41. キック・アス
細かいカット割り、頻繁に動くカメラ、スローモーション、ストロボライト、エロ、グロ、ロリ 【刺激的】なもの全部詰め込みました感が凄い。ストレス溜まりました。製作者にいっぱい人参ぶら下げられてる気分でした。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-23 23:58:27) |
42. 切腹
《ネタバレ》 ○表層的になってしまった武士道精神、倫理観を批判する半四郎。これは現代社会にも通ずる普遍的なテーマだと思います。【人物や物事の本質】を見極めるのはとても難しいです。そのため印象や評価を表層的な部分に頼りがちだと思います。それを誰もが分かっているからこそ、表層的な体裁に気を獲られてしまう。誰もが本質を見極める力を持っているならば、体裁を繕う行為や形式だけの風習は淘汰され、自分の表層よりも深層へと向かう気持ちが高まることになるのではないでしょうか。ただし、誰もが本質を見極める力を持った成熟した社会ができるのはまだまだ遠い未来の話で、やはり、個人で意識して自制心を鍛える他無いということですね。耳の痛い話です。このコメントも表層的。mixiも表層的。Facebookも表層的。 ○「武士の面目などと申すものは、単にその表面だけを飾るもの。」 最も重要と思われるこの言葉に説得力を感じませんでした。 お金が無くとも医者に懇願するわけにはいかなかったのか。 求女は事情を話し許しを請う素振りさえ見せず、妻子を残し切腹したのは、武士の面目のためではなかったのか。また、子供が一刻を争う病態にも関わらず、白装束を見せられるまで切迫感が全く見られませんでした。 生きるために刀を金に変えた求女に比べ、いつまでも刀に執着する自分に愚かさを感じた半四郎、なぜその後、刀を売って医者代の足しにしなかったのか。 半四郎には、求女の切腹も表面だけのものであると批判してほしかったです。妻子のために恥を忍んで金銭目当ての切腹を申し出たことを立派と讃え、妻子を残して切腹したことも立派な武士道精神として扱っているため、主張がぼやけてる印象があります。 求女を批判していればテーマの説得力が増していたと思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2012-12-23 14:45:38)(笑:1票) (良:1票) |
43. 赤い砂漠
友人の妻に会う→一目惚れロックオン→不貞 このような背徳関係の映画が多過ぎてうんざりきてます。恋に落ちる相手に恋人や伴侶がいる率高過ぎます。恋愛がおまけのアクション映画ですら少なくない気がしてます。インスタントにドキドキ感を与えられるからでしょうか?監督等の願望・欲望が渦巻いているからでしょうか?ニーズは高そうですけど。 特に、この映画のテーマに禁断の男女関係って無くても問題無い気がしてならないです。 にも関わらず、物語の牽引力の大部分を二人の危うい関係性に頼っていた気がしてしょうがなかったです。(私はまんまと牽引されました。) ただし、【モノトーン】を基調とし時折主張するカラーが抜群に美しかったので8点です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2012-12-21 00:35:43) |
44. フレンチ・カンカン
《ネタバレ》 ♪空に太陽があ~る限~り~♪ 生きてる限りと言え! ♪もう恋なんてしないなんて~言わないよ絶対~♪ 回りくどいんだよ!! ♪恋は美しい 恋はすばらしい♪ 【浮気物語】の締めがこれか!!!気持ち悪い!!! 怒りの4点!!!! [ビデオ(字幕)] 4点(2012-12-19 17:47:28) |
45. 猿の惑星・征服
シリーズ最高傑作。 シリーズを通して最も興味が引かれたポイントは、【なぜ猿が人間を支配できるようになったか】です。それを描いた今作はどんな出来だろうと、最も存在価値のある作品だと思っています。 人間と猿の争いなんて、宇宙人との争いと大して変わりません。 「猿の惑星:創世記」という作品が生まれたのは当然の成り行きだと思います。 [ビデオ(字幕)] 8点(2012-12-18 23:46:52) |
46. アタラント号
