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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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681.  ガッチャマン 《ネタバレ》 
 ぼくがおたくになったのは『ヤマト』でも『ガンダム』でもなく、『ガッチャマン』のせいです。なのでぼくは『ガッチャマン』にとくべつなおもいいれがあります。『ガッチャマン』はいつもてつじゅうメカとたたかうおはなしでしたが、そのはいけいにはかなしいドラマがたくさんありました。それにすっかりみりょうされました。   そんな『ガッチャマン』がえいがになるというのでたくさんのふあんとちょっぴりのきたいをいだいていました。   今日見たえいがは、なんだかとてもざつでいいかげんなつくりでした。えいぞうやエピソードがとびとびでちっともつながってなくて、いちいちとうとつです。でもしんせつにセリフでぜんぶせつめいしてくれます。だからとてもセリフがいっぱいです。  あと、たいへんなときにラブラブなおはなしをしたり、ピンチのときになぜかてきから目をそらしたり、しんじゃいそうなぎりぎりの時までおはなしすることにむちゅうだったり、やっぱりゆとりせだいというのはちがうんだなぁってかんしんしました。   いろいろなことをつっこみたいえいがでしたが、なんといってもいちばんこまったのは、まったくちっともぜんぜんおもしろくないということでした。つくりてのあいがないというのはかなしいことなんだなあとおもいます。   やっぱりぜったい『ガッチャマン』のほうがおもしろいとおもいます。今日みたえいがはたぶん『ゆとり戦隊アホレンジャー』とかいうえいがだとおもいます。   それで『ガッチャマン』のえいがはどこでやっているのでしょうか?  それともえいがになるってゆめで見たのだったかな?
[映画館(邦画)] 1点(2013-08-24 22:50:50)(笑:6票) (良:3票)
682.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 
 初日に字幕版、二度目でIMAX吹替版も見て、私がさっさとレビューしなくてどうする?って感じの映画ですが、完全に機会を逃した感が。言いたい事は既に皆様が存分に・・・   怪獣に昭和・平成ガメラの影響が見られます。銀色で尖っていて、というのは大映怪獣の特徴で形状はギロンやジグラを思わせますし、水色の発光部はレギオンやイリスのよう。  映像も嵐の中の怪獣をアオる画や、滑走から停止して見得を切ったり、怪獣が雲を抜け月夜に舞う姿など『ガメラ3』に通じるショット沢山。  もちろんそれだけではなく新旧様々な国産ロボットアニメ・特撮映画からの影響が見受けられて、それらにどっぷり浸かってきた私に、昔のワクワクが甦る夢のようなひととき。   でも、それだけではただの模倣・パロディ・懐古やオマージュに終わってしまいます。重要なのはその先、作品独自の個性。   この作品が拘っているのは鋼鉄の質感。その重々しさ、冷たさ、あるいは熱さ。  そびえたつ金属の塊、それが動く、走る、戦う、殴る。怪獣めがけて振り下ろされる鉄の拳の重量感、硬さ。  そして、その金属の塊から滴り落ちる火花と水。金属にウェットな質感を加え光を当てて輝かせる事でぐんと増すフェティズム。  雨に濡れた機体が夜の街明かりを受けて輝く様など、艶めかしいとすら感じるじゃありませんか。  それはまるでオイルを塗りたくったボディビルダーや、濡れたTシャツを着たブロンド美女の如き世界、ロボ濡らして「ステキや~ん」なんて、つくづく変態ですね(もちろん褒め言葉)って。   その拘りの映像を可能にしているのが現在の技術。それは特撮や手描きアニメでは出せない、今の時代の画。主人公が語った「過去にばかり囚われず、未来を向こう」というメッセージは、映画の在り様をも示しているようで、時が止まったままになっていた怪獣映画の未来を指し示したようにも感じられ監督の姿勢に心から感動しました。   本当は「怪獣映画の国」こそが作るべきなのでしょうが、最先端の筈な人々から懐古やオマージュに囚われたモノが生まれているような状態である以上、よその国に頼るのも仕方のない事かもしれません。  いや、元々趣味に国境なんてない!と監督自身がこうして具体的な形にしている訳ですから、民族や国が生む独自性に囚われるのも今や無意味なのかもしれません。
[映画館(字幕)] 9点(2013-08-20 21:56:23)(良:5票)
683.  SHORT PEACE
