641. オール・ユー・ニード・イズ・キル
タイムパラドックス。もっともポピュラーなSF設定の一つ。この設定を利用し、数々の作品が誕生した。しかし、この設定には宿命的なアキレスがある。それはタイムトラベルしたことによって生じる多重時間軸である。これこそが、タイムパラドックス設定の避けては通れぬ、一番の難問でしょう。そしてもっともツッコまれやすいところでもある。だが私はあえて声を大にして言いたい。夢物語、なんだと。ありえないお話なんだと。あーだこーだと論争しても結局は、非現実のおとぎ話でしかないんだと。個人差はあると思いますが、そこんとこをどれだけ許容出来るかによって、楽しみ方が変わってくるでしょう。で今回のこの作品、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」である。いや~まあ時間軸のオンパレードである。あの時間とこの時間が・・・などと言い出したらキリがない!もう好きなだけ言い合いをして下さい。と、まるで挑戦状を叩きつけられているようにさえ思えてくる。実に挑発的な作品です。実際私も観賞後に連れと、あそこはさ~、いやいやあれはさ、などと大いに盛り上がったクチです。まんまとハマってしまいましたよ。それほどまでに魅力的な作品でした。日本人が原作ということもあり、細かな配慮を随所に感じられました。大味なハリウッド作品とは明らかに一線を画しています。監督の手腕も見事でした。繰り返される時間の見せ方が非常に丁寧で、主人公の内面と上手くリンクしていました。トム・クルーズもそんな監督に応えるかのように、実にイキイキと演じてました。ヒロインのエミリー・ブラント。一本調子な表現で終始押し通していたので、もうちょっと色んな表情も見てみたかったかな。とまあ色々と述べてはきましたが、とにかく観ておいて損のない映画でしょう。そして、あれこれと考えを思いめぐらせてください。きっと迷宮にハマってしまいますから・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2014-07-06 07:16:02) |
642. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
監督が変わっても、独特なテイストは変わってなかった。そこは評価したい。バイオレンスとエロとコメディ。まさにキック・アスの世界。十分に堪能させてもらいました。マザー・ファッカーはベイダーみたくなるんですかね。(笑)ジム・キャリーはらしくなくって、後になって、ああジム・キャリーだったんだって気付きましたよ。(笑)ヒット・ガールはほどよいエロさが増して、他の女優とは一線を画す独特な雰囲気がたまらない!美人とか可愛いとかは違う、何とも言えぬオーラがある。彼女の他の作品は観ていないが、きっとこのヒット・ガールが一番の当たり役だろう。正義よ永遠にー!て叫んだから三作目は、悪は滅びねえー!かな。(笑) [DVD(字幕)] 6点(2014-07-05 07:42:18) |
643. 大脱出(2013)
《ネタバレ》 う~む、実に困ったちゃんな映画である。シュワちゃんとスタローンという偉大なスターが共演して、面白くないわけがない!と思いたいのが映画ファンの心理である。しかし、しかしである。これが思っていた以上に面白くない!本当に困ったちゃんである。そもそも肉体派な二人を、密閉された空間に閉じ込めてしまったのが間違い。表に出して大いに暴れさせたほうが良かった。それから気になったことがいくつかある。まずは所長や看守。彼らは一応民間人ですよね。その民間人をああも簡単に殺しちゃって良かったんですかね。それとシュワちゃんはいったいどうやって外の仲間と連絡をとったんでしょう。それからモノを簡単に盗みすぎ。スタローンの本をお手本にしているくせに、囚人を帰す時にはボディチェックもしないんかい!ちょっとムラが目立ちます。せっかくの夢の共演なのに、ちょっと残念で悔しいです。 [DVD(字幕)] 4点(2014-07-05 04:53:44) |
644. 風立ちぬ(2013)
主人公の感情の起伏の乏しさにはやや困惑を覚えるものの、紳士であるがゆえと解釈をして鑑賞すればさほど気にもならなくなる。むしろそこに監督の狙いがあるのでは、と勘ぐりたくもなる。淡々としたドラマの中に、小さくて力強いモノを感じるのも、恐らくはそのせいであろう。生きることはとても困難。困難が故についつい乱れたりもする。しかしこの作品は常に美しくあろうとする。美しく生きようとする。それが気持ちよく伝わってくる。CGではなく手書きだからこその気持ちよさでもある。しかし、どんなに美しくても戦争の武器を作っていることには変わらない。どんなに美化しても人殺しの道具である。時代のせいにしてもこの作品には、人の生き死にを問うことに疑問を感じずにはいられない。なぜか「戦争」そのもに目を背けているようにも見える。「戦争」は決して美しくはない。むしろ残酷である。その残酷さをあえてオブラートで包んでしまっては、生死をテーマにするのはピンボケである。もう映画は作れないと言った監督。美しく幕を引きたかったのでしょう。 [DVD(邦画)] 5点(2014-07-04 08:29:14) |
