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ボビーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1016
性別 男性
ホームページ http://blog.livedoor.jp/gepper26/
年齢 37歳
自己紹介 いつまでもこどもでいたいから映画は感情で観る。その一方で、もうこどもではいられないから観終わったら映画を考える。その二分化された人間らしさがちゃんと伝わってくる映画が好き。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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41.  X-MEN:ファイナル ディシジョン
どちらかを選べば、必ずどちらかを失う。どこにでも存在するテーマと内容でした。その力もあってか、とても面白いと感じました。キャラクターや時代設定などに共感がない分、そのリアルなテーマが深く心に残りました。キャラクターの個性豊かな点は、作品を重ねるごとにどんどん魅力的になっていくのを感じました。例えば、一作目から少しずつ登場していた壁をすり抜けることの出来る少女が今回の作品では、節々で良い活躍をしていましたし、触れることの出来ない少女の決断や、氷を操れる少年VS炎を操れる少年の、善悪対決も一作目からの積み重ねで成長を描き、また面白味に深みを出していたように思います。何を選ぶかは人それぞれではあるが、間違った事や犯してはならないことなどは目に見えている。でも、しなければならないという辛い決断も時にはある。そういった繰り返しの中で人は成長し、生きていく。一見、ミュータントの能力ばかりに目がとらわれがちではあるけれど、根本的なテーマにある人間本来のリアルな決断に共感しつつ、考えるきっかけを与えてくれたことに感謝したいです。エンターテイメント性、訴えるメッセージ、両方が共に高い完成度を誇っていたように思います。
[映画館(字幕)] 9点(2006-09-12 20:03:38)(良:3票)
42.  運命じゃない人
日本版『パルプ・フィクション』+『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と言ったら大袈裟です。でも、そんな感じです。時間軸を行ったり来たりしながら、四人の登場人物に視点を置いて物語が語られて行きます。ストーリー自体は複雑ではないのに脚本がとても巧妙に作られていて、お馬鹿なぼくにもとても簡単に理解し楽しむ事ができました。登場人物たちがみんな揃いも揃って不器用で冴えない奴らばかりで、みんなすごくちっぽけな人間に見えます。でもそれがなんとも言えない爽快感だとか小さな感動を与えてくれます。また、登場人物たちにはそれぞれの目的があり、その目的を果たすためみんな必至になって悪戦苦闘しますが、やはりみなさん不器用なのでことごとく空回りします。おバカさんの為の上質おバカムービー。
[DVD(邦画)] 9点(2006-08-25 19:54:52)
43.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
作品の中で非現実的なタイムリープをやりたい放題行っているのに、目が向くのは、現実的な三人の行くへだけ。聞きたいくない事、やりたくない事、やられたくない事、やってしまった事。主人公の少女は自分の想い通りにしたいが為にタイムリープを繰り返し、ミスをやり直すためにタイムリープをし続けた。その結果、彼女は取り返しの付かないミスをする(ここでの葛藤は、観ているこっちまで苦しくなる)。無邪気に使っていた事を後悔し、やり直す事のできない現実に涙を流す。そして、彼女が最後にしたタイムリープは、自分の為じゃなく、大切な人の為。そして未来の自分の為。彼女は少女から大人になる為に、進むべき目標を見つけた。あぁ、この映画はなんて素晴らしいのだろう。今を楽しむという、青春の原点を思い出させ、そして見せ付けてくれる。あぁ、素晴らしい!あぁ、高校生に戻りてぇー!
