61. スター・ウォーズ
制作後24年。CG等の撮影技術の進歩はめざましいものの,未だにこれを越えるSF作品が現れていないのが現状である。若かった日々,胸踊らせて何度も見た思い出が,鮮やかな色彩を伴って甦ってくる。エピソード1を機会に特別版も見たけれども,ま,翼を開く場面のXウィングファイターの数が増えていた,といった細部の違いだけで,特に大きな相違は感じられなかった。それにしても,デススター編は,今見ても本当に血沸き肉踊る興奮が健在だ。ルーカスにとってもJ・ウィリアムスにとっても一期一会の作品だったのかもしれない。 10点(2001-10-07 00:20:13)(良:1票) |
62. 栄光のル・マン
「爆走2万哩」(超古)とか「グランプリ」とかモータースポーツ関係の映画はすぐ名前が出てくるくらいだから,決して多くはない。きっと専門的な知識・用語・技術等が多く,素材として扱いにくいのだろうか。極限状態に置かれた男の葛藤を描く点では戦争映画との共通項もあると思うが,もっともっと取り上げられるべきジャンルだと思う。徹底的にマシンのディテールを追ったカメラワークに,厳しいリアリズムの追求を見ることができるし,テルトルルージュからミュルザンヌ・ストレート(もしかしたら違う場所かも。自信はない)にかけてのアングルも魅せてくれる。メカニカルな素材の掘り下げこそ,この作品のテーマともいうべき,余りに過酷で非情な世界のリアルな再現なのか,と思った。そういう意味でも一般受けする作品ではない。安易なロマンスや取って付けたようなドラマとは全く遊離した世界である。 8点(2001-10-05 23:19:42)(良:1票) |
63. 銀河鉄道999
私も松本零士の映像化作品ではこれが一番と思います。「ヤマト」シリーズは,一作か二作で止めときゃ良かったし,個人的に期待していた「わが青春のアルカディア」も今二つだった。ストーリーの一貫性や無理のない各登場人物の絡みも良い。ただ,こうした松本作品の功罪は,アニメーション技術(特に映像美)の飛躍的な進歩と,それまで子どものもの,と思われていたアニメに色恋沙汰を持ち込むことでアニメ人口の拡大に多大に貢献すると共に,異常な感情移入を作中の登場人物に行う所謂二次元コンプレックス(通称アニメオタク?)を大量に生み出したことにある,などと思ってしまった。(そういう私もハーロックが好きでした。アルカディア号のプラモも作ったし,メッサーシュミットもハーロック仕様にした) 8点(2001-09-30 22:43:14) |
64. パットン大戦車軍団
パットンの非情さのみならず,英雄願望やモントゴメリーとの確執,極度の赤軍嫌い等人間ドラマとしても良くできた作品と思う。シシリー侵攻から西部戦線,そしてベルリンへ。史劇としても良くできているが,1970年当時戦車は何とかならなかったのだろうか。M4が大量に出てきた「遠すぎた橋」ぐらいにそろえて欲しかった。M41はちょっといただけない。J・ゴールドスミスの音楽は聴き映えがする。 8点(2001-08-27 17:28:16) |
65. 遠すぎた橋
史実でありながら徹底して戦闘シーンにこだわった点で「空軍大戦略」と並ぶ戦争映画の傑作と思う。大物をそろえたキャスティングや細切れのストーリー,視聴後の後味の悪さ等投稿された皆さんがご指摘の通りと思うが,単なるハッピーエンドものや戦争の虚しさ・悲惨さを訴えた(ただし連合軍側の)作品が多いアメリカ映画にあって,マーケットガーデン作戦という言わば連合軍の汚点とも言うべきものを敢えてモチーフにしたアッテンボローの慧眼を讃えたいと思う。今は亡きジョン・アディスンの「遠すぎた橋のマーチ」は名曲だ。どなたかサウンドトラックのCDの情報を教えてください。 8点(2001-08-04 01:27:53) |
66. 1941
三船にビーティ,ベルーシにクリストファー・リー,大物達が皆大まじめでやっているのが素晴らしい。抱腹絶倒・サービス満点,(石が飛んできそうだが)これこそスピルバーグの傑作と思う。別に戦争を皮肉ったり,日本軍をおちょくったりしたかったわけではない。開戦直後に舞台を借りてドタバタ喜劇を壮大なスケールでつくりたかっただけなのだろう。エンドクレジット「1941」のマーチは「ミッドウェイ・マーチ」と並ぶウィリアムスの傑作。ごきげんである。 8点(2001-08-04 01:13:08) |