辺のシーン長過ぎじゃない? いよいよこれで終わり!ってコトで盛りまくって盛り過ぎた、みたいなカンジでクドいわ。でもほんの短い1カットだけヴァイオレットの泣き顔にあえて鼻水描いたのは良かったわ。そりゃ泳いであんだけ泣きゃ出るわよ、鼻水。   個人的にはヴァイオレットちゃんがロリコン少佐の呪縛から解放される結末を期待してたんだけどねぇ(台無しな感想)。ヴァイオレットちゃんが幸せならば、まあそれでいいんじゃない?
[映画館(邦画)] 7点(2020-09-22 22:48:09)
545.  のぼる小寺さん 《ネタバレ》 
 系列的には『横道世之介』とか『町田くんの世界』みたいな。主人公の存在が周囲に少し変化をもたらす、というお話。   小寺さんの周囲の人々は、それぞれに孤立感や孤独感、違和感を抱いて暮らしていて、でも周囲を気にせず我が道を行く小寺さんに触れることで影響されてちょっと自分を変えてゆく、それが独特のテンポで流れてゆくのね。  みんなそれぞれにあまり周囲が見えていなくて、それぞれの関係というかコミュニケーションのカタチがやたらギクシャクしていて、コミュ障のカタマリみたいな世界なのだけれども、その抜けてる感じ、真面目なようでいて、なんとなくテンポが崩れた滑稽な状態(それぞれのキャラクターだけでなく、映画全体を支配してるような)が心地良かったわ。そして、その心地良さをもたらす小寺さんの存在、工藤遥の飾り気のなさとまっすぐな視線が魅力的ね。  ちょっと伊藤健太郎の役は偏執的っていうかストーカー気質を見せてる感があったけど。女の子をあんなにひたすら凝視し続けてたらねぇ・・・  総じて男の子よりも女の子の方が魅力的に描けていたような気がするのは、吉田玲子脚本ゆえかしら?   若い頃のひととき、1つ1つがとても大切な時間なのだけれども、その大切さってその時の真っただ中ではなかなか実感できないものなのよね。それをこういう映画というカタチにして提供するのも大事なコト。それが遠い遠い昔な人間にとってはただのノスタルジーにしかならないのかもしれないケドね・・・キリンレモンでも買ってきましょうかね・・・
[映画館(邦画)] 7点(2020-08-30 19:56:26)
546.  デッド・ドント・ダイ 《ネタバレ》 
 これだけ映画の雰囲気と現実世界の空気がマッチした状態で見た映画というのも珍しく。東京アラートが発令されている中、六本木ヒルズは屋外こそそれなりの人通りがあるものの、シネコンの中は閑散としていて、この映画を上映しているキャパ520余の最大スクリーンには観客が10人ほど。ディストピア感漂よう東京で出会うゾンビ映画、その寂寥感を堪能してしまったわ。   ジャームッシュってことで、わりとオシャレ系なオフビートなカンジのゾンビものが見られるのかしら?(くらいにしかイメージできない程度にしかジャームッシュ映画見てない)と思ってたのだけど、フツーにB級ゾンビ映画で、メタとかオマージュとか映画ネタとか散りばめた中学生臭さが漂っていて、オタク感ハンパない、みたいなシロモノ。そういうところ、楽しんじゃったけどね。  ゾンビって存在にメタファー盛り込みながら結局はそれをモロに説明しちゃうあたりの真っ直ぐっぷりというか、不粋さがむしろ潔いと思ったけれど、それをアタマでは理解していても、じゃあ自分はここに描かれたゾンビ達とは違う、って言えるのか?っていうと、無理ね。つまり、そういうことでしょ?って映画。   田舎町に漂う寂れた空気に、コミュニケーションが希薄になってゆく感覚が重なって、更にそれを見ている状況が重なって、そういう映画体験もまためぐりあわせなのね、としみじみ感じたわ。もう人類は元には戻れないのかもしれない、それはリアルだものね。だから新型コロナ流行以前にこれを見ていたら、それはまた全く違った感想になったかもしれなくて。
[映画館(字幕)] 7点(2020-06-08 20:38:00)