多くの映画を見てきたわけではありませんが、昔の映画(20世紀前半)の中で、物語が特に面白いと感じたものは一つもありません。 この映画も物語に関しては特に言いたいことがありません。人物の人柄に惹かれる部分はありましたが、この映画の特徴として取り上げるほどの内容とは感じませんでした。 昔の映画に求めているのは、芸術性の追求と面白味のある撮影技法です。 この映画の多種多様な画面構成と撮影技法は特筆すべき点であると言えると思います。 【映画の教科書】として使えるのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-18 21:15:09) |
47. イップ・マン 序章
《ネタバレ》 ここでの平均点が高いことに驚きネットで調べてみましたが、どのレビューサイトやブログでも評判が良いですね。 カンフー映画に疎いからか、アクションの良さがよく分かりませんでした。確かに迫力はありましたが、どれも偽物っぽく見えました。昔見たブルース・リーやジャッキー・チェンの映画の方がリアリティーがあって良かった気がしたのですが時代の流れということでしょうか。 色調・照明・セリフ・演技・小ぎれいな衣装など、何もかもが作り物めいたわざとらしさがあり、真面目な史実のような作りとの組み合わせが肌に合いませんでした。まるで【ファンタジー映画】を見ている気分でした。 終盤の引き画で、青年が放心状態で凧を手放したカットを、この映画のベストカットに認定しました。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-18 21:14:07) |
48. スリーデイズ
7点の映画とは何か考えながら自分が観た映画のリストから探してみました。 自分の中で8点以上は名作の称号を与えたくなる作品。その一歩手前の作品が7点ということになります。 映像的にも内容的にも、名作と言いたくなるほどの作り込みや"特別な"魅力があるわけではない。かと言って不満があるわけでもない。とにかく面白い作品。ここで言う面白いとは、ハラハラドキドキワクワクして面白い、心を揺さぶる何かがある作品。しかしそれは"特別な"何かを有しているわけではない。 この映画は7点ど真ん中の作品だと思いました。人に勧めやすい【バランスの取れた作品】だと思います。 リメイク元の「すべて彼女のために」の欠点が解消されていると思います。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-17 20:17:25) |
49. アンフェア the answer
「この映画は【観客を見下している。】」 映画の神様はそう仰っていました。 「いやいや、この映画はサスペンス有り、エロ有り、爆発有り、ホラー有り、何でもアリのミックス弁当の様だったよ。とても観客想いだったよ。そんなことより、映画を観た、只それだけで幸せなことじゃないか。」 映画鑑賞の神様はそう仰っていました。 [映画館(邦画)] 3点(2012-12-17 19:28:43) |
50. D.I.
イスラエル、パレスチナという言葉には禍々しいイメージを持っています。見たくない世界。そんな気持ちの中でも、序盤は映画に入りやすかったです。 暗喩に満ちた内容ではありましたが、この映画でのイスラエルのさまざまな【日常風景】には"笑い"が含まれていました。 普段あまり見ることの無いイスラエルの風景に新鮮さを感じると共に、静かで寂しい引き画の連続に美しさも感じていました。 中盤、監督が出てきた辺りから雰囲気が変わります。賑やかな音楽が多用され、徐々に表現が露骨になっていきます。ここでも尚、皮肉めいた乾いた笑いがありますが、私はこの辺りから全く笑えなくなっていました。 やはりそこは、イスラエルだったのです。監督の何かを押し殺すような、虚無感に襲われているような表情が、イスラエルやパレスチナ自治区の住民の気持ちを代弁しているようでした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-12-16 18:45:55) |
51. 穴(1960)
