41. バットマン・フォーエヴァー
前作には強烈な作家性を感じたが、本作は良くも悪くも普通の映画になってしまったという感じ。個人的にはイビツで悪臭を放つ前作の方に惹かれてしまいます。ニコール・キッドマンの美しさとジム・キャリーの芸達者さが際立つ。あと老執事も良かった。それ以外はあんまり印象に残らなかったなあ。あと前作まで音楽を担当したダニー・エルフマンの偉大さを思い知らされました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-08-30 00:55:42) |
42. 我輩はカモである
歴史的な意義は十分理解できるし、テンポ感の凄さや、後世の作品への影響等も分かったけれど、なんとか堪えて最後まで観たというのが正直なところです。公開当時の劇場は爆笑の渦だったんですかね。私が子供の頃に爆笑しながら見てた「オレたちひょうきん族」も、今見たらかなりツライですから、お笑いが時代を超えるのは難しいことを実感しました。英語でダジャレ言われても、分かっても、笑うより「なるほど」という感じになってしまうし、戦争への皮肉も「なるほど」になってしまった。村上春樹がこの作品を好きらしくて、ああそういうことかと分かったのがささやかな満足でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-08-25 00:28:33) |
43. バットマン リターンズ
おそろしく趣味的な作品。前作以上に下品の方向に振り切れている。製作者の心の闇が滲み出ている感じもする。こんな作品なのに名優たちが熱演してくれているのは、やっぱり前作のジャック・ニコルソンに負けじと頑張ったんでしょうね。ほぼ素顔のクリストファー・ウォーケンが一番不気味というか漫画っぽくて笑ってしまう。とても下品な作品だが、ダニー・エルフマンのオーケストラが作品の格を数段上げている。っていうか音楽のおかげでだいぶ間がもっており品格もギリギリ落とさずに済んでいる。個人的には嫌いではないが、高得点はつけられない作品。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-08-22 08:59:47) |
44. 長靴をはいた猫(1969)
小学生の子供とともに鑑賞。子供は結構ゲラゲラ笑いながら観ていたが、中盤はちょっとダレてました。しかし終盤は子供ももちろん私にとっても圧巻の一言。うまく説明できませんが、キャラクターたちの動きとか構図とかが素晴らしく、「これぞアニメーションを見る喜び」みたいなものを強く感じました。私の世代には、不思議にものすごく懐かしく、特に塔の戦いの場面はアートの肌触りがあって、何度も見返したくなります。 [DVD(邦画)] 7点(2021-08-15 10:28:18) |
45. バットマン(1989)
数十年ぶりに観ました。とにかくジャック・ニコルソンの素晴らしさに尽きる。マイケル・キートンも当時はいまいちな感じがしてたが、今見ると悪くない。ちょっと危うい感じが出てる。キム・ベイシンガーは、当時から老け顔だと思ったけど、ジジイとなってしまった今見てもやっぱり年上に感じるな(笑)。独特の世界観や美術も見事(今見るとしょぼい所があるのは仕方ない)。個人的に何より素晴らしいと思ったのは、ダニー・エルフマンのオーケストラ!音楽が作品の格を数段上げていると感じた。プリンスばかりが言及されるけど、このオーケストラは抜群でしょ!ずいぶん褒めたけど点数がイマイチなのは、その程度の映画ではあると思う。でも好きな作品です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-15 08:07:21) |
46. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
小学生の子供とともに鑑賞。普段はユーチューバーのしょうもない動画ばっかり観てる子供も熱中してましたよ。しかし1972年ですよ。この時代にここまで凄いセットを組み凄まじい映像を実現しているにもかかわらず、むしろキャラクターの造形や人間関係に重きが置かれているからこそ古びて感じないんでしょうね。昔観た時は気づかなかったけど、今は結構英語がわかるので、ところどころにクスッと笑えるセリフが仕込まれていることに気づきました。やっぱり脚本が良い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-13 11:32:06)(良:1票) |
47. ボヘミアン・ラプソディ
とても残念ながら、素晴らしい素材を扱っているのに凡作に仕上がっている。もちろん音楽は抜群(もう反則レヴェルだよ)。俳優たちの、ご当人たちへのヴィジュアルの寄せ方も凄い。ライブエイドの再現もなかなか。しかしドラマの部分の見せ方やシナリオがどうにも単純で浅い。より多くの観客(子供も含む)に受け入れてもらうために、レヴェルを落とした感じ。確かに本作は大ヒットしたので、狙い通りということなのだろうが、フレディに焦点を当てるのならば、もっと心揺さぶるドラマが作れたはずだ。惜しいというか、とにかく残念感が拭えない。 [地上波(吹替)] 5点(2021-06-18 22:04:53)(良:1票) |