645. ロボコップ(2014)
《ネタバレ》 作家テイストさが消えて完全に商業作品になってしまった。まあそれはそれでいいのだけれど、商業映画としても今一つパッとしない。まず何が良くないのか。一つはマイケル・キートン。最終的に悪役になるのだけれども、なんか取ってつけたような感じで、あまり憎々しさを感じない。同じ会社の戦闘訓練を指揮する奴もそう。あと主人公を殺害しようとした奴らもそう。とにかく悪役が全員みなパッとしない。だからやっつけても爽快感がない。悪役としての憎々しいオーラが全然ない。もう一つは銃撃戦。この銃撃戦がいわばこの映画最大の見せ場。なのにまるでTVゲーム。緊迫感も痛々しさもない。うまくクリアしましたよ~、てな感じ。変化球を投げてもストライクが決まらなければ意味はない!こんな演出いらんよ。まあでもね、頑張っていたところは評価したい。それは「ロボコップ」というものにリアリティを持たせたこと。実際に「ロボコップ」が実現可能になったら、きっとこういった感じなんだろうな~、というのはもの凄く伝わった。そこんとこだけは高く評価しましょう。 [DVD(字幕)] 4点(2014-07-03 22:40:39) |
646. ばしゃ馬さんとビッグマウス
麻生久美子の役者っぷりに大いに拍手!素晴らしい!ブラボー!一生懸命に考えて作ったモノよりも、勢いや行き当たりばったりで作ったモノが評価されることってよくある。そんな世の中だけど、たとえどんなに回り道をしても、自分の居場所だけは見つけ出したいものです。そんなことを感じさせてくれた映画でした。 [DVD(邦画)] 6点(2014-07-02 21:48:47) |
647. マラヴィータ
《ネタバレ》 この映画、改めて振り返ってみると、デニーロ一家は誰ひとりとして一般人を殺害していないんですよね。痛めつけてはいるけれど。そこがミソですね。息子役の子がなかなか味があって良かったです。続編を作るようなことがあれば今度は、アル・パチーノを出演させてほしいな。 [DVD(字幕)] 5点(2014-07-01 19:09:11) |
648. 300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~
主人公に魅力を感じない。祖国のために戦っているのは分かるが、結局それ以上でも以下でもない。前作の主人公及びスパルタ側には、戦うことで己の存在意義を見せつけていたのに対し、今回の主人公は義務感で戦っているように見えた。またペルシャ側の女指揮官もありがちな設定のままで、特にこれといった印象に残るような魅力がなかった。なので平均点同士の戦いからは平均点しか生まれない。次作ではもっとハチャメチャしてほしい! [映画館(字幕)] 5点(2014-07-01 18:57:07) |
649. ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE
《ネタバレ》 前作のTVスペシャル版が意外にも面白かったので、それなりに期待をして観賞。結果は期待はずれ。単なる蛇足。単なるお祭り。単なる客寄せパンダ。小難しくしてしまったせいで、爽快さも痛快さもなくなってしまった。観賞後に真っ先に思ったことは、これを観た子供たちはどう感じたのだろうか?でした。理解できたのかな?ていうか楽しめたのか?とにかくごちゃごちゃしすぎ。まあでも個人的には旧ルパンの懐かしキャラが登場して、そこだけは楽しめました。あと、スカイツリーのガラスを撃ち抜く次元のシークエンスは、めっちゃ格好良い!さすがパパ! [DVD(邦画)] 4点(2014-06-15 22:31:31) |
650. エンダーのゲーム