《ネタバレ》 監督が【リアリティー】を出すために選択した答えの1つが、穴堀りと削る描写に時間を割くこと。それにより観客が囚人と一緒になって緊張感を味わうことに繋がっていると思います。その緊張感をさらに高めるために、徹底した看守ぶりの描写にも余念がない。そしてそれらの描写の無駄を削ぎ落とすことで物語のテンポを損なわずに済んでいます。 簡素な人物描写に関しても印象が良いです。映画に説明的な背景描写や心理描写はいらないと常々感じています。彼らの口調やちょっとした仕草から心理や人物像を想像するのが面白いのです。ガスパールから見たその他4人、4人から見たガスパールをそれぞれの視点から観察する行為に繋がり、それがさらに緊張感をもって映画を鑑賞することにも繋がったと感じています。 ラスト手前の所長との面会における、"2時間"という時間は2通りの解釈をしました。 1つは、ガスパールは執拗に尋問を受けるも口は割らなかったが、怪しまれてしまった。もう1つは、情報と体を売り、売春行為に時間がかかった。 原作を見れば分かるのでしょうか?気になります。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-15 10:28:45) |
52. 少年と犬(1975)
《ネタバレ》 核戦争により荒廃した近未来、遺伝子の関係で女性がほぼ絶滅しかけてるみたいです。 そんな世界の中で生きる、少年と犬(テレパシーで会話できる)の友情の物語です。 少年の口から出る言葉は、「女はどこだ?」ばかり。頭の中は食欲よりも女探し。街で流れてたポルノ映像のカットの長さといい、謎の地下世界での災難といい、ラスト5分まで物語の中心は常に性欲。少年の気持ちは分かりますが、正直うんざりしてました。 そしてラスト。十分な【カタルシス】を得ることができました。うんざりした気持ちで見てて良かったです。 物語の構成は時計じかけのオレンジを彷彿とさせました。 [DVD(字幕)] 6点(2012-12-13 17:41:21) |
53. ウォッチメン
ダークナイトよりも映像が作り込まれてます。ダークナイトよりも善悪について一歩踏み込んだ内容と言えます。 でも、こってりとした映像の連続、情報過多により消化不良を起こした人が多いのではないでしょうか。私もその一人です。ダークナイトの方が分かりやすくて"面白い"のです。 大衆に愛された映画はダークナイトですが、ウォッチメンはターゲットがもともと狭いだけで、かといって大衆を突き放してるわけでもなく、擦り寄っているわけでもない。 2つの作品を見ていると【世の中の不条理】を感じてしまいます。ウォッチメンの方が評価が低いのは制作側に問題があるのでしょうか?大衆の知識と頭脳と精神性が正しい評価を阻害してるから?より多くの人を"面白い"と感じさせたダークナイトのほうが作品として優れている? どちらも優れた作品だと思いますが、22世紀により高く評価されているのはウォッチメンだと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-12 18:37:57)(良:1票) |
54. 告白(2010)
【過剰演出の極み】この監督の下では全ての題材が表層的な刺激にしかならないと思います。「これだから現代の若者は…」「だからゆとり世代は…」の精神を補強し育む映画。 鑑賞直後、凄い映画を見たと高揚感に包まれていました。しかし冷静になると、刺激的な画・ファンタジックな演出・音楽などの強い刺激により、考える隙もなくただ圧倒されていただけ、と気付きました。私はただ映像に洗脳されていただけだったのです。 どれだけ掘り下げて解釈するかは観客次第だと思います。さまざまな人間の醜さが表層的に過剰に強調されています。考えるきっかけとしてはとても分かり易く。そこから人間の本質や命とは何なのか掘り下げようと思えばいくらでも掘れそうな題材です。 しかし、この映画が描いている事象は非常に浅い。キャラ設定をした程度で終わっていると思います。その刺激的なキャラを娯楽として利用しているようにしか見えません。 そしてテーマを掘り下げたい観客は、側面のみを過剰に強調されたキャラを見て、観客それぞれの人生経験から想像された人物像を当てはめ、レッテル貼りをし、それぞれの人物についての批評を始めるのです。この流れ不健康だと思います。 監督はなぜこの題材を映画にしようと思ったのか本音を聞いてみたい。監督の不純な動機を想像してしまいとても不愉快です。 [映画館(邦画)] 5点(2012-12-12 00:31:39)(良:1票) |
