41. クワイエット・プレイス
《ネタバレ》 ホラーというよりはSFサスペンス。家族の絆が軸になっている。音を出してはいけないため、悲鳴を出せないのが緊張感を増す。異星人の弱点って、「マーズ・アタック!」見てればすぐに分かったのに。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-07-16 08:51:11) |
42. ホテル・エルロワイヤル
《ネタバレ》 マジックミラーで客室が覗ける怪しいホテルが舞台。そのホテルに居合わせた、ワケありの客たちのあるひと晩が描かれる。ベトナム戦争が泥沼化したニクソン政権時代が背景にあるのがミソなのだろうけど、捜査官の男性があっさり殺されてしまい、盗撮云々のくだりは伏線がうまく回収できていないような。登場人物一人ひとりの背景を過去に遡る展開も、意外性に乏しい。人物紹介が後半まで続くことで物語のメリハリがなくなってしまい、冗長な印象になる。後半に期待したドンデン返しはなく、配役がいいだけに少しもったいない仕上がりの作品。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-07-16 08:45:48) |
43. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 往年のゴジラファンには物足りない出来でした。官邸の人間模様を中心にしたのは新しいですが、肝心のゴジラが全く動かないのではどうにも興奮のしようがない。人間ドラマの見せ方も、セリフの応酬とカット割りのスピードで勢いをつけてみせてるようで中身が薄く、感情移入できない。時代の流れとともに、さまざまな作品に進化してきたゴジラですが、次世代のゴジラに期待です。個人的には、CGより着ぐるみの方が本物に見えてしまうのがゴジラです。 [インターネット(字幕)] 3点(2019-05-08 20:44:00)(良:1票) |
44. ブラック・クランズマン
《ネタバレ》 評価が良かったので期待したが、他のスパイク・リー作品同様、ストーリーがうまく語られておらずぎこちない出来。主人公が警察に入ろうとした背景は全く不明でドラマとして消化不良な面が多く、笑いも肩透かし。導入とラストに過去の名作と実映像をそれぞれ流す尾ひれがついているが、ムリヤリ引用したような違和感がある。ドキュメンタリー映画ではないのだから、人種問題を皮肉たっぷりの描くコメディに徹した方が、映画作品としては良かったのではないか。 [映画館(字幕)] 5点(2019-04-07 18:59:46) |
45. ROMA/ローマ
《ネタバレ》 家が主な舞台。そこに、祖母、両親、子供たちの3世代で住む一家と、住み込みで働く家政婦の日常が淡々と描かれる。その家政婦の一人が主役で、妊娠と死産を経験しながら、家族にとってかけがえのない存在である様子が語られるのだけど。。。さすがに、最後の海で溺れかけるシーンは感動するが、そのラストに辿り着くまでが冗長で途中は中だるみした。モノクロの映像は美しいのだけど、物語の起伏がなさすぎて、色があっても良かったのでは。夫に出て行かれる奥さん役の女優さんの巧さが勝って、主役の家政婦に感情移入できる魅力が途中まで見つからなかったのも残念。とりあえず、この映画に出てくるメキシコの男どもは最低です。 [映画館(字幕)] 6点(2019-03-22 08:48:06) |
46. ファントム・スレッド
《ネタバレ》 映像、衣装、演技、演出のすべてが整っている。キノコで男を操る歪んだ愛はなかなかおもしろくはあるけれど、もう少し物語に捻りや意外性があっても、というところ。完成度の高い作品を送り出すPTAだが、「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のような、強引さをものともしない、圧倒的な力強さのある作品をまだまだ期待してしまう。 [映画館(字幕)] 7点(2019-03-17 20:37:43) |
47. グリーンブック
《ネタバレ》 ハリウッドが何度も描いてきた定番のバディロードムービー。人種も育ちも異なる二人がお互いを知り、自分を見直していく過程を笑いを巧く交えて描く。目新しさはないが、嫌みのない誰でも楽しめる作品。過去のアカデミー作品賞作を並べた中で特筆すべき作品には全くならないだろうが、保守的で王道を好むアカデミー賞的作品だなぁと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2019-03-17 20:26:52) |