48. ファンタスティック・プラネット
ストーリーは寓意的にもとれるが、たとえそれにしても陳腐で、やはりこの作品の魅力は、独特の世界観とビジュアルの素晴らしさにあると思う。また言及する人が少ないが音楽にも特筆すべきものがある。初期のプログレッシブロックのようなサウンドは、今の耳には随分古臭く感じるし、映像とのミスマッチ感も甚だしいが、そのねじれた感じがより一層作品に異様な迫力を与えている。もう一つ言うと、フランス語の響きも独特で、本作を唯一無二のものにしている。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-05-04 19:22:34)(良:1票) |
49. 禁断の惑星
これは素晴らしい。もっと早く観ておくべきだった。ロボットの造形の古臭さで損をしているような。いや、このレトロさこそが最大の魅力でもあるのだが。なにしろ1956年ですよ。鉄腕アトム、鉄人28号のアニメが1963年。日本の漫画アニメに与えた影響はいかほどだろうか。面白い作品だったのかと問われたら正直そうではなかったのだけど(今の基準では仕方ない)、損したなんて微塵も感じなかったし、むしろちゃんとSFになっていてびっくりした。心からレスペクトしたい作品。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-04-18 23:48:44)(良:1票) |
50. パラサイト 半地下の家族
韓国映画を見るのは初めてでした。映画としての点数は6点くらいですが、韓国文化や低所得者層の暮らしについての興味深さでプラス1点です。もちろん映画なんでこれが全て正しい描写とは思いませんが。テンポよくダレるところもなくエンタメとしてはとても面白い作品でしたが、富裕側の人物の背景や深みがなかったところに物足りなさを感じました。黒澤明の「天国と地獄」という作品があって、テーマとしては近いと思うんですが、あれは富裕側も魅力的に描かれていた。まだ観てない人がいたらお勧めしたいです。 [地上波(吹替)] 7点(2021-04-13 17:00:17) |
51. ゴッドファーザー PART Ⅱ
とにかくデニーロに惹きつけられる。いったいどうやりゃ演技によってカリスマ性を滲み出させるなんて芸当ができるんだろう。過去と現在が交差する凝った構成で、とてもよくできた映画だとは思うが、個人的には1の方に、より得体の知れない凄みを感じされられたので1の方が好き。まあ1も2も両方とも素晴らしい作品なので、どっちが上かだなんてとてもセコイ議論なんだけど、私はセコイ人間なのでついつい比べたくなって困る。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-02-22 12:54:15) |
52. ゾンビ/ディレクターズカット完全版
怖いのやグロいのが苦手なので今まで避けてきましたが、NHK-BSPでやってたのでとうとう観てしまった。ああ!もっと早く観てりゃよかったと後悔。こりゃ面白い。語り尽くされていることですが、やっぱりシチュエーションが素晴らしい。なんだか社会学の実験みたいな。ゾンビの虚無感や、暗黒面に堕ちていく人間たちの描写も素晴らしい。なぜか観終わった後に、何か気の利いたようなことを語りたくなってしまう不思議な魔力がある。「エイリアン」程度が大丈夫なら、全然普通に観られますよ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-15 21:55:00) |
53. モスラ対ゴジラ
小学生の子供たちと一緒に鑑賞。ワイワイと楽しみながら見られました。ラストが存外にあっさりで、家族全員で「もう終わりかい!」と総ツッコミでしたが。何よりミニチュアの精巧さが素晴らしい!現代のCGでは出せない独特の質感に感動。高い点数はつけて無いですが満足度はかなり高かったです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-01-12 15:23:23) |
54. ドグラ・マグラ(1988)
原作既読。いやぁ、頑張って最後まで読み通しましたよ。まさか映画版があるとは!そしてまさかのこの素晴らしい完成度!!!あの原作の映画化としては、限りなく満点に近い出来なのでは?とにかく丁寧に原作世界が視覚化されていることに驚き。原作を読んでいた時、だんだん頭が混乱して来たあの感覚が、この映画を見ながら同じように再現されました。原作を最後まで読み通せなかった人は、この映画見たらそれでいいんじゃないないかとすら思う。まあ、面白い映画かと言われると、そうではなかったのだけども、素直にこれはすごいと思える映画ではあった。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-11-25 06:43:45) |
