61. 道頓堀川
「泥の河」、「蛍川」と同じく宮本輝の「川三部作」の一編を映画化した深作欣二監督作。なのだが、いつもの深作監督の映画のようなパワフルな演出は鳴りを潜め、そのうえ、ドラマ的にもなんだか暗い印象で盛り上がりにも欠けるという深作監督らしからぬ映画に仕上がってしまっている。山崎努と佐藤浩市の親子関係、真田広之と松坂慶子の関係どちらに主観を置いていいのか分からないのが致命的。いくら本来の作風と違うとはいえ、「蒲田行進曲」に比べると同じ監督による同じ年の映画とはとても思えない。 [DVD(邦画)] 4点(2024-01-30 17:29:47) |
62. 古都(1963)
3年ほど前に見た山口百恵主演版もあれはあれで良かったのだが、初めての映画化である本作は京都の風情を見事な構図でとらえた成島東一郎のカメラや、武満徹の音楽、それに出演している俳優たちの美しい京言葉ともあいまって芸術性の高い深みのある傑作になっている。主演の岩下志麻の気品のある美しさも特筆もので、二役を見事に演じ分けるその演技力も素晴らしい。 [DVD(邦画)] 8点(2024-01-29 17:52:41)(良:1票) |
63. 竜とそばかすの姫
《ネタバレ》 細田守監督が「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」、「サマーウォーズ」に続いて手掛けたネットをテーマにした映画で、登場する仮想空間である〈U〉は「サマーウォーズ」のオズに比べてより現実的であり、悪意あるネット上の書き込みにもリアリティがあるなど、先の2本とは対照的な印象を受けるのだが、なんか見ていてこの20年で細田監督のネットに対する考え方が変わってしまったのかなと思えてきて、そこは少々残念に思う。本作は現実世界では過去のトラウマから暗く、父との関係もうまくいっていない主人公であるすずが〈U〉の世界で歌姫になるという設定だが、歌うシーン自体はすずの声優をつとめるのが歌手ということもあってとても素晴らしかったものの、物語上ですずが実は〈U〉の世界でトップクラスの人気を誇るまでになるほど上手かったというのはイマイチ説得力に欠け、はっきり言って細田監督が演者の歌唱力に頼っているようにしか見えない。竜が出てきてからは「美女と野獣」っぽいなと思っていたら、そもそも本作のコンセプトが仮想空間を舞台にした「美女と野獣」だったとのことでちょっと納得するも、どこかで見覚えのあるような城のダンスホールでベルと竜が踊るシーンがあまりにもそのままとかの部分はさすがに気になり、「美女と野獣」好きなのは分かるけど、もう少し控えめにやってほしかった。(主人公の名前がすずで、〈U〉での主人公のアバターの名前がベルというのもそうと分かればあまりにも安直に感じる。)すずのしのぶくんに対する恋心や、恵の父親による我が子への児童虐待も描かれているが、それを描いたことでちょっと話が散漫になってしまった印象は拭えず、詰め込み過ぎた感じがしたし、必要とは分かるのだが、すずが〈U〉の世界で素顔を晒して歌うシーンでクライマックスを迎えてしまい、その後にすずが東京に行く件がちょっと蛇足に感じられた。ところで、すずの母親の声は島本須美が演じているが、だったら父親の声は役所広司ではなく、糸井重里でも良かったのではと見終わって思ってしまった。 [DVD(邦画)] 5点(2024-01-28 23:02:07) |
64. 戦国自衛隊1549
角川春樹製作の「戦国自衛隊」は見ていないのだが、そういう状態で見てもあまり面白いとは言えない作品。脚本が後半ちょっと都合良すぎな感じがするし、市川崑監督の助監督出身で監督デビュー作から3作連続でゴジラ映画を撮っている手塚昌明監督の演出にもゴジラに慣れてしまっているのか軽くぬるく感じてしまう。綾瀬はるかと北村一輝を見て「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の又兵衛と廉を連想してしまったが、映画の出来のほうはとうぜん「戦国大合戦」のほうが上。また単にタイムトラベルものとしても「ドラえもん のび太の恐竜」のほうが面白いと思う。 [ビデオ(邦画)] 3点(2024-01-21 15:41:42) |
65. いつかギラギラする日
《ネタバレ》 「バトル・ロワイアル」が面白かったので続けて見た深作映画。「バトル・ロワイアル」とは違って渋い男たちによる犯罪アクションとなっており、面白かった。ただ、雰囲気は最高なのに荻野目慶子演じるヒロインがやたらうるさかったので興ざめだった。惜しいが1点マイナス。 [ビデオ(邦画)] 6点(2024-01-20 18:39:02) |
66. 乱
初めて見た黒澤明監督のカラー時代劇。白黒時代の「用心棒」や「椿三十郎」、「七人の侍」を既に見ていて、娯楽作を当然のように思い浮かべてたら、なんか重苦しいだけの退屈な作品でさっきあげた三本と同じ人が監督だとはちょっと信じられない作品だった。しかし、合戦シーンは黒澤映画らしいダイナミックな迫力で見ごたえがあるし、楓の方を演じる原田美枝子の激しい演技が強烈に印象に残る。でも、やっぱり黒澤監督の時代劇としてはそんなに好きな作品ではない。本当は4点ぐらいでもいいのだが、さっきも書いたように原田美枝子の演技があまりにすごいので、彼女に2点ほどプラスしておくが、前作の「影武者」のほうが個人的にはこの映画より好きだな。 [地上波(邦画)] 6点(2024-01-20 18:10:00) |
67. ガリレオ 禁断の魔術<TVM>
《ネタバレ》 今回は湯川(福山雅治)の元教え子(村上虹郎)が湯川から教わったレールガンで復讐殺人を企てるという内容で、サスペンスものにはありがちの展開だとは思うが、それによって普段は個人としての人間性をあまり見せることがない湯川の人間性が今までよりもよく描かれていて面白いし、草薙(北村一輝)との関係の描き方もこれまでよりも深く描かれていてこのへんのドラマにしっかり見ごたえがあるのが良い。湯川がレールガンのプログラムを書き換えたうえであえて犯行を止めず逆に協力を申し出るクライマックスはなかなか緊張感があり、ここだけでも本作はテレビドラマよりも映画でやったほうが良かったのではと思えるくらいだった。(大げさかもしれないが。)久しぶりの新作ということで、少し不安な面もあったが、湯川が数式を書いて推理するシーンも懐かしく、最後まで安心して楽しめたのは素直に良かったと思う。しかし、難を言えば今回またヒロインとなる女性刑事が変わっている(新木優子)が、連続ドラマのレギュラーとしてならいざ知らず、単発のスペシャルドラマで今回だけのために新キャラを出すのは果たしてどうだったのだろうという気がしてしまい、湯川と草薙が中心という話の構成もあって、普通に岸谷(吉高由里子)あたりでも別に良かったのではと思ってしまった。 [地上波(邦画)] 7点(2024-01-18 23:27:34) |
68. 釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?
