41. ビクター/ビクトリア
ジュリー・アンドリュースは「メリーポピンズ」も「サウンド・オブ・ミュージック」も大好きなのですが、本作は思わず目を覆ってしまいました。男装のジュリーが痛々しくて。冒頭の女性で登場した辺りはまだよいのですが、短髪にしているともう駄目。やせぎすで、仕方がないことではありますが、しわも目立つし。歌で魅せてくれるのはうれしい加算ポイントですが。プレストンはこの映画で初めて認識しましたが、うまいというよりは気持ち悪いという感情が先にたってしまいます。エンディングの女装は悪趣味そのもの。悪趣味といえば、キングの愛人役の女優もメイクといい、ダンスといい露骨に下品でうんざりしてしまいます。キング役のジェームズ・ガーナーも、見るからにただのおじさんで、ジュリーが恋に落ちる相手役としてはミスキャストの感は否めません。よほどキャストに制約があったんでしょうか。ウエイターや私立探偵によるどたばたは、「ピンクパンサー」のブレーク・エドワーズらしいといえばらしいのですが。70年代に多くの作品を発表したブレーク・エドワーズですが、今思うとなぜ「コメディの名手」などと妙に高い評価が得られたのか疑問です。 6点(2004-09-10 13:23:38)(良:1票) |
42. リプレイスメント・キラー
こんなに起伏のないストーリーで映画を作っていいのか。なぜユンファが殺し屋となったのか。なぜ刑事の子供を撃てなかったのか。ミラ・ソルビーノはユンファをあっさりと信用したのか。話を展開させるために必要な背景が全く無視されている。あらすじしかないような映画。 1点(2004-08-03 11:10:17) |
43. ファニー・ガール
ファニーブライスといえば、「巨星ジーグフェルド」に本人役で出演したり、「ジーグフェルドフォーリーズ」でコントを披露したりしています。コメディエンヌと言うしゃれた呼び方よりもお笑い系といったほうがふさわしいようなファニーフェイスですが(北陽の片割れに似てるかな)、その役をストライザンドがやると、「ファニーブライス」という役を演じていると言うよりもストライザンドそのもの。大御所風がぷんぷんで、実際のブライスと同一視することがどうしてもできなかった。成功への意欲だけは人一倍のブライスが周囲の声をものともせず、ジーグフェルドに見出されるまでを描いた前半はコメディタッチで快調だったが、後半オマーシャリフ演じるギャンブラーとの恋、結婚と進んでいくと重苦しい女の一代記に。ギャンブラーの性格付けも中途半端で、なぜブライスがそこまでいれこむのか共感を覚えなかった。ブライスの自伝に即しているのかどうかは不勉強ながら知らないが、そもそもブライスという実在の人物を素材としてこのストーリーを描くことに意味があるのか、と疑問を禁じえなかった。せっかくのミュージカルも全体の長さの割には楽曲が少ない。 5点(2004-08-03 11:06:54)(良:1票) |
44. 私を野球につれてって
「Take Me Out To The Ballgame」が主題曲となった映画とはいえ、劇中では冒頭のステージシーンとエスター・ウィリアムスのプールシーンで登場するのみでちょっと意外。むしろオブライエン、ライアン、ゴールドバーグの歌やアメリカの歌が記憶に残る。ストーリーは単純だが、それ故に楽しみどころ満載。新たに登場した女性オーナーという設定は「メジャーリーグ」も元ねたといえそうだし。野球のシーンが本格的なところにも注目。日本映画で野球を扱うと、絶対あのバッティングフォームでは飛んでいかないだろうというような方向に打球が飛んだりするが、そんないい加減さはない。個人的にはベティギャレットがみられたのがうれしかった。エンディングのステージシーンは思わず顔がほころんでしまう 8点(2004-08-03 10:58:46) |
45. 冒険者たち(1967)