55. メイキング・オブ・モータウン
ソウルミュージックが好きなので、音楽制作の裏話的なものを期待して観たら、よくある音楽ドキュメンタリーとは違うなんだか途轍もなく凄いものを見せつけられてしまったという感じです。もちろん数々のライブシーンや、のちにビッグになっていくアーティストたちの若き日の姿も実に素晴らしく感動的なのですが、とにかくゴーディさんの人柄と生き様にひたすら圧倒されてしまいました。まさかあんなに泣かされてしまうとは思わなかった。ハンカチ必須です。 [映画館(字幕)] 8点(2020-10-27 00:04:56) |
56. イエスタデイ(2019)
ネタバレ 出てくる歌はほとんど一緒に歌えるし、セリフに散りばめられた小ネタには笑わされるし、ビートルズファンとしては大いに楽しまさせてもらいましたが、理屈っぽい自分としては、腑に落ちないところが色々あり、どうもすっきりしないのです。ビートルズとともに忘れ去られたcigaretteやcokeやハリポタはどうして?とか、主人公以外にもビートルズを覚えてた人たちはどうして?とか。終盤に出てくる彼は、ビートルズがなければ殺されることもなかったのだろうが、例え音楽をやってなくても一介の漁師として一生を終える人物のようには思われなかったり。細かいところで色々納得いかなくて、面白かったけど高得点はつけられない感じ。それにしても流れてくる曲がどれも素敵すぎて、いやあ、ビートルズって本当に素晴らしいですね! [インターネット(字幕)] 5点(2020-10-02 15:44:08) |
57. この世界の片隅に(2016)
序盤からもの凄い情報量で頭がパンクしそうになった。私は広島弁も広島の地名もだいたいわかるが、そうでない人には訳のわからないところもあったのではないか。そして、ただ単に情報量が多いというのでは無く、なんでもないような日常のシーンで心の機微に触れる描写が多々あり、どうしてここで感動しているのか自分でうまく説明できないけれど、何故か涙が流れてしまうところも何度かあった。作品として評価が高いことはわかっていたので、身構えてというか、ちょっとハスに構えた感じで見始めたが、まあとにかく見事に心を奪われてしまって、参りましたという感じです。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2020-07-07 13:09:37) |
58. 映画ドラえもん のび太の月面探査記
小学3年の娘と、年長さんの息子と共に、テレビで鑑賞。子供達はそれはもう喜んでましたよ。小3の娘は、ちゃんと正確にストーリーを理解できてました。ギャグシーンも多く、年長の息子はゲラゲラ笑いながら楽しんでました。でもね、「宝島」は劇場まで家族で観に行って、私もそれなりに楽しめましたが、今回はテレビ鑑賞だったせいか、正直、私にはイマイチだった。どこかの映画監督が、近年の映画を評して、「これは映画ではない、テーマーパークだ」みたいなことを言ってましたが、この作品にもその言葉が当てはまるような。演出はド派手で、映像も綺麗で、もしも劇場で観ていたら評価はもっと高かったのだろうけど、自宅のテレビで観ると、ちょっと引いた感じの冷めた評価になるというか。脚本は凝った伏線もあって良い点もたくさん合ったのですが、そもそも毎回ドラえもんたちが「世界を救う」みたいな大風呂敷を広げなくてもいいんじゃないかと思ったり。まあとにかく、ドラ映画は劇場に足を運んで、お祭りとして楽しむべきものなんだと思いました。 [地上波(邦画)] 5点(2020-03-09 00:29:13) |
59. ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years(2016)
ネタバレ ビートルズはどのアルバムも愛聴してますが、ライブは音源も映像にも馴染みがなかったので新鮮でした。ライブの演奏と歌唱の見事さには驚嘆。個人的には後期の独創的なスタジオアルバムが好きなんですが、やっぱりライブバンドだったんだなあと改めて思い知らされました。ところで武道館ライブについてコメントしてるのが浅井慎平さんなのですが、何を言ってるのか全然意味がわからなくて、英語の字幕を見て、ああこういうことなのかと理解するという、なんでやねんという感じなんですが、まあとにかく翻訳者がすごいね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-18 16:30:50) |
60. サマーウォーズ
今更鑑賞。話題になってた時に観てれば良かったと後悔。ヴァーチャルリアリティとリアルが交差する現代的なSFですが、アラフィフのおっちゃんにはこのくらいがレヴェル的にちょうど良い(笑)未だ古びてないと思いますよ、おっちゃん的には。でも公開時に観てたらもっと衝撃受けただろうな。おばあちゃんという人物の背景をもっと知りたかったかな。 [地上波(邦画)] 7点(2019-09-21 14:01:59) |