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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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41.  拳銃魔(1949) 《ネタバレ》 
ボニー&クライドがもとネタであろう本作は今となっては単純過ぎるお話だが、狂おしいまでの強烈な愛により破滅へと導かれていく様が鮮明に描かれている。襲撃シーンの他に、殊に印象深いシーンが二つある。一つは冒頭で、降りしきる雨の中、拳銃を盗む緊張の場面は拳銃に魅せられた少年と彼の今後の顛末を予見させるようである。もう一つは計画通り別行動できず共の逃避行を決心する場面で、二人の関係性だけではなく拳銃や殺しについて等々、あらゆる面での逃れられぬ宿命を匂わせているだけではなく、とても劇的なシーンになっている。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-24 18:25:21)(良:1票)
42.  闇の曲り角
少しあっさりしていますが(後に「アイ・ラブ・ルーシー」のルーシーとなったルシル・ボールの聖母然とした印象のためか?同時にそれがウリにもなっているが)、巧い展開ですし個々のキャラクター造型とその配役や白服に鏡の使い方、そしてノワールらしい影と闇が良い味を出しています。電話を盗み聞いている?子どもがいますが、登場した瞬間に観客にはその子の役割に察しがつきます。単純なことですがこの混沌世界で唯一の手がかりであり伏線の張り方として憎い演出です。また、ここで煙草を吸いたいなぁと思うところで主人公はチッとマッチをすって一服する。そこら辺りの感覚が観ていてとても心地良いのです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-24 18:07:15)(良:1票)
43.  無防備都市 《ネタバレ》 
いくつかのとりわけ素晴らしいシーンを別にすれば、映画としては格別驚くべき作品ではないとも思うが、政治的メッセージを込めた意味合いや、撮影当時の状況を考慮すると忘れられない作品だと思う。ロッセリーニ監督はこの後「戦火のかなた」と「ドイツ零年」を続けて発表しネオレアリズモの旗手となったが、本作は他の二作とは少しばかり趣が違う。例えば人物であるが、基本的にどこか傍観したような姿勢であるのに本作の神父さんは様々なシーンで性格が描写され感情的でもあり近距離だ。それに老人のベッドに武器を隠そうとするシーンなどはとても面白くなっている。だが逆に物語としては他二作よりは比較的ドラマティックではない。これは同じくネオリアリズモの担い手であるデ・シーカ監督(「自転車泥棒」や「靴みがき」)にも言えることだが、リアリズムと言いながらも物語展開は極めて劇的なのだ。もちろんこれらは皆あくまで映画であるし、過酷な社会状況を映し出したことやクローズアップを多用しない等の撮影方法、一瞬で失われる命、主人公たちに大団円が用意されていないという意味などでは現実的で娯楽映画とは一線を画すわけであるが。そんな中でも本作は、出来事自体も図ったのではない偶然の産物に思えドキュメンタリー形式に最も近くありのままの姿が映し出されているのだと感じられる。ただ、ラスト近くの拷問の場面、地獄のような責め苦を課す部屋の隣室に試練を受ける神父を挟み、その扉向こうは享楽に耽る娯楽室、さらに誘惑してくる容赦ない将校と同性愛の匂いがする不気味な女のキャラクターは狙ったように悪魔的だと思う。  それからこれは三部作通して言えることだが、決して同情を誘うような安易な存在ではない子どもの描写や使い方が突出している。途中のサッカーシーンやラストの射殺を見守る姿などすっかり心を動かされてしまう。  だが、私の最もお気に入りのシーンは神父さんが裸の女の彫刻と男の彫刻が向き合って置いてあるのを反らす何でもない場面で、喜劇的行動を出し抜けに挿んだロッセリーニのユーモアが何とも可笑しい。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-12 18:20:21)(良:1票)
44.  ドイツ零年 《ネタバレ》 