48. 海底47m
《ネタバレ》 B級テイスト満載なのだが、リアルなサメやマシュー・モディーンの出演もあり、案外しっかりした作り。減圧症を経験した者としては、潜水病の恐さが盛り込まれているのも、ダイビングの恐怖を実感させる。ボロボロな檻の割に、高価であろう無線通話可能なマスクやデジタルの水圧ゲージを使っている点など、演出上の違和感は感じる。それでも海底に落ちてからは、どう脱出するかに徹した演出で楽しめた。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-03-14 08:59:10) |
49. 女神の見えざる手
《ネタバレ》 強引にも感じるストーリー展開だが、ジェシカ・チャスティンの巧さにひたすら魅了されて圧倒される快作。政治絡みの内容が膨大なセリフとともに語られるが、馴れれば苦にならない。銃規制が焦点の映画かと思いきや、ロビー活動のネタになっているだけなのが、少し残念。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-14 08:46:29) |
50. ファースト・マン
《ネタバレ》 体感する映画。狭い窓とヘルメットにより極度に視界が制限された閉塞感が、しっかりと伝わってくる。一方で、聴覚は敏感となり、金属の軋みとエンジンの轟音によって不安感は極度に高まる。主人公のアップの多様と手ブレの烈しさは集中力を欠く部分にもつながるが、主人公の世界を体感させる意図だろう。次々と命を落としていく仲間たちの姿を背に、テスト飛行に挑み続ける過酷さとともに、家庭には素直に寄り添えない主人公の内面も描かれている。 [映画館(字幕)] 7点(2019-03-01 15:23:26) |
51. 女王陛下のお気に入り
《ネタバレ》 描く空間を極度に制限したコスチューム劇。宮廷の外を描くことは完全に排し、宮廷内の豪華絢爛な佇まいとシンメトリーな構図をひたすらに意識し、独特で狭い空間に囚われ固執する人物たちをじっくり、ねっとりと見つめる。「バリー・リンドン」や「英国式庭園殺人事件」が手本であろうか。ロウソクの灯りを頼りに物事が展開するシーンは、計算された演出が憎いくらいに、登場人物たちの心の闇を映し出すことに見事にマッチしている。主演3人が完璧なのは言うまでもない。特に、レイチェル・ワイズは嫌味と気品をうまく体現して、最終的には見る者の同情を得ることに成功している。 [映画館(字幕)] 8点(2019-02-19 22:41:20) |
52. ミスター・ガラス
《ネタバレ》 19年の時を経て「アンブレイカブル」を完結に導く、シャマランらしい作品。コミックのスーパーヒーローは実在するのか、という1点のみに絞っていて少々中だるみもあるが、最後にはきっちり伏線を回収してくれる。オオサカビルでの対決を見たかった気もするが、敢えてそういった展開にもっていかずに、最近のヒーロー映画と一線を画すところが好感。イライジャとダンの絡みがもっと見たかった。 [映画館(字幕)] 5点(2019-02-12 17:03:01) |
53. ブラッド・ファーザー
《ネタバレ》 テンポがよくなく、期待ほどのバイオレンスやアクションもないが、メル・ギブソンが好きな人は楽しめる。荒野をバイクで疾走するシーンなんかは、なかなかカッコイイ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-02-12 10:39:08) |
54. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
《ネタバレ》 G・オールドマンが彼本人に見えないのは、いいのか悪いのか。キレやすい性格のチャーチルと、最近は怒鳴ってばかりの役が目立つオールドマンの振る舞いが合致した仕上がりにはなっている。終始、チャーチルのアップと彼の攻撃的なセリフ回しで、英国のヒトラー侵略に対する苦悩が語られる。アルコールと葉巻をひたすら愛する頑固な男の独りよがりを、ある程度説得力のある域に感じさせたのは、オールドマンの巧さか。反面、映画全体の作りは甘い。妻役のスコット=トーマスは主軸となる物語の蚊帳の外だし、ダンケルクの結末も文字で示される程度で、ドラマ部分は希薄。一見重要そうな秘書の役回りは、一体なんだったんだという肩透かし。とりあえず、オールドマンの強引さが作品の魅力か。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-02-10 00:53:34) |
55. ミッドナイト・スペシャル