[映画館(邦画)] 9点(2006-08-23 21:33:28)(良:2票)
44.  タイヨウのうた 《ネタバレ》 
YUIの演技は良かったと思う。初めてであれだけ出来れば十分。初々しい演技と、弱弱しい台詞の喋り方にはとても好感を持てた。YUIが歌うシーンに随分と長い尺を取っていたのも、あれはあれでいいと思う。主人公の少女の弱々しさとは反対に、歌っているときの力強さが、命がけで力いっぱい歌っているようなに見えて、夏の蝉のような儚さと青春の清々しい感動を覚えた。主人公の少女と恋をする青年役の演技も、その年齢の男の子の真っ直ぐで純粋な心をしっかりと捉えた演技をしていたと思う。病に苦しむ主人公の話は結論的に死に行き着くのは当然の結末ではあるが、そこで主人公を取り囲む残された人々がどういった反応、対応を示すかが観る者の心を引く。この作品の良い所は、人生の中で、最初で最後に人を愛すことの喜びと幸せを知り、そこから多くのことを知り、人と触れ合い世界を広げて、そして去っていったという、一見ありきたりではあるが、その中に込められた彼女の喜び、幸せがYUIの歌う曲を通して強く感じることが出来た。主人公がCDの中に吹き込んだ歌声を、彼女の家族と彼女が愛した青年、親友の少女だけでなく、ラジオを通して多くの人の心に届いたという終わりはとても良かったような気がする。彼女がこの世を去ったことで、涙を流すシーンを入れるよりも遥に、爽やかな笑顔と共に終わっていた事が何よりうれしかった。そして、この作品によってYUIの横顔の美しさ、演技中の愛くるしさなど様々な面でYUIという人間が好きになりました。素敵な映画だったと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2006-06-30 02:01:20)(良:3票)
45.  ビフォア・サンセット
『恋人までの距離≪ディスタンス≫』の良さを落とすことなく、いや、むしろ、『恋人までの距離≪ディスタンス≫』の良さをより引き立てるような役目を果たしていた。常に会話の一部として出てくるのが、9年前のあの日の出来事とそれからの日々のこと。それはもう、『恋人までの距離≪ディスタンス≫』を観た後、感動した人ならきっと一度はこの二人はこの後どうなってしまうのだろう?と考えた筈。その想像でしかなかった部分を見せてくれた。しかもそれが前作の良さ、良かった所を一切汚すことなく、見たいと強く願っていたその部分を見せてくれた。見れたその部分も、ロマンチックではあるが、ひじょうに現実的で、切なく、でも、淡く美しい。二人の間にははっきりとした愛があった。それだけで僕にとっては十分すぎた。
[DVD(字幕)] 9点(2006-06-25 03:05:45)
46.  火火(ひび)
高橋伴明監督に直接質問することが出来た。「タイトルの火火というのは、どういう理由があったんですか?」すると判明監督は「田中さんが付けたんだよ。火と火でよろしくって」そんな単純な会話にも満たない言葉だったが交わすことができた。実際に監督直々に映画の説明をしていた。白血病のリアルな映写の時、窪塚君は直々にリアルな演技を進んでしたとか、本当に様々な裏話から、特に感じ取って欲しい部分だとか、丁寧に語られた。親子の深い絆、信頼、愛情。どこにでもありそうだけど、どこにもない、本物の親子。どこまでやれるか、どこまで尽くせるか。胸が痛くて仕方なかった。残そうと思えば永遠に残すことが出来る焼き物の美しさとは違い、人間はいつか必ず灰になる。でもそのとき、誰にどういう形で愛され、また愛し、そのときを迎えるか。どんなに辛くともそこに温もりがあるのなら幸せなのかも知れない。この映画から伝わってくる最も大きく、美しいメッセージは、「ありがとう」だと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2006-06-19 00:45:12)(良:1票)
47.  クリスマス・クリスマス