 見終わって「で?」って感じで。   どれもこれも「これが日本のアニメの技術力ですよ」みたいなシロモノで、デザインや作画力を誇示しているような感じばかりがして、でもあまり魅かれるものがない状態。その絵から一発で心掴むモノが感じられません。そこそこワクワクできたのはオープニングくらいでしょうか(それすらも予告を見て期待したほどでは、という状態でしたが。あの超高速着替えの中に既成アニメのデザイン入っちゃってますよね? 褪めますわ)。   その技術力にしてもデジタルが主流になった今となっては何の優位性もなくなってしまっていて、たとえばカトキハジメデザインの『武器よさらば』のメカニックなど、これ見よがしに線いっぱいのデザインだったりする訳ですが、CGIで動かしてるのならばどうとでもなるんじゃ?としか思えなかったりするんですよね。  『九十九』の反物だって、そういうテクスチャー貼ってバーッて、って。   もうデジタルの匂いがプンプンしてきちゃうの。フルデジタルな世界からデジタル臭を消す努力をしている海外のアニメーションとは違って、むしろ露悪的にデジタル匂わせてない?って感じがして。和とデジタルのミスマッチ感覚こそが今の日本のアニメです、みたいな主張でもしてるのでしょうかねぇ?   もっとも最大の問題はコレが今の日本のアニメのメインストリームからはちょっと外れてるって事ですかねぇ。確かに『AKIRA』とかって海外ではウケがいいけれど、これこそがアニメだ!っていうと、ちと違う気がして。   オリエンタリズムを強調して海外向けにパッケージングされた、なんか『ミカド』とか『ゲイシャ』とか商品名付けたシロモノみたいな映画って印象でした。
[映画館(邦画)] 5点(2013-08-01 14:51:21)
684.  爆心 長崎の空 《ネタバレ》 
 久しぶりにシュールにコワレてる映画を見たという感じで。   明らかに原爆の事と判るタイトルと、母を亡くした娘と娘を亡くした母の邂逅という設定から思い浮かぶ映画の姿、それを中途半端に(徹底的にではなく)破壊してみせるという。  過去の悲劇とそこからの再生、そして未来への生、そこら辺がキーワードになってゆくのだろうな、と思うとその通りではあるのですが、そこに至る道が尋常じゃありません。   宗教映画的に十字架やキリスト像、隠れキリシタンなどのキーワードを散りばめ、題材的には浮きまくってるとしか思えない唐突な濡れ場(とコトを連想させる描写)が配置され、更に電波を受信したかのようにノアの方舟を作り始める幼なじみ(いや、単に壁に釘打ってるだけですが)等々、じゃあこれは原罪についての映画なのか?って感じもしますが、あくまで半端です。   『夕凪の街 桜の国』(原作の方)と同様、原爆で死んでいった者に対する、生き残った者の心にいつまでも残る「自分は生きていて良かったのだろうか?」という自責の念が語られはしますが、それも機能不全を起こしているかのように映画の流れに有効に作用しておらず。   みんな過去を背負って色々精神的に病んだりもして大変だけどとりあえず命があるんだからなんとなく生きてりゃいいんじゃね?みたいな話を、なんか無理に長崎=隠れキリシタン=原爆って三題話みたいに結び付けて、しかもとっても凡庸な、つまんない演出っぷりで描くものだから、更なるカオスを呼んでいる状態で、ヘンなもの見たなぁ!って点では刺激的ではありました。   ラストなんて、火を点けて燃えちゃったコンテナハウスから生還してドリフのコントみたいに黒くなってる二人が目の前で「やっぱり産むわうふふあはは」ってハッピーエンド状態になってる家族を呆然と見守るという大変にシュールな世界で、これマジメにやってるとしたら相当ヤバくね?って感じがしないでもなく、しかも文化庁コレにお金出しちゃったんだ・・・みたいな。   原爆を題材にしたものが「ネタとしては楽しめる映画」状態っていうのはどうかと思うのですが。
[映画館(邦画)] 4点(2013-07-29 06:36:25)
685.  箱入り息子の恋 《ネタバレ》 
 家という名の檻。家族という名の鎖。そこら辺は判ります。  愛とはみっともなくたってカッコ悪くたって、自分の心に正直にあること。それも判ります。  どうにもこうにも判らないのは、でもこの映画は結果的に主役の二人を「映画」の枠の中に閉じ込めただけなのでは?という事。   前半は快調です。恋愛に至るまでの二人の描写はヘタなサスペンス映画よりもよっぽどハラハラドキドキを味わえます。  しかし、後半の交通事故から家族の強い反対への流れの明らかにワザとな凡庸っぷり、そしてそこから生まれると予測されるドラマをはぐらかしてゆく感じ、更にその凡庸~はぐらかしのパターンを繰り返す事でテーマを語ろうとするやり方、結局、彼ら自身の殻でも家族の鎖でもない、「映画」こそが最後まで二人を束縛していたのではないでしょうか。  主人公がフレームからいちいちワザと外れる事で「映画」に対する主人公の闘争が垣間見えたりもするのですが、そこまで判っているのならば、なぜそこまで意地悪なのかと。  象徴的に何度も登場するカエル、でも、この映画の目はカエルの目でなくカエルを観察する方の目に思えます。   二人の近付いてゆく、遠ざかってゆく、繋がってゆく感じは丁寧に描かれて面白かったけれど、映画をコントロールしようとする意思が表出する事によって最終的に妙に窮屈な映画に思えてしまいました。
