41. ジャンゴ 繋がれざる者
歳を重ねるごとにジャック・ニコルソン的雰囲気を醸し出してくるディカプリオさんですが、そろそろ彼の悪役を見てみたいなあと思っていたところで本作品を知りました。彼の役柄についてはちょっとイメージしていたものと違いましたが。 タランティーノ監督の言葉へのこだわりがひしひしと伝わってくる脚本がとても好きになりました。普通、そこでそんなこと言う??というようなウザい絡みが最高です。 まるで呼吸をするように殺人をするような映画は本当は嫌いですが、それでも見たいと思える魅力に溢れていました。見て良かったです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-22 16:53:24) |
42. パルプ・フィクション
若い頃はバイオレンス映画が苦手だったので、食べず嫌いをしていたタランティーノ監督作品ですが、想像していたよりもグロは少なくて、クリアできました。 まるで橋田壽賀子作品みたいに台詞が多くて、どうでもいいようなことを知的風にバカバカしい理論でネチネチと追求する感じが、最高でした。ジョン・トラボルタとユマ・サーマンの絡み(クライスラー席~自宅まで)は、天才だと思いました。"ケチャップ"は普通に笑えました。この手のプロットは大好きなので、見てよかったです。 不意打ちされるよりもダメージが少ないので、バイオレンスが苦手な人も見れると思います。これを見ないのはもったいないです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-22 16:33:51)(良:2票) |
43. 猿の惑星
言わずと知れた名作です。 できるなら予備知識なく見たいところですが、オチを分かった上で見ても味わい深いです。 古いSF映画には、今となっては間違っている理論やチープな映像などがある場合もありますが、それについてとやかく言うのは何か違う気がします。 当時の評価を知る由もないことですが、リアルタイムに映画館でこの映画を見れた人を心の底から羨ましいと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-21 10:01:54) |
44. パターソン
《ネタバレ》 多分、ジム・ジャームッシュ監督映画初体験となります。 冒頭から、主人公パターソン(アダム・ドライバー)が詩を朗読し、画面に英文がタイピング表示されるので、「詩」がこの映画のモチーフと気づかされます。 メインストーリーはパターソンの日常とその中で起こる些細な出来事を扱っただけです。そうなのですが、随所に小さな仕掛けがあるため、淡々としているのにハラハラさせられたりして、うまいなあと思います。そんな素敵な脚本もさることながら、自然体のアダム・ドライバー(カイロ・レンとしてフォースを扱っていたとはとても信じられない!)と妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にも目が離せません。理想の夫婦の姿がそこにあります。イングリッシュ・ブルドッグのマーヴィンくんの存在感たっぷりな名演にも癒やされます。 エンディングで突然に日本人(永瀬正敏)が現れて、その瞬間は必然性がなくて違和感が止まらないのですが、、、その彼が---「詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」とこれまた唐突に言うので、この言葉を印象付けるための演出だったのだと感じました。 ちょっと心が疲れたときや落ち込んでいる時に見ると、きっと元気が出ると思います。名作! [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-20 23:10:26) |
45. ギリシャに消えた嘘
《ネタバレ》 ここで偶然見つけた本作品ですが、原作小説が『太陽がいっぱい』の作者によるものと知り、視聴することに。 まったく予備知識なく見てみると、 ロード・オブ・ザ・リングのアラゴルンことヴィゴ・モーテンセンと、 スパイダーマンのメリー・ジェーンことキルスティン・ダンストと、 スーターウォーズ新三部作のポー・ダメロンことオスカー・アイザック、、、と大変魅力的なキャスティングによって繰り広げられる古典派サスペンスでした。 いわゆる知能犯によるサスペンスを見慣れた向きには少々物足りないとは思いますが、オスカー・アイザックが複雑な役をうまくこなしていて、殺伐とした殺人事件が起きているにも関わらずハートフルな群像劇を思わせる展開は見応えたっぷり。ラストは涙を誘います。もう少し心情描写を細かく描いていくれていたら、もっと深みのある映画になったと思うので少しもったいない気もします。原作本を読みたくなりました。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-19 00:44:23) |
46. シェルブールの雨傘
