41. カッコーの巣の上で
《ネタバレ》 結局マクマーフィは強烈な管理体制を崩せず、抑圧されてしまったわけですよね。最後のインディアンのデカい人の行動は光が見えたような気もしますが、解放されるにしても、相当な勇気と行動力が必要。自由を手に入れるためにはそれまでに払う犠牲と時間が限りなく長いんですね。所々笑える点もありますが、テーマは、かなり重いと思います。 7点(2004-06-02 00:00:20) |
42. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 一番パット見犯人でなさそうな人が結局犯人ってケースは多いし、犯人がひょっこり出てくるよりは一番最後まで生き残ってた「身近な存在」の彼が、どうこれから化けの皮を脱いでいくのかという点に注目した方が面白いと思う。犯人をある程度確定させといてからの方が見てて面白いしね。 このK.スペイシーの役回りは、個人的にはE.ノートンにうってつけかと。これがデビュー作であっても相当話題を呼んだんじゃないかな。 しかし自作自演の偶像をずっと追わせ、恐怖感を植え付けていたというのは、短期間じゃできんことだよな。ソゼの興りから見てみたい。 6点(2004-06-01 23:49:25) |
43. アメリカン・ビューティー
愛する対象を見れば、ちょっと変態かなとも思うけど、誰も愛せない人間よりはマシじゃない! 愛する気持ちはあっても、行動に出すのが不器用なだけで、妄想に走ってしまう。そのときに舞う赤い花びらは愛=美意識の現れだったんでしょう。隣りのストーカー少年と打ち解けたのもなんやら共通点があったから?この少年も美意識が強く、風に舞うゴミを見てすべてのものの背後には生命と慈愛があるなんて言ってたね。愛することに条件なんて要らないはずなのに、最期は偏見と誤解のかたまりの堅物に撃たれてしまう…皮肉アリアリですね。愛の形に認められない大きな壁があるとすれば、一番幸せだったのは、ランニングしてたゲイの2人でしょうかね。 6点(2004-06-01 23:36:34)(良:1票) |
44. リアリティ・バイツ
皆に流されるままにただ何となく世間に認められるような生き方というのは、後になってよかったと思えることは少ない。後悔の方が多い。また、目標のない人生や、腹を割って話せる友達、先輩が少ない人生も淋しい。映画の中の彼らの、個性的で、遠回りで、不器用で、衝動的なのは、若者の特性といっちゃーそうだが、私は異なってて、若さ全開で意欲的に挑戦したり、葛藤したりということが少なかったように思う。どうしても安全策で生きてきた気がする。映画の中の彼らがとても輝いて見えてしまった。 6点(2004-06-01 23:24:19) |
45. セブン
《ネタバレ》 ものすごい期待をして観ました。死体描写などの映像美はリアルで素晴らしいものがありました。ストーリーも単なる犯人の追跡劇だけにとどまらず、宗教的な絡みもあり、深層心理に染み入る感じでした。でも犯人はポッと出てきた感じが強かったなぁ。しかも思考は常に先々を行って完全に一本食わされてるし。最初に犯人は刑事を殺すチャンスがあったにも関わらずそうしなかったわけだから、最後まで試されてたという印象が強いです。最後刑事の自虐と葛藤の末の行動も、すべて計画通りであったのなら、まさに完全犯罪成立ですね。犯人には失うものが何もないわけですから…。これだけ犯人のインパクトが後からジワジワ来る映画も珍しいです。 7点(2004-06-01 23:07:45) |
46. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
どの人物を主人公にしても物語として美しくなる作品はないですね。ドクの恋愛という設定は新鮮でよかった。やっぱりタイムパラドックスものは面白い!流れ的にPART2の終わり方が次回の布石という感じだったので2の終わり方に釈然としなかったんですが、PART3でうまいこと締めてくれました。ホバーボード、肥やしに埋もれるビフなど、ツボはしっかり押さえてくれてます。(しかしビフ役の人は毎回汚れ役をよく引き受けてるなぁ)やはり不朽の名作ですね! 8点(2004-03-30 20:42:26) |
47. ギター弾きの恋
時々入り混じる監督や音楽評論家のコメントに辟易したので減点。ショーン・ペンはやっぱり曲者を演じさせたら一流ですね。ギターの指使いも相当練習したんですね。様になってました。正直ハッティにはイライラしたんですが、音楽に傾倒する彼だからこそ、物言わない彼女を傍に置きたかったのかもしれません。プレイボーイであった彼だけど、不遇で孤独な人生だったんだなぁと思います。エメットという人は実在の人物か知りませんが、ハッティを馬鹿だとののしる場面もあったり、自分を世界で2番目のギタリストと謙遜したりと、なんだか中途半端なキャラだったのは否めないですけど…。 6点(2004-03-30 20:37:04) |
48. ホテル ビーナス