547.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 
 うーん・・・全編1カットってウリにしない方が良かったんじゃないかしら。ついつい継ぎ目探しちゃったわよ。実際ワンカットじゃないし(1箇所暗転するところがあるのでそこで完全に途切れてるし)、上映時間=劇中の経過時間ではないので(冒頭からラストまでで1日くらい経過してるわ)シーンの連続性が維持されてる訳じゃないし。   めくるめく戦争の地獄絵巻、それは臨場感と没入感を伴ってとても生々しく伝わってきたわ。脇役的な彼が主人公にならざるを得ない状況で遭遇する様々な戦争の恐怖。突然訪れる死、無数の死体、狂騒的な混乱、人からもたらされた破壊の風景。  でも、どうしてもテクニックが先走ってる気がしちゃうのよね。これってTPSの世界なわけ。弾数が極端に少ないTPSをIMAXのでっかい画面でプレイしているような感覚。『コール・オブ・デューティー』(弾数的には『コール・オブ・ファレス』かしら)の世界で『ゼログラビティ』的な流れの繋がった映像を見てるカンジ。実写なのだから、そこにはもの凄い物量と大勢の人の手が加えられているのだけれども、CGで作ったゲームの映像と同感覚なのよね。実際CGも多用されているワケで、そこら辺はボーダレスになりつつあるというか、映画がゲームに近づいてる感じでもあって、ゲームが必死に映画に近づいてゆこうとしてきた歴史を見てきた身からすると、こういうのってちょっと複雑なキモチね。生身の人間の演技はともかく、映像表現的にはもはやゲームの方が先へ進んだのかしらねぇ、って思ってしまって。   カットを割っても臨場感や没入感が出せない訳ではないワケで、そこに固執しなくても良かったんじゃ?とは思うのだけど、それだとウリになる点がなくなっちゃうのかも、って考えるとちょっとジレンマに陥っちゃうわね。
[映画館(字幕)] 7点(2020-02-14 19:22:17)(良:2票)
548.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》 
 ツイッターで大々的に話題になっているのだけど、ネットでの大騒ぎがこの映画にとって幸福なコトだとは思えないのね。作品への感想・評価が大袈裟過ぎて、ここに登場するキャラたちが持つココロと乖離しまくっちゃってる状態じゃない。「何気ない佳作」くらいがちょうどいいポジションだとは思わない?   映画を見るに当たって身構えてしまったけれど、幼い子供向けだけにワリとシンプルね。前半、絵本の中に入ってバリエーション豊かな展開をする割にはどうにも単調で見てるのが結構キツいわ。キャラ1人1人のドラマを深読みしようと試みたけど、それぞれの成り立ちに背景はありつつも基本みんな仲良し良いコ状態なので特に深い闇を見せてくれるとかいう訳ではなくて(当たり前)。ナレーションで全部説明してくれちゃう映画だし。   後半の展開は感動的に描けていたわ。ただ、こういうほのぼのシンプルなデザインのキャラで怒涛の泣かせの展開に走る点に意外性があるわけで、その設定そのものはありがちと言えばありがちね。   ネットで取り沙汰されてる『攻殻機動隊』とか『ジョーカー』とかって、真面目に受け止めない方がいいわ。アタシ個人の印象として近かったのは『学校の怪談』シリーズね。  尺も短いし、何か凄いモノを期待して見るのは間違いかしらね。っていうか平日昼間の新宿ピカデリー、子供はちょぼちょぼ、大きいお友達で溢れかえってたわよ・・・
[映画館(邦画)] 7点(2019-11-14 19:38:24)(良:1票)
549.  ジョーカー 《ネタバレ》 
