41. バトルフロント
《ネタバレ》 ふと思い立ってジェイソン・ステイサム主演映画を飽きるまで連続視聴してるんですが、今作が5作目。 ここまで観てきて思ったのが、「喧嘩を売る相手を間違えたな」とでも言わんばかりに ステイサムがちょっかいかけてきた相手を不幸のどん底に叩き落して終了、って映画が大半ですね。 どれもあんまりスカッと爽快って感じではないです。 今回の感想は、ネコも娘も無傷で戻ってきてよかったなってくらいです。特にヤクの売人がネコを連れ去ったときに 「やめろよ!ネコは関係ないだろネコは!」って画面の前で思ったので、敵のアジトでステイサムが無事保護したシーンには心底ほっとしました。 でも、その辺の悪党になりきれない中途半端なスタンスのせいで壊滅させられたのではないか、と思わないでもないです。 [インターネット(吹替)] 5点(2022-09-25 21:25:44) |
42. アドレナリン(2006)
ステイサムには是非とも病院で健康診断を受けてほしい。この映画の撮影絶対体に悪かったと思うよ。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-09-23 21:48:32) |
43. ハミングバード
《ネタバレ》 この映画の前に「トランスポーター」を見たんですよ。だからマフィアのボスに依頼を受けてトラックの荷台に乗り込んだシーンで思わずツッコんでしまいました。「またこのネタかよ!」って。 多分最大の分岐点はバレエの公演と金融業者のパーティーのどちらを選ぶか、でパーティーを選んだことでしょう。あそこでバレエの方に行っていればスミスさんにはまた違った人生が待ってたんじゃないか、と思いますが、結局彼は復讐の方を選んだ。何が一番の不幸だったかと言えば、彼が病的なまでに義理堅い性格だった事なんじゃないでしょうか。俺が彼の立場だったら間違いなくバレエを見に行って何もかも忘れて一から人生をやり直してた。 不法侵入した家主には家賃を払い、少女の復讐も果たし、別れた家族とも決別し、中国人マフィアの犯罪も警察に通報した彼はあの後軍法会議で過去の罪も清算することになると思いますが、じゃあすべての負債を払い終えたスミスさんがそのあとどうするかと考えると…。たとえこの映画に後日談があったとしても、あんまり見たいとは思わないかな。 [インターネット(吹替)] 7点(2022-09-22 22:16:32) |
44. トランスポーター
《ネタバレ》 途中から何にも運んでないやんけ、て思ってたらオチに驚愕した。 なるほど、人身売買の被害に遭った不幸な被害者たちを安全な環境に運んであげたわけですね!? 壮大なタイトル回収に感動して気持ちよく視聴を終えることができました。 一番の見どころは、ステイサムがオイルまみれの身体で敵の機銃掃射をにゅるーんと床滑って逃げていくところ。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-09-21 23:06:57) |
45. キャッシュトラック
《ネタバレ》 ステイサムはFBIに協力者がいるギャングの親玉で、襲撃者たちはたまたまやべー奴に因縁をつけてしまった、ってことでいいのかな?私の頭が悪すぎていまいち立ち位置がはっきりわからなかった。 終盤の、ステイサムは序盤のシーンで実はこんなことやってましたと明らかにするシーンはうおおおおっと思ったけど、ラストは無理やり話をたたんだように見えた。一番のツッコミどころは二度も蜂の巣にされたのに何で生きてんだってところかな。 [インターネット(吹替)] 7点(2022-09-20 21:50:43) |
46. IAM A HERO アイアムアヒーロー
