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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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761.  プライド(2008)
最初はドロドロ&グチャグチャの安っぽい愛憎劇かと思った。それは大筋で間違っていないと思うが、決して安っぽくはなかった。そう、感情を露わに晒す映画は概して安っぽくなるのだけど、歌うことを通してお互いを突付きあう主演二人の生き方には、簡単に見過ごせない力があった。その二人がデュエットするシーンに歌唱的な説得力を持たせてあることもプラス要因。ダークな感情をエネルギーに変える萌が昭和のスポ根ものにいる意地悪少女のノリでかなり面白い。でもただの意地悪で終わらないところが彼女のプライドってことですね。体の周りに炎のオーラが見えた(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-06-08 23:58:12)(良:1票)
762.  ハリー・ポッターと謎のプリンス
原作のダイジェスト感が著しいこのシリーズの中で、本作にはさほどアレルギーを覚えなかったです。これまで少年少女だった彼らが青年に近づき、にわかに色気づく。「賢者の石」から出演者を変えずに製作してきたことがやっと実を結んだ気もする。人の成長をシナリオや演出やメークで見せるのは限界があるが、このシリーズは実際に成長しているので、続けて観ていると感慨深い。ハリーもロンもハーマイオニーも育ち方が一様じゃなく、個人差があるところが自然な演出になっている。最後の戦いに向けてのお膳立てが終わったって印象の本作。いよいよこれから、って感じは出てました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-07 23:03:00)(良:1票)
763.  猟人日記(1964)
タイトルの猟人日記とはナンパの記録。ある男が狙った女性を落とした手順からベッドでの様子までを趣味として詳細に記している。基本的なナンパの手口がハーフに化けて女の興味を引くというもので、片言の日本語がウソ臭くって笑える。まぁ、かなり変な奴です。その日記に記された女性が相次いで殺される事件が起こり、男が逮捕され、弁護士が事件の究明に奔走するというストーリー。直木賞候補となった原作は未読だけど、出版当時その内容が話題となりベストセラーだったらしい。犯人のモノローグで顛末が一気に語られるくだりは金田一耕介シリーズみたいだけど、動機を遡って行くと思いもよらぬものに行き当たってびっくりする。50年ほど昔のミステリーとしては、よく組み立てられていると思います。中平康らしいテンポの良い演出も好感触です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-06-06 03:56:38)
764.  007/トゥモロー・ネバー・ダイ 《ネタバレ》 
登場シーンから中国の諜報員ってバレバレのミシェル・ヨーだけど、後半頑張ってました。敵の弾は笑えるほど当たらないが、女性が強いと作品が締まる気がする。「私を愛したスパイ」も女スパイとの共闘で見応えがありました。ボンドガールが飾り物じゃなく、しっかりストーリーやアクションに絡んだ作品の方が、概して出来映えが良いと思います。情報操作の為のハードが通信衛星と24時間回り続ける「輪転機」って、時代を感じます。本作はインターネットが普及する直前の製作で、メディアは発信側が一方的にパワーを持っていた。この映画ではその先端が新聞の一面の見出し。現在の視点では、明らかに10年以上前の映画って印象です。1962年から始まったこのシリーズだけど、時代の変遷は作品ごとに解り易く伝わってきます。Qの秘密兵器なんかも時代を映す指標。ここまで息が長いと、一種の記録映画的意味もありますな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-25 21:46:11)
765.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