《ネタバレ》 言わずと知れた名作。この映画はミュージカルというよりオペラだと思います。 オープニングから、かの有名な主題曲が流れ、色鮮やかな傘、傘、傘のシーン。 全編を貫く「お洒落感」はそりゃあもう半端なく、映像美と音楽美に圧倒されます。 ジュヌヴィエーヴのノースリーブワンピースと彼女の部屋の壁紙がリンクしているシーンでは思わず一時停止してしまいました。 内容はベタな恋愛ものですが・・・、結構重いです。それにも関わらず軽やかでクールでスタイリッシュなのは、日本では考えられません。良い意味で。 クライマックスで、ジュヌヴィエーヴが未婚(しかも17歳)で妊娠して、ギィ(お腹の子の父親)は出征して行方知れずなのに、お母さんは子供の誕生を純粋に楽しみにしている様子が描かれていて、この当時からフランスはシングルマザー大国だったことが伺われます。 ESSOガスステーションでのラスト・シーンは、三文恋愛ドラマなら、再会で焼け木杭に・・・となりがちでしょうけど、ここで再燃したところで誰も幸せにはならないことがよく分かっていると思いました。ジュヌヴィエーヴとマドレーヌを鉢合わせさせることもなく、素敵なエンディングだと思います。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-17 14:03:03)(良:1票) |
47. メッセージ
《ネタバレ》 原作『あなたの人生の物語』既読。 胸が踊るような"未知との遭遇"物語で、いわゆる「ハードSF」の部類になると思います。世界観は『ソラリス』を彷彿とさせ、決して『マーズ・アタック』みたいなことにはなりません。 小説版のあとがきに、「この話は、物理学の変性原理に対する興味から生まれた。」とあるように、小説に現れるワード自体がとても難解で、結論も明示されてはいないので理解が追いつかないというレビューも見受けられました。これらが小説の"味"でもあると思うのですが、読みにくいところだとも思います。その言葉足らずな点を、この映画は見事に補って映像化しているため、とても分かりやすいです。特に映画に何度も挿入される白昼夢のような映像は、映画ではミスリードの効果も果たし、終盤で霧が晴れるように次々と謎が解ける展開は素晴らしいと思いました。(原作にはない「軍事的要素」が、個人的に好みではありませんが。) お気に入りのシーンは、言語が少しずつ解明されてコミュニケーションが進む段階で、イアン(ジェレミー・レナー)が歩く姿を見てエイリアンたちも歩いて見せるシーンです。見逃してしまいそうなほど小さなワンシーンですが、とても微笑ましくて好きです。(ここは小説にもあります) また、ヴィルヌーヴ監督はグリーンスクリーンの前で役者に演じさせることが嫌いだということなので、宇宙船に飛び降りるシーンは必見です。 気になった点としては、映画ではエイリアンたちの呼び名を「アボットとコステロ」と名付けたことです。ご承知の通りアメリカでは名の知れたコメディアンの名前ですが、必然性が感じられませんでした。原作でラズベリーとフラッパーとなっており、これは彼らが発する言葉の音韻をイメージさせる名前だと思うのでなぜ変えてしまったのかなと。 ※追記 宇宙船の姿が「ばかうけ」に似てるといわれていますが、実際に監督は「あの宇宙船は"ばかうけ"から影響を受けている」とインタビューで答えているので、たとえ後付だったとしても監督公認のようです。笑 [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-14 15:38:43)(良:1票) |
48. コンテイジョン
二度目の鑑賞。ほとんど記憶になかったが、今見ると全編通して非常にシリアスでリアリティが高い。 今流行中の新型コロナでは、致死率が低いことがせめてもの救いだったと思わずにはいられない。 感染経路の描き方が、あまりにも切なくて恐ろしかった。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-13 20:18:01) |
49. バッド・ジーニアス 危険な天才たち
《ネタバレ》 タイ映画初体験となった作品です。中国の不正入試事件を題材に作られたとのことですが、9割方フィクションのようです。 ここまでして得た「合格」に一体何の意味があるのか・・・なんてことは言いっこなしで、単純に楽しむことをおすすめします。クライマックス・シーンは手に汗握る緊張感で、下手なサスペンスよりもハラハラすること請け合います。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-13 19:27:42) |
50. ANNA/アナ(2019)
