581. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 事実って凄いですね。観終わった後、我々はどこに映画の楽しみを見出せばいいのでしょうか、って言いたくなります。小悪、大悪絡みあって、救いが少ない映画でした。ただ、最後にアンジー演じるコリンズ夫人が「息子はこのままで終わる子どもじゃない」と強い確信に近いものを抱けた、それが救いでしょうか。クリントイーストウッドの非凡さを改めて感じさせる映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-09 22:52:35) |
582. ザ・バンク -堕ちた巨像-
《ネタバレ》 観終わったら、エライコト知ってしまったという感じになって、夜、DVDを返却しに行ったら、自分も追われている気がした。タイトルがさえない為、期待せずに観たので、これは掘り出しモノだと思った。面白いよ、この映画。映画センスある、と思う。それにしても原作もないのに、ここまで重厚感のある話がよくできたね。銀行がどこまで悪いことしてるかは知らないけど、この映画のようなことも有りうる、と言えばあり得るんじゃないかなあ。ここまで企業が大きくなるとねえ。だから原題が「インターナショナル」か・・・この作品の監督、今まで知らなかったけど(名前も読みづらいし)、撮った作品、どれも高得点。これから要チェックの人です。最後、途中まで一緒に事件を追いかけていたサラが出世して、新聞に出ていたのは嬉しかった。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-08 22:36:51)(良:1票) |
583. クローズZEROII
《ネタバレ》 前作の登場人物も相変わらずで、この作品も自分には楽しめた。なぜ、この映画がおじさんの自分にも響いたかと考えていたら、やはり喧嘩の強いやつへの憧れってのもあるが、殴られても立ち上がってくるところが、現実世界で苦しんでる自分に「まだまだ」と思わさせてくれるからでは、とも思うのだ。何より、彼らは人生への姿勢がそのまま、喧嘩に対する姿勢に現れている。そこに魅力を感じるし、見習いたいと思う。しかし、頭の手術をしたのに喧嘩をしている人物にはついていけん。あれは見習いたくない。 [DVD(邦画)] 8点(2009-10-07 00:05:15) |
584. コーチ・カーター
《ネタバレ》 サミュエルが落ちこぼれ達の指導役として彼らを導く映画と言えば「ブラックスネークモーン」も良かったけど、この映画もいいですねぇ。そもそもサミュエルを初めて見た「ダイハード3」でも映画の最初、ハーレムでの彼はそんな役回りでした。文化系の自分ですが、名作マンガ「SLAM DUNK」を読んでたので、バスケのシーンも興奮しました。とても良質な映画だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-01 02:41:28) |
585. グラン・トリノ
《ネタバレ》 チャーミングなモン族の女性(スーちゃん)をあんなにした連中をあの程度の罰で終わらせて、ちょっと不満が残る。イーストウッド演じる爺さんがちぎっちゃ投げ、ちぎっちゃ投げしてくれるだろうと思っていたのだから、ちょっと残念。まぁ、そんな映画は他にあるから、また彼の監督作の「ダーティハリー4」にそういう話は出てくるから、イーストウッド自身も別の終わらせ方を自分の中で温めていたのかもしれない。スーちゃんのメンタル面がこれからが心配だ。それを考えると、まだまだこの映画、男の都合が優先しているような気がする。生き残って見守る人も必要だよ。物語冒頭に出てくる白人の男友達では頼りないよなあ。最後のタオ君の表情にも疑問が残る。おまえはまだ半人前だって!分不相応の車に乗って、これからがちょっと心配だ。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-17 01:37:51)(良:2票) |
586. 上意討ち 拝領妻始末
《ネタバレ》 人間としてのスジを通す。それが出世より大事。そんな事を考えました。それにしても、三船敏郎や仲代達也のセリフは聞き取りやすい。黒澤明の映画は面白いのだけど、登場人物のセリフが聞き取りづらく、字幕をつけてほしいくらい。まあ、黒澤さんの計算のうちなのかもしれないけど。三船敏郎が圧倒的に強いわけではなく、奥さんの尻にしかれているところなんか、人間味たっぷりの剣術使いだったため、最後の方はつらかった。できれば生き残って欲しかった。仲代達也が味方になって、藩の連中をやっつけたりすれば、とも思いました。でも剣の道は厳しい。だからこそ、この作品は面白かったのかもしれないですね。しかし、これは「鬼の爪」の山田洋次監督も言っていたことだけど、心身ともに鍛えて、到達する剣の道。それを遠く離れたところから狙う鉄砲という道具はずるいと思う。「切腹」もおもしろかったので、小林監督と脚本の橋本さんコンビの作品がもっとあればなあと映画ファンとして思った。 [ビデオ(邦画)] 8点(2009-08-31 01:31:52)(良:1票) |