ハインラインの原作は右傾描写が物議を醸した問題作。でも、日本ではモビルスーツのアイデアを提供した作品として有名。自分も学生時代に原作は読んだけど、確か巻末で訳者の矢野徹氏がその右傾描写を取り上げ、作品として「否定する」と評していたことが強く印象意残っている。映画化に際してはパワードスーツがどのように実写になるのか楽しみだったのだけど「機動歩兵」は生身に銃を持っているだけ。あれはただの「歩兵」じゃんと落胆した。その代わり、原作では蜘蛛になぞらえていた昆虫が、巨大な甲殻カマキリで、しかも大群に襲われる絶望感をビジュアルインパクトとして担保したようだった。原作の右傾描写は存在する。兵役を経た者だけが投票権を持つ「市民」だったり、時折挟まれる軍事ニュースがそれだけど、特にニュースの方はおバカ調に統一されていて、これは原作をリスペクトしつつ、そのままでは制作できないと判断した監督さんの苦肉の演出と自分には映った。結果として、前線に身を置いた青年の成長物語という印象に仕上がっているのだが、戦争相手である昆虫側の事情には一切触れないところや、最後に捕獲した頭脳虫が「恐れている」ということに狂喜する兵士たちの描写に、原作が持つ主張を毒として忍ばせている。一見、薄っぺらいお話だけど、ヴァーホーヴェンは相当に試行錯誤しながら作ったんだなぁと思うのでした。観ている側はグロい爽快をシンプルに楽しんでる人が多いようで、見かけはヴァーホーヴェンの狙い通りでしょう。でも、ハインラインらしい力の論理を真正面から描いて欲しかったとも思うのでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-15 23:47:56)
766.  砂の上の植物群 《ネタバレ》 
製作当時の視線で、真面目に「官能」を追求したような作品でした。主人公が道を踏み外してズタボロになるって感じでもない。一歩ずつ確認しながら、いろんなことにチャレンジするという印象です。性風俗が花開く前、ノーパン喫茶が初出店するよりさらに20年以上前の時代なので、現代の視点に照会するとかわいいものだが、当時としては異色の作品だったのだろう。痴漢、覗き、軽いSM、制服コスプレ。妻と父親の密通を疑っていたあたりに、近親相姦的な要素も入っている。それらに背徳を覚えながら、その性癖の源泉として自分の中に流れる父親の血を意識する主人公。明確な台詞にはなっていないが、自身の意思というより、もっと大きな摂理が背徳を希求させているような語り口です。ラスト近くで一緒に食事をする女性の口がアップになる。それは粘膜質でものを咥え込むことの象徴。その描写の生っぽさが今作の全てです。ちょっと珍しい感じの映画で面白かった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-05-15 13:02:21)
767.  007/ユア・アイズ・オンリー 《ネタバレ》 
「ムーンレイカー」の馬鹿らしさを反省したのか、とても真っ当なスパイものでした。妻の墓参りで始めたのは反省の証だろう。冒頭の車椅子はブロフェルド? つまり「ダイヤモンドは永遠に」のラストを、怪我を負いながらも生き延びたってことか。さて今作。行く先々で協力者と接触し、情報を集め、目的に近づく地道な諜報活動。ベッドシーンも情報収集の為と解釈できる。スケーターの女の子をたしなめる言動は過去のボンドに無かった良識。アクションも特撮などは使わず、ロケで撮影できる範囲に限って行われている。特に一連のウインタースポーツアクションには生身の人がやれることの限界を見極めるような探求心が感じられ、CGに慣れた目を刮目させてくれる。スタントマンに拍手。水中を引きずられたボンドが怪我をして血を流すことも新鮮。ラストの敵アジトの襲撃も、酷似した状況で「女王陛下の007」ではヘリで強襲していたが、こちらは地味にロック・クライミングで死角から近づこうとする。デタント(緊張緩和)って死語がオチになっているのもこのシリーズにしては渋い。そうそう、ボンドガールもお色気優先ではなく知的美人でした。いや、彼女は美しいです。そんなこんなで大手術を施した作品だったけど、面白いかというと微妙。この姿勢は買うが、役者の演技と演出のタッチが軽めで変わり映えしない為に、重厚なスパイものには成り得ない。007映画として物足りない感想が多いのは、そんな理由だろう。ダニエル・クレイグ版を観た後だから思うことだけど、これ程に方向性を変えるのであれば、ボンド役も一緒に変えるべきだったってことかな。でも、私は好きですよ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-05-02 06:32:23)
768.  鴨川ホルモー 《ネタバレ》 
