41. CUBE
ポセイドン・アドベンチャーと、エイリアンと、未来世紀ブラジルと、レインマンを掛け合わせたような映画だなあと思った。これをみて、映画のキモは予算ではないと感じた。極限の状態における人間の行動、という部分はそれほど細かく描くつもりも無かったようで、まあ単純に面白いサスペンスを撮りたかったんだろうと思う。「船橋」・・なんて単語が簡単に飛び交うもんかな(笑) 8点(2004-02-06 00:31:03) |
42. JAWS/ジョーズ2
目から煙吹いてましたね(笑)子供が震えるシーンは大根演技ではあったのかもしれないが、その後一度も映像で見ていないにもかかわらずいまだにまぶたに焼き付いている。 8点(2004-02-02 20:14:51) |
43. ジョーズ3
3D効果を見せようとするがために本来のキャメラワークや編集で見せるという点が希薄だ。見る側も3Dに意識が言ってしまうので不運ではあったが。 5点(2004-02-02 20:12:48) |
44. お葬式
チエホフの「桜の園」をすごく意識して作られたのか、親戚、隣人など、配役とキャラクター設定がとても緻密。セットも伊丹監督の自宅を正面から見据えた舞台として見せるなど、工夫されていて面白い。佐野浅夫、左右田一平、関山耕司、横山道代、藤原鎌足などのたたずまいも、とてもリアルだった。宮本信子だけがウソ臭いのが残念・・・。 8点(2004-02-02 20:08:56) |
45. もののけ姫
何度も話されているが、展開がナウシカと同じ。宮崎作品は嫌いではないが、批評するときどうしても批判的になってしまうのは、「動物の擬人化」に言及せざるを得ないからであろうと思う。彼がエコロジーを語るとき、かならず動物と会話できるキャラクターが登場するが、これは幻想でしかなく、これを子供が見てどういう未来を築こうと思うのか、科学的に想像がつかない。人間と野生生物は別物で、野生生物の世界を支配することで人間社会たりえているわけで、これに目をそむけたままでは、自然との真の共生はありえない。そのへんの犬食ったり山羊食ったり、そういう共生の時代をどう説明できるというのか、と思ってしまう。 6点(2004-02-02 19:57:59)(良:1票) |
46. プラトーン
舞台はベトナム戦争であろうが何であろうがよかったのではないか?ベトナム戦争を語るとき、自国に対して何のメリットももたらさなかった、というありがちなアメリカ合理主義から結局抜け出すものにはなってはいなかったと思う。トム・ベレンジャーのキャラクターに随分助けられている。 5点(2004-02-02 19:51:15) |
47. ダイナマイトどんどん
序盤の話の展開はとてもテンポがよくてすばらしい。残念なことに中盤だれてしまう。そして後半はメチャクチャ。序盤だけでいえば世界に出しても恥ずかしくないだけの出来。なんといってもパワーが凄い。もっと多くの方の評価を聞きたい作品ではある。 6点(2004-02-01 22:22:52) |
48. 戦場のピアニスト
隠れる、見つかる、逃げる、食べ物探す~の繰り返しで、中盤はとてもだれてしまう。ピアノを弾くシーンは着弾のサイン。史実を忠実に描くという姿勢はわかるが、あまりにもアイデア不足ではなかろうか。主人公の俳優はいかにも悲しげな表情だが、その内側からはあまり感じ取れなかったのは残念。ホロコーストはなんども映像化されているために、ピアノという横軸がこの程度ではかなり弱い。ドラマ「赤い激流」のほうがピアノへの情熱を熱く感じたのは私だけだろうか。 5点(2004-02-01 22:18:30) |
49. 二十日鼠と人間(1992)
強烈ではないが深い感動をもたらす作品ですね。ゲイリー・シニーズもジョンマルコビッチも、今後もこの作品が代表作となっていくであろう歴史に残る名演技だったと思います。スタインベックの語る希望のない時代にあって、大切な友をもっとも幸せにするにはどうしたらよいか。目の前に希望を抱かせたまま静かに休ませることが彼の選択だったわけです。ラストの湖畔のシーンで映画はバンと終わってしまいますが、その後の主人公の苦悩をを考えると、この部分を下手に映像にしなかったことがよかったのではと思います。 8点(2004-02-01 02:32:05) |