587. レッドクリフ Part I
横山光輝のマンガで大筋は知ってますが、その中に出てくる人物がこのように映画の中で活躍しているのを見ると、嬉しくなってしまいます。映像もきれいし、アクションシーンも格好いいし、お色気の場面もいい!次回期待!それにしても、トニーレオンが出てくると、「ラストコーション」のHなシーンを思い出して、戦いに向いているのかな、この人、と思ってしまう。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-17 23:55:25) |
588. おくりびと
《ネタバレ》 良かった。特に広末演じる奥さんが良かった。芯がしっかりしてるけど、夫を立てて、甘えた口調でしゃべる、きれいな奥さん。本木君がキネ旬の賞をもらったのもうなづける。彼は真面目だ。脇役も山崎努さんが、圧倒的な存在感をもちながらもでしゃばらず、いい演技をしてた。とにかくだれないで最後まで観させてくれた、ここ何年かの日本映画で一番の直球だった。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-02 17:07:35) |
589. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 切ない話です。このアランドロンの演じた男は孤独な男です。金持ちのボンボンといい女の情事を窓から見ているシーンはつらいものがあります。こんな友達ともいえない関係なんかさっさと切って、自分と相応の友達作って、ちょい悪な遊びでもしてた方がずっと楽しかったろうに。金の為とはいえ、ここまで自分を貶めるような環境はさっさと抜け出した方が良いのです。気の毒な話でした。ニーノロータの音楽が寂しい人生を言いあらわしてました。学生の頃、映画談義でこの「太陽がいっぱい」の曲と「ゴッドファーザー」の曲や「ロミオとジュリエット」の曲の出だしを間違わずに歌えるか、なんて事、やっていた事を思い出しました。ニーノロータ最高! [ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-02 19:18:24) |
590. 旅愁(1950)
《ネタバレ》 この曲、この映画だったんだ、と思いました。有名な曲ですもんね。レビュワーさんが書いてあるように、恋愛を大事に撮っているアメリカ映画が少なくなった今、心に沁みました。韓国映画がドラマで頑張っていますけど、結婚後の出会い(あえて不倫という言葉は使わない)を扱ったモノってあるのかな?ジョーンフォンテインの片方の眉が上がっている表情が、印象に残ってます。演技?それとも自然にああなるのかな?最後の方でのジョセフコットンの、息子との会話でこの恋愛が終わることがわかりました。この罪作り! [ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-28 17:06:12) |
591. スカイ・クロラ The Sky Crawlers
《ネタバレ》 映画を観終わって、・・・と切ない気持ちになったのは久しぶりです。「攻殻機動隊」も魅力的な主人公を無残な姿にさせちゃうし、この映画も感じのいい主人公の青年に、こんなラストを迎えさせるし。押井さんは登場人物に愛情もたないの?と思っちゃう。でも、いい映画だと思います。ただティーチャーに向っていく時、あの静かな主人公の表情を絵でどう表現したか、観たかった。マンガみたいに「うおおおお!」って感じじゃないことは確かだろうけど。きっと眠そうな表情で、どっかしらけた気分で突っ込んでったんじゃないか?それにしても何と寂しい世界であることか・・・他に若者はいないのかな?ボーリング場はガラガラだし。ミートパイの美味いアメリカのファミレスみたいな店も年寄りばっかりだし。 [DVD(邦画)] 8点(2009-05-22 21:13:29) |
592. 接吻 (2006)
《ネタバレ》 ラストは豊悦と小池栄子の接吻で終わるんだろうと思っていたが、そんな簡単な話ではなかった。自分の持論として女性に一人暮らしをさせちゃいかん!女性は壊れる。映画では、孤独な女性が一人ではなかったと思い、ブラウン管越しの殺人犯人を好きになってしまう。はじめてパートナーを得て、一体感を味わうが、彼は彼女の相談なしに控訴してしまう。そこで彼女はひどい幻滅を感じ、ラストへとつながる。ただ中村トオルとの接吻で、映画のテーマは獄中結婚のピュアな感性からずれて、孤独な女性の恐さになってしまった気がする。ただ見応えはあった。 [DVD(邦画)] 8点(2009-05-19 14:13:59) |
593. クローズZERO
《ネタバレ》 原作読んでみたくなりました。配役がいい。やはり映画って魅力的な人物をいかに描くか?ってことだね。観てて、派閥嫌いな自分には目からウロコでした。なんか、この映画を観終わると、自分も強くなった気がしていいね。久しぶりだよ、こんな気分。「ストリートオブファイアー」以来かな。三池崇史は日本のウォルターヒルだ! [DVD(邦画)] 8点(2009-03-31 05:44:07) |
594. イースタン・プロミス