戦時中ではなく戦後の瓦礫と化した街を映し出し、修復不可能と思わせるような戦争の深い傷痕を生々しく訴えています。厳しい状況でついつい喧嘩口調になる家族の苦しみ、なんの罪も無い子どもたちが被害者となっていく様子に胸が痛みますが、前半部に関しては特に印象深いシーンは無いです。しかしラスト近く、少年が家を飛び出したあたりからは圧巻。それまであまり描かれなかった子どもらしいあどけない一面を見せながら、さまよい歩く少年の姿はとても寂しく物悲しい。その果てに死体となった少年が無造作に横たわる姿は実に衝撃的です。・・・と、もう一つ気になるのは少年と教師のシーン。語られはしませんが、あの教師の子どもに触れる手つきは性的な匂いを感じさせとても気味が悪いのです。その上その場面では〝閣下〟なる胡散臭い人物も登場し何とも言えない異様さを覚えます。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-20 18:03:59)
45.  虎の尾を踏む男達 《ネタバレ》 
安宅関と言えば義経をバシバシ叩かなければならない弁慶の痛切な忠義心と、それに感じ入り見逃してやる富樫の厚い人情の現代日本社会ではもはや廃れた?おっも~い想いの詰まったお話ですが、そこにエノケン!?一体全体どういうことかと思ったら最初からエノケン全開。ズンズン進む義経一行にたびたび笑い声で茶々入れてくる。なるほどこれはパロディなのだと思い、おそらくエノケンが下男の知恵や行動で気を利かせ、あるいは知らず知らずのうちに一行を助けてしまうのだなと思っていたのですが…。どうやらエノケンはただの道化だったみたいです。さすがのエノケンで登場すると空気が一変するのですが、どうも対照的な物語と巧い具合には溶け込めておらず明かに遺物混入状態です。弁慶と富樫の対峙シーンの緊張感や構図、義経の顔が初めてはっきり写るところなどは抜群だったのでエノケン抜き、ついでに歌で状況説明抜きの本格派勧進帳も見たかったですね。それから大河内傳次郎を弁慶にするならせめて家来に彼よりのがたいの良い人を配役しないで欲しかったなぁ。
[DVD(邦画)] 7点(2007-11-27 18:20:45)
46.  マルタの鷹(1941)
全体的に緊張感に欠ける演出は少し緩慢だと思いますが、ハードボイルドな世界が確かに存在しスピーディで、太った男やカイロなどの人物造型は面白く何よりボガードが良いです。ストーリー展開にしろ、あのシーンにしろこのシーンにしろ全てがボギーのために用意されていると言っても過言でないほどボギーを見て楽しむ映画だと思います。ただ、相手役の女優さんの存在感が欠如しているように見えます。これは個人的な女優の趣味の問題や見せ場が乏しいという次元の話ではなく、美しく撮ろうという心遣いがなされていないように思え、明らかに魅力に乏しい印象を受けてしまいます。せっかくのボギーの男振り、ファム・ファタールならば観客を魅了してくれないと。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-02 18:18:41)
47.  戦火のかなた 《ネタバレ》 
全六話の短編からなる作品であり、基本的にはアメリカ人兵士とイタリア人の市民や反ファシストを描いた反戦もので、物語自体はそれぞれドラマティックなのですが…かなり冷めた撮り方をしています。例を挙げると一話目、写真を見せようと火を点けたとたんに狙撃される米兵士と、殊勝にも復讐を試みるイタリア女。こんなにも心に響く状況なのに感傷に浸らせようとしないのです。それこそ例えば「駅馬車」で撃たれた賭博師の手から銃がポトリと印象深く落ちるように、アメリカ兵の手から写真を抜け落ちさせたりしていませんし、女も崖から落ちるシーンなど一切見せず、既に事切れてただの屍として横たわる姿を写し出すだけなのです。それは、あるいは二話目での何気なく子供へと落とされた靴を捕らえないのと同じであり、または三話目でぞんざいに捨てられる女の住所を書いた紙を追わないのとも同じであると思います。その本来なら注目すべきものを敢えて無視した一見、乱暴にも見える撮り方、冷めた演出が逆に無惨さや虚無を感じさせます。・・・ちなみに個人的には後半三話より前半三話の方が好みです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-13 18:14:41)(良:1票)