《ネタバレ》 原作漫画あり、ってところが影響してるのかは定かではありませんが、なんか「絵が綺麗」だと感じました。いやゾンビ映画なんで映像は血まみれ、肉片まみれで鬼気極まる汚らしさなんですけど。「絵になる」って表現の方が正しいか?ZQN化した恋人がベッドから転げ落ちた後ブリッジの姿勢で起き上がるシーンとか、落下してきた高跳びゾンビが死体の群れの中からこれまた起き上がるシーンとか、これまた死体の海の中で自死を選んだオッサンの姿がシルエットで浮かび上がって見えるシーンとか。人物の動きを止めて静止画としてみたときもひとつの作品として「絵になる」シーンというか、カットが多い映画だったなと思います。こういう映画はなかなかお目にかかった記憶がない(ゾンビ映画だとなおさら)ので新鮮でした。 そして主演の大泉洋もまた「絵になる」俳優でした。ショットガンを撃ってZQNを倒した後の残心(?)の姿勢や銃身フルスイングで高跳びゾンビの顔面を木っ端微塵にした後のフォロースルー、どちらも顔がよく見えなかったりカメラに背を向けてたりだったんですけど、立ち姿が何かのモデルかと思うくらいにカッコよかった。で、そのあと顔がアップで映るシーンで「ああ、やっぱり大泉だ」ってなるあの落差、ただの二枚目俳優じゃ絶対真似できないし、演じたとしてあそこまで映える絵になっていたのかどうか。顔面や服装が冴えなくてもカッコよく映るってやっぱり稀有な才能だと思う。 しつこく「絵になる」を連呼したけど、私のこの映画に対する感想は、「とにかく絵的にカッコいい!」の一言に尽きる。 [DVD(邦画)] 8点(2018-07-26 22:43:11) |
47. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
《ネタバレ》 「カジノ・ロワイヤル」なんて看板ぶら下げてる割にはカジノ要素が…物足りないです…。特に盛り上がることもなくあっさり決着ついてた様な印象。もっと「深夜特急」の大小のシーン読んだときみたいな高揚感を期待してたのに…。初対面のヴェスパーとお互いの過去を探り合うシーンのほうが知的、心理戦的面白さって点では上でした。私にとってこの映画のベストシーンはあの場面。 007シリーズを真面目に観たのは今作が初めてだったんですが、イメージと違って笑えるシーンがなかなか多かったですね。特に序盤のカジノで「車どけとけ!」って言われた腹いせに雑な駐車をするところと、「○○タマが痒いんだよ!もっと右を掻いてくれ!」 ゴンッ 「AHHHHHHHHHI!!」のシーン、そして「財務省が貸した金返せって言ってきてるぞ」「…やっぱり返せって言ってきました?(どシリアスな表情のアップ&どシリアスなBGM)」この3つはややウケでした。 ダニエル・クレイグという俳優を観たのも今回が初。印象は…なんかロシアンマフィアっぽい。トム・クルーズやシュワちゃんみたいに、流れ弾が勝手にそれていって自分には絶対に当たらない、アクションスター必携のあの特殊スキルは持ってなさそう。あと走るフォームが面白れぇ。ついでに胸筋から上はムッキムキなのに腹回りは結構だらしなくてプロレスラーみたい。 [DVD(字幕)] 6点(2018-07-25 14:12:54) |
48. 黄金を抱いて翔べ
《ネタバレ》 原作小説は途中でギブアップしました。電気工事関連の専門用語と全く土地勘のない大阪という舞台が災いして情景がイメージ出来ず、さらに幸田と春樹の ┌(┌^o^)┐ な描写のおかげで読み進めるのがキツかったです。なので代わりに映画を観てみましたが、映像の力って凄いですね。とってもわかりやすかった。 金庫破りのお話でしたが、この手の話って金目当てで集まったプロのメンバーたちが軽口たたきながら華麗に計画を達成するって内容のものが主流なので、この映画の泥臭くて雑でガバガバな実行っぷりは新鮮で面白かったです。タイトルとはほぼ真逆のオチも、この幸田という投げやりで死に場所を探しているようなキャラクターの最期としてはベストだったんじゃないでしょうか。不満は妻夫木の演技だけ。ボソボソしゃべってて何言ってるのかよく聞き取れなかった。イジけた中学生にしか見えなかったぞ。 [DVD(邦画)] 6点(2018-04-25 19:06:01) |
49. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 この映画の何が凄いって劇中ヒットガールが乗ってるあのバイク、地面からシートまでの高さが83cmあること。これはつまり乗る人間の股下が最低でも80cmなければ停車時足が地面に届かず転倒、運転どころではないことを意味する。実際私もバイク屋で跨らせてもらった時片足しかまともに接地せず、店員さんから「やめておいた方がいいですね!!」と太鼓判を押されてしまった。体格的に選ばれし者しか乗ることの許されないバイクなのである。 まだある。あのバイクの同車種の新車購入価格は最もグレードの低い物で230万円。さらに200km走行ごとにハイオクガソリンでの給油(満タン2000円)、3000kmごとにエンジンオイル交換(工賃込み2万円)、6000kmごとにタイヤ交換(前後工賃込み6万円)、12か月ごとの定期点検で基本料金3万円+パーツ代、2年ごとの車検整備で4万円+パーツ代が必要となる。バカバカしくて庶民には乗れたものではない高級バイクなのである。それをあの子ときたらエンジン始動直後からスロットル全開でぶん回して爆走、自宅の車庫に乗り捨てている(ついでにヘルメットも投げ捨てる。バイク用ヘルメット6万円。一度でも衝撃を与えたメットは保護能力が劣化するため、地面に落ちた時点でただのコスプレグッズに)。下駄同然の扱い方を見るに、養子にもらわれた先で経済的に不自由ない生活をしていることがうかがえる…というか前作終了時点で300万ドルの貯えがあるんだった。羨ましい!私なんてガレージ付きの家に住もうと思ったら目出し帽とモデルガンを調達するところから始めなければならないのに。 経済力とモデル並みのスタイル、そして驚異的な身体能力を併せ持ったティーンエイジャーのスーパーヒーロー美少女と、チビ短足で30過ぎても貯金残高が1000万にも達しない冴えない中年の男。一台のバイクを通して「人は平等ではない」という現実を画面の前の私に叩き付ける、衝撃の社会派ヒーロームービー! [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-04-23 22:20:57)(笑:1票) (良:2票) |
50. のぼうの城
野村萬斎を初めて見たのは映画「陰陽師」であり、魑魅魍魎蠢く平安時代という舞台と彼自身が纏う独特の妖しげなオーラの相乗効果で「気色悪ッッッ!!!」という印象を抱いただけに終わりましたが、今作「のぼうの城」では天衣無縫な成田長親のキャラクターと、彼が狂言師として培った独特な声の張り方やオーバーかつひょうきんな動作、コロコロ変わる表情の演技が完璧なまでに噛み合って「やっぱり気色悪ッッッッ!!!!」という印象しか抱けませんでした。田楽踊りのシーンは凄いと思いました。プロってやっぱり凄いわ。この人以外にあのシーンをあそこまでうまく演じられる役者が他にいるのかどうか。同じ狂言師の和泉元彌くらいでしょうか。…どっちも気色悪ッッッッ!!!!! [DVD(邦画)] 5点(2018-04-18 22:28:03) |
51. 逃亡者(1993)
初めて観たけど完成度高くて面白いな~コレ。序盤のパーティーのシーンであんなにたくさん伏線張ってたんですね。それをストーリー進行に合わせて少しずつ回収していって、真犯人が理解できた時の快感がすごい。欲を言えばハリソン・フォードのアクションシーンがあんなにモッサリではなく、もう少しキビキビ動いてくれたら…って思うけどそこがメインの映画ではないしね。だってこれサスペンス映画だし。先入観でアクション映画だと勝手に勘違いして、ビデオ屋で1時間くらい時間を無駄遣いしてしまったよ。 [DVD(字幕)] 8点(2018-04-15 22:19:31) |
52. 月に囚われた男
最初は理解が追い付かず混乱したけど、内容を頭の中で整理できた瞬間ゾッとした。 [DVD(字幕)] 7点(2018-04-15 19:26:54) |
53. キック・アス
こういう何のとりえもないヘナチョコが体張って戦って、凄い力を持つ「本物」に認められて並び立つって話には評価が甘くなる。悪党をターミネーターみたいに殺しまくるヒットガールも(絵的なスタイリッシュさも相まって)カッコよかったけど、ベストシーンはキックアスが変な棒を振り回しながら追われてるチンピラを守ったところだろう。ほぼ二人そろってボコボコにされてただけだったけど、それでも守った相手から「ありがとう」と感謝される。そばで見ていた兄ちゃんからは「あんたスゲーよ!」と称賛される。携帯カメラを向けて見ていただけの、周りのモブとは違ってだ。 我々みたいな凡人どもにできる悪との闘い方って、まさにこれだろう。一緒に殴られろ…ではなく、悪や不正に見て見ぬふりをせず「おかしい!」