[映画館(邦画)] 6点(2013-07-15 14:39:48)
686.  アフター・アース 《ネタバレ》 
 「本当に恐ろしいのは目に見えるものではなく、目に見えないもの、そして見えないこと。それによって他者との繋がりを断たれ、孤立した存在にされてしまうから」   それは『シックス・センス』から『ハプニング』まで、シャマラン映画に共通するモチーフ(すいません、『エアベンダー』だけは私の中で上手く消化できません)。  ならばこの映画は、とてもシャマランらしい作品と言えるかと。   この作品でのポイントは「殻」。宇宙船という殻から見知らぬ世界に放り出された少年が、殻に逃げたままそこから出られずに姉を死なせた過去に苛まされながら、自身の心の殻を破り父を救う。  その過程で頻出するシャマラン的エッセンス。危険な森を非力な人間が目標を目指して一人進む物語は『ヴィレッジ』、他者との繋がりが断たれ孤立してゆく恐ろしさを描いた点は『ハプニング』、行動や意識・無意識、更には周囲に存在する物事にも意味が存在するという点は『サイン』を思い起こさせます。   元々、シャマラン映画は、殻に閉じこもる、そして殻の外側に出る事による事態の変化を繰り返しています。孤立の恐怖と、そこからの解放、そしてその解放を促す存在についての物語。  『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、孤立した存在を救う側からの視点の映画ですが、基本は同じ。   少年の命を脅かす凶暴な怪物アーサ、でも、たった一匹捉えられ、自らの殻から放り出された視力を持たない存在であるアーサは、つまり少年の心の象徴であったのではないでしょうか。見えないがゆえの狂気、それは陥った事態も置かれた環境も全く理解できず孤立したがゆえに恐怖に駆られがむしゃらに進んで自らを危機に陥れてしまう少年の姿に重なります。  地球の生命達も父が言うような危険な存在ではなく、孤立した少年に対して解放を促す存在だったように思えます。   完全にスミス親子のための企画のように見えながら、そこにシャマラン的記号が溢れ、これは思わぬ御馳走でした。  もっとも、毎回見ている間よりも見終わった後にあれこれと頭の中でこねくりまわす時間の方が楽しいという点で、シャマラン映画ってどうなのよ?って状態ではありますし、そもそもそういうシャマラニズム?そんなモンはどうでもいいであろう大多数の人にとって果たしてこの映画が純粋に楽しいものであるのかというと甚だ疑問であったりはするのですが・・・
[映画館(字幕)] 8点(2013-07-03 20:20:24)(良:2票)
687.  真夏の方程式 《ネタバレ》 
 それまで反復されてきたセリフが最後に映画を支配するメッセージとして結実した瞬間に「ああ、なるほど!」と納得しました。  開発の問題も、それぞれが抱え込んだ問題も、そしてこの物語が受け手に向って投げかけたものも、全てはそこに集約されてゆくのだと。  であるならば、当然、そこに明快な判りやすいオチなどが存在する訳もなく。   犯罪とそれにまつわる人々のあり様は基本的に前作『容疑者Xの献身』と似たような話に思えます。ですが、今作では海洋資源開発の是非が早々に語られる事で、パーソナルではない、もう少し広い何かを語ろうとしているのが垣間見えます。そして、それは湯川の言うように決して0か100かではない、選択の問題。  数値化できない人の心に対する湯川なりの解答。   美しく捉えられた海の映像に対比されるように描かれる閉ざされたそれぞれの心。  杏の日焼けした健康美と内に秘めた秘密。  幾つにも渡って描かれる対比構造が、この映画のキーとなり、そのメッセージを織り成してゆきます。  登場した人々に対して道を示した湯川は伝道者のような存在であったのかもしれません。   『ガリレオ』自体には興味が無い状態ゆえ、前作では『ガリレオ』的部分が余計に思えたのですが、今回はそれを全く感じさせず、一本の独立した映画として冒頭から終わりまで一切ダレる事なく楽しませて貰えました。  杏と比較してしまうと可哀想なくらいに魅力を消されまくっているつまんない吉高由里子はどうかと思いはしましたが。
[映画館(邦画)] 9点(2013-07-01 23:54:15)
688.  奇跡のリンゴ 《ネタバレ》 