原作未読。舞台は京都。俺は京大生、と言い切る主人公。四方を司る霊獣、玄武・青龍・白虎・朱雀になぞらえた実在大学の謎のサークル。予備知識なく観始めて展開が読めないまま、そのサークルの目的が明かされたときはかなり驚いた。まさか本当に鬼が出てくるとは思っていなかったから。古都の風情を生かしつつ、日常に、しかも大学のサークル活動にオカルトを融合させた設定は白眉。否応なしに期待感が膨らんだけど後半は失速気味。登場人物たちの恋愛模様を絡ませること自体は悪いと思わないが、町の上空に現れた黒い大きな鬼の意味が良く分からず、無理に話のスケールを大きくしようとしてバランスを悪くした印象。でも、この作品は評価したいです。オカルトを骨格に据えた青春映画ってあまり記憶になく、真新しい感じがします。若手の期待株たちが「ゲロンチョリー」を真面目に演じる様は、日本映画の明日を明るく照らしている(と云いつつ、ドッキリを疑った役者もいたことだろう)。そんな具合で、説明しにくいパワーを感じる作品です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-05-01 23:33:10)
769.  ソラニン 《ネタバレ》 
しばらく前に、仕事で付き合いのある20代の男性に最近のオススメのマンガを訊ねたら、この原作を貸してくれました。後日、感想を訊かれたので「悪くないんだけど、このテーマをマンガでやる意義が良く分からない」と答えました。マンガなのに荒唐無稽な部分が無く、純文学的です。その映画化でしたが、原作を読んだ身にも違和感なく観られました。学生という肩書きを失くした途端に重さを増す日常生活の意味。猶予期間を使い果たした若者たちが抱える目の前の不安、先行きの不安。それが誇張などを入れずに繊細に描かれている。チャレンジらしいこともせずに夢や希望を終わらせて良しとするのか? 種田君の行動と結論はオーソドックスだけど、健全な方向だったと思います。事故死は物語に起伏を付けるためのエッセンスで、彼の選択は100%間違っていない。達観するつもりはないけれど、疑問を抱えながら折り合いを付けるのが人生です。その経過を誠実に見せる真っ当な青春映画でした。自分はすでに中年オヤジですが、新卒入社した会社を1年で辞めた彷徨派なので共感する部分、ありました。でも、種田君は可愛い彼女がいるだけ同じ悩みを持つ輩の中ではシアワセな部類、と云うより、あんな彼女がいるならそれで満足してろ(笑)。その彼女の歌唱力は、自分は気になりませんでした。劇中の彼女はその道で生きようなどと思っていない。あれは悲しみに対する彼女なりの抵抗なので、素人が一生懸命歌っている感じが伝われば充分でしょう。余談ですが、こんなマンガらしくないストーリーのマンガが成立する日本のマンガ文化の拡がりには感心します。ちなみに、先述の20代の彼には山岸涼子の「日出処の天子」なんてヘビーなマンガを貸しました。彼が生まれた頃の作品だけど、まだ読み終わっていないようです。すでに3年経過(笑)。
[映画館(邦画)] 6点(2010-05-01 01:02:05)(良:3票)
770.  のだめカンタービレ最終楽章 後編
前編よりは良かったです。音楽観と恋愛観の狭間で自分を制御できないのだめの苦悩はじんわりとは伝わってきました。じんわり程度で、及第点ではない。原作を読んでいなければ、のだめの心情をトレースするのは難しかったと思います。峰と清良の方が、分かりやすくて良かったかな。原作の世界観が自分の中に確固としてあるものだから、キスシーンのエンディングも違和感がありました。あれはかなり安易なラブストーリーの締め方です。4年近く前に新聞の文芸欄で、クラシック音楽を扱ったマンガが好評でクラシックCDの売上を伸ばしているという記事を読みました。この映画の原作です。その時は久しぶりにマンガに没頭し、当時15・6巻まで進んでいたコミックスを一気読みしました。そして、お恥ずかしい話だけど、そのマンガに感化された私はいい歳してピアノを習い始めました。子供の頃「あしたのジョー」を読んでボクサーに憧れたことと大差ない動機だけど、それを行動に移してしまった訳です。何が言いたいかと云うと、原作には未経験者の自分でさえ音を奏でてみたいと思わせるパワーがありました。音楽と付き合うことに一喜一憂している登場人物たちがとても充実しているようで羨ましかった。原作を読まずにこの映画だけを観た私がそんなことをしたかと云うと、それは100%なかっただろう。ギャグの映像化とラブストーリーとしてのアレンジを骨格としたドラマと映画は親しみやすく、それは評価したい。でも、個人的に「音楽」との付き合い方を変えてくれたタイトルという意味では、物足りなさが残りました。今作というより、のだめ映像全般に対する感想です。
