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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2514
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 宝塚とディズニープリンセスとプリキュアが好きな還暦+2おかま。
宙組は当分観ないわ。

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661.  モールス 《ネタバレ》 
オリジナル未見という、ちょっと不勉強な状態で触れる事になりましたが、良い作品だったと思います。ホラー映画としての恐怖と、切ない淡い恋の物語とが、抑制されたタッチの中で程よくマッチしていて。決して悪趣味に走り過ぎず、少年が出会う事になる正義と悪、美と醜、愛と憎悪の価値観の相対的な揺らぎをじんわりと描いています。パナビジョンレンズが生み出す青い横線なレンズフレアを強調する70年代風な画面(舞台設定は80年代ですが)と、クラシカルなホラー音楽(美しくも物悲しいメロディとダンダン!と打ち付けるショッキングなサウンド)がマイケル・ジアッキノの作という事で『スーパーエイト』とイメージがかなり被っていて、エイブラムスファミリー、懐古主義に走りまくりという印象が無きにしもあらずですが、同時代に思い入れのある身としては素直に受け入れてしまう訳で。ただ、突如として発動するCG丸出しのメタモルフォーゼポイント、アレが「笑わせたいのか?」というくらいに雑にシャカシャカ動くシロモノで、あそこでいちいち興を削がれてしまったのが残念です。アレは現代に作られた映画としての烙印として存在しているとでも言うのでしょうか? あれらは別にカメラの視点を逸らしても良いくらいの映像だったと思うのですが。全編を貫く、中性的な二人の醸し出す退廃的な儚い美しさの中にあって、アレだけは特異過ぎてしまって。時代を意識してまで作品に求められた純化に濁りを与えてしまったのが時代性だったというのは皮肉な話ではあります。
[映画館(字幕)] 7点(2011-08-16 20:25:57)(良:1票)
662.  大鹿村騒動記 《ネタバレ》 
騒動記って言ったって、大した事が起こる訳ではありません。邦画の青春映画によくある、紆余曲折ありつつも、みんなで頑張って一つのカタチにしました、ってアレの思いっきり歳とってますバージョンみたいなモノで。そして、その「歳とってます」というところがこの映画のカナメ。時代が移ろいゆき、人も移ろいゆき、その一方で変わらぬ自然の風景と、継承されてゆく伝統とがあって。背景にリニア新幹線誘致や地デジ化など、とても今日的な変わりゆく時代を配し、駆け落ちで出て行った女房が認知症を患って帰ってきた、というエピソードを主軸に時を重ねる事で変わってゆく人の姿を描き、そして、時の重さの中で変化を繰り返す人々が、それでも長年継承されてきた伝統を守ろうとする姿が描かれ。変化するものであれ、守られるものであれ、そこに人々の様々な思いが存在しているのですよ、という事を判り易く描いている感じです。次世代へと受け継がれてゆく予感まで描いたこの映画、原田芳雄の遺作という形になってしまったのは残念ですが、「遺す」というのに相応しい内容を持った作品だったと思います。ちょっとひっかかってしまったのは、歌舞伎のシーンに話を盛り上げるためのやかましい音楽を付けてしまった事。かえって興を削いでしまってます。あそこはそんな事をせずに役者の力を信じないとねぇ・・・
[映画館(邦画)] 7点(2011-08-13 15:23:58)(良:1票)
663.  人生万歳! 《ネタバレ》 