 近所のベンガル一家が「何か」を発見して呆然とする訳ですよ。そこで「リンゴの花が咲いたんだな」と判るのですね。そこにやってきた池内がさらに「何か」(花だろ)を見て呆然として夫婦の元へ駆けつけます。池内は「何か」(花ですね)について一切語らずに夫婦を急き立て、夫婦はバイクに乗って延々と山道を「何か」(花ね)に向かって移動してゆきます。やっと辿り着いたかと思うと二人は「何か」(花だって)を見るのが怖くて小屋の陰に隠れます。先に「何か」(花だ)をやっと見た菅野が驚いてみせて、そして阿部の番になってネットリと阿部の驚いた顔を見せた後にやっとやっと「花」が画面に登場。  馬鹿? 失笑と言うより腹立たしいくらいで。そこまで引っ張ってタメて「ほーら」ってやってみせなければダメなの?  まあ全編こんな調子。勿体付けてタメてゆくカットとベターっと表情を捉えた映像、久石譲のベタベタと甘いメロディに乗せて、家族の貧乏で大変な苦労話が展開する、カビの生えた邦画の見本みたい。   冒頭でバイクが爆走したりアンプ爆発ですっ飛んだりってバカ映画タッチが登場するものの、本編は全くタッチが異なり、かなりの部分が陰鬱な苦労話。その繋がりの悪さが全体の印象をおかしなものにしているような気がして。  阿部の人間性を面白おかしく描いた事が、結果的に特異な、異常な人間として映り、多くを犠牲にしてまで無農薬リンゴの栽培に執着してゆく姿に感動すると言うよりも「こいつおかしいだろ」と感じてしまい。  家庭を犠牲にし、自分だけではなく義父の身をも削り、様々な事が破綻し、その上で自殺という自己完結の道を辿ろうとする、それを「イイ話」として受け止めるのは、私には無理。だけど映画はあくまで「これは感動的なイイ話なんですよ」ってスタンスを崩そうとはしません。   村八分だとか出稼ぎに出て都会の若者に金を取られたりとかいう類型的な「イヤな事」も含めて、苦労から感動に至る道筋をギュウギュウと押し付けてくるような作り方は普遍的ではなくて単に古臭いだけだと思います。   離婚話を持ち出された菅野美穂が泣きながらご飯を食べるシーンなどいい味が出ているのですから、そういう素の人間臭さで占められていれば良かったのですが、常識外れのヘンな人間を韓流映画みたいなベタベタな感動タッチで彩った、実話を元にしながら作り物めいた一編という印象でした。
[映画館(邦画)] 4点(2013-06-20 16:16:06)(笑:1票) (良:1票)
689.  はじまりのみち 《ネタバレ》 
 雨が降ってリアカーの上の母の顔に泥がはねるのですが、あれがいつの間にか綺麗になっちゃってたりしたら嫌だなぁ、と思っていたら、そここそが重要なポイントで。木下恵介の、母に向けた愛がそのまま映画に向ける愛へと繋がる、とても大切なシーンとなって。病に伏し、泥で汚れた母の姿を丁寧に整え、母はそれに応えるように凛とした表情をする。それは映画監督としての姿にも繋がって。あのエピソードにはとても感心しました。   映画は奇を衒う事なく、真面目に映像を重ねています。それゆえ、もう少し冒険をしてもいいのでは?と思ったりもするのですが(わりと判りやすく単調な切り返しが頻出します)、客層や木下恵介生誕100年を記念しての松竹作品という事を考えればそれでいいのかもしれません。   ただ、問題は木下恵介作品の映像をあまりに多く、長く引用し過ぎている点。  たとえば便利屋が『陸軍』を見て感動した事を説明するシーン。せっかくその前に濱田岳がカレーライスやシラスのかきあげとビールであれだけの名演を見せているのですから、『陸軍』の感動も彼にきっちりと語らせるべきだったのではないでしょうか。  映像を切り替えて『陸軍』のラストシーンを延々と最後まで流して説明するという状態は、肝心なところで木下恵介の力を借り、この映画独自の力を放棄してしまっているようなもので。自分の演出力も役者の力も信じてないの?と。  濱田岳に語らせておいて、実際の映像はエンディングに流した方がよほど効果的だったんじゃないでしょうか。   最後の部分での木下作品の引用も長過ぎです。あれでは本編の空気を薄めるばかり。あそこまで長々と本編から離れてしまうと、その後、最後の最後が取って付けたようになってしまって。そこで『クレヨンしんちゃん アッパレ!戦国大合戦』での有名なセリフを言って欲しいの?くらいに浮いている感じがして。  厳選した数カットでバシッ!とキメるくらいにした方が良かったんじゃないかなぁ。   映画は原恵一監督の真面目さが出て魅せる作品だったのですが、木下恵介作品に対する深すぎる思い入れ、愛情が逆に映画そのものの味を損ねさせてしまった感があって、もう少し監督が前に出た方が良かったんじゃないかな、と思いました。
[映画館(邦画)] 7点(2013-06-12 15:38:42)
690.  その夜の侍 《ネタバレ》 
 この映画の影の主役。   中から包丁が突き出す事によって異常な事態を示すもの、中身が飛び出しひき逃げ犯の車に轢かれるもの、アパートに居座る男に毎日怯えながら届けられる弁当が入ったもの、繰り広げられる殺人未遂行為を前にもう用が無くなったのにトモロヲの手の中にすがるようにずっとあるもの、妹を失った男がその命を奪った男の仲間に投げつけるもの、家にプリンを運んでくるもの。   スーパーやコンビニのビニールの手提げ袋。   日常がビニールの手提げ袋に象徴され、その扱いが登場人物達の壊れやすい日常とそれに必死にすがらなければならない悲しい姿を表しているように思いました。   だけど、それゆえにちょっと上から目線で人間を俯瞰しているような映画に思え、冷たい映画だな、って印象を持ったのも事実で。   交通整理のバイトをしていた谷村美月が山田孝之の判りやすい脅しに乗ってゆく、それを制止しようとするトモロヲをコミカルに描く、あの一連の流れなどから感じるのは人のどうしようもない愚かしさ。   どうしようもないクズとして描かれる山田と執拗に復讐への道を歩む堺、必死に事を収めようと奮闘する義弟、クズから離れられない人々。   それぞれがビニールの手提げ袋みたいに脆弱でペラペラな日常にすがる弱い人々のように思え、なんでこの映画はこんなに偉そうなんだろうねぇ、とちょっと反感を抱いて映画を見終わったのでした。  それはそれで正しい反応なのかもしれませんが、決して好きにはなれませんね。