海洋冒険モノと思ったら、冒険の部分は余り多くなく、男女3人の友情が主眼だったので拍子抜け。凱旋門のくぐりぬけ飛行挑戦、海に沈んだ財宝探し、海に浮かぶかつての要塞島などわくわくするアイテムはいっぱいだが、甘ったるくて、展開も冗長。女性の海中埋葬シーンにロマンを感じるよりも、「これって死体遺棄罪じゃない」などと考えた自分はやはり無粋な奴なのでしょう。 3点(2004-08-03 10:54:59) |
46. ショウ・ボート(1951)
さぞや傑作と期待が大きかっただけにがっかり。スタッフ、キャストに「アニーよ銃を取れ」の顔ぶれがそろっていることから、同様にケレン味たっぷりのソング&ダンスシーンを期待したのですが、ハワード・キール、キャスリン・グレイソンが朗々と歌うシーンが中心でねむかった。キール主演の「掠奪された7人の花嫁」もアクロバティックなダンスが魅力で大好きなのですが、よく考えるとあの中でもキールは歌う人だったし、グレイソンも歌の人らしいので、当然といえば当然なのだが。物語的にも今ひとつ。ちなみに個人的にはこの映画と前後して、「ファニーガール」「有頂天時代」を見たのですが、なぜ登場する男性はみんな判で押したようにギャンブル好きなのでしょう? 6点(2004-08-03 10:51:02) |
47. ハロー・ドーリー!
元はやはり傑作ミュージカルですよね(TDSのミュージカルアンソロジー「アンコール」にも登場してます)。私は動くバーブラストライザンドをこの映画で初めて見ましたが、スチール写真ではわし鼻ばかり目に付く彼女ですが、なかなかチャーミングであることを知りました。音楽は当然よいのですが、明るいストーリーも悪くない。特に使用人兄弟が公園で踊るシーンやレストランのダンスシーンはアクロバティックで圧巻。さすがジーンケリーという感じ。難を言えば、ウォルター・マッソーに魅力が乏しく、なぜドリーが彼にひかれるのかがさっぱりわからないと言う点でしょうか。 7点(2004-08-03 10:44:44) |
48. ホテル・ニューハンプシャー
中途半端なエピソードを連ねて、結局、最後に幸せそうなエンディングで強引に感動作に持っていったとしか言いようがない。いろいろ解釈を加えて、面白い映画のように言うことはできるだろうが、ここでは率直につまらない映画といいたい。 3点(2004-07-13 23:32:06) |
49. インナースペース
ずっと見たくて、やっと見られた映画。その理由は近所のビデオ店でずっと「コメディ」コーナーを探していて見つからなかったため。結局「SFファンタジー」コーナーで発見した。でも観賞後の感想はやっぱり「SF」というよりも「コメディ」なんだな。素材が体内探検を扱っているために、「ミクロの決死圏」と比べる人が多いけど、そこが誤解の始まり。「ミクロ…」は特撮技術(ダリが美術担当でしたな)で体内を描いてみせることが主眼で、逆に言えば映像にしか売りがない。(だって、無事制限時間内に生還できました、というだけのラストって、あまりにも薄っぺら)。それに対し、「インナー…」は、デニスクエイド演じる、ちょっと粗雑な性格の主人公が、ナイーブな性格の若者(マーチンショート)を励まして、成長に導きながら、自身もメグライアンとの失った恋を取り戻すという筋立てになっている。別にデニスクエイドがマーチンショートの体内に入る必然性はテーマ上はなかったんじゃないか。仮に守護霊が主人公を励ますとか、ドラえもんがのび太を励ますとか、そんな設定であれば、体内探検にこだわる必然性はなかったのだと思う。 ダンテ「今度コメディタッチの恋愛ものやりたいな」スピルバーグ「そんなんじゃ、当たらないよ。時代はSFX。『ミクロの決死圏』みたいな体内ものだったら、制作費が集まるぞ」ダンテ「しょうがないな…」なんてノリで製作がスタートしたのではないか、などと想像してしまう。 まあドタバタ部分のコメディはたぶんに不発。かろうじてメグライアンの天性の明るさでもっているという感はありありなのですが。この映画の当時はメグライアンも当然「ラブコメの女王」なんて呼ばれ方はしていなかったけど、その片鱗は十分に堪能できる佳作だと思います。 7点(2004-06-27 23:13:12) |
