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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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621.  向日葵の丘 1983年・夏 《ネタバレ》 
日本版「ニュー・シネマ・パラダイス」とのことである。その映画を見たことがないので比較できないが、多分この映画に似た感じなのだろうと思っておく(若い頃に家を出て30年くらいして帰って来るなど)。 どれだけ似ているかは別として、この映画に関していえば受け取り方がなかなか難しい。映画への思い、時代の変化に対する複雑な感情、ものや金より大切なことといった各種要素が交錯していたようだが、少なくとも自分にとっては結論が見えない映画という印象である。うち高校パートで出ていたような学校が悪い、親が悪いといった話は同じ監督の「海と夕陽と…」(2006)でも聞いた気がするが、今となってはもう戦前世代も世を去りつつあるわけで、昔の怨みは捨てて和解に転じたようにも見える。また一方、映画とは時代の記憶を伝えるものという意義づけがされていたようでもあり、題名のヒマワリも映像には残せなかったが、自主映画の題名としてかろうじて残されたとも解釈できる。 見た人がそれぞれ勝手に何かを受け取ればいい映画なのかも知れないが、自分としては懐古趣味というものがあまりないので大感激ということにはならなかった。ちなみに突っ込みどころがかなり多いので、さすがにもう少し締めてもらった方がよかったのではという気がする。  そのほか終盤で登場人物が重要事項を延々と語るとか、女子高生の可愛らしさが印象的なのも前記「海と夕陽と…」と共通に見える。特に上映会の場面では、現在の3人と高校時代の3人を直接比較する形になり(比較してしまって申し訳ないが)、若い方の溌剌さが際立つので非常に和むものがあった。また主演の常盤貴子という人もそれなりの年齢なわけだがかなりキレイで可愛く見えるので、高校時代の若手女優との間でも違和感がなかったが、そのせいで30年も経っているという実感も全くなかった(藤田朋子とも差があり過ぎだ)。 ついでに書くと、前半の映画撮影の場面で、可愛らしい若手女優(芳根京子)が大御所俳優(津川雅彦)に対し、「何でできないんですか!」というのは笑うところだと思われる。
[DVD(邦画)] 5点(2017-09-25 20:29:06)
622.  物置のピアノ 《ネタバレ》 
よくこんな地味な題名をつけたものだと思うがそれはまあいいとして。 福島県桑折町を舞台にした映画で、町としても全面協力したようである。地元出身の若い映画人が中心になって製作を進めていたところ2011年の震災で中断し、その後また各方面からの支援を集めて完成したとのことで、劇中の時期設定は2012年夏だが撮影は2013年夏だったらしい。なお映画の中身に関係ないが、メイキングを見ると監督が意外に可愛い人だったので驚いてしまった。  当初の段階で震災は起きていないので元はどういう話だったのかと思うわけだが、この完成品を見る限りは、故郷の現状に後ろ髪を引かれながらも夢を実現するため町を出て行く主人公を主軸とし、さらに単に出て行くだけでなく、夢をかなえてからはいつか故郷に帰ろう、という思いを込めた物語と解される。しかし製作途中で震災があったことで震災関連のエピソードが非常に強いアクセントを付与する結果になっており、それ自体が幸いとはとてもいえないことなので複雑な感情を催すものになっている。 主人公は高校3年生という設定だが清楚で可憐な少女で、映画初主演の芳根京子という人はベストキャスティングに思われる。この主人公が(主演女優も)ピアノを弾く人で、映画全体としても音楽が重要な要素になっている。背景音楽も好印象だったが(CD購入済)、特に主人公の心の氷解を印象づけた連弾の場面は感動的だった。  また個別のエピソードとしては、「桑折宿軽トラ市」での出来事が自分としては非常に衝撃的だった。東京とか西日本ならともかく地元民までがこういう態度かと思って本当に悲しくなったが、まあこれは大消費地の消費者を悪役にはできないので地元民に振った形だろうと解しておく。それにしてもこの出来事が故郷の喪失とか崩壊といったイメージを強めたことで、後のコンサートの場面がより心に響くものになったように思われる。 そのコンサートでは、祖父からの「うさぎ、やってけろ」とのリクエストに応じて主人公がピアノを弾いていたが、導入部分が長いので、変に勿体つけてお客を焦らすなと少し苛立たしく思った。しかしメロディ部分が始まってみると見事に泣かされてしまい、一緒に歌うかとも思ったが歌えなくなってしまった。この歌の3番を再評価してくれたのも個人的には嬉しいことで、この場面が自分にとっての映画の評価にそのままつながった。 ちなみにこの映画を見た結果として、その晩のうちに通販で桑折町産の桃を発注した。浪江焼きそばもそのうち食いたい。[追記]その後、国見SAに立ち寄る機会があったので「なみえ焼きそば」を買った。伊達の蜜桃ソフトも食った。
[DVD(邦画)] 9点(2017-09-25 20:29:03)
623.  今日、恋をはじめます 《ネタバレ》 