 『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』が、つまりスコセッシとデ・ニーロが存在しなければ、この映画も“決して”存在し得ない(だからこそのデ・ニーロのあの役柄なワケだし)って考えると、ちょっとひっかかってしまうのが正直なトコロね。この映画は完全オリジナルなモノとして成立してるワケじゃないのよ、アレもコレも影響受けまくっているのよ、っていうのが見えてしまうから。  でも、ダークな寓話として見応えは十分だったわ。この映画をどう見るか、どう解釈するか、それは受け手に委ねられていて、色々と考えを巡らせることができる深さを持っていて。  コレってホントにあのジョーカーのハナシ? ジョーカーって実はこの人ではない他の誰か? っていうかゴッサムシティって存在したの? この世界で本当にバットマンって生まれるの? っていうかもしかして全部作り話? っていうか映画ってそもそも全部作り話だけど・・・みたいな。これってアメコミ映画っていうよりもむしろ『バロン』や『ビッグフィッシュ』『ユージュアル・サスペクツ』に近いかしら。   そこに堕ちる瞬間、ギリギリの境界を越えるその刹那。それは今この世界を生きる人がなんとなく理解できてしまう、甘美な恐怖。アタシはそこへは行かないわ、とは断言できなくて痛いわ。
[映画館(字幕)] 7点(2019-10-25 20:53:00)
550.  トイ・ストーリー4 《ネタバレ》 
 『シュガー・ラッシュ:オンライン』のヴァネロペを批判した以上、この作品のウッディもまた批判すべきなのかもしれないわ。   これまでの『トイ・ストーリー』のルールを逸脱した今作。基本中の基本であったおもちゃの持ち主の存在の絶対性を壊して、おもちゃの自由意志で持ち主の選択、また持ち主そのものの有無の選択を可能とするというのは作品世界そのものの破壊にも繋がりかねないわけね。  その選択の肯定のために前作で尊い存在であったハズのボニーを、ウッディを必要としていない雑な性格の少女へと貶めてしまったし(アンディとは扱いが違って、ウッディがいなくなったことをフォローする描写からは目を背けているわ)、そもそも1作目で自分をヒーローだと信じて疑わなかったバズに対しておもちゃであるという現実を諭したそのウッディが、今回の選択をする資格があるのかどうか、ちょっと判らないわ。それはあくまでボニーの選択によるものじゃなくちゃいけなかったんじゃないの?って。見終ってもにょもにょするのよ。   ただ、『シュガラ:オンライン』のヴァネロペは作品自体が前作のルールを無かった事にしているのに対して、ウッディの場合はその選択の直前までは必死に彼の従来通りのアイデンティティを貫いているのね。1作目で現実を悟らせたバズからの言葉によって最後の最後で自由を選択してるの。だからここまで物語を重ねてきた上で、でももう解放されてもいいんだよ、って言われてるようにも思えるし、そしてもう少し残酷に考えれば、もうウッディの役割は終わったとも考えられて。   ここから新たな世界が開ける、のではなくてウッディの到達点というか、終着点。おもちゃの死。それを希望溢れる世界(おもちゃが到達する天国)として描いたというのであるならば、それはそれで納得できちゃうのね。  今回は子供のパーソナルなイマジネーションの世界から遊離したおもちゃの価値とは?っていうのが描かれていたわけで、ウッディとギャビーギャビーの関係を『カーズ:クロスロード』のマックイーンとラミレスの関係的に捉えると、これはウッディの黄昏の物語にも思えて、そう考えるとこれは結構切ないお話なのかしら?と。ならば評価できるのかもしれない、って。   まあ、ここから更に短編だ次回作だとダラダラと続いたとしたら、もう知らないけど。
[映画館(字幕)] 7点(2019-07-14 19:37:15)(良:4票)
551.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 《ネタバレ》 