この映画は、ものすごくピュアで暖かいハートの感じられる、とっても純粋なファンタジー映画。ストーリーはとにかく馬鹿馬鹿しい。馬鹿みたいな役者によって、馬鹿みたいな登場人物たちが馬鹿みたいに暴れ周り、スクリーンの中で楽しそうにはしゃいでいる。でもその馬鹿馬鹿しさは純粋さの象徴であり、気付いたら馬鹿みたいな彼らと一緒に馬鹿みたいに笑っていた。夢や希望の薄れてしまったこの世の中で、ファンタジーを信じることで、荒んだ世の中も信じたくなる。まだこの世界も捨てたもんじゃないなって思えてくる。口に鳥の糞がついたら、舐めればいいじゃん。手のひらから髪の毛みたいな毛が生えてきたら、チアリーダーになればいいじゃん。雪が降らないなら、心を込めて捏造しちゃえばいいじゃん。高層ビルにいまひとつインパクトがないなら、眉毛を書いちゃえばいいじゃん。幸せが来ないなら、眉間のシワをなくせばいいじゃん。どんなに不幸でつまらないことも、ポジティブに考えてみたら幸せで楽しいことで溢れてくる。映画って、やっぱりこういうことを教えてくれるから大好きだ。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 23:02:42)
48.  カナリア
現実は常に目の前にある。しかしそれに目を向けようとせず、自分たちの住みやすい架空の世界を作り上げた大人たちがいた。それに一度すがりついた大人(人間)はなかなかそこから抜け出すことができない。目を向けようとしない大人によって勝手に連れ込まれた世界に依存してしまった一人の少年は、現実への戻り方を完全に見失っていた。そんな少年の前に現れた現実世界の一人の少女。二人は一つの目的のために歩き始めた。そんな現実の世界を歩く二人の姿と行動に、現代社会への痛烈な批判を見て取ることができた。一人で生きていくことのできない二人の子どもが、大人と同じレベルで現実に立ち向かい、生きていくことの難しさや生きることの重みを訴えていた。そして二人は最後に現実の中の現実にぶつかり、答えを見つけ出した。大人でもそうそう出すことの出来ない答えを見つけた。二人は現実から目をそらさず、「生きる」と言った。今まで観てきたどんな映画よりも「生きる」ことの重みを感じた。重い内容の作品だったのに、見終わった後の爽快感があまりにも清清しく、全体の印象をとても綺麗にした。この映画を社会的に子どもと呼ばれる間に観ることが出来てよかった。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 22:56:54)
49.  村の写真集 《ネタバレ》 
まず、人の代わっていく姿というのは本当に観ていて気持ちが良い。というより嬉しい。 それがたとえ映画の中の架空の登場人物であっても嬉しい。頑固な父の変わっていく姿、反発する息子の変わっていく姿。まさに典型的だ。二人の間には父と子という姿はあるのだが、二人の間には目にも見えるほどの大きな隙間と距離があった。しかしその距離が徐々に縮まっていく中のたくさんのドラマは本当に美しい。誰かが死んだわけでもなく、これといった大きな感動があるわけでもない。それなのにぼくは涙を止めることができなくなるほどの美しさを見た。冬の一歩手前ののどかな風景と、父と息子の寄り添い合って歩く姿が、今の現代には欠けてしまった何かがゆっくりと丁寧に描かれていて、ぼくは自分でも理解できないほど何度も何度も泣いた。もしかすると、今まで観てきた映画の中で一番涙を流し続けた作品かもしれない。涙の量なんて一回一回測ってないないからわかる筈もないのだけれど、そんな気がした。親と子の切っても切り離せない心の繋がりを教えてくれる素晴らしい映画。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 22:53:54)(良:1票)
50.  コーチ・カーター
まず、この映画に登場する選手たちのプレイが本当にクールでカッコイイ。会場の臨場感や興奮感がNBAの試合を見ているような感覚にさせてくれる。それほどこの映画に登場する人たちのバスケのスキルが高い。今までにも多くのバスケの映画を見てきたけれど、この映画ほどバスケの素晴らしいプレイを見せてくれた作品は他にはなかった。役者が形だけのバスケをするのでは絶対に伝わることのない興奮を、この映画はぼくに与えてくれた。またこの映画の見所は彼らのプレイだけでは語れない。やはりストーリーがある程度分厚く、“バスケットボールをする”という条件に適した基盤となる内容がしっかりとしていなければならない。その点、この作品は他に類を見ないほど素晴らしい。弱小チームが強くなっていく、という一種のスタンダードな内容は、有り触れてはいるけれど、観ている側に最も強い興奮と感動、そして共感を与えられる内容は、これが群を抜いていると思う。