いうまでもなく原作は読んでいない。映画としてはちゃんとまとまって見えるので、これでいいという人にはいいのだろうが、自分にとっては役に立つところ(笑うとか泣くとか勉強になるとか)が全くないのは困った。とりあえず気づいたことだけ書いておく。  (1) 劇中人物の年齢と見た目が一致しない。主人公(前半のみ)と妹だけはそれらしく見えたが、それ以外は全て演者の年齢そのままに見える。主人公の彼氏とその元彼女は23~24歳、主人公も二度目のクリスマスイブの場面で満16歳にはとても見えず、その他の人物はばらばらである。少女マンガ原作で人気俳優を使う場合にはこういうのはもうどうでもいいということになっているのか。ちなみに主人公の友人ミホ(浴衣を着せられた)役の山谷花純という人がちょうど劇中年齢ぐらいと思われる。また彼氏の元彼女はオトナすぎる。 (2) 原作段階からのことかも知れないが、主人公の彼氏の父親が「許せないってことは、愛してるってこと」だと悟ったように語っていたのは、こういう人物というより好悪の感情だけがあって正邪の観念がない人間の発想ではないか。正当な理由があって憎悪しているのに「ほんとはあたしを愛してる」と脳内変換されるのではたまらない。この映画の本来の対象層はともかく、まともな大人がこういうのを真に受けてはならない。 (3) もう一つ書くかと思ったが嫌味になるのでやめる。  なお一ついいと思ったのは、主人公が本気で取り組んでいる仕事を彼氏が邪魔しなかったことで(職場から無理に連れ出して走るなど)、色恋沙汰に振り回されるだけでなく、主人公が主体性を確立していく話になっていたのはまともである。これも原作由来だろうとは思うが。 以上、いろいろと思うところはあるが、これはこれで原作ファンその他この映画の対象層に支持されるよう詳細にわたる検討の上で製作されたものと思われるので、投下された労力なり専門知識・技術に対する一定の敬意を点数に表しておく。
[DVD(邦画)] 4点(2017-09-18 23:27:09)
624.  リセット ~本当のしあわせの見つけ方~ <TVM> 《ネタバレ》 
原作付きのTVドラマである。2011年時点で45歳の女性3人が、17歳の高校生だった1983年に戻ってやり直す話になっており、役者としては鈴木保奈美・高島礼子・坂井真紀の3人が、高校時代では志田未来・桜庭ななみ・山谷花純になる。ちなみに鈴木保奈美と志田未来は同一人物には全く見えず頭が大混乱する。 45歳はともかく高校生の3人は可愛らしいと言いたいところだが、実際はみな言動が微妙におばさんっぽいので何ともいえない。当時まだ15歳の山谷花純さんもおばさんらしく頑張っていたが、出演者インタビューで同級生役が15歳と聞いた志田未来がちょっと目を丸くし、桜庭ななみが「若っ!」と言っていたのは面白かった(両者とも当時満19歳)。  物語としては立場の違う自分が見てもそれなりの内容で、恐らくは制作側の目論見どおりサプライズの場面が泣かせどころになっている。実生活でそんな都合のいいことが起こるわけないと劇中人物も思ってはいたようだが、しかしこのエピソードを通じて、不満足な現状の中にも「しあわせ」が内在していることを、可能性の形で示してみせたのは現実的で巧妙ともいえる。 それを含めて結果的には三者三様の悟りがあったようだが、いったん昔に戻ってやり直す、という荒唐無稽な設定がなければ知り得なかったことかというとそうでもない気はする。ただ、全くやらずに終わってしまえば悔いが残るがやって失敗したなら納得できる、というような話は、確かにやり直したからこそ実感できることだったかも知れない。  なお参考として原作も読んだところ、原作に比べてこのドラマはかなり簡素化されてラストの充足感も十分とはいえないが、これはTVの視聴者にとって現実感のある内容として再構成したということかも知れない(専業主婦向けの印象が強くなったか)。原作の方は、立場の違う自分としても痛快な指摘と思われるところが多々あり(性差というより世代の関係で)、また最後の一文には泣き笑いさせられた。
[DVD(邦画)] 5点(2017-09-18 23:27:06)
625.  映画 聲の形 《ネタバレ》 
2016年はいろいろと当たり年だったがこの映画は見なかった。一般論として女子高生のスカートが短いアニメを劇場で見るのは恥ずかしい。公開中、世間でカニの形と呼ばれていた(「蟹の形」で検索してもヒットする)という話はかなり笑った。  そういうことでDVDを見たが、残念ながら自分として共感できるものはない。見る側の年齢・性格・境遇によっては劇中人物の心情をいま現在のことのように感じ取れるのかも知れないが、自分の立場としては全くそうならない。そもそも序盤の小学生編で好意的に見ようとする気が完全に失われてしまい、以後はもっぱら第三者的な立場で観察するだけになるので共感どころでない。劇中世界に自分がいるとすればどこにいるかと一応考えたわけだが、主要人物の中でこれと思うのはいなかった。ちなみに高校の友人でイケメンの方は、もう少しどういう人物なのかを見極めたかった気はする。 自分が見た限り、この映画では主にいじめを「する」(した)側の事情を訴えているように感じられる。いじめられる側にも原因(責任?)