[映画館(邦画)] 6点(2013-06-09 09:10:57)
691.  G.I.ジョー バック2リベンジ 《ネタバレ》 
 物語は前作から続いているものの、前作の主役を早々に殺して主役交代、前作に登場したキャラの多くが行方知れずで前作には居なかったキャラが平然と中心に存在、G.I.ジョーの設定変更(前作はアメリカ政府直属の機関じゃなかったでしょ?)、前作ラストで伏線を張った悪役の一人を廃棄、子供っぽいガジェット関係を殆ど排除、笑いの要素も排除。   で、そこまで前作を完全否定して、じゃあ何かこの作品として新たな価値を獲得したのか?っていうと、これがもう全然。   新たな主役となるドウェイン・ジョンソンと、サポートに回るブルース・ウィリス。別に他の映画で幾らでも見られるような役で特に『G.I.ジョー』である事の必然は全くありません。単に銃をぶっ放したり(登場するのはほぼ普通の銃火器)殴り合いしたり、そんなモンはこの人達自身の映像としてそこら辺にごろごろと転がっている訳でしょ? 前作で確立したものを捨ててまで、それらに擦り寄らなければならなかった理由というのがよく判りません。単に作品の個性を殺しただけ。    見応えがあったのは前作のキャラを引っ張ってきた断崖絶壁でのアクションシーンくらい。あそこはこれまでに見た事がないような特異な場所でのバトルとスピードのアクション、奥行きのある構図で3Dも効果的(他のシーンは大した事がありません)でワクワク。  だけどその肝心な前作キャラの忍者二人は今回の物語からは明らかに浮きまくった存在。その上、ビョンホンがいとも簡単に正義になっちゃったりして、とにかく前作を壊したくて仕方ないんだなぁ、って印象。   シリアスなアクションにしては物語は粗だらけで真面目に見ていられるものでもありませんし。核廃絶の交渉から新兵器での脅迫までの流れが全く納得も理解もできない馬鹿馬鹿しさで、そんなところだけ前作のバカっぷりを残してどうする?みたいな。   物語だけは繋がっていても、作品のタッチも空気も世界も一切断ち切れて別物になった今作、前作のオモチャっぽいガジェット満載、子供っぽい暴走バカっぷりが大好きだった私にとっては、最悪の続編でした。
[映画館(字幕)] 3点(2013-06-08 14:43:11)(良:3票)
692.  言の葉の庭 《ネタバレ》 
 訳あって靴に詳しい身としてはツッコミどころ何点か。  まず雨の日にあのモカシンは無いですわ。一発で中までグッショリ、靴自体は雨吸いまくってゴワゴワ。自分で作った靴? ならば尚更。素直に合皮&合成底のプレーントゥやU、ウィング、ストレートチップ履きましょうよ。  おねえさんもとても雨の日用とは思えないセレクトばかりで。とりあえずマンホール上で思いきり滑る靴が多いですわね。  あと母親に9センチヒールのプレゼントはハードル高過ぎですわぁ。あの9センチから色々と想像をめぐらせてみても(若作りな母だから、そういうプレゼントに慣れてないから、女物に疎いから、男として女の靴に求める願望の表れ)、ちと無理があり過ぎ。7センチが限度かな。  そういう、繊細なフリして雑なトコはかなり雑って、そんな映画。   セリフとモノローグでとりあえず全部説明しちゃうんですよね。モノローグなんて本来禁じ手の多重方式で双方の気持ちやら背景やら全解説。そうして人称ブレブレにしてまでして語りたかったものって、なんかペラペラな感じなんですけど。  そのペラペラと流れてゆくモノに、映像でキレイキレイな装飾を施しました、って印象。  別に、全部を語る必要はないと思うんですけどねぇ。全部語っちゃったら、あともう何も残らないし。   あの街の風景、私の家のベッド前の窓から見える風景なんですけど、それがこの映画でドラマチックに彩られて独特の世界が広がって感激!なんて気持ちも特に湧きませんで。  自分がずっと見てる東京、それを当たり前に見せられているような感じがして、せいぜい高層建築からの俯瞰とか線路上を通過してゆく列車とかいうトリッキーな構図が珍しいくらいで、んー、手描きのアニメだからこそ珍しい、みたいな?   『言の葉の庭』ってくらいなのだから、言葉をこう、選びに選びまくって絞り出された一節一句から広がる世界ってのを描いたら良かったんじゃないかな。あまりに饒舌過ぎてなんかおしゃべりな映画でした。
[映画館(邦画)] 5点(2013-06-05 19:39:02)(良:1票)
693.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 