主人公であるカーターコーチはサミュエル・L・ジャクソンが演じている。頑固だが信念を貫き通し、教えるプレイヤー達を強くさせようと心から思い、願っている。荒れた街の弱小チームはそんなコーチを易々とは受け入れない。街中では、麻薬の売買が当たり前のように行われ、その街の高校生の三人に一人は刑務所に入る。そんな街をも変えようとするコーチは、プレイヤー達にバスケを通して、ルールを守ることの大切さや、自分の将来の輝きは必ず掴めるのだという希望を徹底的に教え込んだ。毎日のように街中で一日に数人の命が銃で奪われる。そんな真っ暗な未来から救いあげ、命と人生の輝ける未来の素晴らしさを教えた。この映画はバスケのかっこよさを全面に押し出しながら、生きること大切さや素晴らしさを教えてくれる最高の映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 22:49:02)(良:1票)
51.  キング・コング(2005)
1933年のオリジナルにとても忠実に描かれていてとてもよかったです。ジャングルでの恐竜や巨大な虫、ブロードウェイの街を暴れまくる姿やエンパイヤステイトビルによじ登る姿、どれも忠実でオリジナルで興奮した僕の心としてはとても嬉しかったです。オリジナルの良さをそのままに、現代のVFXを駆使し、リアルに再現する。どれも観てみたいと思っていたものばかりでした。ピーターのオリジナルへの愛情や尊敬を見て取ることが出来ました。全てがリアルで、キングコングのサイズを等身大で感じることが出来たのもとても大きかったです。キングコングの感情やアンの想いをストレートに表現し、キングコングにさえも感情移入してしまいました。映像の素晴らしさだけでなく、ストーリーの面でもとてもリアルで、世界恐慌の時代の映写までもリアルで、とにかくリアリティーを追求したのが素晴らしかったです。本当にピーターのリアルを追求し、求める姿勢に心を強く打たれました。そして、ラストでキングコングが胸に手を当てた姿には、思わず込み上げてくるものありました。個人的にはオリジナルと同じくらいの評価と点をつけたいと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-25 23:39:37)(良:1票)
52.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版
人は何かを失うことでしか次の何かを得ることが出来ない。両手をどんなにめい一杯に広げても、その掌の上に乗るものの量や大きさは決まっていて、欲張って乗せたりすると当たり前のように脇から零れていく。人生は何かを捨て、何かを選び、また何を諦めながら続いていく。本当に大切なことなんてわからない。一年後に何が残っているかもわからない。だけど人は後戻りのできない一瞬一瞬の繰り返しの中で生きている。そんなの当たり前でわかりきっていることだけど、でもそれでも人はいつも過去を振り返り、「あの時はこうしていればよかった」とか「あの時、なぜいってやれなかったんだろう」とか悔みながら生きている。過去に戻りたいと誰もが願い、誰もが頭の中では過去に戻っているだろう。この映画はそんな誰もが戻りたいと思った過去に日記を読むだけで戻れるという一人の青年の話。羨ましいと思って観ていたけど、終わってみると羨ましいなんて感情はどこかへ消えていた。“切ない”この感情は色んな映画で感じてきたけど、この映画ほど衝撃的な切なさは今まで感じたことがない。心の深いところに直接染みこんで来る切なさは、体全体に広がった。痛み、涙、張り裂けそうな想い。エンディングで流れるoasisの『Stop Crying Your Heart Out』がぼくの涙の蛇口を開けっ放しにした。『Stop Crying Your Heart Out』を引き立てるためにこの映画があるような気がするし、この映画を引き立てるために『Stop Crying Your Heart Out』が存在するような気もした。何から何まで切ない色で染められたこの映画は、ぼくの心に深く深く残った。。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-10 23:59:44)(良:1票)
53.  犬猫