がある、とまでいうと開き直りのようでもあるが、この映画が多くの共感を得ているからにはそれもまた人の世界の真実ということか(福祉施設での虐待なども正当化し始めるようになったら終わりだが)。一面的に悪を処断する話でもなく、人々の相互作用で変わる人間関係の立体像を表現することで、主に若年者?の共感を得ようとしている物語かという気はした。昔のように変に社会問題化したりせず、あくまで個人の心を見つめる物語にとどめているのは現代風ということかも知れない。 自分としてはあまり高い点をつける気にはならなかったが、ちなみに個人的な好き嫌いを別にすれば、同年の「君の名は。」より劣る映画という気はしない。  なお余談として個人的な感情論をいえば、石田将也は小学校の段階で人として見放してしまったので、以降は同情する気にもならず勝手にやっていろという気分だった。その母親が肯定的に扱われているのも気に入らない。ほか川井みきはまともに相手にしないのが無難な人物だが、植野直花は存在自体がマジ害悪だ(こんなのの×をはがす必要はない)。西宮硝子と佐原みよこは心優しい普通の人だった。
[DVD(邦画)] 5点(2017-09-15 19:57:05)
626.  たまこラブストーリー 《ネタバレ》 
TV版は見ていない。「けいおん!」の劇場版と似たようなものかと思ったが、こっちの方が単体の映画としてまとまっている。ちなみに冒頭で「南の島のデラちゃん」という小編が出るが、各映画情報サイトではなぜかこれだけで独立の映画として扱われており、この「たまこラブストーリー」を見る上では完全無視で構わないと思われる。 各種情報によると、TV版の方は妙な生物が人々の平穏な暮らしをひっかき回す類のコメディだった感じだが、この映画は普通に人(若年者)の心を扱ったドラマになっている。ただTV版の雰囲気を継承しているからか、特に前半は結構笑わせる(失笑させられる)展開で、体育館の床をササササというのも変だが、主人公が告白された後の迷走ぶりなども笑った。 後半はひたすら清純なラブストーリーになるが、恋の結末というよりも、何かをまともに受け止める、というテーマの方が前面に出ていた感じである。ラストでは公衆の面前で感情が爆発するのかと危惧していたところ、最後は2人だけの専用回線に移行したのが奥ゆかしい感じで、ここは自然な共感を呼ぶ作りになっていた。この2人は、この先何ともならないままで別離に至る可能性もないではないだろうが、まだ3年生の前半のうちだろうから今後の進展があるのかも知れず、また劇中で親世代の夫婦像が提示されていたこともあり、何にせよ決して悪くない未来があるはずだ、と思わせる結末にはなっていた。 ほか主人公の親友2人にも多少の変化があったようで、ちなみに常盤みどりは少し腹黒いところが「聲の形」(2016)の植野直花のようでもあるが、最後まで主人公の味方だったのは安心した。もう1人の親友も突っ込みが容赦ないようでいて悪気が全くないところが好きだ。そういうこともあってこの映画全体も好きになった。  なお余談として、救急車に「うさぎ山消防局」と書いてあったということは、商店街だけでなく都市全体が架空の「うさぎ山」市なのかと思うわけだが(兎山の表記も見られる)、実際は現地に詳しくない者でもわかる実在の場所が映像に出て来る。登場人物が川に沈んで目を開けてブクブクする場面があったが、そういうことができるほど鴨川(高野川?)の水はきれいだということか。終盤の京都タワーはさすがに見覚えのある風景だった。
[DVD(邦画)] 7点(2017-09-15 19:57:02)
627.  銀河英雄伝説 わが征くは星の大海 《ネタバレ》 
原作はかなり昔に読んでいる。全体テーマとしては、独裁制と共和制とどっちがいいか考えよう、というようなことを10巻も使って延々と問いかけるようなものだったが、とにかく読んで面白いのは間違いなく、また登場人物への好感度が読むほどに高まる中毒性の高いシリーズだった。 OVAを見ていた皆さんには珍しくもないかも知れないが、自分としては映像化されたものを今回初めて見たので非常に興味深い。さすがに動画の質はよろしくないが、全体的には結構あか抜けた感じに見えており、艦艇デザインがこれで合理的かは別として、格好良さを優先しない形状に見えるのはリアリティがなくもない(帝国軍の方が若干優美?)。宇宙空間で音がするのは昔からの慣例なのでいいことにして、戦闘が激しくなると爆発音なども消えてしまって背景音楽が前面に出るのは斬新である。曲目としては、クライマックスに向けて盛り上げるための選曲もなかなかいいが、個人的には北欧びいきなので序盤でカール・ニールセンが出て来たのは少し嬉しい。 戦闘の仕方としては平面感覚から完全に脱却しているわけでもないが、艦がわざわざ上?を向いて砲撃したり、モニターが3次元的に表示されているなど一応は全方位の戦闘を意識したものになっている。ただ終盤で、ラインハルトの乗艦(劇中で名前が出ないがブリュンヒルトか)の腹にヤンの乗艦がくっついていたのは、艦底?が不用心になっているという前提があってのことだろうから不自然ではある。またモニターのせいもあって図上演習のようでもあり、実物の躍動感が不足していた感じもなくはない。 ほかドラマ部分では会話が少々くどい印象もあり、必ずしも激賞できるものではないが、宇宙モノのアニメといえば小学生向けで済まされていた時代の常識を振り切った出来になっていたとは思われる。  なお余談として、上には媚びて外づらを良くして下を踏みつけにするタイプの人間は世間に時々いるわけだが、そういう者が人生の最後を迎えたとき、いま生きている自分を知る者の多くが自分を憎んでいる、という状況をどう思うかと考えることが最近ある。この映画でキルヒアイスが「…助けられた数百万の将兵の感謝に比べれば…」と言っていたのは当然、後のローエングラム朝の創始につながる台詞だろうが、もっと卑俗な庶民の人生に照らしてみても結構共感できる言葉だった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-25 20:22:37)