 ベースが明らかに『三大怪獣 地球最大の決戦』と『怪獣大戦争』でチャンピオンまつり世代歓喜ワールド、だけど初代原理主義もしくはシン・ゴジラ原理主義の人には向いてなさそうよね、コレ。アタシは怪獣映画なんてテーマだのメッセージだのメタファーだのなんてさして重要じゃなくて、怪獣が出てきてドタバタ暴れてナンボだと思ってるんで、まあまあ面白かったわ。   ただ、人間側のドラマは前作に引き続き退屈。怪獣と人間のドラマは水と油、って何度も書いてきてるけれど、今回も混ぜようと無理してて、でも全然なのよね。いちいち怪獣に近づき過ぎだっての。潰されても仕方ないわよ?みたいな状態になってんの、っていうか実際にそうなっちゃうあの人はアレで良かったのかしら? それなりに名前のある役者さんのあの退場っぷり、『ディープブルー』のサミュエル思い出しちゃったわよ。   悪役の中二病全開な怪獣復活テロの理由とか、核の扱い雑過ぎで被曝しまくりでしょ!って状態とか、怪獣による被害描かれなさ過ぎとか、まあ、ツッコミどころだらけで、だけど良くも悪くもそういういい加減さもまた怪獣映画らしい、っちゃらしいのよね。   地球の守護神的な描き方は平成ガメラみたいだし、傷付いて海の底で休んでるところに潜水艇で助けに行っちゃうあたりは昭和ガメラの世界だしで、ガメラファンも満足?   でもやっぱり今の技術で巨大な怪獣がスクリーンいっぱいに暴れてる姿を見るのは気持ちいいのよね。巨大感を意識し過ぎて見辛くなっちゃってはいるのだけど(っていうか一体何が映ってるのかわかんないカットが結構あったわ)、人の力では到底太刀打ちできない畏怖すべき怪獣って存在を迫力いっぱいで見せてくれるのは単純に嬉しいわ。  モスラの美しさ、その役割なんか、よーく判っていらっしゃる、って描き方で(予告編時点ではバトラみたいになっちゃったよー、って嘆いたケド)、それぞれの怪獣のイメージをきっちり守ってみせたレジェンダリーチャンピオンまつりだったわ。  アタシ的にはもっとくだけちゃっても良かったんじゃない?とは思ったけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2019-06-03 21:19:39)
552.  アベンジャーズ/エンドゲーム 《ネタバレ》 
 まずはこれだけの巨大な映画を世に送り出した、その労力を讃えましょう。みなさん、お疲れさま。MCUを創った人々も、それを支えてきたお客さんたちも。   さて、評価はみなさんが色々お書きになられるでしょうから、アタシはごくごく個人的なグチとか戯言とか書いとくわね。ハードなネタバレ注意ね。   結局、「魔法」に対抗できるのはタイムトラベルなのね、とか、前作の生き残り組の人選理由が判った、とか(これまでご苦労様映画だわよね)、MCU全作しっかと見て記憶してないと心からは楽しめないとか(過去作の色んなシーンにリンクしまくるのよね)、次の『スパイダーマン』はクラスメイト全員揃いも揃って5年間消えてたワケ?とか、そういうの色々あるんだけど、何より思ったのは結局このシリーズ、キャップが好きなのねぇ、って。   アタシ、キャップあんまり好きじゃないのよ。正義に対してウザいくらいに真っ直ぐ真面目(堅物)で、だけどバッキーだけは例外ねー、って。何それ。主演作ですら「そうよさっさと盾返しなさいよ!」ってちっとも主役に気持ち乗せらんないキャラで。アタシ社長派だし。  で、最後に社長に花持たせるかと思いきや、あくまでキャップバンザイでしょ。あれだけのコトを経て、キャップだけどんだけハッピーエンドよ?みたいな。充実した人生送りまくりました、って、これだけシリーズ重ねて、犠牲になったのがアタシのご贔屓二人って状態で、よくもそんなラストカットで終われるわね!って。  判ってるわよ、あの6つを返しにゆく道程はそりゃあ大変な、波乱万丈の世界でしたでしょうよ。でも、そこを経た後としてもアレはズルいわ。っていうかエピローグ、バカみたいに長過ぎよ。色々泣けたけど。   まあ、もっとも扱いが悪かったのはソーだけどね。まさか、あのまんまで終わっちゃうとは思わなかったわ。クリヘム、アレで満足できたのかしら???
