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61.  ロッキー・ホラー・ショー 《ネタバレ》 
はっきり言って物語的には意味不明なミュージカル。正直、この物語を完全に理解できている人間って、制作者くらいのものじゃないでしょうか。なので、物語に整合性を求める人間には、この映画は受け付けられないでしょう。自分もわりとそういうタイプなのですが、この全編に漂うぶっとんだセンスにはやられてしまいました。途中からは「もうストーリーなんてどうでもいいや」と思ったほどです。まず、音楽がどれも最高にいいですね。最初の『SF映画/二本立て』からやられました。歌詞の意味はまったくわかりませんが、凄く耳に残るいい曲です。他にもたくさんの曲が流れるのですが、本当に全部いい曲で、思わずサントラも買ってしまった程です。あとは衣装のセンスですね。みんなペラッペラの安っぽい衣装を着ていて、全然ホラーじゃない(笑)フランクフルターなんて、ヒロインは「きゃーー」って言って怖がってましたが、正直衣装的には単なる変態でしたからね。…でもそれがいいんですよね、なんででしょう?理屈では説明できない、不思議な魅力の詰まった怪作ミュージカルです。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-30 11:33:00)
62.  機動警察パトレイバー 《ネタバレ》 
パトレイバーはこれが初見です。人型のロボットが当たり前に使用されている世界、という設定には、それほど違和感を感じず作品に入り込む事が出来ました。この作品で描かれる東京には、やたらと発達していく街並と、荒廃していく街並とが混在しています。そういう混在は現実にもあることですし、また、アニメ内の絵や雰囲気的にも妙にリアルに描かれているので、作品に説得力を感じました。物語も、サスペンスとして非常におもしろいですし、最後まで目が離せない作品に仕上がっていると思います。コンピュータがそれほど一般には普及していない20年くらい前に、これだけコンピュータ犯罪が描けているのはすごいですね。当時の観客は理解できていたのでしょうか…?まぁ、理解できなくても、それなりに楽しめるつくりになっているとは思いますが。難点は、アニメの割にキャラが弱いことですかね。これ以外アニメもマンガも見た事ないせいもありますが、主人公二人と猪突猛進タイプの男性以外は、誰がどういう役割なのかちょっとよくわかりませんでした。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-30 11:16:51)
63.  キサラギ 《ネタバレ》 
無名アイドルの一周忌イベントにて集まったコアなファンたちが、その死の真相を暴きだそうとする密室劇。最初から最後までずっと同じ部屋で物語が展開しますが、キャラが濃いので掛け合いがイチイチ面白く、そんなに退屈を感じるという事はありませんでした。全体的にコメディタッチなので、推理が突飛だったり、ファンとか言っておきながら小栗旬以外全員アイドルと顔見知りだったりするのは、まぁコメディだからと許せるのですが、やっぱり問題の根幹に一人の人間の死があるというのは、倫理的に笑えないところですよね。まぁそれでも「喪服着ないと盛り上がれないんだよ!」などの台詞には、不謹慎ながらも笑ってしまいましたが…。肝心の推理の結論としては、すごく綺麗なところにまとめられていると思います。ちょっと感動しましたし、観賞後の後味もよかったです。ただ、エンディングのアイドルの顔出しは、完全な蛇足ですね。それまで顔を出さない方向でやってきたのに、なぜ最後に突然顔がでるのか、まったく意味が分かりませんでした。出すなら最初から出していた方がまだよかったです。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-29 19:15:28)
64.  カノン 《ネタバレ》 
この主人公は本当にどうしようもない奴ですね。見ているこっちまで暗くなるくらいのこのどうしようもなさっぷりの描写は、ある意味すごいと思います。また、個人的にはモノローグの多用はあまり好きではないのですが、ここまでくると逆に清々しいですね。実際に喋っているシーンは数える程で、あとはもう本当にほぼモノローグ!!ある意味人間という生き物は、頭の中ではどんな腹黒い事を考えているのか分からないぞ、ということを見事に表現しているともいえます。細かいところでは、悪口にやたらと「ホモ」が使用されているのがちょっと笑えました。フランスでは「ホモ」ってそんなに屈辱的な言葉なんですかね。そしてこの作品で特筆すべきなのが、なんといってもあのラスト。正直、あの場面でカノンは反則でしょう(笑)あれだけどんよりした雰囲気で進んできた中で急にあれですからね。ちょっと都合がいいんじゃないの、とも思いましたが、さすがの主人公も本当に愛する人の前では毒が吐けなかったんですね。この作品は見る人によって本当に評価が分かれると思いますが、個人的には、絶望の中にほんのちょっとだけ希望が見える、そういった不思議なインパクトを持った佳作でした。 しかし、邦題は安直過ぎますね…。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-29 17:15:39)