平凡な映像、平凡な脚本、平凡な登場人物。どこにでもいそうで、どこにでもありそうな生活。平凡を辞書で引くと“特別すぐれた所や変わった点が無い様子”とあった。この映画はまさに平凡だ。ありふれた生活と風景、それと人生があった。美人は三日で飽きると言うが、この映画はいつまでだって観続けられそうだ。美人ではないが、美人よりも輝いていて、愛しい。静けさや静寂や無言の中だけに生まれる不思議な心地好さ。最高に共感できる瞬間。この映画の中にはそれらがたくさん散りばめられ、本当にいつまでも眺めていたかった。本当にいつまでだって観ていられそう。この映画はまさに日本映画だ。日本にしかない日本だけの日本人の為の映画。僕はこの映画の静けさの中にいつまでも埋もれていたい。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-19 14:30:07)(良:1票)
54.  ALWAYS 三丁目の夕日
“戦争”という痛みと悲しみの時代を生きた人々は、戦争を終え、心に夢や希望を抱いていた。現代のように便利な物は何も無いけど、その分、心にはいつだって優しさや温もりがあった。東京タワーの足元に広がる小さな街の隅っこでは、そこに暮らす全ての人々が家族のように身を寄せ合って、助け合って生きていた。幸せや喜びを共有し、日々の暮らしの中に何気なく転がるそれらを、いつも笑顔で噛み締め合っていた。何も無いからこそ人々は前向きに生き、瞳をキラキラさせ、助け合っていた。この映画の中の時代は、本当にそんな時代だった。タバコ屋のおばちゃんも家族を失ったアクマ(タクマ)先生も、いつもタバコ屋のおばちゃんにこけさせられていた何屋かわからないおじさんも、みんな輝いていた。この頃の日本は、きっと世界一輝いていたのだろう。みんな一生懸命生活が豊かになるように努力して、東京タワーやテレビや車を作っていた。だけど、人々はたくさんの物を豊かにしていく中で、いくつもの物や人の心を見落とし、捨て去ってしまった。ゴミ捨て場に置かれたドアの開いた冷蔵庫。氷を使って冷やした冷蔵庫。そして必要のなくなった氷と氷屋のおじさん。今に至るまでに日本は、そして世界はどれだけの心を見落とし、そして捨ててきたのだろう。物が豊かになればなるほど、なくしてしまう心の豊かさ。あの頃は世界一だった東京タワーは、今は世界で何番目なのだろう。誰も気にしない。意味の無いことなのだろうか。あの頃と変わらない高さで、変わり行く時代に取り残された東京タワー。時代の流れや文化の変化は誰にも止められないけど、なくしてはいけないという心さえあれば消えはしない。それが思いやりの心や感謝の心、そして愛するという心。エンディングでも流れていたけど愛は変わらないのだ。そして変えてはいけないのだ。この映画には今の日本には無いものがたくさんある。たくさんあり過ぎてここでは伝えきれない。やっぱり本当に大切なのは心の豊かさなんだ。この映画は心を温もりと優しさで一杯にしてくれる。止めどなく流れる涙の暖かさがそれを教えてくれた。夕日は明日も明後日も50年後も、きっと空と街を今日と変わらずオレンジ色に染めてくれるだろう。僕もいつまでも、いつも変わらない夕日のように輝いていたい。
[映画館(字幕)] 9点(2005-11-05 19:16:54)(良:2票)
55.  パッチギ!
この映画のレビューを書こうとすると、自分でも驚くくらい力が入って、それは丁度劇中に登場する若者たちの根性みたいに熱くなってしまう。だから他のレビュワーさんたちのレビューがそうであるように思わず力んでしまう。でも、なんとなくこの映画のレビューだけは力んでも良いような気がしまう。なので、掛かってこんかい!!はっ?何が包茎だ、笑わすな!なにボウリング場で人転がしとんじゃ!アホか!なにが「あなたの犬食わせて」じゃ!アホが!なんだあのナースのドロップキックは!涙が出たわ!はっ?なにがフォークソングじゃ!涙が止まらんわ!でもってキョンジャはなんであんな可愛いの?ねぇ、教えて。そりゃ、国境も国籍も人種も関係ないわ!だってみんな生きてるんだもん。みんな必死に今を生きてるんだもん。血と汗と涙。まさに男だ!こんな映画観た事ねぇ!この僕のレビューがレビューになっていない事もちゃんと理解している。ただ本当にこの映画は最高だった。友情も家族も国も歴史も恋愛も、全てが嘘のない真っ直ぐだった世界の物語。僕はとことん感動したよ!井筒監督、ありがとう!