[映画館(邦画)] 6点(2010-04-29 03:21:28)
771.  女王陛下の007
この一作だけに登場し、降板したジョージ・レーゼンビー。役者としての存在感はショーン・コネリーに比べてグッと落ちる気がするのだが、ジェームズ・ボンドというキャラクターの中味を感じさせてくれる作品ではあった。主人公の内面を描くという意味では、普通の映画である。よくよく考えると、事件が起こるたびに関係する女性を片っ端からモノにするボンドという奴はとんでもない下半身偏重人間で、国家の仕事に就いていなければただのスケコマシ。今作のように、一人の女性と正面から向き合う姿勢にこそ人物としての共感は生まれるし、それは作品の完成度に跳ね返ってくるものの筈なんだけど、そんなキャラではシリーズとして長続きしないというのも事実だろう。次の作品でショーン・コネリーが復帰したことも含めて、今作は「番外編」という印象で、自分の中では何人もの俳優が受け継いでいるボンドの流れに組み入れて捉らえられない。ちなみに、ダニエル・クレイグのボンドは、今作のような湿っぽい部分を持ったボンド像をシリーズキャラクターへ取り込む試みだと思います。
[地上波(吹替)] 6点(2010-04-18 01:18:19)(良:1票)
772.  少年メリケンサック
私もパンクの良さは全く分からない。でも、宮崎あおいの良さは一目瞭然。怒っていても、悩んでいても、拗ねていても、酔っ払っていても、牛のウンコを…(以下略)、これほど何をやっていても可愛く見える女優は稀だろう。こりゃ、ただのファンの意見だな。客観性なし。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-04-15 22:30:57)(良:1票)
773.  山の音 《ネタバレ》 
↓えっ、上原謙って山村聡より年上なんですか。それはある意味凄いキャスティングだ。笠智衆が、よく年上を相手に父親役をやっていた話は聞いたことがあるが、これは山村聡が老けているというより、上原謙が若すぎるんでしょうね。2世代が同居する家を舞台にしたホームドラマ。この家は不協和音に満ちている。直接の原因は不貞の夫と出戻りの娘。その夫の寒々しい態度に耐え続ける不幸な嫁。それを精神的に支える舅。一見、そんなふうに見えるのだが、この不協和音の原因は実は舅にある。それに気付くと、物語がグッと奥深いものに変化した。舅は物分りが良く、有能(な社長さん?)で、鷹揚でいて細かい気遣いも出来るキャラクターなのだが、それが災いしている。これが違うタイプの映画なら嫁と舅に「間違い」が起こりそうな空気だった。たぶん、事あるごとに嫁が舅を頼り、夫はそれが面白くなくて心が離れて行ったのだと思う。出戻りの嫁が持っていたコンプレックスも、そもそもは出来すぎの父親から見透かされるような視線を受け続けたことが原因だろう。舅はそれを自覚していない。原作は未読だが、映画では夫が父に対して抱いているはずの嫉妬には一切触れないし、舅は最後まで家族の苦悩を背負った男として描写される。このあたりに川端文学らしい行間と落とし穴的なテーマが見える。エンディングで老夫婦は田舎に隠居すると言っていた。その判断がもう少し早ければ、中絶&離婚という結果にはならなかったと云うのが私の見立て。2世代同居の歪を描いており、過去に観た記憶がない類いの映画でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-04-10 17:07:23)(良:1票)
774.  私がクマにキレた理由
センスが良いのか悪いのか、かなり微妙な邦題だと思ったけれど、映画自体のセンスはかなり高い。観終わった後はその邦題もすんなりと受け入れました。主人公の周囲のキャラの設定がステレオタイプでストーリーもありがちな自分探しだけど、全体が心地良くまとまっていて好感を覚える。最後は言うべきことをしっかり言って、スッキリって印象。スカーレット・ヨハンソンの、ちょっと間の抜けた可愛いさが、この映画にお似合いでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-03 12:42:18)
775.  ターン/TURN 《ネタバレ》 