毎度、神経質なニューヨーカーである自分を自嘲的に(でもその自嘲すらも気取って)披露してみせるアレン節にはウンザリ、なのですが、今回は本人が演じてない分だけ楽しめました。これ、アレンがやってたらウザくてウザくて仕方なかったでしょうねぇ。彼は偏屈と言うよりは卑屈に見えるだけだもの。バカみたいに生きていても、その輪の外からシニカルに俯瞰してるよりは楽しいよね、っていうワリとシンプルな話というところが良かったです。主人公は達観しているように思えながら、そして、周囲に影響を与えていったように見えながら、実のところ、主人公の方が影響を受け、生き方に変化をもたらした、男と女の常識に囚われていたのは主人公だった、っていう。南部の保守的な一家を襲う激しい変化、その跳躍っぷりこそが主人公が老いてもなお獲得できていなかったものなのかもしれません。だからオチは喪失から跳躍する事で得られたモノを描いてたりするワケですが、そして、それはインチキくさい話ではあるのですが、まあ、そういう運もまた人生、という。タイトにまとめた軽妙なコメディゆえ、いつものクサ味に辟易する事なくスッキリと見られた一編でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-18 15:45:24)(良:1票)
664.  あなたの初恋探します 《ネタバレ》 
韓国映画って定型フォーマットの物語が展開してゆく事がとても多くて、これも映画紹介の設定部分を読んだだけであらすじがバーッと見えちゃう、そして実際にその通りに展開するって映画で。「初恋の人を探すヒロインと、人探しを生業とする男が、反目しつつも目的へと近づいてゆく」って、結局はこの二人が、ってのは丸判りなワケですよね。だから、あとは素材と料理法。そのありきたりな物語を、いかに楽しく酔える映画に仕上げられるか、っていう。まずはイム・スジョンとコン・ユって素材が上手くハマりまして。イム・スジョン(その童顔を活かしたような役が多い人でしたが、今回は大人な役)の髪を無造作に束ねた、化粧っ気のない色気皆無って役は、それでも表情の豊かさで十分に魅力的だったりしますし(なので、逆に重要なシーンである、ひたすら舞台裏の仕事に徹していた彼女が、表舞台に立つ事になるシーンでのどギツいメイクが、どう見てもステキなオンナに化けました、という風には見えないというのが大きな欠点ではありますが)、コン・ユが繰り広げるコメディ演技も楽しく。更に、一向に浮いた話のない娘にヤキモキする父や、イヤな女に見えつつ大事なところをキチっと抑える先輩など、脇を固める人々も楽しく描かれていて好印象。多少の伏線はあったものの、突如舞台に立ったり、初恋の人の見つかり方があまりにご都合主義的など、脚本には強引なところが多々見られはしましたが、元の舞台の原作者で脚本も書いている女流監督の手によって1つ1つのエピソードは丁寧に撮られていて、ホワホワと韓国ラブコメの味わいを堪能させて頂きました。こういう映画も好きなのですが(そうそう、最近見たベタだけど好きなラブコメ『ジュリエットからの手紙』にもよく似ております)、時代遅れ扱いなのかなんなのか、このテのラブコメは国産ではすっかり見られなくなって(あったとしても対象年齢がひとまわりくらい下だったりして)、韓流ブームって、そのスキマ需要に一因があったりするのかな?って。まあ、数作見るとみんな同じに見えるんで飽きちゃったりするのかもしれませんが(ドラマはともかく、映画に関しては韓流ブームって終了してるような感じで)、映画好きとしてはブームとか関係ないので、面白い韓流ならカモーンって感じです。まあ、またこのパターンかぁ、ってウンザリする事も多いんですけど。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-04 22:00:46)(良:1票)
665.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション 《ネタバレ》 
とても面白かったです。ちょっと前半、話が飛び飛びになるので、どうなってるのか咀嚼しきれないところもあったのですが(恥ずかしい話、エリックとショウがごっちゃになってて、途中で「あれ?」って)、話の全体像が見えてくると、正義VS悪ってシンプルな構造ではない、元々は同じ立場の人々が、袂を分かってゆかねばならない悲劇が伝わってきて。『X-MEN』でさんざん説明されてはいても、元々は共に生きた、っていう物語をここまできっちりと見せてくれると、シリーズ自体の見方がこれまでと違ってくる気がします。ドラマ中心なこの映画を、ジェームズ・マカヴォイ(@タムナスさん)がいかにも人当りの良さそうな人物(ゆえに心が読めるクセにちょっと人の暗部に疎い)を好演して支えている感じ。