65.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
昭和の古き良き時代を舞台にした、貧しい庶民の群像劇第二弾。前作に引き続いてベッタベタの王道。よくもまぁこういうベタベタエピソードを、一作品のなかに何個も入れられるなぁ、と感心したくなるほどです。まぁベタベタの王道なだけに見やすさはピカイチで、なにも深いことを考えずに楽しめる作品だと思います。前回同様テンポも良く、派手なアクションなどがないわりに、最後まで退屈する事無く観る事ができました。でも今回は、ちょっとラストの演出がくどかったかな、と思いました。とくに竜之介の芥川賞候補作が朗読(?)されるシーンはしらけましたね。クサい内容の文章を、声に出して読まれるのはちょっと…。まぁいい作品ではあるので、家族全員で見たりするのには、ちょうどいいのかなぁと思いました。
[DVD(邦画)] 6点(2008-07-29 16:45:32)
66.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
実際に起こった未解決の事件を、映画化した作品。私自身、そのことは観る前から分かっていたので、未解決の事件をいったいどういう風に作品に仕上げるのだろう、と思いながら見ていたのですが、いやはやこれは上手いですね。まず、主演男優のソン・ガンホがいい。いかにも田舎の刑事と言った風貌が、作品全体に漂う泥臭い雰囲気と非常によく合っています。いや、ソン・ガンホがいたからこそ、この雰囲気が出せたのでしょう。本当にいい意味で、スタイリッシュなどという言葉とは縁遠い作品に仕上がっていると思います。物語の展開も非常にテンポよく、"犯人は捕まっていない"という事実が分かっていながらも、「もしかしてこいつが…?」と思わせる演出の仕方も、本当にうまいと思います。ラストのまとめ方もいいですね。あれも実際に即したエピソードなのかどうかは知りませんが、他のサスペンス映画の事件解決シーンと同じくらいのカタルシスを覚えたほどでした。見応え十分、こってり濃厚サスペンスの傑作です。
[DVD(吹替)] 7点(2008-07-29 16:27:09)
67.  ドラえもん のび太と鉄人兵団 《ネタバレ》 
おなじみのドラえもん劇場版、今度の敵はロボットだ!…と、表面的にはそんな感じなのですが、深いテーマも隠された作品。地球制服のため、人間を滅ぼそうとするロボット、じゃあロボット=悪い奴なのかというとそうでもなく、そもそもそのロボットをつくりだしたのは人間であって…etc。子供向けアニメらしからぬ、複雑な感情にさせられる作品に仕上がっています。なんといっても、リルルというキャラクターの存在が大きいですね。ロボットと人間との橋渡し役をつとめるなど物語のキーになってますし、ラストにおいても、結局この争いに決着を付けたのはリルル自身でしたからね。この映画の主人公は、ドラえもんやのび太ではなくリルルと言っていいほどでした。ただ、ラストのあの解決方法は、ちょっと都合がいいなという気がします。あれをやったら正直、何でもアリですからね。ラストで全部リセットになるところや、観賞後にせつなくなる部分は、『バタフライエフェクト』なんかと似ているなと思いました。
[DVD(邦画)] 6点(2008-07-29 15:53:55)
68.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 
ベッタベタの王道ですが、やはりいいものはいいですね。クサいシーンもありますが、全体的には素直に感動する事ができました。主要人物が多く登場しますが、それぞれに分かりやすいキャラがついているのもいいです。それぞれのキャラに、スムーズに感情移入する事ができました。ストーリーのテンポも良く、ほんわかムードで進んでいく割に、あまり退屈するということもありませんでした。CGで再現されたという昭和の町並みも、違和感無く劇中にとけ込めていたと思いました。王道なだけに展開は読めてしまいますが、竜之介の恋が実らなかった(ヒロミが離れていった)ことだけは意外でした。ともかく、深い事を考えずに肩の力を抜いて楽しみたい作品です。…しかし竜之介、子供の作品パクっちゃだめだろ(笑)
[DVD(邦画)] 6点(2008-07-28 20:05:05)
69.  乙女の祈り 《ネタバレ》 
ちょっとこれは生理的に受け付けられなかったですね。主人公二人のキャラに好感が持てなかったせいもあると思います。加えてあの救いようのないラストですからね。これを見せられて(まぁ自分で借りて見たんですけど)、どうしろというのか。まぁ女の子の心情はよく表現されていたと思います。ちょこちょこ入る妄想のシーンなんかは、ビジュアル的にも好きでした。ラストの母親撲殺シーンも、幼い女の子の浅はかさが出てますね。二人でなんやら考えてはいましたが、結局計画性など無いに等しい殺し方でしたから。エピローグで語られる、「二人は二度と出会わなかった」というくだりも、なんだかやるせない気分になりました。あれだけのことをやって、ひとつも報われないのは、あの二人にふさわしいというかなんというか…。自分にとっては、(悪い方向にですが)インパクトだけは強烈な映画でした。