55. しんぼる
無駄が多いとこれほど感じた映画は他にありません。もっと稚拙な映画はたくさんありますが、しんぼるはどれも【無意味な引き延ばし】にしか見えないです。 映画は小説や絵画などの他の芸術と比べ、時間やお金の制約がとても大きいと思います。ですから、一つ一つのカットにいろんな意味や情報を込めなければならないと思うのです。無駄なショットを撮る余地なんてありません。でも、情報を詰め込み過ぎると観客の理解が追いつかないので、できるだけ必要な情報のみを抽出し、省略できる部分を演出の力でうまく省略表現することはとても重要だと思います。どの監督ももっと多くの意味や情報を詰め込みたいと思いながらも、泣く泣く映画としての尺に納めているのではないでしょうか。 白い部屋でいろいろな道具が出てきましたが、あの道具に何か意味が込められているようには思えませんでした。その道具に他の部屋やメキシコパートとの関連性が見いだせません。ルチャレスラーにもどれほどの意味が込められてるのか。なぜシスターのガラが悪いのか。 私の理解が追いついていないだけでしょうか。白い部屋での道具を減らしたり、メキシコパートの尺を短くしても何の問題も無いようにしか思えないのです。映画としての尺に引き延ばすために道具の数が調整され、それにメキシコパートの尺を合わせたようにしか見えません。 海外を意識したらしい笑いに関しても理解が浅いとしか感じられません。海外の笑いをバカにしているのでしょうか。 [DVD(字幕)] 2点(2012-12-11 17:13:39)(良:1票) |
56. カラスの親指
【映像に魅力が無い】というのが一番の感想です。惹かれるカットが一つもありませんでした。引き画が少ないのも単調に感じられました。 物語に関しては、最後の伏線回収が爽快で楽しめました。それまでの仕込みやファミリードラマの部分はもっと映像で惹きつけなければ中だるみする内容だと感じました。 また、村上ショージの演技が危うく、それが逆に緊張感をもって見れる要因となりました。 姉妹は他の映画と比べても突出してかわいく映ってたと思います。 [映画館(邦画)] 6点(2012-12-11 01:40:28) |
57. 隠された記憶
ハネケ監督の映画はいつも不愉快な気持ちになります。ネチネチと私の醜い心を突いてきます。歪んだ人間性の人物を軽蔑した目で見ながらも、心のどこかで共感している自分を感じ余計にイライラしてしまいます。そして、ラストも毎度気持ちよく終わらせてくれない。 この作品も同様で、鑑賞中・鑑賞後共に不快感でいっぱいでした。でも、他のハネケ監督作品も見たいと思うのです。それは無機質で計算し尽くされた映像美と先の読めない展開と緊張感に魅了されているからです。ある種の【中毒性】みたいなものを感じます。 ファニーゲームを見て離れてしまった方もこの作品なら比較的見やすいと思います。比較的ですが。 [DVD(字幕)] 9点(2012-12-11 01:19:27) |
58. 裁かるゝジャンヌ
【史上最高の映画】は?と聞かれたら私はこの映画を挙げます。 これほど映像が洗練されていると感じた映画はありません。クローズアップはもちろん、バストショットのカットでも背景が白く何も無い。撮られるのはジャンヌ・ダルクと審問官の顔面ばかり。いろんなアングルを駆使しカット割りのテンポも良いですが、画は単調だと思います。 それでも一つ一つのカットの白と黒の美しさ、特徴的な顔立ち、豊かな表情が画面に強く惹きつけます。 この映画と比較すると他の映画の画面構成が無駄だらけだと感じてしまいます。無駄のある映画が無駄の無い映画を越えられるはずがありません。(…と思います。) [DVD(字幕)] 10点(2012-12-11 00:48:58)(良:1票) |
59. 2001年宇宙の旅
SFロマンに溢れていながら、精巧に作られた映像のおかげで、【ドキュメント】として感じながら楽しめました。 キューブリックの映像への執念に感謝しています。 [DVD(字幕)] 10点(2012-12-11 00:06:53) |