ただ、ナチやソ連に「悪」を求めきれず、「悪の根源」としたケヴィン・ベーコンが結局はミュータント側の存在である事によって、『X-MEN』というのは、その起源からしてひたすらミュータント同士の内輪揉めの話であった、ってカタチになってしまうのがねぇ。旧人類こそが彼らを迫害・弾圧する悪しき存在である、っていうのを明確にしきれないあたりは、この物語の限界ですかねぇ。って、そこまでしちゃうと『デビルマン』になっちゃいますか。とにかくこの映画、見応えのあるドラマと能力を発揮する見せ場の面白さとで『X-MEN』の魅力の底上げをしてみせた作品だったと言えます。1作目と『ウルヴァリン』しか見てないんですが、早速シリーズ通して見てみよう、って気にさせましたもの。
[映画館(字幕)] 7点(2011-06-14 20:15:41)
666.  マイ・バック・ページ 《ネタバレ》 
ダメなヤツら、なんですよね。彼らは時代を生きようとした。でも、時代に対する責任は負わなかったし、ケリも付けられなかった。もう、若い、青い、イタい、って連中の話で。この映画は、そういうダメっぷりを容赦なく抉ってると思うんです。松ケンが言うじゃないですか、「活動をする前は音楽をやってた」って。彼にとっての闘争はシュミで音楽やってま~す、っていうのと同レベルで、音楽の次に来たのがたまたま学生運動だったようなもので、それは早々に運動のそもそもの目的は存在していないというカラッポっぷりが明らかにされる時点で宣言されちゃっています。その上、遅れてきた後追い状態ですし。ブッキーにしても立場は違えど安田講堂陥落後の、最早地下に潜伏しつつあった学生運動にシンパシーを抱いてしまった遅れたジャーナリストだった訳で。そして、それぞれがエセではなくホンモノたろうとして取り返しのつかない、ただ青いだけでは済まされないところへ行ってしまった。その、決して同情できない痛々しさがよく表れた映画だな、って。映画が進めば進むほどに情けない表情を見せてゆく松ケンとブッキーの小ささっぷりが見事です。ちょっと1カットが長過ぎに思える箇所が散見されましたが、二人の役者に求めたものを引き出すのに必要な時間だったのかもしれません。ところで当時、責任を負わずに逃げた人達は今どこで何をしているのでしょうねぇ? って別に知りたくはなくて、もうこのまま静かにしていて欲しいだけですけど。
[映画館(邦画)] 7点(2011-06-09 22:09:24)(良:1票)
667.  イリュージョニスト(2010) 《ネタバレ》 
アニメーションとしての表現力はとても高いレベルにある作品です。ロートレックみたいな美術世界の中で登場人物一人一人に与えられた個性が生命感に繋がってゆく、その繊細で丁寧な仕事っぷりに感嘆。背景やオブジェクトに使用されているCGがヌルヌルと滑らかに動き過ぎるので、デジタル感を醸してしまってはいるものの、作品の世界そのものの色は決して損なわず、キチンと統一されたものになっています。でも、その高い表現力を以って描かれるのは「いかにジャック・タチたり得るか」というもので。もう、そのままタチの映画を見ているような錯覚すら抱いてしまいます。新しいものが入り込んでくる事で、古き良きものが失われてゆくという、『ぼくの伯父さん』に通じる笑いとペーソスに溢れた物語なのですが、果たしてそれでいいのでしょうか? 今、この時代この世界に、タチが遺したものをなるべくイメージを壊さないように表現する事が必要なのでしょうか? そこがどうにも疑問に思えてしまって。劇中に登場する映画館にかかっている映画が『ぼくの伯父さん』で、事もあろうに実際の本編映像まで流すという無粋な事をしてしまった時点で、もうタチを越えようとする気などさらさらないと限界を宣言しているようで。表現の点においてはタチに到達する事を掲げて上げたハズのハードルが、作品を受け止める観客にとってはタチは越えないという言い訳になってしまっているという、ちょっと残念な状態。せっかく素晴らしい表現力を持っているのだから、その力をもう少しだけ未来方向に伸ばしてみせて欲しかったと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-23 00:29:44)(良:1票)
668.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦 《ネタバレ》 