《ネタバレ》 これはSF戦争という形を借りた、多感な思春期の成長ドラマですね。子供が大人にいいように利用される。まるで日本のアニメ、「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」みたいな感じです。だから非常に親近感が持てました。また主人公のエンダーくんの俳優が、まあ見事なまでにその思春期の情緒不安定さを演じきっているもんだから、すっかり見入ってしまいました。他の役者さんたちもみな良かったです。それと特撮。力の入れ方が半端ない!どんなにどうせCGと言われてもやっぱり凄い!劇場で観ていたらもっと点数が高かったかも。それくらい映像の迫力は圧巻です。ただね、ここまで褒めはしたんですが、鑑賞後の余韻が少ない。いい仕事をしているのにあと一歩二歩何かが足りない。なんだろうな~、と思いを馳せてみると、訓練ばかりで実戦がないのと、主人公の出世がトントン進みすぎるとこですかね。訓練ばかりというのは、最後のどんでん返しに繋がるから仕方ないのかもしれないけれど、無重力の訓練シーンに緊迫感が全くなく、やや食傷ぎみになる。それと出世。努力や知恵ももちろんあるんだけど、それ以上にハリソンフォードがもう最初から決定事項みたいにしちゃってるから、あまり感動もなく、収まるところに収まったという感じ。なんか全体的にユルさがある。TVシリーズでじっくり描いたほうが良かったかも。まあでも、万人受けは難しいけど、その手の通な方々には「ネタ」として歓迎されるかもしれませんね。ハリソン・フォードの、顔の左半分を引きつらせるあの独特なニヤリ、が見れただけでも+1点あげちゃいましょう! [DVD(字幕)] 5点(2014-06-15 18:30:24)(良:1票) |
651. ポンペイ
《ネタバレ》 全然期待せずに観に行ったので意外と楽しめた。やはりこの手の映画は「迫力」を楽しむもので、物語など二の次三の次。どれだけ入場料分に見合ったものを体感させてくれるのか、そこの比重が大半でしょ。でこの映画に関しては、一番の売りである災害シーンが結構迫力があって、映画館で映画を観るという行為に十分こたえてくれた。それだけで5点というサービスです。DVDで観てたらもっと低かったかも。はい。記録には残っても記憶には残らない。そんな映画です。それにしてももう少しキャスティングをなんとか出来なかったものか。キーファー様は全くもってローマ人に見えないし、主役の彼はグラディエーターというには精悍が希薄だし、ヒロインには「エンジェルウォーズ」の時の妖艶な雰囲気が無く、近所のおばさんみたくなっちゃってるし、もう散々。 <この先ネタバレ>→主人公とヒロインが、最初で最後のキスをして灰になったとこは、いい終わり方だったと思います。 [映画館(字幕)] 5点(2014-06-15 08:55:56) |
652. 万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-
《ネタバレ》 原作の大ファンなので観に行きました。正直言って期待はしていませんでした。しかし百聞は一見にしかずとも言います。もしかしたらもしかするかもしれません。が!やっぱり大外れでした。とにかく原作のイメージが全くもって皆無!まずお店。全然違う!とても元美容室には見えない。ソファもない。無機質すぎる。次は小笠原くん。事前に予告等で知ってはいたものの、実際に動いてしゃべっているのを見るともうガッカリ。まるで漫画か児童劇。ほんとうに酷過ぎです。でその小笠原くんとQちゃんがこの話では、赤の他人設定に変更されている。本当は中学生の淡い恋関係になっているのにね。まあ百歩譲って設定変更は映画化の常なので許しましょう。でもね、その設定を変えたことが吉と出ていない。二人の関係が平坦のまま進むから、距離が全然縮まらない。で、縮まってもいないのに強引に信頼関係をねじ込んでくるもんだから、無理が生じる。結果、吉どころか大凶というお粗末さ。危うく椅子から転げ落ちそうになりました。いや~それにしてもまさかここまで期待していなかったことの遥か先をいっているとは・・・恐れ入りました(笑)まだまだ言い足りませんがキリがないので最後に一言だけ。ルーブルの無駄遣い。じゃんじゃん。 [映画館(邦画)] 1点(2014-06-10 07:19:36) |
653. X-MEN:フューチャー&パスト
《ネタバレ》 まずはじめにこの映画を観ようとしているあなたへ。シリーズはあらかじめおさらいしておいて下さい。シーリーズを観てきた人も、再確認をすることを勧めます。忘れているとポカ~ンてなっちゃいますよ。ウルヴァリンの爪が!?プロフェッサーXが!?こいつは誰?こいつとこいつの関係は?てな具合に気になりだしたら、物語への集中力に欠けてしまいます。私がそうでした(笑)まあそうは言ってもしっかりと意見は述べさせていただきますが。まず主人公のウルヴァリンの活躍、戦闘が少ない!チンピラを数人倒しただけ。これはちょっとないです。マグニートーが圧倒的力を全世界に見せつけておいて、他のミュータントと人類が互いに理解を深め協力をっておい!ちょっと都合良すぎ。センチネル計画がなくなっただけ。表面上は。ミュータントに対する恐怖や差別はまだある。て私は勝手に解釈しました。人間そうそう簡単にコロコロ変わるもんじゃないってば。傷を負って大衆の前に姿を現した時のミスティーク。大衆の前で貼り付け状態にされたビースト。その時の哀愁。これこそがX-MENの根本的で普遍的なモノだと私は強く感じました。あの時の二人の表情は、永遠に忘れません。にしてもウルヴァリンの爪って、「SAMURAI」でああなったのに、あの時代はまだああじゃなかったはずだよな~・・・不思議。それとお決まりのエンドロール後のお約束もありますので、最後まで観て下さいね。 [映画館(字幕)] 6点(2014-06-01 17:50:46)(良:1票) |