[映画館(字幕)] 7点(2019-04-28 21:16:21)(笑:2票)
553.  劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ 《ネタバレ》 
 アニメって基本、映画しか見ないので『ユーフォ』はこれまで総集編な1作目と『リズと青い鳥』だけ(2本目の総集編は見てないの)。でも、あとこの作品だけでも問題ナシってカンジね。  っていうか、どうも『ユーフォ』ってドロドロした人間関係がメインになってて、見ていてシンドいのよね。映画見て、じゃあテレビシリーズも、ってカンジにはならないのよね。そのドロドロを延々と見せ続けられるの?って思うと。  『リズと青い鳥』は山田尚子監督のウデでアートに昇華されてキラキラと素晴らしい作品になったけれど(最悪なドロドロ『聲の形』ですら見事にアートにしてみせたワケだし)、山田監督がワキに回ってるこの映画はワリとストレートというか通俗的というか。  山田監督だったら、って思う瞬間もあったけれど、でも、『リズと青い鳥』との棲み分け、って考えても今回はこれで正解なのかもしれないわ。  こちらは久美子という主人公を置きつつも、群像劇で俯瞰した描き方が必要なわけだし。   個人的にはみぞれと希美の、あの後の世界、コンクールでの姿を見られただけでも十分に感動したし。二人ともコンクール場面以外ではチラチラとしか映らず、セリフすら無いような状態だったけれど。でも『リズと青い鳥』(映画)ではごく断片でしかなかった『リズと青い鳥』(曲)をクライマックスでたっぷりと聴かせてくれて、ひとつの完成形を見せてくれたワケで。   でも、この作品こそが『響け!ユーフォニアム』という作品世界の集大成にして到達点・・・というわけでもなくて、そして未来に続く、って状態に、もうちょっと見せてくれない?って思ったりもするのだけど、それは贅沢なハナシなんでしょうねぇ。フィナーレって謳ってるしねー。  っていうか、未映像化な原作が存在してる『けいおん!』の三期すら作ってくんないしねー(『けいおん!』と『ガルパン』は映画から入ってブルーレイ買ってまでテレビシリーズ全部見た数少ないアニメね)。
[映画館(邦画)] 7点(2019-04-28 19:26:26)
554.  ダンボ(2019) 《ネタバレ》 
オリジナル版を元にティム・バートン監督のカラーで思いきり膨らませたカンジ。   実写化されてしわしわリアルな感じのダンボってどうなの?って思ってたけど、やっぱり可愛くて健気で泣けて。ダンボが映るたびに泣けちゃうの。   それに、ティム・バートン監督の作品の常連が多く登場していて、バットマンとペンギンが揃ってるってワクワクしたりして。エヴァ・グリーンは相変わらず綺麗だし。  ヘレナ・ボナム=カーターが出ていないのは残念ね。   ただ、物語の主旋律が動物側ではなくて人間側に移ったこと(オリジナル版と違って動物はあくまでリアルな存在で一切会話しなくなったわ)、物語を現代的に発展させたために結果としてオリジナル版の否定みたいな面が出てしまったことには、ちょっと複雑なキモチ。  「象にとっての幸せはショウビズ界で成功を収めるコトじゃないでしょ?」って、78年の時を経て、価値観も大きく変化してるから、それは当然な流れなのかもしれないけど、でもディズニー作品は他のどの映画にも増して普遍性を持っているだけに、自社の過去作を簡単に更新しちゃうのって、どうなのよ?と思っちゃった。  それは『マレフィセント』や『シュガー・ラッシュ:オンライン』でも思ったことで。トシのせいか、『シンデレラ』『美女と野獣』『メリー・ポピンズ リターンズ』路線の方が好ましく感じるわね。   オリジナル版のファンに対するサービスというか配慮は散りばめてあるけど、ちょっとあからさまだったりわざとらしかったり。  コウノトリが赤ちゃんを運んできます、ってのはナシだけど一応コウノトリ出しときますね、とか、象とはいえ子供の飲酒シーンなんてもってのほかだけど、ピンクの象はアトラクションとして入れときますね、とか。ネズミの衣装を脱がせて逃がすあたりはオリジナル版完全否定ね。   ディズニー作品だし、ディズニー出身のティム・バートン監督だから、そんなつもりは毛頭ないハズなのだけど、なんとなくディズニーという企業に対する自虐的な面も感じちゃったりして(それはディズニーリゾート批判か?みたいな)、コレは一筋縄ではいかない映画ですよ、って感じたわ。   それにオリジナル版の、その先を描くことで現代的に発展させたとは言っても、結局『E.T.』フォーマットの作品なのよねー。『バンブルビー』といい、また『E.T.』フォーマットが流行りだしたのかしらねぇ?   何はともあれ、『ダンボ』とティム・バートン監督のハーモニーの妙味を味わってこそ吉、といったところかしらね。バートン監督のフェティッシュなカラーは抑え気味だけど。