[DVD(字幕)] 9点(2005-08-11 12:52:55)(良:1票)
56.  フォーチュン・クッキー 《ネタバレ》 
親の心を理解するのはとても難しい事で、親が望む事と子が望む事というのは口に出さなければ絶対にわからない。だけど“口に出す”事ほど難しい事はないと思う。この映画のように素直に向き合えないのが今の親子の姿で、親子というのはいつだってぶつかり合う。それは結果的に両方ともを頑固にしてしまう。で、この映画はそんな親子の心と身体を反対にした。僕にとってそれはすごく斬新で、すごくワクワクした。なんて言ったって、母親役はトゥルーライズで僕の心を激しく射止めたジェイミー・リー・カーティス。まさに厳しい母親って感じだ。そして娘役はファミリー・ゲームで一人二役をこなし、最近で音楽活動でも成功をおさめたリンジー・ローハン。これがかなり可愛い。そして歌が超上手い。そんな二人の息の合った演技と、親が子の心を直に触れ少しずつ理解して行く姿と、子もまた同じように親の心を理解してゆく姿は、観ているだけで本当に気持ちが良く、観賞後は爽快感で心が満たされました。また、影響されやすい僕はこの映画をきっかけにリンジー・ローハンのCDを買ってしまいました。という風に、この映画はとても影響力のある作品でもありました。
[DVD(字幕)] 9点(2005-08-10 20:20:19)
57.  香港国際警察/NEW POLICE STORY
ジャッキーの“本当の演技”を危うく忘れるところでした。レビュワーのみなさんが言う通り、観賞後、ジャッキーの側で彼に語りかえるように、また独り言のようにボソッと「お帰りなさい」と言いたくなるほど、ジャッキーの熱演が最高で素晴らしかったです。身体を張った派手なアクションの中にも、真剣かつ、切ないドラマとラブストーリーもあり、終始色々な面でとても楽しませてもらえました。観賞後はとても大きな満足感と、ずっと見つからなくて探していた大切な物が見つかったような安堵感と気持ちの良い爽快感でお腹と胸が一杯になりました。
[映画館(字幕)] 9点(2005-05-20 21:41:41)
58.  Ray/レイ
レイ・チャールズという人の存在を始めて知ったのは、虚しい事に彼がこの世を去ったその日でした。朝のニュースで彼の死と偉大さを知り、たった一人の人間がこの世を去っただけで、何故あんなにもたくさんの人が嘆き悲しむのか、その訳を知りたくて僕は早速彼のCDを購入しました。そしてスピーカーから流れてくる彼の歌声を聴いたその瞬間から、僕はレイ・チャールズという偉人の歌声の虜になってしまいました。それから数ヶ月後、レイ・チャールズの人生が映画化され、僕は期待に胸を躍らせて映画館へと足を運びました。この映画を観るまでの数ヶ月の間、耳にタコができるほど聴き漁った彼の名曲の数々。期待と興奮の坩堝の中、モチベーションはマックスへ。そしてオープニングから流れる「What'd I Say」によって興奮とテンションもマックスへ。ストーリーは実話とは思えないほど波乱万丈で、終始興奮の糸は切れる事はありませんでした。さらに随所で流れる名曲の数々の誕生秘話には感動しっぱなしで、ラストなんてもう号泣でした。そしてそんな中で、僕が一番感動し嬉しかったのは、彼の人生の汚点や、浮気やドラッグなどの情けない部分も全て、洗いざらい知る事が出来て、これでやっとレイ・チャールズという人のファンにやっとなれたような気がしています。そしてこの先、僕は死ぬまでレイ・チャールズを聴き続け、レイ・チャールズを愛し続けて行くと思います。最高に女癖が悪い最高の男『レイ・チャールズ』。愛を込めて今日も彼の曲を聴きます。
[映画館(字幕)] 9点(2005-05-20 21:11:55)(良:2票)
59.  インファナル・アフェア 終極無間 《ネタバレ》 