 物語はまあまあ面白かったと思います。でも、それを全部セリフで説明してくれるのね。別にラジオドラマでもいいってくらいにセリフで解説。SF映画なんだから映像で語って欲しいのですが・・・   ビジュアルの方はなんというか、余白の多い映像だわねー、って感じで。既視感の強いデザイン関係と、だらーっと情報量の少ない描写とで、ワリと退屈。もっと文明が破壊された、その大きな傷痕を見せてくれたりすると終末ものとしてインパクトがあると思うのですが、殆ど砂で覆われちゃって、チラリチラリと匂わす程度にしか見せてくれませんしねぇ。月が壊れてるってイメージだって『タイムマシン』で見たのと似たようなものですし。  この物語でこの視覚効果ならば、1時間40分程度が適正上映時間だと思いますわ。   あの地下に潜伏した人々、あそこの描写にもう少し力を入れていたならば、この映画の薄味な感じも緩和されたんじゃないかと思います。あまり見せない事によって隠された物語上の様々な秘密、それが結果的に映画の味を薄めてしまったんじゃないかなぁ。   オープニングのユニバーサルのタイトルがアレな事になっちゃってたのは楽しかったんですけど、そういうのは所詮ちょっとしたお遊びですしねぇ。   一応見られるものにはなっているけれど、この作品は特にここが、っていうところが見当たらないのが残念な映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2013-06-04 20:16:12)(良:1票)
694.  リアル 完全なる首長竜の日 《ネタバレ》 
 壁に落とした影や鏡の中の像が、何か不自然な、妙な感じがして、こちら側と表裏一体となったそちら側と、じゃあどちらが?みたいな描かれ方が続くので、映画のトリックそのものは初期から予想がつきます。  でも、これはそこを楽しむ映画で。黒沢清作品としては『回路』を強く思い出させる世界。現実感の喪失、モノトーンに沈んだ世界、人を失い生を失った廃墟のイメージ、深い深い孤独感。切れ切れに閉塞され人と対話が成立せず孤立した世界で懸命に人との繋がりを求めて足掻く、その悪夢の如き映像はまごう事無き黒沢ワールド。   で、となると映画は実のところ、1時間30分ほどのところで実質的には完結しちゃってる感じなんですよね。残り30分の蛇足感ときたら。『ジュラシック・パーク』然としたイドの怪物との対決の違和感。これで一応娯楽映画としての体裁は保ちましたよ、とばかりに取って付けたようなクライマックスとラストシーンを見せられて、ああ、これはこれでヘンな事になっちゃってて楽しいなぁ、みたいな。   その、素材と作家性とのせめぎあいというか、戦い、そこに魅力があったりすると思うのは、ちょっと意地悪な見方でしょうか?
[映画館(邦画)] 7点(2013-06-02 20:33:44)(良:1票)
695.  県庁おもてなし課 《ネタバレ》 
 冒頭、「これだから公務員は・・・」みたいな描かれ方をされていて、だけどそこからみんな頑張って、というのがこの映画のポイントだと思うんですよね。でも、なんかピントがズレちゃってます。  頑張ったところでその言動が「まあ、公務員とバイトじゃ仕方ないよね・・・」って状態なんですよ。みんな仕事に私情ばかり持ち込んでます。  仕事中に痴話喧嘩を繰り返したり、感情的になってやる気を無くしたり、仕事から外れたり。  「仕事には心が必要なんですよ」という事を描こうとして「心」と「感情」とを勘違いしちゃってる状態なんじゃない?  話は主に外部の人の作用によって進み、その上ちゃんとした一応の結果までも到達しないので、最後まで見て「で、結局おもてなし課って何したの?」みたいな、映画の存在意義そのものが危ぶまれてしまうようなシロモノでして。   ただ、高知県のPR映画としては一応の効果を上げてたのではないかと。  だって「高知って、えーと、うど・・・ミカ・・・あ、竜馬」って神戸からアッチは沖縄まで飛んじゃう状態の私に、映画の流れを止めてでも沢山盛り込まれた映像で「高知ってこういうところ」っていうのをアピールできた、「ああ、自然たっぷりでいいところなんだね」って思わせた、それだけで無価値って訳ではない映画でした。  まあ、メジャーな映画のわりに予算が無いのが丸出し、航空ショットになると途端にどっかの素材映像らしきSD画質になっちゃうのが萎えさせましたけど。   あと、予告編では全く目立たなかった関めぐみが意外にも久々に大きい役でファンとしては嬉しかったです。『ドラゴンボール』とか『必死剣 鳥刺し』とかちょっとしか出てこない映画が多かったですからねぇ。一応準主役だった『ぼくが処刑される未来』という超低予算な映画もありましたが、アレは、えーと・・・。  結局あれだけ画面に登場しながら最終的に「何しに出てきたの?」みたいな存在だった可哀想な堀北真希よりもよっぽどヒロイン的ないいポジションでした。   『綱引いちゃった』みたいに大分の魅力を全く伝えられなかった映画に比べたら、これ、一応ご当地映画としての存在感だけは示せてるんじゃないかと思います。  この国の風景を捉えておくって、大切だと思うんですよね。