628.  地球へ・・・ 《ネタバレ》 
まず宇宙船が土俗ホラーマンガ風のデザインのため、観客が共感すべき相手が乗っているようには全く見えない。また主題歌の「ツ~テ~ラ~」というのが昭和の歌謡曲風で非常に聞きづらい。ほか物語の展開がかなり唐突で、場面が少し飛んだように見えるところもあるのは不自然である。 キャスティングに関してはジョナ・マッカという人物の声がいかにも下手くそで、中性的な少年という設定なのだろうとは思うが、明らかに女の声であるのに自称が「ぼく」では非常に困惑する。専業の声優でない者がアニメの声を当てるのを嫌う風潮に同調するつもりは特にないが、この点に関してはさすがに納得できない。 また個別エピソードで非常に違和感を覚えたのが自然出産の候補者選定で、映画では初めから自分好みの若い女に目をつけていた男が、無理やり自然出産の方針を決めておいてなし崩し的にモノにしたように見える。申し訳程度に相思相愛の場面も入れていたが表面的なごまかしとしか思われない。こういうところに勘繰りを入れるのは見る側の心が汚れているからなのか。 ほか全体的なテーマとしては、環境破壊とか管理社会に否定的なのはわかりやすいが、その上に「愛」などというものが出て来るのがいかにも当時の風潮で、多分「愛の戦士たち」とか「愛は地球を救う」とかの影響だろうが、その愛とは何のことなのか不明瞭なまま雰囲気だけで適当に通そうとするのが気に食わない。終盤で、種族の別なく助け合う姿が見られたのもいわゆる災害ユートピアによる一時的なものに過ぎず、出奔した一団が帰るまでに「愛の星」の基盤になるものが見えていたとも思われない。いずれまた殺し合いになるだけではないのか。  以上、とりあえず悪いことだけ書いたが、ちなみに映画を見たあと原作(なぜか自宅にあった)を読んだところ、好きなタイプのマンガかどうかは別にして変だと思うところは特になかった。当時のSFファンタジーの佳作と思われる。
[DVD(邦画)] 3点(2017-08-25 20:22:35)
629.  劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land 《ネタバレ》 
TVシリーズは当然見ていない。特にこの映画を見る義理があったわけでもなく、同時上映の戦隊モノを以前に見たのでその関連でということだが、メインキャストのうち3人(白石隼也・奥仲麻琴・戸塚純貴)をこのサイトで人名登録したのが自分だということもあって若干の思い入れはなくもない。うち白石隼也は、映画初出演の「制服サバイガールⅡ」(2008)では最悪の印象を残していたわけだが、さすがにこの段階に至るともう違和感もなく、基本的にはイケメン役者だろうがとぼけた感じも出していて、かなり好感度の高いキャラクターになっていた。ほか凛子ちゃんというのもきりっとして感じのいい人である。 この劇場版では日常を離れた異世界で物語が展開し、単純なTVの拡大版でないのは「劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」(2003)のようでもある。世界が「マジックランド」になってしまったために主人公の強さが相対的に低落し、TVシリーズを見ていなかった自分としてはもっと普通に格好いいところを見せてもらいたいと当初は思ったが、中盤以降は当然ながら本領発揮していたようで結構だ。ちなみに黒が基調で透明感のある赤という姿は嫌いでない。 ストーリーとしては何だかよくわからないところもあるが、今回の劇中世界では浮いた存在に見えた「ファントム」というものが終盤でちゃんと意味を持つことがわかったのは感心した(感心するまでもなく当然だろうが)。また自分としては、特にエンディング後のしあわせ感のある場面が非常に嬉しかった。登場人物の役名で「マヤの妻」というのがあったのでどこに出たのかと思っていたら、最後になってそういうことだったのか、という意外感がある。「世界を一つ、ブッ壊した甲斐があったな」という台詞が感動的だったといえなくもない。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-19 20:54:32)
630.  劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト 《ネタバレ》 