50. タンポポ
伊丹監督の、エンタテイメント指向と悪趣味さが爆発した作品で、他の作品と異質な仕上がりになってはいるものの、オムニバス形式という全体の組み立てなど、「見世物」風なテイストが成功して、一般人の拒絶反応を薄めることに成功している。映画監督という高慢なシェフは、ややもすると自分の主張をふりかざし、身勝手なテーマで「究極の料理をどうぞ」と見せたがるものだが、この作品は、さながら二流ホテルで開かれたパーティーのバイキング料理のようにも見える。冒頭で役所広司が、映画館の観客に語りかけるシーンがあるが、この手の語りかけは伊丹映画では鼻につくものだが、ことこの映画に関して言えば、「ご自由に料理をお楽しみください」というさりげない導入として奏功していると思う。だからこそ、何度見ても飽きが来ない。噛めば噛むほど味が出る。最後のシーンは、赤ん坊がおっぱいを飲むシーンで終わるが、人間は「食」というものを、さも高尚なことのごとく、それに対する理解や知識をもまた品格の序列に用いたりてしているが、何を言っても最初は母親のおっぱいを飲むんだよ、というメッセージが伝わってくるかのようだ。この映画は世界でヒットしたらしいが、役所広司、渡辺謙という、世界で評価を受けた俳優も登場する。やはり俳優のオーラも少なからずヒットに貢献しているだろう。 8点(2004-01-31 20:14:45)(良:3票) |
51. ドライビング Miss デイジー
単調だがほのぼのとした春のような映画でした。モーガン・フリーマンは、感情を抑えた、朴訥としたものながら、体中からそれまでの人生の紆余曲折を物語るようなしっかりとした演技だったと思います。 6点(2004-01-31 20:00:54) |
52. オー・ブラザー!
映画に差し込まれる幻想的なシーンと音楽が、ほのぼのとしたトーンの中でアクセントとして映画を引き締めている。ジョージ・クルーニーは若い頃の三船のようだ。残念なのはホリー・ハンターの描き方が薄っぺらで、離婚に至る経緯や、愛情の深さなどを感じ取りずらくなっている。過去に仲がよかったのは子供の多さでわかるくらい(笑)。まあでも今の時代にこういうゆったりとした映画があってもいい。寓話としてよくできていると思った。 7点(2004-01-31 15:25:17) |
53. メリーに首ったけ
恋多き女だね。個人的には、犬が燃えるシーンが面白かった。モンティ・パイソンの「デニス・ムーア」に出てくる猫のようでした。 6点(2004-01-30 02:15:08) |
54. ビューティフル・マインド
スジも面白いし、ラッセル・クロウの演技も特筆すべきものがあるが、なぜか映画のテンポについていけない。映画の中にいくつかのヤマがあるが、それぞれの頂点に向かうまでの上り坂が急すぎて、置いてけぼりを食ってしまう。これが何度か繰り返されて、それぞれのヤマの感動が相殺されてしまっているように感じるのは惜しい。淡々と終わるのかと思いきや、最後にもっとも言いたいことを感動的に映している。ならばこのクライマックスをもっと効果的に見せる編集があったのではないか?シナリオよりも、編集に物足りなさを感じた。 6点(2004-01-30 02:09:55) |
55. シンドラーのリスト