48.  ジェニーの肖像 《ネタバレ》 
ジェニーが登場すると空気が一変し、どことなく夢心地で幻想世界へ足を踏み入れた雰囲気が出ていて悠久の時を感じさせます。そして津波のシーンでモノクロから切り替わる緑が映え、いよいよもって時の間に突入した緊張感が高められています。さらに最後の最後にきて色彩の豊かさを見せる〝ジェニーの肖像〟が鮮やかであり何とも素敵です。色褪せないとはこのことで、愛と芸術の永遠という普遍性を見事に融合させ一枚の絵として完成させる素晴らしさ。友人をはじめとする登場人物たちが温かく描かれているのも微笑ましく、ファンタジーとはまさにこの作品。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-17 18:56:33)
49.  姿三四郎(1943)
あのように投げ飛ばされただけであんなにボロボロになるのか?とか、三四郎と村井の一進一退の攻防は社交ダンスが始まるのか?とか思ってしまったものの試合シーンは実に工夫を凝らしてありダイナミックに描かれています。これといって波瀾もなくオーソドックスな展開ですが、三四郎と檜垣との対比もはっきりしていて食事をしているところに檜垣が帰ってくる場面など完全な訣別を感じさせますし、最後の決闘シーンも素晴らしいです。ただ残念ながらカット版だったので少々物足りない感じもしましたが、主人公の成長過程はしっかり描かれていますし無駄なシーンが全くなく叙情的で簡潔で、そして何よりとてもパワフルです。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-05-14 18:18:00)(良:1票)
50.  そして誰もいなくなった(1945) 《ネタバレ》 
原作との比較はナンセンスだと思いますが、原作と異なるこのハッピーエンドはいただけません。もちろん敢えて同じオチで勝負する必要性など何処にも無いのですが、アメリカ的なオチとしたことで作品の簡潔さが損なわれています。そればかりかそれにより全体のムード自体の変更も余儀なくされ、シリアスさは影を潜めコミカルになり道化役まで登場し、カップルで楽しむような作品となり本作の真の面白さは消え失せてしまっているのです。引っくり返った足先や電気傘で顔を隠すなどの洒落たシーンは随所に見られますが、原作を面白がった読者としては甚だ期待を裏切られた思いなのです。・・・もっとも、原作を読んでいなければストーリーの後追いなどしなかったでしょうから楽しめたような気もするのですがね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-02-08 18:44:24)
51.  わが谷は緑なりき 《ネタバレ》 
子供のヒューの視点から一家を通してウェールズのある時代を描いた物語。炭坑夫が失業し、学校に通うようになった大きな時代の移り変わりを見せれば、拳闘家がいつしか視力を失っていたりと何気なく身近な時の流れも感じさせる。そして古き時代を思わせる封建的ながら力強く一家を支える父親と、算数の問題ですら「穴のあいたフロなんて」と根っから現実的で大きな母親夫婦のキャラクターが味わい深い。人一倍苦労し学校を首席で卒業したにもかかわらず時代に逆行し炭坑夫になりたいと言うヒューの台詞は、その父親を尊敬し背中を見て育ってきた証であり根本的な親子像を端的に示唆している。父や兄弟の死や失業、心を支えてくれた神父さんと姉の悲恋、辛い出来事の連続でもたくましく生きる姿に人間の活力を感じ力づけられる。そして初老となったヒューの心にも未だ強い生命力を思わせる緑の良き思い出として生き続けていることに感動する。人間の物語なのに決して感傷的に描いていないところが好感を持てますね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-12-27 18:10:08)(良:1票)
52.  靴みがき 《ネタバレ》 