と声をあげ、戦っている人に感謝や応援の声をかけ、その戦いをなるべく多くの人が知るように伝え広めていくのだ。実力行使はスーパーヒーローに任せておけばいい。悪と戦って打ちのめすのがヒーローの仕事なら、その悪がそもそも現れにくい、居心地の悪い世界を作っていくのが守られている我々凡人たちの仕事だ。些細なことでもいい、ヒーローを孤独にせず、我々もともに戦おう!!そんな感想を先日自宅に泥棒に入られかけ、警察に相談に行った私がお伝えするぜ! [DVD(字幕)] 7点(2018-04-15 13:46:26)(笑:2票) (良:1票) |
54. アメリカン・ビューティー
《ネタバレ》 自分の本当にやりたいことがあるなら、理想の自分になりたいのならそれに見合った対価を払え、と言われてるようにしか思えなかった。アメリカ人だけでなく日本人の私たちが見ても感じるところのある映画なんじゃないかと思う。実際「会社辞めて日本一周したい~!でもそのあとの生活が…いやいや、やりたいことをキッチリやったなら、後の人生が残りカスでも幸せなんじゃ…」と毎日葛藤している私にも刺さりまくったしな。 それにしてもケビン・スペイシーはいい役者だと思う。何考えてるかわからないキ〇ガイみたいな惚け顔と聖人みたいな穏やかな笑顔を見比べると同一人物だとはとても思えない瞬間がある。トビー・マグワイアも同じような系統の役者かな? [DVD(字幕)] 6点(2018-04-11 10:35:46) |
55. ショーン・オブ・ザ・デッド
イギリス人のブラックユーモアは大好き、と今まで思っていたけどオチまで見て自分には絶対到達できない境地だと思い知らされた。こいつらオニか。 [DVD(字幕)] 7点(2017-07-19 20:58:14) |
56. ハート・ロッカー
《ネタバレ》 主人公が「定年まで勤め上げて晴れて自由の身になったけど、家にいてもやることがなく奥さんに邪魔者扱いされる。ああ、こんなことなら仕事してた時のほうがよっぽどよかった」っていう、よくいるリタイア後のサラリーマンとダブって見える。戦争映画というより自分の中での仕事のウェイト(生きがい、存在価値)と、それを家庭と天秤にかけたときあなたはどうしますか…ってことを考えさせる映画なんじゃないのコレ。 戦場に嫌気がさしたサンボーンが息子が欲しいというシーンとか、爆弾を体に巻き付けられた男が家族のことを延々しゃべって命乞いしてるシーンなど、振り返ってみると「家族」というキーワードがあちこちで見られたように思える。主人公自体も、任期が終わって家に帰れば優しい夫や父親をちゃんとやれてるし、奥さんを侮辱されたらブチ切れるなど、家族に対して確かな愛情を持っていることは見受けられる。でも仕事とどちらを選ぶかとなると話は別。仕事場が戦場で死の危険がついて回る爆弾処理という仕事をしているから異常に見えるだけで、こういう人は割とどこにでもいるんじゃないか。金型職人とか調理師を主役にしても同じような話は作れたと思う(面白いかどうかは知らない)。 「仕事」っていう視点でみて面白かったのは、人間爆弾発見後に主人公のすることが何もかもうまくいかなくなるくだり。私もおぼえがあるけど、いい仕事ができる時って心の中は無、頭と体が勝手に動いて適切な行動をとってくれるような感覚がある。「お客様に最高の商品を」とか高尚なこと考えちゃうと100点満点中60点の仕事を量産することになってしまう。物語後半はあるあるネタとして楽しませていただきました。 [DVD(字幕)] 8点(2017-07-19 08:09:42)(良:1票) |
57. Mr.インクレディブル