震災の影響なのか、毎年家族連れで賑わう休日、日劇の『クレしん』が今年はガラガラ。子供達の笑い声が聴こえない鑑賞は淋しい限り。さて、下ネタを物語の核に据えた点で、今回の『クレしん』は挑戦的、挑発的。安易な感動路線に走らず、ナンセンスっぷりを前面に押し出しての疾走で、なかなかの快作に仕上がりました。難点は散見されます。今年もカスカベ防衛隊と野原一家の活躍具合が微妙ですし、演出に不自然な間があってリズムが崩れている箇所がチラホラ(トロロの洪水を食らう二人の警備員の、『シャイニング』パロディなタメを作るカットバックはテンポ悪くするだけで不要でしょ)。それに上映時間が『クレしん』にしては長い事が、何らかの必然を持っているとは思えず、単にちょっと間延びした印象。クライマックスの反撃への移行や追っかけっこはもっとタイトにできたのではないかと思います。悪の動機が徹底的に弱いのは『温泉』同様って事で別に『クレしん』として特に問題がある訳ではありませんが。でも、レモンをしんのすけとは全く異なる存在からしんのすけと同体レベルにまで近付けてゆく物語は、ヒロインにそこまでやらせるか!ってナンセンスの極みながら感動的であったりもして、行くところまで行ってしまった今回は、まー良くやった、と。全国PTAの皆々様に『クレしん』のアイデンティティを改めて誇示してみました、って感じで。比類なき放屁映画として映画史に名を刻みそうな特異っぷりが、今回の『クレしん』のポイント。ちょっと大人しめだったこのところの『クレしん』映画の中でも異臭・・・でなくて異彩を放つ一本となりました。
[映画館(邦画)] 7点(2011-04-17 18:46:32)
669.  グリーン・ホーネット 《ネタバレ》 
古い古い原作ながら、お金持ちの社長がヒーローとか、偉大だった父親との確執とか、ヒーローものとしてのネタ的にはかなり出遅れてやってきたシロモノのようにも感じます。だけど、社長がバカと言うか単細胞的な人間であるがゆえに、グダグダとつまらない苦悩をしたりせず、「悪」と「正義」という単純なワードに突き動かされてゆくような感じで。最近の、嗜虐趣味を露悪的に披露しながら絶対的な正義も英雄もないと叫んでみせる、却って幼稚(中二病的?)じゃない?ってアメコミヒーローものが幅を効かせてウンザリしている中で、久しぶりにヒーローにスッキリさせて頂きました。「悪いヤツは悪い!正義は勝つ!」それがヒーローにはなれない現実の中でヒーローものに求められるごくごく当たり前のカタチじゃないかなぁ。「正義」に目覚めるエピソードが足らない、動機が弱い気はしましたが、金持ちだけどダサい主人公が、強いけどちょっとオタクな中国人の力を借りてヒーローとなってゆく姿は、様々なヒーローものの主人公の中でも親しみをもって見られました。ラストのキャメロン・ディアズとのドタバタもヒーローものとしてカッコ良くオチてないあたりがイイ感じで。映像的には3Dの効果はアクションシーンの一部とエンドクレジット以外はイマイチでしたが、マルチ画面になって、次々増えるフレームの3D感がバラバラになってゆくって趣向は挑発的でワクワクしました。それにしてもカトーはかつてブルース・リーが演じた『グリーン・ホーネット』のカトーに、『ピンクパンサー』シリーズのカトー(ケイトー)が激しく混じっちゃってる状態でしたが、あれ、絶対ワザとですよね。ご主人様と部屋の中で大乱闘って。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-23 16:00:08)(良:1票)
670.  おまえうまそうだな 《ネタバレ》 
予想していた映画とはかなり違っていて(そもそも「おまえ、うまそうだな」って部分がそう大きな比重を占めていないです)、相当にシビアな物語。肉食竜と草食竜との決定付けられた運命に対して、じゃあ、その主流から外れてしまった者がいかなる生存の道を選択できるのか?っていう時に、この映画はやはりとても日本的な道を歩むのですよね。同じようなテーマを抱えたアメリカ産の『マダガスカル』の安直な解決法や『ヒックとドラゴン』の痛みを伴う変革の道とは違って、国産の『もののけ姫』や『あらしのよるに』に類似した、あくまで日本的な方向性。それがこの作品の魅力でも、そして限界でもあると思います。