思ったより複雑で深い人間模様が描かれていました。個人的にはあまり泣ける映画ではないと思いました。草なぎ君は主人公というよりこの映画のナビゲーターみたいな感じで、表立った感じはしなかったけど、もっと彼自身の過去のエピソードを出して欲しかったとも思いました。頻繁に出てくるタップダンスのリズムはテンポを出す、という以上に、草なぎ君の捨て切れない夢を表現していただけに、深く踏み込んでもいいと思いました。最後はなんか強制捜査みたいなんが入ってバラバラになってしまうので、なんかそれぞれ生きる道を見つけてホテルビーナスを巣立つ設定にしては、あまりにもお粗末というか、うやむやにしすぎなのかも、と思ってしまいました。ホテルの住人たちの演技は個性的で、見所がありました。甲乙つけがたいですが、中谷美紀さんは素晴らしかったです。 5点(2004-03-28 12:14:11) |
49. エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち
異色の顔合わせだなと思って見たけど、結局アンバランスの印象のまま終わってしまった感じ。でもたまにはこういうのもいいんじゃない? デルトロとアリシアを組ませたのはすっごい新鮮に感じた。ちょっとおまぬけなデルトロがなーんかツボにはまってしまった。アリシアも徐々に心を許し始めてからケバい化粧も消え、ナチュラルな感じが出てて良かったよ。ウォーケンの位置づけが微妙なところだったけど。ストーリーの進み方はベタかもしれないけど、元の設定は面白かったし、こんなんもありかもね。ブラジルでカラオケ屋さん開けたのなぁ…。 6点(2004-03-24 16:25:44) |
50. バンディッツ(1997)
雰囲気がなんとも言えずかっこよかったなぁ。音楽がかなりストレートにツボでした。UKロックっぽい殺伐とした雰囲気の中に哀愁が漂うというかそんな感じ。それが彼女たちの生き様(逃亡劇)と相まって映画全体が独特の雰囲気になってました。侮れないな、ドイツ映画。 8点(2004-03-18 01:02:12) |
51. トータル・フィアーズ
核って怖いねぇ。でもあんな爆発を受けて大統領とかピンピンしてたよ?テロリストに手玉に取られてしまっているのが国家単位であることもまたかなり大掛かりな設定なんだけど、そこまで緊迫感を感じなかった。話自体はとても面白いので、こういったダラッとした雰囲気はキャストのせいカモ。 5点(2004-03-14 22:32:55) |
52. たそがれ清兵衛
《ネタバレ》 ほんわかしていい映画でした。不器用で、素朴で、何とも憎めない男なんだけれども、そういう人物設定だからこそ見えてくる彼のすがすがしい生き方というものが前面に押し出されていて後味がよかったです。 印象に残っているシーンといえば、地方の母親が朋江の名前を思い出せなかった時、やっと清兵衛と朋江の気持ちのつながり合いが、他の人に対しても何か醸し出しているものになったんだなぁと思い、グッときました。 普段洋画ばかり見ているせいか、こういう時代物の邦画を見ると本当に心洗われます。日本人の奥ゆかしさとかが伝わってきて、この国に生まれてよかったな、と思ってしまいます。 あと、ふすまから少しのぞいたりする光の演出のせいでしょうか、最後の果たし合いのシーンでは息が詰まりました。田中民さんは狂気をはらんだ演技でした。 7点(2004-03-06 00:07:49)(良:1票) |
53. 海辺の家
父子の物語もよかったけど、分かれた奥さんとのふれあいもよかったなぁ。正直いらなかったのが、淫乱の隣人熟女と、警官が来て裁判沙汰を起こすとか言ってたところ。ホント意味ない。 焦点をぼやけさせるというか、そうしないとものすごく重い話になると危惧したからかもしれないけど、海辺で開放感のある雰囲気でそれも中和されると思うしね。 サムの子役の人はなかなかよかったね~お互い腹を割って話さないと何も始まらないね。あそこまでいい子になるとはちょっと驚きだったけど。 6点(2004-03-02 18:47:08) |
54. エビータ(1996)
ミュージカルものは初めて見たんだけど、思ったより違和感なく入っていけた。マドンナってもっとケバいイメージだったけど、成り上がって頂点まで極めていった男性的な魅力と同時に、同居するはかなくてもろい女性の魅力もかもし出していて、演技力もどれどれなかなかいけてると思った。ストーリーは平べったい感じだけど、マドンナの圧倒的な哀愁や力強さを漂わせる歌唱力を堪能すれば、それでいいんじゃないでしょうか。バンデラスともども他のキャストも、引き出し多いな~と思ったし。バンデラスなんてミュージカルというイメージとはほど遠い存在だったからかなり意外だったけど、そのイメージをぶち壊して尊敬の念まで抱いてしまった。 7点(2004-03-02 18:37:05) |
55. 交渉人(1998)
《ネタバレ》 お互いがプロの交渉人という設定だけに、お互いの切り口は分かり切っているし、そういう立場なだけに情に頼ることもできず冷静沈着にお互いを受け入れたり、突き放したりする。この駆け引きが演技派2人によってものすごい濃密に繰り広げられていた。眉毛の動き一つでも人の感情を読み取るような繊細な分析力を要する職業なだけに、そういう顔のパーツ動き一つにしてもすごく気をつかって演じられていたのでは?ストーリーもあえて法を破ってまで自分の無実を証明するというもので、人質とのやりとりや、ハッタリをハッタリで返す心理戦、そしてそこに力ずくで抑えようとする警察が入り交じって、内容的にすごく面白かった! 8点(2004-02-29 05:24:04)(良:1票) |
56. 明日に向って撃て!