ヤンの死後、警察内に残り、警察内に潜入している残りの内通者5人を次々始末して行くラウの表情は、どこからどう見ても悪人でしかなかった。善人になりたいと思えば思うほど、自分の心の中の本当の感情と表情は表へ出てくる。緊張感が張り詰める中で繰り広げられる壮絶なストーリー。一体いつになればヤンは報われるのだろう。ラウの進む道の先にあるのは明るい光りか、それとも真っ暗な闇か・・・その答えはどちらでもなく、その先にあるものは“人生の続き”だけだった。終りのない苦しみ、終りのない痛み、終りのない後悔。そしてそれらから逃れられるのは“死”だけだった。ラウは“死”を望み、死を選んだが、結局死ぬ事からも逃る事は出来なかった。そしてラウは終りのない泥沼地獄へと足を深く踏み入れてしまった。しかし足を踏み入れてしまったのは今に始まった事ではなく、もうとっくの大昔に足を踏み入れてしまっていたのかもしれない。不運なのはマフィアに潜入させられた警察官のヤンか?それとも警察に潜入し生き延びたラウか?僕にその答えはわからない。だけど、最後にヤンが見せたのは満面の笑みだった。そして、運命に導かれるようにして出会った二人は最後、しっかりと目と目を見詰め合っていた。 
[映画館(字幕)] 9点(2005-05-15 09:05:45)
60.  ごめん
この映画を観終わって久しぶりに小学生の頃のアルバムを開いてみた。まだ卒業して六年しか経っていないのに凄く昔のような気がして寂しさが込み上げてきた。それと同時に清々しい懐かしさも感じた。ふと、写真の中に写る自分に目がいった。そこに写る僕は、友達と肩を組み、満面の笑みを浮かべこっちに向かってピースをしていた。純粋に楽しそうで、その笑顔からは何の悩みも感じられなくて、ただただ凄く幸せそうだった。その後もページを何枚も何枚も捲り、そして最後のページにある女の子と僕だけが写る写真(俗に言うツーショット写真)が大切そうに一つのページをし切っていた。でも、そこに写る僕は俯いていた。明かに照れている。見ているこっちが恥ずかしくなるくらい赤ら様に照れている。思わず笑ってしまいたくなるような照れっプリである。そう、僕はその写真の中に写る女の子が大好きだった。小学校に上がる前から大好きで、小学校に入学してからもずっと好きで、卒業するまでずっと好きだった。正直言えば今も好きなのかもしれない。僕とその女の子の二人だけでとった写真は小学校の頃に取ったこの一枚しかない。あの頃は毎日顔を見合わせ、毎日毎日尽きない話をした。僕にはそれが当り前過ぎて、それがいつまでも続くと思っていた。写真の中に映るその女の子は、こっちをちゃんと見つめて笑顔を浮かべ、やっぱりピースをしていた。なのに僕は俯いて、下ばかり見ていた。今さっきは笑えたのに思い出してくると腹が立ってきた。なんでちゃんと笑わない?なんでピースしない?なんでそんなに離れてる?せっかくあの子が乗り気でピースしてくれてるのに・・・お前って奴は・・・幼過ぎて、時間の有り難味に気付かずにただ無邪気に毎日を過ごしていた昔の自分を、今は無性に殴ってやりたい。いや、もし出来るなら、この写真の頃に戻りたい。この映画を見たせいでこんなに考え込んでしまった。しかも凄く悲しくなってきた。誰もがみんな昔は小学生で、でもいつからかその事をすっかり忘れて生きている。でもあの頃の記憶は忘れちゃいけないし、忘れたくない、それにやっぱり何より大切な物。この映画のお蔭で思い出せた気がする。みなさんもこの映画を観ませんか?そしてその後は、僕のように昔のアルバムを開く事をお勧めします。では最後に一言。昔の僕に「ごめん」
9点(2005-02-15 23:55:54)(良:3票)
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