エログロ要素はそれなりにありますが、恋愛要素は弱め。ただのバイオレンス・アクションに留まらず、視聴者を楽しませるちょっとした仕掛けが盛り込まれているので、頭を空っぽにしても見れるけど、少し考えながら見てもまた楽しい。 見どころはなんと言っても、ANNA役のロシアン・スーパーモデル、サッシャ・ルス!美しくてかっこよくて強すぎるANNAに終始魅了されっぱなしです。キリアン・マーフィーの抑えた演技にも注目。萌えます。リュック・ベッソン監督作品の好きな映画がまた一つ増えました。おもしろかった! [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-13 14:45:06) |
51. 八日目の蝉
《ネタバレ》 【ネタバレ厳重注意】小説未読。 『100日後に死ぬワニ』とコンセプトは似ています。『八日目の蝉』というタイトルからも想像できますし、野々宮希和子(永作博美)が逮捕されるシーンから映画がはじまるので、薫と過ごす歳月が刹那的になるからです。これによって、母娘の絆が強まれば強まるほど視聴者はラストに想いを馳せ、胸が熱くなります。 恐らくそうなるだろうと予想はできますが、お盆の虫送りという行事を用いた発覚シーンは良かった。映像的にも素晴らしかった。ここから逮捕までの一連のシーンでの永作博美さんの迫真の演技には目が離せませんでした。渡邉このみちゃんの演技も素晴らしかった。写真館のシーンでは希和子とともに号泣してしまいました。 ただ、どうにも納得できないのは、赤ちゃんを連れ去るシーンです。小説未読なのでなんとも言えませんが、これは非常に重要なシーンなので、もっと説得力のある状況にして欲しかったと思います。「掃き出し窓の鍵を開けたまま赤ちゃんだけを残して外出してしまう」なんて余程切羽詰まった事情がない限り絶対にあり得ません。これが、実母である秋山恵津子(森口瑤子)の落ち度を強調するための"仕掛け"だったとしても、あまりにリアリティがないことです。この違和感がなければ、もっと高評価になったと思います。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-01-12 21:09:30)(良:2票) |
52. 浅草キッド
《ネタバレ》 「お笑い」大好きです。残念なことにビートたけしさんの漫才はリアルに見たことがないのですが、あらためてその偉大さが分かりました。芸人さんは「賢い人」しか成功しないと常々思っていたことがこの映画で証明された気がします。劇団ひとりさんの監督としての才能にも感動しました。 存命している実在の人物を演じるだけでも難しいのに、「誰もが知っている」偉大な人物とあっては相当なプレッシャーだったと思いますが、柳楽優弥さんは自然体で見事に演じきっていました。 深見千三郎(大泉洋)という方に師事していたこともまったく知りませんでしたが、さすがはびーとたけしさんを育てた人とあって、ストイックに面白いです。 「普段ボケねぇ野郎が、舞台でボケれるワケねぇだろうが!」という台詞には感心しました。これは何事にも通じることだと思います。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-12 19:42:11) |
53. 早熟のアイオワ
《ネタバレ》 ロリ・ペティの実体験を元にした映画で、本人が脚本を担当し監督もしています。 邦題が作為的でまったく内容と合致しておらず、残念です。 実話と聞けば少しだけ評価を上げたくなりますが、まったくもって救いようのない悲惨な話で、見ていて不快感だけがつのります。ジェニファー・ローレンスの演技力と美しさが虚しく光ります。 終盤、バスケのシーンでジェニファー・ローレンスの意を決したような表情が印象的でした。どこまでが事実なのか分かりませんが、少しだけ希望が見えるラスト・シーンが現在につながっているのだとしたら、心から拍手を贈りたくなります。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-01-12 18:40:00) |
54. 死霊の盆踊り
過去に見た駄作映画の評価を変えたくなるくらい価値観の変わる映画でした。実際にこの目で見たことは、ある意味「誇り」です。悩みましたが0点を。 [インターネット(字幕)] 0点(2022-01-12 18:02:51) |
55. シャン・チー/テン・リングスの伝説
《ネタバレ》 ここの評価通り、期待以上でも以下でもない映画でした。 主人公のシム・リウ(シャン・チー)は、失礼ながら一見パッとしないので不安でしたが、バスのシーンは少しばかり食傷気味のカンフー・アクションがグッと洗練されていて、鳥肌が立ちました。ギャップ萌えに成功していたと思います。また、ヒロイン役のオークワフィナも良い味を出していました。本音を言えばヒロインにはもう少し「華」のある役者さんの方が嬉しいのですが、彼女だからこそ!というシーンも多々あったので、悪くないキャスティングだったと思います。一点だけ、トニー・レオンの使い方が少々残念ではありましたが、次回作に期待したいと思います。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-12 17:42:32) |
56. 永遠に僕のもの