《ネタバレ》 マフィアが素朴な堅気の家の幸福を奪ってしまう。そこがドキドキしました。しかしヴィゴが覆面捜査官であることが分かり、やっと味方が現れたとほっとしたら、今度はものすごく腹黒い大ボスが息子を守る為に彼を敵に差し出す。まあ、なんちゅう腹黒さか・・・紳士面してとんでもないおっさんだった。しかし、この短い時間でファミリーの抗争という素材を、センスよくまとめた監督の力量は相当なものだと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2009-03-09 14:40:46) |
595. ラスト、コーション
《ネタバレ》 アンリーの映画って残るんだよねえ。普段の生活の中でちらっと場面を思い返したりする。これも残りそう。特に濡れ場のシーンは誰も映像化してない場面を撮ってやろうと思っているのか、毒がある。とても「いつか晴れた日に」を撮った監督とは思えない。でも、映画自体はこれぞ映画って感じで、画面に引き込まれて、2時間半は長く感じなかった。しかし、お坊ちゃん達のスパイごっこは危険だよなあ。ラスト、ああいう風になるとは予想もしてなかった。あのお坊ちゃん達の視点からみれば、自分らのヒロインがあんなことになってるなんて、思いたくないよね。考えうる限りのバッドストーリーだ。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-12 19:26:32) |
596. やわらかい手
《ネタバレ》 甘っちょろい人生観なんて吹き飛ばしてしまうような映画でした。フェードイン、フェードアウトを多用し、音楽も地味で、内容だけ聞くとコメディかな?と思ってしまうような映画ですが、人生の陰影を浮き彫りにした、味わい深い作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-11 23:36:21) |
597. アメリカン・ギャングスター
《ネタバレ》 「ゴッドファーザー」とシドニールメット監督の作品を足して、2時間半におさめた感じの映画。自分的にはすごく満足。久々に骨太の「男」の映画を観た。リッチーについていく仲間がみんな汚いおっさんばっかりだとか、153キロの球を投げるフランクの親戚がフランクに憧れてて仕事に加わるとか、映画的に楽しい個性をそろえてたのが嬉しい。でも2大個性がついに同じ画面にはいって、ぶつかる場面はちょっと緊張感が足りなかった。そこがちょっと残念。 [DVD(字幕)] 8点(2008-11-14 21:19:38) |
598. レディ・チャタレー(2006)
《ネタバレ》 自分の感情に素直にしたがった女性の映画。最後の幸せそうな二人を見てると、あ~良かった、と思った。変な噂が広まり、二人の恋は引き裂かれるかとハラハラしてたが、そういう事もなく、観終った後はじわ~っといい感じがする。こんな毒のない映画の原作がなぜ、表現が過激だと言って、裁判になったのだろう?そんなら今、あっちこっちにある、毒のある映画を何故訴えない。しかし、まあこういうストレートなラブストーリーもいいね。観てて、「ピアノレッスン」を思い出したが、自分にはこの作品の方が良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2008-11-06 16:24:42) |
599. 恋する女たち(1969)
今はもう古いテーマかもしれないが、チョイ前にこれが上映されていたら、映画雑誌のベスト10に入ったのではないか?と思った。自分には面白く感じられた。最初はヴィスコンティのような映画かなと思って観ていたが、そうではなく、愛のお話でした。女性は難しい。男性はデリケートだ。ただ、邦題から持つイメージがこの映画とずれているので、観て、がっかりした人もいるかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-30 23:05:49) |
600. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
《ネタバレ》 インディシリーズはリアルタイムで観てきたファンです。同時にスピルバーグの作品もどれも好きです。彼の演出には味があります。だから、この映画がこのようなラストになった事も、それ程、驚きませんでした。最初のほうでアークが出てきたとき、ひょっとして宇宙人とアークの魔力をぶつからせるのか?宇宙の神秘を垣間見せてくれるのでは?と期待しました。でもこの作品はインディなので、その事は忘れ、巨匠のアクション演出を楽しみました。ただ、ラストの方は、マリアンと行動を共にしないと、結婚式が唐突になってしまうから、大人数で逃げてばかりでしたが、それなら、もっと話の頭からマリアンを出せばよかったのに。そこが残念。でもこの映画は劇場で観てよかった。巨大なUFOの飛び立った後に、湖の水が流れ込んでくる映像はすごくきれいだった。ひょっとして、北京オリンピックの演出をもし手がけてたら、このUFOネタをやったかも、と思った。 [映画館(字幕)] 8点(2008-07-15 17:07:21) |