《ネタバレ》 江角マキコと筧利夫のエピソードに全く浜ちゃんとスーさんが絡まないのは少し残念だが、今回もそれなりに楽しめた。でも、「麦秋」のワンシーンを先に見せておいてすぐに同じシーンを再現するのはどうだろか。山田洋次の脚本にはこういうのがよく出てきてそれが不思議と映画の中で名シーンになっていることが多いように思うけど、今回はちょっと露骨に感じた。「馬鹿まるだし」や「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」のように元ネタの登場シーンと再現シーンの間がしばらくあいていたら印象は違ったものになったかも。まあ、この映画の脚本自体そんなに作りこまれた様子はなく、見る側も気楽に見てるから本来はこういうことをいうのはヤボというものだけどねえ。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 23:21:22) |
69. 釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!
《ネタバレ》 高島礼子演じる長距離トラックの運ちゃんの引きこもりの息子が出てきたときに「用心棒」のポスター探してしまった。あの設定ってこの映画の脚本家の山田洋次の監督した「学校Ⅳ」のパロディーだよな。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 23:20:20) |
70. 釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!
シリアスな傑作時代劇「切腹」の三国連太郎と丹波哲郎がこういう軽いコメディーで共演するとは思わなかった。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 23:19:24) |
71. 釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇
さすがにここまで来ると三国連太郎はこのまま出続けて大丈夫なのかと心配になってくる。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 23:17:56) |
72. 釣りバカ日誌イレブン
《ネタバレ》 浜ちゃんとスーさんがあまり行動を共にしないのがさびしいし、それだけならまだいいが、ひめゆりの塔を訪れて戦時中を思い出しているスーさんにすごい違和感を覚える。そういうしみじみとしたシーンが出てくるとこういう破天荒なコメディーは心の底から楽しめなくなるんだよなぁ。このシリーズにはいつも5点をつけているが、今回はそういうことで1点マイナスさせていただく。 [地上波(邦画)] 4点(2024-01-15 18:06:05) |
73. 釣りバカ日誌9
この回から脚本は山田洋次と朝間義隆のコンビが担当。そのせいもあってかシリーズ中ではけっこう真面目な内容だったと思う。でもそんなに印象はいつもと変わらない。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 18:04:39) |
74. 釣りバカ日誌8
スーさんにポリープが見つかったり、浜ちゃんとスーさんが山で遭難したりといろいろあったけどなにも印象に残っていない。まあ、このシリーズはほとんど全部そうなんだけどね。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 18:03:57) |
75. 釣りバカ日誌7
スーさんが浜ちゃんに内緒で美女(名取裕子)と釣りに行ってしまい、怒った浜ちゃんが絶交宣言をしてしまうシリーズ第8作。公開当時、このシリーズもこれで終わりなのかと一瞬思ってしまったけど、さすがにそんなことはなかったのでした。7とあるのに8作目なのはこの年の夏に森崎東監督の「釣りバカ日誌スペシャル」が公開されたからなのね。みち子さん役が石田えりから浅田美代子になったのはこの回から。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 18:03:05) |
76. 釣りバカ日誌スペシャル
シリーズのマンネリを打破しようとしたのか、監督がいつもの栗山富夫から森崎東に交代し、内容も愛妻家の浜ちゃんがみち子さんの不倫を疑うというシリーズでも異色の作品になっている。なお、この監督は「男はつらいよ」の3作目「フーテンの寅」も手がけていて、松竹の看板映画である2つのシリーズ両方を演出したことになる。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 17:59:18) |
77. 釣りバカ日誌6
出張先の釜石で浜ちゃんが社長に間違われるシリーズ第6作。同じく運転手に間違われたスーさんは旅館の仲居さんとロマンス。むかし見て浜ちゃんの講演シーンに大爆笑したっけ。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 17:58:06) |
78. 釣りバカ日誌5
《ネタバレ》 浜ちゃんの母親が上京。演じているのはなんと乙羽信子。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 17:57:13) |
79. 釣りバカ日誌4
《ネタバレ》 みち子さんの出産シーンで倒れてしまう浜ちゃんとスーさんが笑える。 [地上波(邦画)] 5点(2024-01-15 17:56:21) |
80. 釣りバカ日誌3
確か、浜ちゃんがリゾート開発反対運動に参加したら、それが鈴木建設の行う仕事だったというストーリーだったと思うけど、見たのが昔なのでよく覚えていない。 [ビデオ(邦画)] 5点(2024-01-15 17:55:10) |