[映画館(字幕)] 7点(2019-04-02 23:07:57)
555.  レゴ(R) ムービー2 《ネタバレ》 
 今回の続編、完全に前作から物語が繋がっていて、それが長所にも短所にもなっているのね。   前作でおなじみのキャラクター達が再び活躍する姿は単純にワクワクしちゃうし、テーマは更に推し進められて深化しているように思うわ。   でも、前作の時点で作品世界の成り立ち、関係性の法則は明らかになっているので、それが前提となっている状態では最初から限界が見えていて、だから作品の広がりや物語の飛躍が前作に比べて薄くなっている印象。  前作のクライマックスでのサプライズから作られている以上、手の内は最初から明かされているワケで、そこから無茶はできないものねぇ。   実写パートの少年に妹ができて、彼女の存在がレゴの世界に影響を与えることになる、前作ラストで暗示されたソレが今回メインになってるわけで、少年の世界と妹の世界を映した話です、っていうのは、もう見てる側も判っちゃってるワケでしょ(実際に今回は最初から実写パートを登場させてるし)、大人しくならざるを得ない部分っていうのが見えちゃってるワケ。   そして兄側と妹側という二つの拠点で構造的に限定された範囲とキャラクターでの展開になって以降、単調でダレ気味になってしまうのよね。前作の、舞台と登場するキャラクターがどんどん広がってゆくカタチとは違って。そこが今回はキビシかったわ。  ちょっと思い出したのは『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』と続編の『リミックス』の関係とか、『くもりときどきミートボール』と続編『フードアニマル誕生の秘密』の関係とか。  っていうか、メインスタッフが『くもりときどきミートボール』と同じ人達ね。コレ、『フードアニマル~』の焼き直しみたいになっちゃってるわ。前作のラストシーンから始まって、主人公に影響を与える人物が出てきて、主人公はその人物と行動を共にし、仲間は別行動。『GOTG:リミックス』も物語はそんなでしょ?   クライマックスの展開は前作同様に感動的だし、その発展的テーマはとても納得のできる、いいコト言ってる状態(映画のハチャメチャな内容に比べてテーマはとても優等生的って点でも前作同様なんだけど)。  でも、もうちょっとネタ盛り沢山な展開が良かったかな。この映画の魅力の半分はパロディやバカげたネタにあるワケで、そこが前作に比べると不発気味だった気がするの。   次があるのならば(今回、本国ではコケちゃったらしいけれど)、全く違ったアプローチの作品を期待するわ。
[映画館(吹替)] 7点(2019-04-02 20:27:24)
556.  あの日のオルガン 《ネタバレ》 
 保母さんと未就学児童の視点から戦争を描いた映画ね。  戦時下、日本への空襲が熾烈になる中、まだ学校へ行っていない子供たちを東京から埼玉へ疎開させた人びと(シリアスな『翔んで埼玉』とか言っちゃダメ)の物語で、実話が元になってるのね。   メインになっているのは人にも自分にも常に厳しい姿勢の戸田恵梨香と、未熟で子供と同次元で生きてるような大原櫻子。  そして子供たちの面倒を見る保母さんたち、子供を預ける親たち。   それぞれの、子供を大切にしようとする姿勢と、それを妨げるように起こる様々な問題がドラマを生むのね。  映画は前半が大原櫻子、後半は戸田惠梨香が主役のような感じで、背景にある戦況の推移に伴って厳しさを増してゆく中で見応えのある演技で魅せてくれるの。大原櫻子の可愛らしい存在感が辛さの中の輝きって感じで魅力いっぱいね。  田中直樹の独特なテンポの中で生きてるカンジの存在感も良かったわ。彼の生死も含めて、結構多くのエピソードが投げっぱなしになった感もあるけど。   この映画、終戦後からいっぱい作られてきたタイプの、ありがちな感じのやつ。戦争があって、日本では多くの犠牲が出て悲しい悲しい、って。そういう意味ではちっとも進歩してないわ。平成も終わりだっていうのに思いっきり昭和よ。   だけど今またこういう映画が必要になっているような情勢になってしまって。いつのまにか、戦争はダメ!って当たり前のことを声高に叫ばなくちゃいけない世界になっていて。  国と国、民族と民族、宗教と宗教、人と人とを隔てて対立するのが当たり前になってしまった世界で、こういう映画が否定され、封じられていかないように、取り違えられた「表現の自由」が大きな声でがなり立てて、本来の「表現の自由」を封殺してしまわないように、気をつけなければいけないわ。