安易な共存の道を選択する事はありませんが、ラストシーンの二人の姿に、輝かしい未来など見出す事はできない訳で、それが子供向けの映画にとって相応しい落としどころなのかどうかに関しては、やや疑問が残ります。ですが、一方で「情」を軸とした物語は大変に感動的で、よくできています。徹底して描かれる他者との関係性の物語は恐竜という存在にはおよそ似つかわしくなさそうですが、『ダイナソー』に感じたリアルな恐竜が語るドラマの違和感に比べたら、そこは国産アニメのお家芸とも言えるキャラへの命の吹き込み方でまるで問題なし、という感じで。ウマソウの声が、どうにもこうにもこども店長まんまで終始現実に繋がるイメージがつきまとってしまうのが残念なものの、シンプルなデザインのキャラが語るドラマと、ふんだんに盛り込まれたアクションとサスペンスとスペクタクル(ここもワリと重要)、意外な程に娯楽映画としての満足度は高い作品なのでした。
[映画館(邦画)] 7点(2010-11-28 22:42:01)(良:1票)
671.  宇宙からのメッセージ 《ネタバレ》 
当時リアルタイムで見ていたら、どう思ったか判ったモンじゃありませんが、今となっては逆にかなり楽しめるステキな作品。「『スター・ウォーズ』を東映&深作監督でやろうとしたら、時代劇とやくざ映画とJACのエキスが大量に混入してカオスになっちゃいました」っていう、「そりゃそうでしょうよ!」と楽しくツッコめる作品です。リアベの実がそこら辺の連中をてっとり早くテキトーに選んだみたいなお手軽な脚本とか、宇宙カンカン帽や宇宙ちゃぶ台や宇宙関西人の味わいとか、そこだけは映画史から抹殺した方がいいんじゃないかってくらいの宇宙ホタルのシーンとか、チバちゃんやタンバや成田三樹夫の定番ポジションっぷりとか、お姫様まで血が騒いだのかクライマックスで大暴れとか、あれこれ計画したワリに最後は勢いだけで勝利とか、色々とお楽しみツッコミポイントに溢れております。私と違ってまだ汚れていないキレイな瞳には悪夢に映るかもしれませんけど・・・。でも、操演を駆使したミニチュア特撮はなかなかに素晴らしくて、ラストのガバナス戦艦が炎上しながら落ちてくる画などは特撮屋の気概を感じさせてくれました。ミニチュア特撮部分に関しては神格化されてる本家の方も実はショボい画が多かったりしますしね。リアベの実が映されるたびに流れるテーマ曲とスターデストロイヤーを意識し過ぎなガバナス戦艦の底面ゴーッっていうのがクドいのが難点ですが、今となっては貴重な東映オールスター超大作っぷりを堪能させて頂きました。ありがとう、iTunes Store(コレ、近くのレンタルDVD屋に置いてなくて)。でも、せっかくHDの方をダウンロードしたのに画質荒いぞ。
[インターネット(字幕)] 7点(2010-11-17 15:34:09)
672.  マチェーテ 《ネタバレ》 
ロドリゲスのセンスってどうにもこうにも好きになれないですし(ごく一部だけシュミがガッチリと合うところがありはしますケド・・・)、「まだ『グラインドハウス』ノリを引っ張るワケ?」とは思ったのですが、ちゃんと娯楽映画になっていて楽しめました。ワザとB級なノリを出して馬鹿馬鹿しさをメインにしていたり、毎度の常連さんを出して内輪ウケを狙ったりはしているものの、キチンとその馬鹿馬鹿しさを楽しめ、そしてこれまでに色々見ていれば見ている分だけ更に楽しいと。デニーロが狙撃される政治家を演じ、だけどクライマックスにはタクシー運転しちゃう、みたいなネタを楽しめるのならば、美味しいご馳走に溢れた映画と言えます。なんだかすっかり『二十世紀少年』の石ちゃんみたいな風貌になっちゃったセガールの省エネバトルもネタと思えばまた楽し。あくまで負けたりしないですしね。無敵のセガールが「殺されて終わり」であるハズがありませんもんね。もっとも、やっぱり個人的には「セクシー姐さんカッコいいウハー!」ってところにこの映画の価値の大部分があったりするワケで(そこだけは毎回ロドリゲス最高ですわな)、だからクライマックスの馬鹿馬鹿しいほどの姐さん達の活躍っぷりに、「マチェーテ、肝心のクライマックスにパッとしない」って欠点も些細な事にしか感じなかったりするのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-16 11:05:15)(良:2票)