未来ある真っ直ぐな子どもたちの物語なのに容赦無しにリアリズムに徹し、当時イタリア社会を襲った困窮の惨状を鮮烈に描いています。う~ん、あまりに悲劇的で観ていて辛くなりました。当然子ども社会だけではなく大人との決裂まで描かれているわけでして八方塞がりですよ。それに加えて馬が自由や希望の象徴のように思えるのに、それに手を伸ばしたがために絶望を味わわせるあたりが何とも残酷です。ホントもう最後のシーンは冷酷で遣る瀬無いですよ。本作や同じデ・シーカ監督の「自転車泥棒」や「ウンベルトD」を観ると、こんな状況には二度と陥ってはならないのだという痛烈なメッセージを感じます。個人的にはこれが一番辛いのですけどね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-23 17:41:34)
53.  鉄路の闘い 《ネタバレ》 
ドキュメンタリー調で事の成り行きを追い、特定の人物の内面が描かれていないので歴史的背景を理解していないと内容を把握しづらいです。人物描写を避けたのは個人が先だって関わった不特定多数の人々が埋没しないようにするためや、感情的になり過ぎないため、真実味を帯びさせるためかもしれません。それでも鉄道員たちの圧倒的な活躍やラストに取り戻された列車にフランス国旗がはためく場面を見るとレジスタンス運動員の功績を称えているのが良く分ります。当時の実状や世相を知っているわけではないので軽率な物言いは控えたいのですが、仮に無国籍に置き換えて考えてみるとレジスタンス側のやや一方的な印象を受けます。作戦はことごとく成功し、反撃による死者も犠牲者として美化されたように見えます。もちろん鉄道員たちに捧げられた作品でしょうから当然と言えば当然なのですが、その一視点描写の英雄像という内容は今観るとやはり時代を感じます。
[DVD(字幕)] 6点(2006-11-13 18:22:01)
54.  罠(1949) 《ネタバレ》 
現在となってはストーリーは単純そのもので展開も読めてしまいますが〝見せ方〟が秀逸です。ストーカーの体を心配するジュリーが試合を見る事が出来ず、かといってじっと待ってもいられなくて上の空で街を徘徊し、二人分の夕飯を買って帰るシーンは彼女の心情を痛いほど表しています。ボクシングシーンも喧嘩のようながら観衆たちの興奮する様子で迫力満点に仕上がっています。ついつい応援したくなってしまう二人に一筋の光がさすラストも清々しいです。控え室を出入りする様々なボクサーたちの光と影が交錯する人生模様も見応え十分。実時間と作中の時間を連動させ緊張感を保ち、それを気付かせる柱時計も嫌味なく品が良いです。単調にしないように緊迫感を損なわないように実に工夫された作品です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-21 18:19:20)(良:1票)
55.  風の又三郎(1940) 《ネタバレ》 
割りと原作に忠実に作られているので賢治の特異な世界観を損なうことなく実写化に成功しています。原作(最も読まれているであろう新編において)と同様に本作では三郎が本当に〝風の又三郎〟なのか明示されません。風の又三郎は大人が信じないような子供社会の伝説の一種です。大人になると無理にでも論理的に説明をつけようとしてしまいますが、子供は濁りの無い目で純粋に信じることができます。そして原作にはない又三郎の鉛筆紛失事件を挿入するする事によって又三郎の存在をさらに不明瞭にしています。しかもこの事件は子供たちにとっては風の又三郎の仕業として永遠の語り草となるでしょうが、観客には妹の仕業という種明かしをしてしまっているのです。つまり観客は全ての答えを提示されたうえで判断を委ねられるのです。童心を忘れずにいられたかどうかを。様々な年代で見たいと思う作品です。  ・・・ところで年長者が年下の子の面倒を見るという分校スタンスは良いですね。一クラスにおける生徒数や教員の多忙さ、学力向上等を考えると様々な問題が生じて無理な話かもしれませんが、週一日や一日一時限だけでも学年混合のクラスがあったら失われつつある昔の大切な人間関係を取り戻せるかもしれないとさえ思わせます。教師でもあった賢治の理想の教育環境を垣間見た気がしました。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-25 18:16:41)
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