654. 砂漠でサーモン・フィッシング
砂漠で鮭を釣りたい!そんな突拍子もないプロジェクトを、右往左往しながら奮闘していく物語。鑑賞前はそう思っていました。ところがどっこい!蓋を開けてみればまんま恋愛映画じゃあないですか。まあ「釣り」というキーワードと、「恋愛」というキーワードを非常に上手くシンクロさせていて、それはそれで十分に興味深く見ることができたので、とりあえずはありかなと。はい。ただ主人公やヒロインよりも、イエメンの大富豪が一番魅力的で説得力があったのが、なんとも皮肉に思えました。 [DVD(字幕)] 5点(2014-05-21 20:07:23) |
655. ルームメイト(2013)
《ネタバレ》 ブラピの出ていた映画とそっくりなオチにしないで、深キョンを実在する人物にした方が良かったのでは?そして北川景子を記憶をなくした猟奇殺人者に仕立てたほうが、意外な結末で観客を煙に巻かずに、堂々と演出と演技力で勝負できたのでは?そういったものを期待していました。ただオープニングの作り方や、ちょっとしたカメラアングルなど、創意工夫を感じられてそこは評価したいです。ハリウッド映画お得意の仰々しさが、もっとあっても良かった気もします。邦画界はホラーは山ほどあるけれど、こういったサイコスリラーものは少ないので、もっと精力的に制作していってほしいですね。 [DVD(邦画)] 5点(2014-05-21 11:53:14) |
656. タイガーマスク(2013)
スローモーションを多用しすぎ。テンポが悪い。話が全然進まない。虎の穴の地獄感が全くない。友情や愛情のドラマ性が薄すぎる。セリフが聞き取りにくい。特にミスターXが。タイガーマスクの造形と、非情なホワイトタイガーの闘いぶりに1点を。 [DVD(邦画)] 1点(2014-05-20 11:59:38) |
657. 清須会議
コメディとしてはやや不満が残る。しかし歴史ものとして見ると、非常に分かりやすく興味深く鑑賞することができた。大泉洋の藤吉郎がハマりすぎていて、彼主役のまま大河ドラマとして見てみたいと思った。 まさかの更科六兵衛さん登場が、一番のツボでした(^_^;) [DVD(邦画)] 6点(2014-05-20 08:37:03) |
658. アメイジング・スパイダーマン2
《ネタバレ》 1作目を鑑賞した時に、なんなんだこの主人公は!?て思ったけど、時間が経ってそういうもんなんだって納得をして今回の2作目を観ると、これが不思議なくらいすんなりと受け入れることが出来た。なので特に目くじら立てることなく普通に楽しめた。ただ個人的には本編よりも、エンドクレジット中に登場したミスティーク嬢が、一番のハイライトでした。 [映画館(字幕)] 6点(2014-05-06 21:55:54) |
659. 47RONIN
《ネタバレ》 ●カイに命を助けられた安野という武士の活躍がない●大石を穴蔵に閉じ込める→1年が経つ→開放する→すぐに仇討ちを決意する。駆け足過ぎてビックリ!●ベイダーを彷彿とさせる鎧武者の最後があっけない●大石VS吉良もあっけない●赤穂浪士たちを罠にかけて、死体もないのになにを喜んでるんだバカな吉良●ゴージャスさはあってもスケール感が全くない●将軍がショボイ [DVD(字幕)] 4点(2014-05-05 11:39:51)(良:1票) |
660. ハンガー・ゲーム2
《ネタバレ》 2作目を観て思ったことは、ハンガーゲームという名のゲームそのものが、実はメインではないということ。ハンガーゲームを行っている世界そのものが、物語の舞台なんだと。だから今回のようにハンガーゲームがオマケ的扱いをされるのも理解は出来た。しかしな~、オマケ程度の扱いでもとにかく酷い!作りが酷い!雑すぎる!そもそも彼女を秘密裏に守るはずなのに、毒霧だの凶暴猿だのもうやりたい放題!いつ死んでもおかしくないやん!現にピーターくん、数分間お亡くなりになられてましたし。あと大統領が警備も何もつけずに個人宅を尋ねるなんて・・・危ないじゃん!反乱分子に人質に取られたらどうすんの?とにかく全体的につめが甘い!もっとしっかり練りこんで欲しいです。 [DVD(字幕)] 3点(2014-05-01 12:01:26)(良:1票) |