[映画館(邦画)] 5点(2013-06-02 20:04:47)
696.  くちづけ(2013) 《ネタバレ》 
 『芸能人格付けチェック』で監督が「一流映画監督」として扱われた際、twitterが「堤幸彦が一流?」ってツッコミで埋まる状況に大ウケ。本当、この人の映画にお金と時間を使う事にはかなり抵抗が。  で、不安たっぷりな状態で臨んだら、いきなり題材的に共通する『フォレスト・ガンプ』のあからさまなパクリで「大丈夫か?この映画」って。  先に結論を言えば、よく泣ける映画で、だけど泣ける映画=いい映画なのか?っていうとそうではなく。   泣かせるのは役者です。特に貫地谷しほりの演技はもはや力技。  彼女以外にも、障害者を演じた面々や、橋本愛、田畑智子、みんな泣かせにかかってきます。竹中直人は相変わらずクサいですが。  こちらはまんまと泣かされ、でも演出と脚本は疑問だらけ。  堤演出はやっぱり雑です。移動し過ぎなカメラは、それが動く事によって生まれる意味を消失させていますし(あのシーンをデ・パルマの如くグルグル回す事は悪趣味にすら思えます)、毎度のハイテンション演技は障害者と健常者の描き分けを曖昧にします。それが意図的であったとしても、あまりに不自然としか思えません。  脚本はブツ切れ気味で、唐突に泣き出す、激高する、笑い出す、と繋がり無く感情がボタボタと単発でこぼれ出しているような感じで、それも意図的であったとしても・・・   でも、最大の問題は最終的に納得も共感もできなかった事。  原作の通りであるなら、それは映画独自の問題ではないですが。  最後にいっぽんの取った選択、あれは親の愛よりも最悪のエゴ、無責任な自己完結が勝っているんじゃないかと。  現実にあった事件を元にしたというあの選択を通して、社会のシステム、風潮に対し問題提起をしているのでしょう。でも最近話題になった乙武さんの件のように、不備や悪意といった負の要素のみを抽出したところで未来は開かれません。  一人で障害者の親の介護をしてきた私の経験から言うと、映画に出てくる南ちゃんのようにあからさまな悪意を示す人間はリアルには滅多に存在しません(ネット上には溢れかえっていても)。色々な問題があるとは言え、絶望しかない訳ではありません。人を信じる事によって支えられる生がある、そこを信じなかったいっぽんの身勝手さゆえ、泣けるけれども腹立たしい映画だった、というのが感想。   こういう映画にはもっと未来を指し示して欲しいです。
[映画館(邦画)] 5点(2013-05-27 20:07:14)(良:2票)
697.  ロボジー 《ネタバレ》 
 笑いとしては程度の低いナンセンスギャグばかりで大して面白くないのですが(嘔吐、放尿、放屁なんて小学生レベルのネタだわね)、それより何より『ハッピーフライト』に続いてなんかイライラさせる映画で。それって一体なんのせい?と思ったのですが、コレとは全く別の映画についてのフォロワーさんの感想を読んで、ああ、そうそう、それのせいだ、って。   「いいからお前ら、ちゃんと働けよ」   いや、お笑い映画なのだからちゃんと働かない人々だからこそ笑える、って事なんでしょうけども。   この映画、いかに仕事をせずに人を騙すか、っていうのが物語の基本。  矢口監督の映画はいつもまず最初に思いっきりダメなところから始めるんです。引き算しまくった人間を描いて、そこに幾らか足していく事で結果的に良かったね、っていう。  『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』みたいに高校生ならば引き算しまくったおバカでもいいんです。でも、社会人はそうはいかないでしょう。『ハッピーフライト』もこれも、社会的な責任を背負った大人がなんてバカなんだろ?って、もうその時点でひっかかっちゃう。  そんなダメなキャラでも愛する事ができればそれはそれでいいのですが、吉高嬢も含めて、この映画のキャラには魅力がありません。ギャグのためのキャラクター造形という作為が丸見えになってしまっているからなんですね。   大体、思いきり低いところから始めてちょっと上げてみせる事で(今作で言えばそれまでインチキばかりしていた3人がマジメにロボット工学を学んでゆくところね)なんとなくいい感じに見せるっていうのは作劇法としてわりとラクな手な訳で、この監督の作品はそれをちょっと繰り返し過ぎかなぁ。   植木等のスチャラカ社員はあのモーレツな高度成長時代なればこそアンチテーゼとして機能していた訳で、じゃあ今の時代にあるべき勤め人の姿とはどういうモノ?って考えた時に、ちょっと矢口キャラって違うんでないの?と思うのでした。
[映画館(邦画)] 4点(2013-05-23 22:58:08)
698.  クロユリ団地 《ネタバレ》 