10年以上前の仮面ライダーに今どきコメントをつけるのも何だが、とりあえず見たので書いておく。 TVシリーズは見ていなかったが映画版は完全に別物とのことで、仰々しいディストピア設定がよくわからないながらも黙って見ていたが、「人類の進化形」に乗り遅れた人間が2433人しか残っていないのなら共存などというまでもなく滅んでしまえばそれまでだと思うわけで、主人公その他の人々は一体何のために戦っているのかと空しくなるが、それでもなぜか一私企業が世界を支配している体制はどこかの段階で打破すべきだろうから(日本国政府はどうなったのか?埼玉県庁はまだあるのか?)、そのために主人公とヒロインはこれからも戦い続けるのだろう、と思っておく。そう思わなければラストをどう受け取ればいいのかわからない。 全体的には深刻すぎて陰気くさいところがあるが、一応の見どころとしては、さいたまスーパーアリーナの10000人エキストラというのがけっこう圧巻で、大勢がその気になってアクションに合わせた動きをしているのは笑った。またキャストとしてはヒロイン役がかなり可愛い人だったが、ほか黒川芽以という人が若い頃の姿で出ており、薄汚れた小娘の役だがちゃんとお化粧して可愛らしいところも見せている。劇場版だけ見た人間が面白がる要素は少なかったので主に女優の顔が印象に残る映画だった。
[DVD(邦画)] 4点(2017-08-19 20:54:29)
631.  ULTRAMAN 《ネタバレ》 
この映画を見て実感したのは「シン・ゴジラ」(2016)で、「自衛隊の弾を国民に向けることはできない」と総理大臣が言っていたのは現実問題として絶対的に正しいということである。 この映画では主人公が自衛隊員のため、当初は見る側としても劇中の自衛隊に好意的だった。しかし銃を持った連中が民間会社に押し入ったあたりで気分が反転し、以降は劇中自衛隊の全員が国民の敵に見えるようになる。バケモノを包囲して攻撃しようとした連中が皆殺しになるわけでもなく、ほとんど生き残ったように見えたのは甘いとさえ感じた。 その後も国民の「射殺許可」を求めてみたり、何か起これば銃を持った兵隊が戒厳令よろしく街に出て一般市民を威圧するのはいわゆる“暴力装置”の表現のようで、最後に子どもを助けたくらいで悪印象が挽回できるものではない。見る側としても騙されたような気がして怒りを覚える。 ちなみにこの映画が賞揚していたのは飛行機乗りであって自衛隊などではなく、自衛隊はあくまで主人公にとって大事なものを残す上で否定し去るべきものという扱いでネタにされただけである。こんな映画に平気で協力した防衛庁(当時)と陸海空自衛隊の気が知れない。  また劇中自衛隊との関連で憎むべきは「私の恋人だったのよ」などというおちゃらけた理由でバケモノを取り逃がして多数の犠牲者を出しておきながら終始偉そうな顔をしていた女であって、責任を感じて自決するでもなく自分がバケモノを退治すればそれで免罪されるとでも思ったのか。危険が迫る場面は複数あったがなぜか死なずに生き残るので死ね死ね死ね死ねと何回思ったことか。だいたい顔が変にすべすべして見えるのが気に食わない。 そういう理由で映画全体に否定的な感情が強まると、「星川航空」などという昭和特撮ファンに媚びたような趣向もかえって苛立たしくなる。監督と同年代だからといって何を出されても有り難くいただくというわけもなく、宣伝文句の「すべての世代に響く」など見ると人を馬鹿にしているのかと怒鳴りたくなる。  ちなみに主人公が子どもの頃、戦闘機が飛ぶのを見たのが動機でパイロットになったというエピソードには感動した。自分に同じ経験があるわけではないが、昭和40年代の日本で、大怪獣が出現した際にやられるとわかっていても(:見ている側では)勇敢に立ち向かっていったF-104J戦闘機に1点入れておく。あとの点数は劇中の家族思いのお父さんへ。
[DVD(邦画)] 4点(2017-08-11 23:45:11)
632.  なぞの転校生 《ネタバレ》 
何かと面倒臭い映画だった。不確定性とか多元宇宙なら実体のある概念なのでいいとして、世間に変な能力者がいて3人以上集まると世界が破滅する、というような作り話を長々と説明して一回聞いただけでわかれというのは無理がある。原作でも、実は時空間は5次元だった、などという話は当時の中学生にはわかりづらかったろうが、科学への関心を高めてもらうために絞った形で疑問点を設定しておいたとも考えられる。しかしこの映画では作り手の自己表現が目的でしかないようで、こういうのにはもう付き合っていられない。  物語の面では、基本的には悪くない雰囲気なので黙って見ていたが、クライマックスでの主人公(香川翠)の感情の動きが長々とした意味不明な説明に依拠しているためにリアルタイムで受け取れず、何でこの人物は泣いているのか、ということが最後になってかろうじてわかる始末だった。 それより幼馴染の男(岩田広一)の方は、より単純な感情なのでわかりやすいはずだが役者に問題があり、言語不明瞭で台詞が上滑りしてヒキガエルを潰したようなこの男に共感する気には全くならない。当初はこんな状態でも、20年近く経てば立派な役者になっているのだから偉いものである。 ほかに見どころとしては転校生役が長身で超個性的な風貌でモデル的に見栄えのする人で、宇宙人的クールビューティで通すのかと思っていたら普通に喜怒哀楽もあって人間味も出ているのだった。「ガキ!」のあとでこの人はどこへ行ったのか。
[DVD(邦画)] 4点(2017-08-11 23:45:09)
633.  シンデレラゲーム 《ネタバレ》 