《ネタバレ》 実在の犯罪者をモデルとして作られた作品です。 いわゆるピカレスクロマン映画で、本来あまり好きなジャンルではないので挑戦となりましたが、R15+なのは賢明です。 映画の世界観自体はとてもスタイリッシュでスローモーションの動きなどを効果的に活用していて、『時計じかけのオレンジ』を彷彿とさせます。挿入曲であるThe Animalsの『The House of The Rising Sun(朝日のあたる家)』が使われているシーンがとても印象に残りました。 ネットで調べれば本人の画像を見ることができますが、本当に美しい青年です。彼に扮しているロレンソ・フェロよりも寧ろ綺麗かも知れません。この役を若かりし頃のレオ様が演じていたら、さぞや魅せられたことでしょう。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-01-12 17:15:56) |
57. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 実際にあった【巣鴨置き去り事件】をもとにした映画です。 この事件は、だらしない母親が諸悪の根源であり、「無戸籍児」「ネグレクト」だけに焦点が当てられがちです。しかし、日本の避妊方法や人工妊娠中絶医療が世界的に大きく遅れている現状も、もっと取り沙汰されるべき問題点だと思います。 事実はもっとエグい事件のようですが、12歳そこそこの少年がたった一人きりで小さな兄弟たちを抱え、母親の帰りを待つ以外に一体何ができたというのでしょうか。一度「外の世界」の楽しさを知ってしまったら、元に戻れるはずもありません。非常に痛ましい事件です。 「明」扮する柳楽優弥さんを筆頭に子役の皆さんの演技が素晴らしく、最後まで釘付けになりました。また、「無駄な台詞」が一切なく洗練された是枝裕和監督の脚本が見事で、こんな陰惨な事件を扱っているにも関わらずその独特な世界観に完全に魅了されてしまいました。ただ、終盤、三女の「死」には猛烈に違和感を覚えましたが、事実を描いている以上、このエピソードそのものは避けられなかったのでしょう。こんなキレイゴトで済むハズがないのは容易に想像できます。これがもし、ただの再現ドラマのようになっていたとしたら、ここまで世界的に注目される映画にはならなかったと思うので、この事件を世に知らしめたという意義は評価されて然るべきだと感じました。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-01-11 21:28:52) |
58. 凶悪
《ネタバレ》 背筋も凍る実話です。これがフィクションなら、まったく評価できない内容です。 およそ信じられないような凶悪犯罪の狂気を扱う話なので、正直なところ、観るためには相当な覚悟が必要ではありますが、姑の痴呆というドラマを織り込むことによって、『冷たい熱帯魚』よりは、ほんの少しハードルが低くなっていると思います。 終盤、妻の洋子(池脇千鶴)が藤井(山田孝之)に言い放ついくつかの台詞----- 「楽しかったんでしょ?こんな狂った事件必死に追っかけて。あなたは楽しくて楽しくて仕方なかったのよ。」 「悔しいけどわたしも楽しかったの。怖いもの見たさで。世の中こんな事件あるんだ。こんな怖い人がいるんだ。こんな殺され方する・・・」 「わたし、ずいぶん前からお義母さんのこと殴ってる。もう罪悪感も感じなくなっちゃった。お義母さんが死ぬのをどこかで待ってるの。自分だけはそんな人間じゃない、って思ってたんだけどね。」 これらが、この凶悪な事件と絶妙にリンクしていて、脚本の妙味を感じました。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-01-11 16:55:26) |
59. LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
《ネタバレ》 実話ベースのドラマ。結果は知っていたけれど、TV番組か何かで見た記憶が頭の片隅にあった程度で経緯は知らなかったのでドキドキした。 オーディションで何万人もの中から選ばれたという子役が素晴らしく、前半はその少年とインドの惨状にただただ驚かされる。後半は彼のプライバシーへの配慮のため?なのか実生活はほとんど見せずに彼の苦悩のみがうまく表現されている。 『LION』というタイトルから、てっきり調教師でもやっているのかと思ったが、そうではなかった。うまい。 ラストはハンカチ必須です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-12-26 23:55:22) |
60. ショートウェーブ
オープニングの掴みは凄く良かった。得体のしれない雰囲気も悪くない。でも、ラストで「それはないよ。」と言いたい。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-12-26 23:53:46) |