《ネタバレ》 サスペンスから始まり、家族愛を絡めて、未知との遭遇になっていく奇妙な展開。見せ方がうまい、かつ役者が揃っているのでそれなりに楽しめる。しかし、同監督の「テイク・シェルター」や「MUD」のような純粋な感動は得られなかった。SF的な展開が映像化されると、チープさを感じるからだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-02-06 22:14:08) |
56. ハーフネルソン
《ネタバレ》 注目され始めたばかりのライアン・ゴズリングがオスカーに初ノミネートされながら、日本ではなかなか見ることのできなかった掘り出し物的良作。ドラッグでラリッているところを生徒に見られた教師が、その生徒と奇妙な友情を築いていく。学生たちには人気があるけれど私生活はだらしのない教師と、麻薬や犯罪が当たり前の環境に囲まれて育った女子学生の関係が丁寧に描かれる。二人の間に生まれる関係は、恋愛のように深そうでもあり、兄妹のように必然でもあり、その一方で実はなんの繋がりもない希薄さも持ち合わせている。この絶妙なバランスの中で、なぜかお互いに親近感を抱く過程が自然で、主演の2人がとてもうまい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-01-28 21:37:31) |
57. ブラックパンサー
《ネタバレ》 歴史映画のような世界観をアメコミの世界に織り込んだような展開。敵役は、父親の仇を討つ形で母国に乗り込み、新しい王に戦いを挑む。全体的にストーリー展開が強引すぎて、世界観に乗り切れなかった。チャドウィック・ボーズマンの単調な演技もその一因か。ストーリー上あって然るべき苦悩や葛藤が見えてこない。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-01-28 21:26:04) |
58. 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
《ネタバレ》 事故で突然に妻を失った男が、自分の感情と向き合うドラマ。いろいろな物を「解体」する行為と、自分を見つ直すことをリンクさせているような展開。淡々とした語り口だが、J・ギレンホールが主人公を丁寧に演じているので飽きない。自販機の故障を通じて出会った女性と少年との触れ合いが、どう主人公の解体に影響したのかは、分かりづらかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-01-22 12:50:38) |
59. ドリーム
《ネタバレ》 黒人差別と、有人宇宙飛行へのNASAの挑戦が、並行して描かれている。主人公が白人のトレイを使えずに、遠く離れたトイレに毎回行かなければいけない場面など、差別を象徴する場面が丁寧に語られる。一方、宇宙開発の展開はさらっと過ぎていき、主人公たちがどのように貢献したのかは曖昧なままの部分も多い。「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のようにメリハリのある映画というよりは、淡々と進む。ケビン・コスナーが全体を引き締める役回りで、印象に残る。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-01-21 09:19:02) |
60. グレイテスト・ショーマン
《ネタバレ》 欠点の多い映画。主人公は、期待に反して結構な自分勝手男だ。金儲けのために見世物小屋をつくって、詭弁を弄しては仲間を引き入れ、使い勝手よくあしらう。挙句の果てには、貧乏時代から支えとなっていた家族を放り出し、結局はすべてを失う形に。本来であれば、ここから自分を見つめ直し、家族の信頼を取り戻すのが見せ場なのだろう。しかし、映画の終盤は、周りに助けられてやる気を取り戻し、お金も工面してもらい、あとは妻に謝るだけという、人任せな復活劇となる。小人症やヒゲの濃い女性といった、「フリーク」と呼ばれて疎まれる人間たちの苦悩にまったく焦点が当たっていないのも、なんとも都合がいい。歌曲の良さとヒュー・ジャックマンの強引なパフォーマンスに助けられてはいるが、都合のよい上辺だけをさらっと切り取ったような、なんとも中身の乏しい作品。唯一の救いは、許されない相手への恋から自分に正直に生きることにした青年役をぴったりと演じたザック・エフロンが、きれいにラストを飾ったことだ。 [DVD(字幕)] 4点(2019-01-21 08:57:38) |