[映画館(邦画)] 7点(2019-03-05 20:36:23)(良:1票)
557.  ニセコイ 《ネタバレ》 
 最近TOHO系を避けて松竹系によく行くようになったんで、特報とか予告編とか見せられまくった気がするのよね、この映画。そのたびに、きっとバカバカしい映画なんだろうなぁ、って。   いやもうこんな映画に感動させられたり泣かされたりするのってなんか負けた感じがしちゃって。チョロい、チョロいよ、アタシ、みたいな。   予告編から受けるイメージ通り、あるいはそれよりヒドいギャグタッチのおバカ映画なんだけど、丁寧に作られてるのよね。カメラとか照明とか、ちゃんとしてるの。おバカだからって、決してバカにしてない、手を抜いてない作り。  ニセモノの恋愛の中に本当の愛を見つける内容に符号するように、ニセモノで飾られた映画の中に本気を見せて貰った感じがして。   あり得ない設定やキャラばかりで組み立てられているけれど、そのあり得なさの中にいっぱいのキモチが織り込まれていて、そのキモチに引っ張られちゃうのよね。   ヒロインの強さっぷりと弱さっぷりがとても魅力的で、なんかキモチがシンクロ状態で、友達ノートと『ロミオとジュリエット』とラストで3回泣けたわ。4回泣けますって言いながら1回も泣けなかった映画と対象的ね。おいおい、こんな映画で泣くか~みたいな。  それにクラスメイトのコ達もいいコなのよね。登場人物が多いので、中途半端な、もう少し描いて欲しいな、ってキャラもいたけど、それだとテンポ悪くなりそうだし。それでなくてもちょっとクライマックスのテンポが悪かった気もしたし。   決して素晴らしい名画とか言うことは出来ない、マンガ原作の日本らしいおバカ映画だけど、こういうのもアリですなぁ、としみじみ。この映画でしみじみっていうのもヘンだけど。   そうそう、余談だけど『ニセコイ』のパンフレット、表紙と裏表紙とでデザインが対になってて、中も半分に分かれていて、表紙側から半分は縦書き、裏表紙側から半分は横書きって凝った作りになってるわ。
[映画館(邦画)] 7点(2019-03-05 20:16:26)(良:1票)
558.  グリーンブック 《ネタバレ》 
 これがアカデミー作品賞?っていうのが見終わった後の正直な感想ね。  でも、それは別にネガティブなものではなくて、単純に、こんなに判りやすい、ストレートな内容のものが?という意味で。   映画は面白く見られたわ。  黒人差別問題を描いてはいるけど、そこを殊更に強調するのではなくて、雇い主と雇われ運転手のロードムービー、バディムービーとして単純に面白い、という作り。  それぞれが影響を受けて変わってゆく、それは王道って言えるわね。   難しいところは何もなくて、ただ差別の問題はしっかり考えさせるような作りで。唯一、ハッキリとは語らずちょっとボヤかしてあるエピソードがYMCAのところだけど、あのビレッジピープルの歌、西城秀樹がカヴァーしたあの曲の意味も含めて、そのあたりの知識があれば、ああ、って理解できる部分ね。   差別が当たり前、差別は文化として存在している、その異常さを、でもそれを日常生活の中で受け入れてしまっているんじゃないですか?って現実があって。  ただ、そういう感覚は『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でも描かれていたわけで、この作品がこれまでと違う、特段のものを持っているというカンジはしないのよね。   アカデミー作品賞はその背景に、政治的な意識も働いているのかな?と思ったりもして。  トランプ政権下では、この映画で描かれたことは決して過去のものではなく、今も存在している、むしろまた逆行しているようにも思えるわけで、アンチテーゼ、抑止力としての作品賞?とも思えて。アカデミー賞って多分に時代の影響ってあるわよね。   ファレリー兄弟作品(今回はピーター1人での監督だけど)はバカ映画が多いんだけど、そこにマイノリティ賛歌が織り込まれていたりするわよね。  でも、毎回それが白人、マジョリティ、健常者としての立場からの上から目線的なモノを感じてしまって、必ずしも手放しに受け入れられなかったりして。  そして今回の作品にも少しそういうニオイが無いこともないかな・・・みたいなカンジがしてしまったのも事実で。  ただ、じゃあ差別される側のみで閉塞された状態で創造されたモノならばいいのか?というとそれも違うと思うし、やっぱり色々作られてこそなのよね。   劇中、ヴィゴ・モーテンセンがいっぱい色々食べるので、映画見ていてお腹鳴っちゃって恥ずかしくて仕方ないったらありゃしない。ギュルギュルすっごい音させてんの。