 見終わって思い浮かんだのは『巨人の星』。   前半は、というか後半に霊媒師が出てくるまでは意外に魅せてくれる映画で。  どこか不自然な家族、不自然な日常。それがある事件をきっかけに徐々に真実が見えてくる。失われた人、止まった時間、崩れてゆく日常、耐え難い孤独、そして、そこからなんとか時間を動かしてゆこうとする気持ち。  サイコホラー、サイコサスペンスの様相を呈しつつ、近作の『ももへの手紙』『ファミリー・ツリー』『虹色ほたる』『幸せへのキセキ』に連なるテーマを抱えた、そんな映画。  壊れそうな、繊細に揺らぐ役を前田敦子が好演しております。   で、そんなテーマやメッセージやドラマや切なさや哀しさが置かれたちゃぶ台を「てーい!」とばかりにひっくり返して台無しにする「Jホラー」と言う名の星一徹。  クライマックスで「全部もう無しだ。何故ならこれはJホラーだからな。恐怖がドーン!とやってきて終了するのがセオリーだからな。」って激しく暴力的で無神経な終わり方で何もかもすっ飛んでしまって。   結果的にホラー映画だけどホラーが激しくジャマっていう困った映画でした。これじゃ明子、いや敦子姉ちゃんが可哀想だ。
[映画館(邦画)] 5点(2013-05-22 22:56:55)
699.  探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 《ネタバレ》 
 前作よりは楽しめました。   前作を見ている事によって、予め、どういう作品世界なのかを理解しているがゆえの楽しめ方なのかもしれません。ですが前作に比べてヘンにカッコつけた感じは軽減されましたし、笑いにウェイトを置いていた点も良かったと思います。   ストーリーは読めるものの(もちろん犯人までは読めませんが、この部分はきっとミスリードなんだろうな、って)、前作のような繋がり悪くてエピソードがブツ切れな感じは軽減され(それでも前作同様、エピソードと舞台の飛び飛び感自体はしっかと残っておりますが)、流れに乗って見る事ができました。   大泉洋は毎度のキャラって感じですし、ヒロインはもう少し若い人が良かったのではないかと思いますが(でも、そうするとゴリの年齢との整合性が取れなくなってしまうのでツラいところではあります)、松田龍平の飄々とした感じは、『舟を編む』での作り過ぎゆえの気持ち悪さに比べて数段魅力的なキャラに映りました。  シリーズを重ねる事で生まれる面白味のようなものが出てきたんじゃないかな。   じゃあなんでこの点数なのかと言うと。  この映画では脱原発を思想の暴力として描いています。脱原発という大きな題目のために人間性を犠牲にする人、犯罪に走る大量の人々(ヤクザと同列に扱っています)を登場させています。  それはこの映画が発信した一つの思想なのでしょう。そして私はそれを容認する事はできません。ゆえに全面的に否定させて頂きます。   もうそれって映画としての出来云々以前の問題なんですよね。娯楽映画にそんな思想を盛り込んだ事には悪意すら感じますが、まさかこの映画が描いたようにこの映画自体のバックに何らかの力が働いていたりするのでしょうか? そう疑ってしまえるだけでも、本来それを批判した筈のこの脚本は大失敗していると思うのですよ。
[映画館(邦画)] 0点(2013-05-19 00:22:51)
700.  舟を編む 《ネタバレ》 
 松田龍平という人、いつもリアクションの薄~い演技しかしなくて、なんか魅力に欠ける役者だな、と思ってたのですが、この役はまるでそんなリアクションの薄い彼のためにしつらえたような役のようで。  で、だからピッタリとハマっていい感じだったのか?っていうと、そこに演技の幅というか余裕が無いためにぎこちなくて真面目というよりはマトモではない気持ちの悪い存在に思えて仕方なかったのですが。   で、この監督の作品としてはやたら真面目に静かに作られた映画で、でもその方向性にも疑問たっぷり。いや、いい映画なんですけどね、そこにも真面目である事の気持ち悪さが存在していて。  ゲル状料理によって判りやすく立てられるフラグ、除夜の鐘の音や窓の外に降る雪、トラさんを継ぐもの、その記号化された「真面目なキーワードたち」の居心地の悪さ、特異である事を排除してゆく事の気持ち悪さがなんとも・・・   言葉の意味を編み出してゆくこと、それを形にする事を生業とすること、人と人を繋ぐ大切なものを守ること、そういう作品の重要なところはしっかりと描出されていたと思います。でも、それが真面目に意外性を排除したところで平べったく淡々と流れてゆく状態を見ると、そうなのかなぁ?って疑問が湧いてきて。  これこそが日本映画だ、日本人だ、みたいな風になってしまうのは、あまりに一面的に、保守的に過ぎる気がしちゃうワケです。   あと、妻に敬語使う夫、宮﨑あおいのポジション、下宿風生活等、『神様のカルテ』に妙にカブってたのはなんでしょ? あれも相当気持ち悪い映画でしたが。   つーか、あの龍平のキャラはあれで本当に良かったの?
[映画館(邦画)] 6点(2013-05-10 20:16:16)
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