50. 裏窓(1954)
《ネタバレ》 演出に斬新さは感じるのだけど、肝心のストーリーが全くの拍子抜けであまり評価できない。犯人の犯行をうかがわせる場面の一つに、犬が「何か」が埋まった花壇を掘り起こす場面があるけど、そもそもあれだけ窓に面した場所に犯人がものを埋めるなどという、目に付く行動をするものだろうか。3回に分けて遺体を運びだす“慎重さ”と矛盾するのでは? 主人公の推理通りに筋が展開するのも間が抜けている。サスペンスというよりも、リザ役のグレース・ケリーの美しさとその大胆な行動にはらはらする場面の魅力などを支えにしたロマンチックコメディととらえるべき映画でしょう。 4点(2004-06-27 22:47:12)(良:2票) |
51. ライトスタッフ
これに10点をつけずして、何に10点をつけるか!というくらい、最高の映画。航空機の音速突破と宇宙開発の先陣争い。操縦席からの主観カットを交えた映像は迫力満点。政治家を戯画化したり、適度にユーモアを交えながらつづられる男たちの姿には「かっこいい」という言葉以外浮かばない。エド・ハリスやジェフ・ゴールドブラムらの若い頃が見られるのも楽しい。 10点(2004-06-19 02:30:44) |
52. キャメロット(1967)
楽曲に聴くべきものがないのが致命的。せいぜい「キャメロット」と「グエナヴィア」の2曲ぐらい。ミュージカルとしては失敗作でしょう。アーサー王の理想郷が王妃とランスロットの不義で破綻する……。歴史ロマンのストーリーはどうにか及第点。衣装や城の内装など美術はすばらしく、グエナビア役のレッドグレーブとランスロット役のフランコ・ネロが美しい。 5点(2004-06-18 00:46:55) |
53. スター・ウォーズ
《ネタバレ》 スターウォーズの本来の魅力が一番詰まった作品でしょう。帝国軍の歩兵に追われるルークとレイア。目の前は奈落の底。すかさずベルトから取り出したロープを天井のフック(?)にかけるとレイアを抱いてターザンのようにジャンプ(ここでのマーク・ハミルとキャリー・フィッシャーの間の取り方は最高です)。当時中学生の私はこのシーンが見たいがために映画館に向かいました。いったん袂を分かちながら、最後に助太刀に戻ってくるハン・ソロ。そしてジョン・ウィリアムスの荘厳な音楽と相まった最後の王座の間のシーン。ヒロイズムにあふれるシーンが満載でした。 しかし「帝国の逆襲」「ジェダイの復讐」さらに「エピソード1」「2」と進むと、何を勘違いしたか、着ぐるみキャラ、CGキャラのオンパレード。「7歳から70歳まで楽しめる」とルーカスが言っていたストーリーも、政治的駆け引きの話ばかりで、躍動感にとぼしく、しらけるばかり。この20年余りというのは、ルーカスの才能(フォース)が暗黒面の金銭欲に浸食された過程といえるのではないでしょうか。 今はルーカスがこの第1作を「全編CGで作り直す」などと言い出さないのを祈るばかりです。 10点(2004-06-16 10:40:52)(良:1票) |
54. 猟奇的な彼女
ストーリーはフジ月9と同程度にまあまあ。無駄なカット、無駄な挿話(劇中劇や脱走兵の話)が多く、テンポが悪い。ヒロインの嘔吐シーンや、導入部のラブホテルの男性シャワーシーンは下品。こうした場面をあえて描写するのは文化の相違なのだろうか。ヒロインの性格付けもよくわからない。暴力的な振る舞いと恋人との死別は関係しているのか? 最後のタイムカプセルを埋めた場所での老人との会話は蛇足だろう。基本的にはヒロインの魅力に寄りかかっただけアイドルムービー。ファーストシーンとリンクするラストシーンの爽快さが救い。 3点(2004-06-16 09:21:35) |