山谷花純さんの初主演映画ということで見た。大きな目が特徴的で怖い顔を見せることもある人だが、個人的には困惑したような表情が好きだったりする。またこの映画では京都出身の人(演・吉田明加/Chu-Zオレンジ担当ミク)もなかなかいいキャラクターになっている。 スタッフとしては、監督は違うが企画・製作その他に「人狼ゲーム」シリーズの関係者が関わっているようで、中身も要はそういう感じの映画だが、登場人物がアイドルばかりのため人間一般というより芸能人の人間模様になっている。残虐場面を面白がるタイプの映画ではないが、劇中の売れないアイドルを貶めて笑って観客が相対的な優越感に浸る効果はあるのかも知れない。  テーマ的には結局何が言いたいのかわからなかったが、メイキングで主演女優が、自分の本当に大切なものは何かを考えるきっかけにしてもらいたい、と言ったのを聞いて、えっそういう映画だったんですかと言いたくなった。主人公役の本物の芸能人がそのように言うからには、肉親を死に追いやってでも任期1年再任なしのトップアイドルの座に生命を賭けるのが本当に大切だ、というかのようで、これはもう一般人にはとてもついて行けない世界になっている。 それではさすがに変なのでやむなく原作を読むと(結構厚い本だ)、原作通りであれば確かに主演女優の発言も理解できなくはない。要は基本路線が原作と同じで内容は表現し切れなかったということだろうが、特に個人的には、映画の主人公が否応なしに変節を強いられて終わったように見えたのが不快だった。最後に主人公の真の主体性が求められる形であればよかったがと思う。  そういうことで不満足感のある映画だったが、点数としては前記の両人と、見覚えのある佐々木萌詠さん(リーダー/涼夏さん)を含めた3人に大盛り気味にポイントを入れておく。役に立たないだろうがファンからの応援のようなものということで。 ちなみに劇中の桃園りん【りりぱっと★学園】の演者もメイキングに出ていたが、自身のイメージ低下を恐れもせずにこういう役をやっておいて悪びれることもないというのでは、本当にこの業界ではこれが当たり前のようで空恐ろしい(他人事だが)。
[DVD(邦画)] 4点(2017-08-04 18:57:55)
634.  ウルトラセブン 失われた記憶<OV> 《ネタバレ》 
1967~1968年に放映された特撮TV番組「ウルトラセブン」の続編のようなものとして、1994~2002年にTVやOVで断続的に16本が制作されたいわゆる「平成ウルトラセブン」の3つ目である。 しかしそもそもの話として、せっかくTVシリーズが切ない余韻を残して終わった(完全に終了した)のに続編を作るなどは製作側の都合でしかない。またこの回に関しては作りがかなり粗い感じで、前半から非常識な場面が連続し、後半はブツ切れで必然性不明の場面を無理につないだ印象もある。ほか旧作の著名BGMを気安い感じで使っているのがかなり苛立たしい。 加えてストーリーもすっきり整理がついていないようで非常にわかりづらくなっている。メッセージ性の面では、文化財や緑を壊す開発行為には反対だ、というような時代がかった素朴な問題意識が堂々と提示されていたようだが、本当のテーマはそのことよりも、題名にも出ている「記憶」の方であるらしい。この「記憶」は宇宙人の侵略ツールとしても使われていたが、話のスケールを大きくするためか“記憶の遺伝”などという荒唐無稽なアイデアを突拍子もなく持ち出してきたのはかなり呆れる。またそれとは別に、主人公に関わるドラマも「記憶」を軸に展開していたが、これも素直に納得できるものになっていない。 結局この「記憶」をテーマにしたのは製作側の思惑として、これ以降の続編製作を正当化するのが真の動機だったと見える。確かに旧作で名を成した制作会社にとっては、その記憶が「私たちの存在を証明する」ことにはなるだろうが、しかし「積み重ねられた記憶」を前提にしなければ「新たなる記憶」が作れないというのも困るわけで、いつまでも昔のヒット作をこねくり回すのも大概にしてもらいたいというのは「ウルトラセブン」に限ったことではない。  ちなみに自分としては、この回はとにかく主人公の境遇が羨ましすぎることだけが心に残るドラマだった。色っぽいアラフォー女子には頼りにされ、可愛らしいその娘にも慕われて、これならもう昔の記憶など捨ててしまってこの家のお父さん役で何が悪いのかとしか思われない。特に埋文調査の現場に届け物をしたところや、ラストの堤防上で3人揃った場面は心に残る。そのほか当時はハヤカワ・サトミ隊員(演・鵜川薫)という人が、性格はきついが顔は可愛いというタイプで好きだった。基本的には続編など認められないが、見るべきものが全くないわけでもない。
[DVD(邦画)] 4点(2017-08-04 18:57:52)
635.  心が叫びたがってるんだ。(2017) 《ネタバレ》 