いきなり余談。原作と映画は別の創作物として鑑賞されるべきものである、と理屈では思う。しかし、原作を読んだ後に映画を観ると、原作との違いや、作品によってはその違いに対する不満が、映画の感想になってしまうことが多い。たまたま、北村薫を何冊か続けて読んでいるタイミングで今作を観る機会があったので、ひとつ実験をしてみた。文庫本で400ページ強の原作を100ページほど残して中断し、そこで映画を観て、その後に原作を最後まで読んだ。すると、本来は別々のものである文字の「ターン」と映像の「ターン」が、自分の中でひとつの作品として融合している印象である。文字から入ることで、作品世界の概念的把握が先行する。映画に移ると、牧瀬理穂の住いや人影のない世界の描写に、文字とは異なる温度を感じる。描写不足は記憶にある原作が補完してくれる。途中からは、初見のストーリー(今作でいうと、北村一輝が出てくるあたり)に変わり、それなりにドキドキしながら最後まで観る。そのあとに原作でもう一度、主人公の心情をトレースする。といった感じ。原作が映画のト書きになったようなイメージだ。もちろんこれは邪道で、どちらの「ターン」も中途半端にしか観賞していない罪悪感がある。しかし、不思議と不満や消化不良感は無い。原作と映画が合わさりひとつの「ターン」になった。原作の世界観が固着する前に映画を観たので、頭の中で都合良くフュージョンしたようだ。反対に、なんとなく分かったことは、原作が先でも、映画が先でも、作品のイメージが一度定着すると、後で触れるものは「似て非なるもの」に成らざるを得ない、ということ。…またまたレビューになっていない。すみません。ひとつだけ。頼りない泉さんは不満だ。あれはフュージョンしなかった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-25 02:57:39)
776.  霧の旗(1965) 《ネタバレ》 
大塚弁護士が九州の殺人事件の弁護を断ったのは、業務の流れからは当然といえる判断です。でも、倍賞千恵子側の視点では、資金の不足、(国選?)弁護人の無気力、兄の獄死といった不幸が、大塚弁護士の責任に転嫁されて行った。典型的な逆恨みです。実は、最後は真犯人を見つけてハッピーエンドかと思っていたので、復讐劇だったことに少なからず驚きました。敢えてテーマをあげるなら、人の心情が目に見えないことの怖さでしょうか。意思が強く頑なで、思い込みも激しそうな倍賞千恵子だったけれど、正義感が強そうに見えたので、まさかあそこまでドロドロの復讐心に囚われていたとは思わなかった。可愛い顔とのギャップを見せどころにしています。逆恨みに起因する仕返しなので、達成されたところで爽快感は皆無。人のネガティブな執念に引きずられる映画でした。山田洋次監督を勝手に人情ものの名手と位置づけていたけれど、これもある意味人情ものなのね。「男はつらいよ」以前の作品は初めてだったが、サスペンスタッチの今作でも、すでに堅実な演出手腕を感じました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-25 01:29:44)
777.  時をかける少女(2010) 《ネタバレ》 
時をかける少女のお話だけど、元少女のお話でもあった。自分は世代的に元少女の方も楽しみました。主人公・あかりがタイムリープするのは、病床の母・芳山和子からあることを頼まれたから。目的は果たしたけれど、大切な人を失い、記憶を消される憂き目に遭うタイムリープでした。でも、30年以上の時を遡った少女の泣き笑いの奮闘のなかに清々しい情感が散りばめられ、ひとつの青春映画として充分な見応えがありました。仲里依紗の溌剌とした演技に依るところが大きい。彼女が大声を出すシーンでは真琴の顔が浮かんで何だか嬉しかった。さて、サブストーリーの元少女の方は念願かなって深町クンとの再会は果たしたものの、再び記憶を消されてしまう。それでも、あの個性的な男と結婚し、娘を出産し、離婚はしても翳りは見えず、なにより元気印の娘と暮らす彼女に自分は目を細めました。過去に縛られず、しっかり現在を生きている。いい人生じゃないですか。大林版の後日談としては心地よいシナリオで、安堵させてもらいました。ひとつ残念だったのは中年になった深町の台詞。確か「消し忘れ」という言葉だったと思う。「土曜日の実験室」の約束を指していたんだけど、その記憶を大切にして生きてきた芳山和子には酷な台詞でした。本人に聞かれなくて良かったと思う。その昔から深町は嫌いだったが、相変わらず嫌な奴でした。昔に比べてイイ男になっていたので尚更(笑)。余談だけど、ちょっと計算しました。今作の芳山和子は1972年に中学3年生だったから1992年・35歳であかりを出産して2010年現在53歳。でもそんなに老けていない。もし1983年の大林版を起点に考えるなら、26・7歳であかりを出産して2010年では43・4歳といったところ。これは安田成美の実年齢にピッタリ合う。実は原田知世でも合う。そんな好条件が揃っていながらも、あえて1970年代へ時間を遡らせたのはやはり世代の違いを目に見える形で描きたかったからと推測します。吉田拓郎、神田川、「2001年」やブルース・リー。それは1980年代では感じられない文化の違いでもある。安田成美は50代に見えなかったけど、70年代に思い出の多い自分には嬉しい設定でした。