673.  リトル・ランボーズ 《ネタバレ》 
『ランボー』を元に映画を作ろうという少年達の一連の行動はコミカルで楽しいのですが、映画の芯に流れる姿勢は謙虚で真面目。厳格な教義と堕落の間で揺れ動く少年の姿を、イマジネーション豊かな内面表現と共に描いた秀作でした。自分にとって本当に大切なものを見つけてゆく、その喜びと共に痛みも伴った道程を、彼を取り巻く環境を克明に描く事で浮彫にしてゆきます。私も中学1年の頃にみんなで映画作りをして、そして挫折した経験があるので(あの頃はまだビデオではなくて8ミリでしたが)、懐かしい感覚に包まれました。ただ、よくあるマジメで大人しいタイプと不良タイプが出会う物語、映画の視点はその双方をフォローしようと揺らいでしまい、さらにフランスの交換留学生とその取り巻きにも色気を出し過ぎた感があり、どうも今一つ映画にノレてゆけないもどかしさがありました。特にクライマックスで調子に乗ってしまった主人公が発した言葉、更にその行動は「さすがにそれはないわ」と思ってしまい。そこでこの映画のテンションも切れてしまった感があり。ラストシーンの盛り上がりに繋げるための引き算ではあるのですが、結果的に計算高い映画の作り方ゆえに大切なものを大切なまま描ききれなかったんじゃないかって気がしました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-14 16:28:37)
674.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 
カメラはフレームの中のフレーム、鏡に映った顔、影が一部を塞いでいる等、凝った映像を見せる一方、スタジアムのシーンではダイナミックに駆け巡って。脚本は過去と現在を行き来しながら混乱はなく、ドアやタイプライター、写真立てなど、物語を動かす小道具を散りばめて。その饒舌なテクニックの披露は素直に面白いと思いました。だけど、なんかひと味足らないと思ったんですよね。例えば、瞳は嘘をつかないとか、情熱だけは変わらないとかって抽象的なセリフと、写真立てに愛する人の写真を飾っていれば、そしてそれをずっと続けていれば愛の証しですみたいな記号、それじゃ納得できないんですね。具体的に愛の情熱を映像として見せて欲しかった訳です。それを打ち砕かれた男、秘め続けた男、それぞれのココロがそーんなには響いて来なかったというのが正直なところ。ミステリーであるという大前提がそれを許さなかったのでしょうけれど(その、重要な二人の男すら物語の最後を迎えるまでは信用できないのがミステリーですからね)、どうせ事実とは異なる映像も混じっている映画なのですから。主人公に小説を書きたいと思わせた動機、その悲劇に囚われ続ける事になる発端、そこがどうも弱い感じがしてしまい、それは被害者の生きた証しが生々しく伝わっては来ないからなんじゃないかな、って。ミステリーとしては面白く出来てる映画ってところで、それ以上のものには思えなかったな、と。
[映画館(字幕)] 7点(2010-10-25 17:09:20)(良:2票)
675.  大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン 《ネタバレ》 
ブルーレイの映像ってペカペカしてデジタル臭くてイマイチ好きになれないのですが、この映画で鮮やかに大映ブルーが甦っている状態は、子供の頃のトキメキを思い出させてくれて感動しました。殊に闇に映えるガメラのジェット噴射のまばゆいブルー。平成ガメラはあの色を再現しようとしてなかったのが不満だったんですよね。さて、このシリーズ二作目、一作目とは比較にならないほどに贅沢に、そして丁寧に作られています。東宝特撮ものに引けを取らない程にスタジオセット、ミニチュアセットが存分に組まれているあたり、とても予算がかかっている事が伺えるのですが、際立つのはドラマ部分と特撮部分、どちらも同様に照明と色彩設計がとても凝っていて丁寧だという事。琴を弾く和装の人々や、原住民の民族衣装など、ドラマシーンでの煌びやかさと、怪獣シーンでのモノトーンとが対比されていて唸らせます。特にバルゴンを殆どモノクロに近い色彩で描いて、倉庫の上に浮かび上がらせたり、紫色の血を流したり、夜のシーンばかりのモノトーンにして、そこに光源や鮮烈な色を置くというビジュアルのインパクトは素晴らしく。