長い映画だが、シンドラーの心境の変化を自然な形でえがこうとするならこれくらい時間をかけるのはしょうがないことだと思う。これを2時間の作品で見せていたら、とてつもない駄作になっていたかもしれない。初めは戦争で一儲けするためのあくまでも道具に過ぎなかったユダヤ人を、血の通った人間として理解していく、これを見事に表現していたと思います。また、ユダヤ人役の俳優達。少ないセリフにもかかわらず、生身の人間を、そして人間と扱われない悲惨さを、表情で見事に演じきってくれました。頭を打ちぬかれる瞬間まで、魂のこもった演技だったと思います。死体の一つ一つにも。あの赤いコートの女の子、あのコートは母親が娘に似合うようにと買ったのかな?女の子もお気に入りの服で、家族で外出するときにはあれを着てあの娘なりのおしゃれを楽しんでいたのかもしれない、などと思ってしまいました。さて、日本。日本には杉浦千畝という人がいました。そして他国の人民も大量に虐殺し、自国の人民も大量に虐殺されました。生き残る1億2千万人の未来のために、文化の担い手である映画人達が、今後どのようなメッセージをたたきつけてくれるか。日本人の良心、愛が問われる番ですね。そして私達。この作品をプロパガンダ映画だという評価にしてしまうかそうでないかは、このような出来事は、加害者であれ被害者であれ、だれにでも起こることだという認識を持てるかどうかにかかっていると思います。 10点(2004-01-25 17:10:45)(良:1票) |
56. ラスト サムライ
時代考証云々をいいだすと、「戦国自衛隊」を評することができなくなってしまうので(笑)、まあ、どこかの国のおとぎ話として見ましょう。としたら・・・何も語るところがないんだなあ・・・。困った・・・。しかし、真田広之に尽きます。彼だけ凄い!彼だけで映画館で見る価値あった! 6点(2004-01-25 01:35:38) |
57. HERO(2002)
いやあ、これはきれいだった!あんまり期待してなかったのだが一本とられた。産毛の逆立つ剣の摩擦音とワイヤーアクションにはかなり引いたが、すばらしい映像に圧倒された。これだけ金かけると、日本では面白みのないたらたらした映画になりがちだが、「羅生門」のような組み立ても色使いも遊び心があってよろしい。「熱情」の赤、「静寂」の青、「悟り」の緑、「無」の白、そして「邪悪」の黒といったところか。。。映画館で見なかったのが悔やまれる。それぞれの俳優も、境地に達した大人物を好演している。エンターテイメントとしては最高の評価をしたい作品だ。 9点(2004-01-24 01:38:45) |
58. フォレスト・ガンプ/一期一会
ショー・シャンクが「必死に生きる」尊さを訴えているとするならば、この映画は「生きる」ということそのものをテーマにした作品だと思いました。我々は現世で生きていくうちに次第に小ざかしくなってしまい、人生に意味や目的などがあるように錯覚しているだけではないのか?そしてうまくいかない現実を目の前にして、神や他人や自分のせいにしてしまっていないか?そうではなくて、今生きているということ自体が美しいのだ、ということを訴えているように感じました。フォレストにまつわる幸運の数々、人を幸せにしていくエピソードを、彼自身が叙事詩的に語ることによって、何の駆け引きもない、命と命の触れ合いを描き出しているように思いました。歴代大統領やヒッピー文化、ベトナム戦争は、さほど重要ではないのではないでしょうか? 9点(2004-01-22 02:23:57)(良:1票) |
59. π(パイ)
題材が面白いものなのに、もったいないなあと思いました。これ結局、頭痛に悩む男の話になっちゃってる(笑)。師に「命を落とすぞ」とまでいわれるほどの「π」の真相は、結局なんだったんだろう、と。銀河系、羊の角、囲碁・・・。観客をケムにまいたまま、ドリルで・・・っつうのは、反則ですよねぇ。なかなかおしゃれな映像だっただけに、惜しいと思います。 5点(2004-01-22 02:08:51) |
60. ファイト・クラブ
後半にわかってくる真実がばれてしまっても、プロットがしっかりしてるからガッカリすることはないんですよね。実験的な映像や見せ方も、二人の味に実にマッチしていたと思います。エドワード・ノートンは若くして名優の誉れが高いわけですが、なかなかどうして、ブラピもすごいじゃないですか。未来のデ・ニーロとニコルソンを想像してしまいました。 8点(2004-01-22 02:03:14) |