[映画館(邦画)] 6点(2010-03-19 03:06:36)(良:1票)
778.  あした晴れるか 《ネタバレ》 
この格別の晴れやかさ! 湿った部分が微塵も無い。メインキャストの間に恋愛感情が芽生える手前で意図的に関係をストップさせ、最後までドタバタの中で話を締めくくる。わんぱくな幼稚園児たちが悪口を言い合いながら仲良く遊んでいるような印象。裕次郎の天然キャラも嵌っていたが、面白かったのは芦川いづみ。細面には大きすぎる太い黒フレームのメガネをかけて、勝気な三枚目を演じている。素が美人だから許せるような屈折キャラです。終始、不機嫌そうな態度で眉と口角の上下だけで感情を表現しているんだけど、オーバーアクションとも言えるその仕草がベタなコメディタッチでこれまた可愛い。素顔を見せたのは登場シーンと泥酔シーンの2カットだけで、都合10秒もなかった。その2カットのチラ見せが、たぶんファン心理をくすぐったのでしょう。私はくすぐられました。彼女のこんなタイプの芝居はこれまで観たことが無かったので、古い映画だけどとても新鮮。きっと明日もよく晴れます。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-16 00:42:46)
779.  乱れ雲 《ネタバレ》 
司葉子の表情を観る映画でした。まさか、あの二人が恋仲になるようなベタな展開じゃないよな~、と思っていたら、あらあら本当にそうでした。でも、司葉子の眼差しにある冷たい塊りを見ているうちに、どんどんと引き込まれた。恨み、悔しさ、哀しさ、拒絶。司葉子はほとんど目だけでそれらを表現していた。裁判でも過失を問われない事故との判決が出ているんだから、あの視線をぶつけられる加山雄三が可哀想でした。彼女は自分の理不尽さも理解していて、その葛藤も微妙な表情に表れる。酔いにまかせて本音をぶちまけてからは、まるで憑き物が落ちたように表情が和らぎました。この転換が見せ場とも言える。加山雄三の下宿を訪ねて、階段の下から彼を見上げる時の切ない表情は強く印象に残る。そして、最後の別れも理解できます。恨みや憎しみは忘れることが出来ても、深い悲しみが消えるためにはもう少し時間が必要だったようです。でも、悲しみで穿たれた心もいつかは埋まるはず。この二人は、これで終わりではないと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-08 22:18:55)
780.  ハリーとトント 《ネタバレ》 
主人公のハリーは再開発事業のために長年暮らした家を追い出されて旅に出ます。結果論ですが、私はそれが良かったと思います。ハリーの人生に深みや味わいを覚えるのは、彼が旅に出たからです。ずっとあのアパートに住んでいたらどうだったでしょう? 安定・安心のある暮らしはマンネリとも言えます。逆に、刺激のある生活には活性や代謝という言葉が浮かびます。何が言いたいかと云うと、歳を重ねるほどに刺激を求めるべきじゃないか、ということです。自分は常々そう思っていましたが、この映画を観てその考えを強くしました。さらに、住む場所を変えることが手っ取り早く刺激を得る手段であることを教えてもらいました。今作の描写のなかで最も印象に残っているのはトントとの別れのシーンです。拍子抜けする程にあっさりでした。でも、あれは自らの人生も終焉が近いことを自覚しているがゆえの態度として感銘を受けました。さらに、そのうえで西海岸での生活に新たな希望を見い出している主人公の姿勢に学ばせてもらいました。今から35年前の映画で、当時と今では「老い」に対する考え方も随分と変わったと思います。少なくとも、私が子供の頃、60歳は「老人」でしたが、今では「まだまだ若い」。それは寿命が延びたと言うより、社会機能が多岐に充実した結果として、老後の選択肢が増えたからでしょう。そんな環境に生きているからには、ハリーに負けちゃイカンと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-07 01:26:23)(良:2票)
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