アニメ版は見たことがない。チケットカウンターで「ここさけ20:45からです」と言われてそういう略称だったのかと思った。 ここさけ初心者として率直に書くと、意外にも普通に感動的なお話だった。若年者の心情に密着し過ぎて部外者には共感しづらいのではと思っていたが、実際は対象年齢以上にも広く受け入れられそうな普遍性が感じられる。また殊更に人の暗黒面を見せつけるタイプのものでもなく、人間の善性を信頼した物語のようで安心させられる。 なんで突然ミュージカル?とは一応思うわけだが実際やれば当然感動的で、特に2つの旋律にそれぞれの言葉を乗せて重ねる趣向は非常によかった。恋愛感情も絡んで来るがあまり生々しくもなく、物語を進める原動力になった後は一定の整理をつけて未来につなぐ形になっていたのは清々しい。最後に観客みんなが笑顔になるようなものにしたい、というような感じのことを劇中人物が言っていたのは正解である。 全体的には都合良すぎのようでもあり、また細かく見れば説明不足だとか意味不明に思われるところもなくはなかったが、あまり気にならない範囲でうまくまとめてあるようには見えた。アニメ版と雰囲気などの違いがあるかは後で確認したい。  ほかキャストもなかなかいい感じで、芳根京子という人は高校生というには少し年齢が上に見えたが、いかにもアニメ少女っぽい挙動とか“つぶらな瞳”感のある目などはよかった。また石井杏奈という人も親しみやすい顔を見せており、ダンスのような場面も一応入れてある。端役ながら見覚えのある金澤美穂・萩原みのりといった人々が出ていたのも個人的に嬉しい。また成瀬順の幼少時の子役(平尾菜々花)が上手すぎて、父親が呪いの言葉を吐きたくなる気分が大変よくわかった。父親にまで共感してしまった。
[映画館(邦画)] 7点(2017-07-25 00:22:11)(良:2票)
636.  陽炎の辻 完結編 ~居眠り磐音 江戸双紙~ <TVM> 《ネタバレ》 
時代小説シリーズ「居眠り磐音 江戸双紙」を原作として、2007~2009年にNHKが放送した連続TVドラマの特別編である。前回の特別編はTVシリーズの締めくくりとして放送されたものだったが、原作小説はその後も2016年まで続いて完結したことから、その最終状態を反映した「完結編」をTVでも製作したという形らしい。なお自分としては原作・TVとも未見である。 前回の特別編から7年になるがシリーズ開始からだと10年になり、その間に役者もみな10歳年を取ったことになる。劇中人物としても落ち着きが増しているように見えたが、特に前回は新婚半年だった主人公に子ができたことで、この主人公とその他の登場人物を含めた親子の情愛が大きく扱われ、これが今回のテーマにつながっていたようである。今回初出のキャストとしてはその息子が存在感を見せているほか、レギュラーの娘役で優希美青さんという人が出ており、ルーズな父親に厳しいしっかり者を演じていた。  今回は完結編とのことで、これまで因縁のあった田沼意次のほか、松平定信が顔出しで登場するため話のスケールが大きくなっている。大まかにいえば田沼が悪玉、定信が善玉だが、両者それぞれに善悪もあり理想もあり、欠けた部分や未熟な部分もあって単純な勧善懲悪にはなっていない。 田沼と主人公が対面する場面は2回あったがいずれも結構な緊張感があり、特に田沼の心情が顔に出るのが見どころである。主人公は前にも増して抑制の効いた人物に見えたが、定信の側近を𠮟りつけた場面だけはどうやらボロが出たということらしい。この場面で主人公の真意をどこまで勘繰ればいいのかよくわからなかったが、ここだけ言葉が乱暴なのは内心の弱みを突かれた形だったからかも知れない。 ちなみに個人的感覚としては、刃傷沙汰の張本人が事後にニヤリと笑ったのは痛快だった。その後の庶民の無責任な噂話も可笑しい。  そのほか見せ場としての剣劇も当然あるが、それより人の心をじっくり見せようとするドラマになっており、特に今回はいわば“青年期の終わり”を感じさせるものだったように思われる。本編ファンがどう思うかはわからないが、個人的には「完結編」にふさわしい内容になっていた気がした。
[DVD(邦画)] 7点(2017-07-18 19:50:39)
637.  陽炎の辻 ~居眠り磐音 江戸双紙~スペシャル 海の母 <TVM> 《ネタバレ》 
時代小説シリーズ「居眠り磐音 江戸双紙」を原作として、2007~2009年にNHKが放送した連続TVドラマの特別編である。それまで3年3期にわたったTVシリーズの最後をこの特別編で締めくくるということだったらしく、原作小説はこの後もまだ続いていたが、TVの方は主人公が所帯を持って地位も安定したように見えたところで一旦終了にしたようである。 自分としては原作・TVとも未見だが、今回見ると主人公はなかなかの好人物で、少々ご立派すぎるのがかえってマイナスかという感じである。長屋の衆など番組レギュラーの近況を一応紹介する場面もあったが、ちなみに本編ではもう少し存在感のある人物だったはずのお有(演・海老瀬はな)という人が、この特別編では顔出しだけで終わっていたのは個人的に残念だった。  今回のメインになるのは13歳の少年が御家存続のために仇討ちをするエピソードである。真の悪人はいないにもかかわらず結果的に人は死ぬという展開だが、武家の論理を理不尽なものとして否定するということでもなく、この時代なりの社会の厳しさに年若い少年を直面させて成長を促す話だったように取れる。登場人物の思いの絡み方が結構複雑なのは原作由来だろうが、母とか祖父とか幼馴染とかの様々な心情を見せることで視聴者が共感できるポイントを各種用意していたように見える。 なお今回は話のかなりの部分が江戸を離れて房総半島で展開しており、上総上湯江(千葉県君津市上湯江)、安房北条(千葉県館山市北条)といった実在の地名が出る。ただし北条湊の場面は岩手県大船渡市で撮影したとのことで、リアス式海岸のため房総半島にしては風景が狭苦しかったりする。港湾施設で突然仇討ちが始まったのは周囲の迷惑だろうが、野次馬で見ていた町民は本気の真剣勝負を間近に見て度肝を抜かれたのではと思ったりした。