[映画館(字幕)] 7点(2019-03-05 20:02:05)(笑:2票)
559.  アリータ:バトル・エンジェル 《ネタバレ》 
 設定とか物語とかはともかく、アリータが徹底的にかわいい!、それだけで満足ね。   予告編だけ見るとデカ目アプリの画像みたい・・・なアリータだけど、実際の映画では大変に可愛らしくて。リアルなんだけどリアル過ぎない、なんとなくマンガな感覚を残してあります、ってカンジで。ちゃんと女の子っぽい仕草とか動きとかするし。実写人物との画的な融合がイマイチなんだけど、でも、そういう違和感も含めてコレが正解な在り方なんじゃないかな。命を与えられたCG、だものね。  ロボッ娘好きなアタシのツボをしっかと捉えたキャラなのね。正確にはロボットじゃなくて草薙素子と同様のサイボーグだけど。   話はかなり前のマンガが原作なせいもあってめちゃくちゃありがち、上が天国、下は地獄、なんて。  脚本はいっぱい詰め込み過ぎちゃってて、ダイジェストみたいで、見せ場の連続過ぎちゃってて、逆に一本調子な印象だったりして。未消化過ぎじゃあありませんか?みたいな状態だし。  大体、この設定だったら当然主軸は上を目指してゆく物語になると思うじゃん。だけど最後まで上は目指さないのよ。その役割はお兄ちゃんの方で、でもその志向についてはあくまで否定的スタンスで。   映像は色々凄かったりして、だけど未来のディストピアものって大体似たようなイメージよね、って思ったりもして。スラム街が『レディ・プレイヤー1』で見た風景に大変よく似ておりますわね、みたいな。ゲームの内容はほぼローラーボールだし。   でも、ロバート・ロドリゲス監督らしい激しいアクションの連続で、IMAXの大画面いっぱいにアリータがカッコいいアクションを繰り広げまくるので、彼女のヴィジュアルを堪能するには最高な映画ね。  設定とか物語とかはともかく。
[映画館(字幕)] 7点(2019-03-05 19:45:06)
560.  翔んで埼玉 《ネタバレ》 
 ジャパンプレミアにて鑑賞。   埼玉県をdisるネタ映画、バカ映画。そういうイメージが先行してるし、実際そういうカオを持って作られてはいるんだけど、でも、意外にもちゃんとした映画なのね。映画として物語にしろテーマにしろ演技にしろ真面目にしっかりと作ってありますよ、という状態。なのでこちらも妙に真剣に見てしまったわ。   設定はもちろん、今のこの世界を舞台にしてるワケじゃなくて、フィクション、作り物、嘘で固めた世界なのだけれど、埼玉を始め、東京、神奈川、千葉、茨城の現実の地域性を反映しているのね(群馬だけは別)。なのでそこで判る判るって笑える、のは関東の人限定かなぁ。県単位だけではなくて、市町村単位でのネタが仕込まれているので、その違いが関東圏以外の人はあんまり判んないと思うのね。へえ、そういうモノなのね、って笑うコトはできるでしょうけど。   でも、それを大きな欠点、ハンデにしていない作りで。  (本来の意味での)コスチューム・プレイ映画だけれども、その意匠が見事に映画の世界観を表わしていて。二階堂ふみの優雅で華奢なシルエットも、GACKTの耽美っぷりも、伊勢谷友介のクサいまでのクールさも、徹底的に大真面目にやっているので、笑えるけれども同時に魅せられて。それはヅカの世界に似て、実際に冒頭の学園部分なんか、明らかに宝塚歌劇団と宝塚音楽学校をリスペクト(ってゆーかパロディ)してて。アタシはコレ、ヅカで見たいとか思っちゃったわよ。あの役は何組の誰で、みたいに空想したりして。二階堂ふみはまるで月組『All for One』で愛希れいかが演じたルイ14世みたいだったし。  GACKTなんか、ずーっと出てて、ずーっと演技してて、ああ、ここまでできる人なんだ、って感心しちゃったわ。   それぞれの濃いキャラが織り成す一大絵巻って風情で、一部画的にチープだったり、ユルかったりする部分がない事もないけど(ハンパに物語から消えて行方不明なキャラいっぱいだし)、でもよくぞここまでやった、って褒めたい映画ね。公開の折にはツッコミどころ満載っぷりまで含めて存分に楽しんで欲しいわ。
[試写会(邦画)] 7点(2019-02-07 20:21:47)(笑:1票)
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