《ネタバレ》 エンディング直前、突如現れた悪党に対しインクレディブル一家がニヤリと笑いながらマスクを身に着ける。直前の「1位になるな!うまくやって2位になれ!」のところもそうだったが、このシーンのやりきれなさったらない。この一家はマスクとコスチュームで素性を隠さなければ自分らしくあれないってことだから。 スーパーヒーローの仮面は持っていないが、私たち一般人にとっても他人事ではない。例えば接客業の人は私生活のゴタゴタでそんな気分ではなくても、お客さんの前ではニコニコ愛想よく仕事しなければならない。趣味の合う友人と話しているとき、本当はそこまで好きではないけど、さもその趣味が自分のすべてというように振舞って会話を盛り上げようとする。自分の持ってる能力関心その時の気分性格などを、あるものは抑え込み、あるものは大げさに誇張して、何とか人間関係を円滑に回そうと努力して私たちは日々暮らしている。素の自分で勝負できないって点ではスーパーヒーローも凡人も違いがない。 アメリカ映画に登場するヒーローは膨大な数に及んでいて、それぞれの抱えるテーマや悩みも千差万別。中には「そんなこと、俺たちに言われても…。」と言いたくなるくらい崇高なテーマを抱えてるヒーローもいるけど、この家族が抱えている苦悩は私のようなとりえのない人間にも十分共有できるものだった。あの国のヒーローにしては珍しくて貴重な存在なんじゃないスか。 個性を尊重してとがった部分を守り、育むのがアメリカの教育という話は日本で暮らしている私の耳にも時々入ってくるが、この映画を見る限りそれは理想に過ぎなくてやっぱり出る杭は打たれて排斥されるんですね。そういった人間のうすら寒い部分はウチの国と共通しているようで、なんだか逆に安心しました。 [DVD(吹替)] 7点(2017-07-11 10:45:10) |
58. メイズ・ランナー
《ネタバレ》 正体不明の迷路に閉じ込められた若者たちが脱出を図り頑張るパニックアクション映画。 主人公たちがこんな状況に置かれた理由、迷路の外の世界の状況、安全な居住空間から動きたくない勢力と、脱出して自由になりたい勢力の対立…など、すべてがどこかで見たことある要素で、しかもその描き方が雑。シナリオの出来を楽しむ映画ではないんだろうけど、降りかかる困難を主人公がすべて、まるで答えを知ってるかのように適切に処理していく様は観ていてやっぱり萎える。続編ありきの構成で、製作者は導入程度の意識で作ってるんだろうけど、「続きが見たい」とお客さんが思わなければ肝心な部分を描く前に企画が倒れてしまうんじゃないの?最悪今回はそれだけで終わってもいいという覚悟で、どれか一つの要素を深く深く掘り下げていればもっと面白い映画になってたと思うだけに、もったいない気がした。 アジア系の役者さんが面白外人枠でなく重要な役どころで活躍してるのは、このテの映画にしては珍しいと感じた。そこがこの映画の個性的な部分。あと「ラブ・アクチュアリー」に出てきたドラムの少年の子は成長しても顔全く変わらないな!見た瞬間に思い出したよ。ぜひ大成してほしい。 私は子供の頃にピクニックがてら迷路系アスレチックに親しんだので、こういう大規模迷路は大人になった今見てもワクワクする。近所の公園に出現しないかなぁ。運動不足の解消になっていいと思うのに。近所を見渡してみても養老天命反転地くらいしかないよ。あそこはあそこで面白いと思うけど、アクション映画というよりホラー映画っぽいしな…。 [DVD(字幕)] 5点(2017-07-10 10:09:06) |
59. トゥルーマン・ショー
《ネタバレ》 「自分の人生が誰かにデザインされている」というのは多くの人が一度は考えたことだと思う。私にも覚えがあって懐かしく感じた。その「つくられた人生」を生きるトゥルーマンの姿が全世界に中継されてスポンサーも多くついていること、番組プロデューサーを神に見立てて、その保護と安全な世界から脱出して自分の意志で生きる人間のストーリーにしたことなどは流石ハリウッド、日本の男子中学生のものとは格が違うハイレベルな妄想だと感じた。「神」の部分を会社、仕事、親などに置き換えれば日本人にもグッと身近で理解しやすい話になると思う。 以前私はあまりのつらさに耐えかねて仕事を辞めることを決意、上司にその意思を伝えたことがあった。無職の期間に夢だった日本一周をし、達成後はバイクの整備士にでもなろうと考えていた。あとは期限まで勤め上げるだけという段になったとき、実家の両親に説得された。「お前が新しい仕事に就いてまっとうに働いてる姿は想像できない、引きこもられたら困るから頭を冷やして考え直せ」。確かにそうだと思った私は急に将来が不安になった。すぐに上司に謝罪して辞職を撤回、何事もなかったかのように働き続けて今に至る。私も私の両親同様、自分自身の能力や可能性に何の希望も持つことができなかった。