《ネタバレ》 彼らは名の知れた強盗団なんだけど、随所に不器用なとこがあって、それがまた人間くさくって親近感を覚えた。スペイン語のメモを読みながら強盗を働くところなんて最高!追っ手に本気で恐れながらも、生き延びようと希望を捨てず、最後まで自分らしさを忘れなかった彼らの姿は印象的。この黄金コンビの作品では「スティング」しか見たことがありませんが、男らしく、人間味あふれた魅力はこちらの方が上ですね。 6点(2004-02-26 22:17:21) |
57. スタンド・バイ・ミー
この時期の子供たちというのは、大人から見ると一見生意気に見えるんだけど、子供たちの世界の中では我々が思う以上に繊細な面があって、将来への不安や葛藤、苦悩など、様々な感情が渦巻いているんですよね。大人や兄貴たちを馬鹿にする場面があると思えば、お互いに泣きながら自らの悩みを打ち明ける場面もある。そんな繊細な彼らの感情を巧みに切り取ったちょっと感傷的になれる作品です。それと同時に、昔の時間を取り戻したい懐古感にもさいなまれます。 最後の「たった2日間の旅だったが、帰ると町が小さく見えた」という言葉からも、時間が子供たちを豊かにしてくれるというか、子供というのは時間や経験を目いっぱいに吸収して大きくなる可能性を大きく秘めた存在であることを再認識させられます。それがどう転ぶかはいろいろな環境にもよるんでしょうが… 何年かに一度見て、純粋な気持ちに帰ってみたい映画ですね。 7点(2004-02-26 22:00:23) |
58. いまを生きる
《ネタバレ》 なんか教訓的映画という感じです。人間として当たり前にできていいことが、周囲の環境などで抑圧されてて、与えられた役割を演じているだけの生活っていうのは淋しいけれども、一定の人間関係を保つためにはそうせざるをえないこともあります。キーティング先生みたいな人は人間としての本質を解放してあげようとしてただけなんだけど、それが異端に感じられてしまうのは物事の過渡期においては仕方ないんことなんだろうね。死せる詩人の会の精神が生徒たちに受け継がれて、徐々にそれが浸透していった中での突然のニールの死。理想と現実の狭間でつぶされていったニールは、物事が進化したり、改革されていくときに生じる代償のようなものだったのでしょうか。言っていることはストレートだけれども、それが浸透するまでにはいろいろな障害があって、それを克服するためにはどこかで犠牲が出てしまう…しかし最後の彼たちの行動には希望が持てました。 7点(2004-02-26 03:04:08) |
59. ワイルドシングス
テレビで見たんで端折った部分が多かったのも合わさって、正直ラストになるにつれての展開の急変ぶりについていけませんでした。ここはノーカットでいってくださいよ…話自体は面白いんだからね。最後の最後で事件のいきさつというか、計画のはじまりをネタバレさせるのは、面白いとは思うけど、さすがにそこですぐに「あーなるほどね~」というふうに納得できるのには少し苦しい部分もありました。もう少し個人個人の心理描写を描いてほしかったかな。 5点(2004-02-25 15:36:24)(良:1票) |
60. ラウンド・ミッドナイト
雰囲気のいい映画ですね。ジャズは普段聴かないけど、心地よくて思わず心に染み入っていく感じでした。デクスター・ゴードンが自伝を演じているかのような存在感で、デイル・ターナーという人の魂を受け継いでいたかのような感じがしました。あのしゃがれた声や、大きな体でおぼつかない足取りが印象に残っています。 6点(2004-02-25 15:25:41) |