ドラマシーンでも洞窟での灯光の変化や、店での格闘シーンでの室内照明の乱れなど、映像テクニックの見どころが沢山。まあ、ガメラの出番が少なすぎるとか、バルゴンと殆ど闘ってないとかいう部分は不満ですけれど。でも、バルゴンの生物的描写が秀逸で、むしろバルゴンが可哀想と思ってしまうくらいの存在感があって。人間のドロドロとした欲望をテーマにした、とても子供向けとは言えない映画なものの、あの一作目からよくもここまでレベルアップしたものだという感じのしっかりと作られた怪獣映画でした。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2010-10-24 21:56:36)(良:1票)
676.  ナイト&デイ 《ネタバレ》 
またトムの俺様映画かな?と思ったら、どちらかと言うとキャメロン・ディアスを立てている映画でした。ボンドガール願望映画とでも言いましょうか。何しろ意識を失って目覚めたらウルスラ・アンドレスになっていて、次に目覚めたら今度はダニエラ・ビアンキになってた、みたいな映画ですからね。最後にはボンドガールじゃ物足らないとばかりに女ショーン・コネリーまで行っちゃった感がなきにしもあらずですが。映画はあくまでコメディの姿勢を崩さず、だから真剣にサスペンスや謎解きを楽しむ事ができるようなシロモノではないのですが(一応、陰謀やウラはあるのですが、とても判り易い、謎にもならないような状態で)、お気楽アクションを楽しめればそれで十分でしょ、って割り切り方がいっそ潔い作り。肝心のケリのつけ方にいまいちカタルシスがない状態だったのが残念ではあるものの(あれって臨界になる時刻まで把握してたワケはないですよねぇ)、構造の逆転のためにはああいう流れも仕方ありませんか。トム主演のスパイアクションものとしても楽しめない事はないけれど、むしろキャメロン・ディアス主演のラブコメディものの系譜に属する映画として楽しめました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-10-09 22:50:07)(良:1票)
677.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
単純にカッコ良く面白いと思いました。三池監督のセンスって苦手で、この映画にしても三池ブランドの刻印のような映像が頻出する点はイヤな感じとしか言い様がないのですが、男達が命を賭して悪を叩く物語はシンプルにしてエキサイティング。まあ、十三人のうち、半分くらいは印象薄くてドラマもそんなに背負っていないので、絶命シーンに悲壮感がイマイチ生まれない感じはありましたけど、カッコ良く戦って、カッコ良く散る、それだけで充分な映画のように思えます。あまりウェットに走らず、飄々としながらアツい男達、その頂点に君臨する役所広司はさすがのハマリ具合。松方弘樹は刀を振り下ろすだけで待ってました!のスゴ味、そしてゴローちゃんのそこまでやるか?なぶっ飛んだ悪役っぷり。オシャレな映像にJーPOPが流れちゃうようなスイーツ時代劇とは一線を画する、泥と血に汚れてゴツゴツした、男の時代劇を堪能させて頂きました。
[映画館(邦画)] 7点(2010-10-06 19:58:36)(良:1票)
678.  君に届け
まるで70年代の少女マンガのような物語世界で、映画は80年代のプログラムピクチャーのような世界。どんだけ古臭いセンスで成立してるのよ?って感じ。物語・脚本のツッコミどころは満載。翔太が学校の場所が判らずに迷うのは彼が転校生だから?と思ったのですが、そうではなくて高校一年初登校の日だから、と、でもそれが判るのはずっと後。桜が咲いてるので一学期だというのは判るにしても。でも、ヤツは自分が通う事になる学校を始業式の日に初めて訪れたんか? 爽子がああいう存在になってしまう経緯は安直過ぎるし、モノローグから始まる事で宣言される爽子視点の映画、なハズが唐突に翔太のモノローグが入り込んで視点ブレるし。担任とタメ口で話している経緯・理由は判らないし、爽子の二人の親友は絶対に高校生には見えないし、ライバルのコの感情のドロドロっぷりは今時コメディレベルだし。時代性とか今日性とかにまるで無頓着で、なんかもうめちゃくちゃ。