[DVD(邦画)] 6点(2017-07-18 19:50:36)
638.  神の左手 悪魔の右手 《ネタバレ》 
非常にかったるい映画だった。噂によると原作に近いとのことだが、映画を見る限り白々して単調で面白味がない。かろうじて悪人を絞り上げるという発想と、ラストの強引な展開(場面が変わるごとに怪我が治って衣服がきれいになる)が注目される程度だった。最後はかなり素っ気ない終わり方だが、「正しき人を蘇らせる」と言っていたからにはケーキ屋の娘やその妹分も復活したのだろうし、残された少女は中盤に出た児童養護施設に預けられてひとまず安心(松金よね子さんにおまかせ)ということになったはずで、その辺は適宜に察しておけばいいのだと思っておく。 なお自分としては原作を読んだことはないが、寝ていた少年が突然起き上がって目を見開いて「いけない!」と叫ぶのはいかにも楳図マンガ風だとは思った。主人公が頬を切られてギャー、ギャーと一本調子に叫ぶのもそういうことか。後半、絵を見ただけで家族関係まで見抜く老人が登場したのは不気味だったが、ここは読者に対する原作者の思いを込めた場面ということだったのかも知れない。  出演者としては、渋谷飛鳥(「デビルマン」)と前田愛(「ガメラ3」)の豪華キャスト競演かと思ったら一人が途中で脱落してしまったのは残念だ。また中学生役の紗綾という人はこの後もホラー映画などによく出ているが、この段階(12歳くらい)から結構ひどい扱いをされていたようである。 ほか2階で寝ていた少女は、少女嗜好丸出しの撮り方をされているが非常に可愛らしく映っており、ほとんど真の主役に見える。この子役は他の映画でも少女役で出ているのを見たことがあるが、現在はもう芸能活動をしていないようで、こんないかがわしい業界に関わるのをやめて真っ当な人生を歩んでいるのであれば幸いである(今年で20歳?)。
[DVD(字幕)] 3点(2017-07-15 07:52:09)
639.  恋に唄えば♪ 《ネタバレ》 
最初は優香がかわいいのとおバカな展開で笑いながら見られる。まもなく出た竹中直人のくどい芸には辟易させられるが、引続き優香はかわいいので毒消しになる。何でこんな映画で海外ロケまであるのかとか何でオーストラリアなのかという疑問はあるが、優香がかわいいので問題にはしない。優香がかわいい以外にも、端役ながら中山忍とか(ガメラつながり?)、石野真子さんとか(何のつながり?)が出ていたのも大変よいことである。ストーリー的には出来すぎだが安心のハッピーエンドで、終盤の花屋の場面で篠原ともえに乗せられた形で玉山鉄二の歌が始まったところは少し感動した。 自分としては特にミュージカル映画とは意識していなかったが、見ればなるほどミュージカル映画のパロディのようでコメディの味付けになり、また当然ながらラストの盛り上げにも貢献している。竹中直人の顔を見ないことにすれば文句なしに楽しく幸せな映画だったので、ここは少しいい点をつけておく。かなりの部分が優香のおかげである。
[DVD(字幕)] 6点(2017-07-15 07:52:06)
640.  ウルトラセブン 《ネタバレ》 
1967~1968年に放映された特撮TV番組「ウルトラセブン」(全49話)の第18話で、これだけが1968年夏の「東映まんがパレード」で劇場公開されたために映画扱いになっている。高畑勲氏が監督で宮崎駿氏も動画制作に関わった「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968)と同時上映だったとのことである。 この第18話「空間X脱出」(1968/2/4放映)は第2クールのいわば安定期に入った頃のもので、特別に面白い回ともいえないが、日常を離れた異世界が舞台になるため若干の特別感はなくもない。また宇宙生物が4種類も出るので若干豪華といえなくもないが、着ぐるみは「音波怪人 ベル星人」(スズムシの宇宙人)だけで、あとは操演と上からバラバラ落ちて来るだけのものである。ちなみに樹上から吸血生物が落ちて来るとか底なし沼とかは、戦時中に南方へ出征した人々の体験に基づくものという話を読んだ気がする。 ドラマとしては、人間だれしも長所と短所があるので協力して補い合うことが大切だ、といったような、シリーズ初期らしい年少者向けの生真面目な教育的意図が込められている。またラストではかなり唐突に格言のようなものを出してそれなりの教訓に結びつける形だが、その「神なき知恵は…」というのは玉川大学創立者の言葉を一部アレンジしたものだったらしい。 登場人物はいつもの通りだが、この回ではマナベ参謀が出ており、人事交流か何かでアメリカ(ワシントン基地)に行っていたという経歴を披露している。またこの時期はまだショートヘアだったアンヌ隊員がかわいい。すでにモロボシダンのことを人一倍気にかける様子を見せている。
[DVD(邦画)] 5点(2017-07-05 19:44:56)
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