だからなりたい自分や達成したい夢について考えることを放棄して、収入のある安定した今の生活に縋りつくことを決めた。「思い直してくれてよかった」と笑う両親の顔を見て、「本当はやりたいことがあったのに」と一生言い続けながら終わっていくのが私にふさわしい人生だと理解した。 クリストフに一礼して退場するトゥルーマンを見てなんて無謀な、と思うと同時に、それ以上にその姿が眩しい、羨ましいと感じた。思わず置いていかないでと言いたくなったが私にはそれを言う資格がない。なので代わりにトゥルーマンと、それから新しい環境に飛び込むことを決意した人たちに言いたい。 ホント頑張ってください。チャンネルを変えずにあなたを応援している人、自分の踏み出せなかった一歩をあなたに託した人たちがきっと大勢見ています。 [DVD(字幕)] 8点(2017-07-07 23:30:59)(良:3票) |
60. ウォーリー
《ネタバレ》 まず発想が凄い。「ロボット同士の恋愛をテーマに話を一本つくれ」と言われてゴミ回収ロボットと探査用ロボットのロマンスなんて普通思いつかない。私だったら外見は人間そっくりだけど内面は機械そのものの男女を主役に据えて、仲介役に本物の人間を用意する。この人間を通して、人間らしい感情を教わって…みたいな流れで話を展開する。この映画とは真逆といっていい。この映画のセンスがうらやましい。 そしてキャラクターの動かし方も凄い。ウォーリーが廃材の円盤を帽子に見立ててダンスしたり、ビーチパラソルロボットに盾やトランポリンの役割を演じさせて活躍させたりと、動作の一つ一つがアイディア満載で観ていて楽しい。日本製アニメーションで機械や動物を描くと、人間がそれらのコスプレをしているような見た目と言動、あるいは内面が人間そのもので人外である意味がないんじゃないか、というキャラクターが多い印象がある(個人の感想です)。対して海外のアニメーションは外見を人に似せるという安易な手段を取らず、機械は機械のまま、動物は動物のままでその特徴を生かして人間の共感を得られる動作を何とかさせられないか…という部分に尋常でない執念を燃やしているように見える。その成果だろうか、主演の二人にはセリフらしいセリフがほぼないにも関わらず、考えてることが手に取るように分かる。消火器の噴射の反動を利用した宇宙遊泳シーンや、防犯カメラの映像でイブがウォーリーの献身を知るシーンなんかは、どんなセリフを並べたってここまでの感動を観てる人間に伝えることができなかっただろう。この辺の表現力が凄まじいと感じる。 セリフがないからこそここまでウォーリーとイブに感情移入できたのかもしれない。セリフから二人の性格を読み取ることができないから外見と動作に注目する。製作された技術レベルが明らかに違う外見から住む世界の違う二人なんだろうなとか、役割の違い(ゴミを片付けて住む環境をよくする、単独で飛行して植物の痕跡を探す&危険を感じたらビームをぶっ放す)から内向的だけど心優しい男の子と活発で勝気な女の子の話なんだろうな、とか、二人のキャラクターを観てる人間がある程度肉付けする余地が与えられている。二人のキャラクター形成にこちらが積極的に肩入れしてしまっているから、もうこの二人を命を持った存在以外のものとしてみることができなくなる。台座に圧し潰されるウォーリーを見て「痛そう」だとか、パーツ交換後の姿を見て「まるで感情のない機械みたいになってしまった」なんて印象を機械に対して持つとは思わなかった。ボキャ貧で申し訳ないが、「凄い」としか言いようがない。 違和感があったのは人類の描かれ方。ウォーリーをただの機械ではなく「ウォーリー」と名前で呼んだカップルとか、回収された苗を見て「よく頑張ったなぁ」と声をかけた船長とか、体を自力で起こすことすら放棄するほど肉体的に退化してる割には精神が高潔すぎる印象を受けた。記録映像の政府要人っぽい人物はとんでもないロクデナシっぽかったのに。「人間の精神は退化しないと信じてるぜ!」なのか、「お前ら(現在または近い将来の人類)には何の期待もしてないが、未来の人類は目を覚ましてくれると信じてるぜ!」なのか、製作者がどう考えてるかでこのあたりの描写の意味が全く違ってくると思うけどどうなんだろう…。 [DVD(吹替)] 9点(2017-07-01 10:38:29)(良:1票) |