マンガを起点とする映画の難点が網羅されているような作品、今の日本映画の問題点を露わにしてしまっている映画。で、だけどその問題は根が深く、簡単に改善される事はないだろうと思わせてしまうのは、これがそれでも楽しめてしまうからなのですよね。あり得なさ炸裂の甘酸っぱい恋愛友情ファンタジー世界に酔えてしまうワケです。セリフで安易に感情が語られる世界だからこそ判りやすくドラマが成立し、リアリティが欠如しているがゆえにクサさすらも許容できてしまう、と。日本人の脳と心にはマンガフィルターが存在していて、マンガ的なるものを安易に許容できてしまう、それは映画にとっては明らかに問題であると思うのですが、それが国民性であるとも、中身がどうであれ、その許容こそが時代性なのだとも言えてしまうのかもしれず。うーん。今回は未華子嬢のあり得なさっぷりを、つい思いっきり楽しんでしまった私の負け。
[映画館(邦画)] 7点(2010-10-04 21:50:10)(良:2票)
679.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
見終わって、なんかどっかで見た事がある様な物語だなぁ、と思いましたが、韓国映画の『アメノナカノ青空』ですね。アレの超ハイテンション版、みたいな。負の感情もドロドロした気持ちも含めて生の実感を激しく謳う、メッセージ性の強い映画です。後半に主人公が見せる激しい感情の爆発が、先輩の真っ直ぐな熱さが、ガンガンとスクリーンに叩きつけられて見応えがあります。描かれるキャラ、エピソードが絞られているがゆえに雑味に惑わされる事なく映画を堪能できます。ただ、先輩が「ああいう先輩」な理由を説明してしまうのはメロドラマ的な矮小化になってしまいますし、前半のあれこれと作為的な映像を盛り込んでゆく部分はトーンがハンパ過ぎてしまって見ている方がちょっと恥ずかしく感じてしまいます。ああいうのは中島哲也監督くらい徹底的にやらないと。16mm撮り(だよね?)は後半の生々しいトーンには合ってますが、前半のガチャガチャした部分には発色の乏しさやディティール描写であまり適合しているとは言い難く。もっとも私にとってのこの作品最大の難点は、そういう終わりの映画なのね・・・ってところで。彼女にメッセージを負わせ過ぎだよ・・・と。いい映画だけど、好きにはなれないのね、このタイプ。エンドクレジット部分の凄さを見れば、この映画に賭けた人々の熱さっていうのはハッキリ判るんですけどね。エンドクレジット大賞っていうのがあったら、今年の大賞を受賞できるんじゃないかってくらいの凄さなんですが。
[映画館(邦画)] 7点(2010-08-05 15:51:13)
680.  ゾンビランド 《ネタバレ》 
楽しい映画でした。大筋でも細かいネタでもゾンビもののお決まりパターンを踏襲しつつ、全てがあくまでポジティブ。ゾンビとの戦いも、人間同士の諍いも、ひとつひとつキッチリ笑いに変換されてゆきます。ゾンビ映画お馴染みの、悲劇的な展開を逆手に取ったネタに、しっかり見てるこちらまで騙されたりして。いやしかし、ゾンビがウロウロしている中で、姉妹はあのネタを仕込んだの? 練習とかしてたのかなぁ? 他に生存者がいるという前提に立ってた訳だし・・・まあいいや。遊園地ネタなんかは無理矢理です。別になんの必然性もありません。絵的に面白いだろうなぁ、ってノリで作られたようなもんで。でも、それがイイ。ゾンビとキラキラした遊園地のコントラストがステキ。もはや人類お終い、って世界であくまでマイペースを貫く人々の、実はちょっとハートウォーミングなお話し。メチャクチャなキャラ達(このゾンビワールドだからこそ、生きてゆけるような不器用な人々)に、だけどなんだか愛着が湧いてきて、見終わって心がほっこりしてくるゾンビ映画です。いや、マジで。限りなく前向きな、愉快な終末映画ではありました。ちょっとツッコミを入れておくと、彼的には『ガーフィールド』ではなく『チャーリーズ・エンジェル』が正解だと思うのですが。ソニー・ピクチャーズ的に自社作品の名前は出せなかったのかな?
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-26 16:41:13)
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