[DVD(字幕)] 3点(2008-07-27 18:10:38)
70.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
無実の罪で服役を命ぜられた男の、入所から脱獄に至るまでの一部始終を描いたドラマ。どんなに困難な状況においても、諦めないでいればねがいは叶う、ということを具現化したような作品です。派手なアクションはないのですが、はじめから終わりまで本当にテンポがよく、鑑賞後の後味も最高でした。細かいところでは、結局採石用の小さいツルハシで脱獄できてるじゃないか、とか、主人公が元々優秀な銀行マンであることが絶対条件じゃないか、とか、主人公が脱獄したのだから親友であるレッドに対して刑務所の扱いはより厳しくなるんじゃないか、とか、ちょこちょこ突っ込みたい部分がありますが、それらをあまり感じさせずに物語が進んでいくのがいいですね。落ち込んだ時などに見たい作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-27 13:35:54)
71.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 
他の方も言っていることですが、この映画は純粋なホラー映画ではないですね。ちょっと不思議な能力をもった女の子の、青春ストーリーといった感じです。クライマックスシーンで、ちょっと気味の悪いシーンはありますが、全体的にそんなに怖いと感じたシーンもなかったですし…。ただ、音楽は怖かったですね(笑)必要最小限の効果音的なBGMは、恐怖を倍増させるのに一役買っていたと思います。キャラ的には、トミーとスーの描き方がイマイチ分かりづらかったです。最終的には、二人とも心からキャリーに親身になっていたのかな?ともとれるのですが、そこにいたるまでの心の動きがよく分かりません。パーティーの間だけ恋人を貸してあげても、本当にキャリーのためになるわけではないでしょう。キャリーがちょっとおめかしをしただけでやたら綺麗になるのも、ちょっと都合がよい感じがしました。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-27 12:18:45)
72.  オーロラの彼方へ 《ネタバレ》 
ファミリードラマ要素あり、SF要素あり、サスペンス要素ありと、ジャンル分けの難しい作品。数年前に死別してしまった父と子が、無線機を通じて、時空を超えて通信可能になってしまうことが、ドラマの発端になります。前半はSFファンタジーとして見ていたのですが、後半は一転、犯罪サスペンス色が強くなり、観るものの予想を裏切ってくれる映画ではあります。その物語としての展開は、一見「どこそこがおかしい」と具体的に突っ込むところはないように思えるのですが、個人的には、やはり過去をホイホイ変えてしまう点には、どうしても違和感を覚えてしまいます。死んだはずの人間が生き返るのは、ハッピーエンドといえばハッピーエンドなのでしょうが、どうも現実味がなさ過ぎて、少し気味の悪さを覚えました。映画の展開の仕方としてはテンポが良く、退屈することなく観れて面白かったです。にしても映画をこのタイトルにしたのはなぜでしょう。あんまりオーロラ重要じゃないでしょ!
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-27 12:00:41)
73.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 
組織から奪った麻薬やコールガールとの恋など、王道の要素がたくさん詰まったバイオレンス・アクション。この手の映画として雰囲気はいいのですが、イマイチ一本筋が通っていない気がしました。大筋は、ヒロインとの幸せな生活のために麻薬を奪った主人公が組織から追われる、というところですが、二転三転あって結局麻薬はフイになってしまいます。にもかかわらず、結局は国外逃亡して幸せな生活を送っています。だったら麻薬に関してあんなに四苦八苦してたのは何だったの?と個人的には思ってしまいました。まぁ、麻薬に関わるとロクなことがない、ということを描きたかったのなら、この映画は成功しているともいえるのかもしれませんが…。あと、主人公があまり活躍しなかったのも、自分には物足りませんでした。序盤でヒロインの荷物を取りにいくシーン以外は、まったくといっていいほど活躍していませんでした。後半にいたっては、「俺といれば大丈夫だ」と散々ヒロインに言っていたわりに、そのヒロインのほうが活躍していた印象があります。ラストの銃撃戦シーンで、トイレに行っていて出遅れた主人公が、満を持して登場したにもかかわらず、一瞬にして戦列を離れたのにはガッカリでした。ただ、全体的な映画としてのテンポは悪くないので、最初から終わりまで飽きる事なく楽しむことはできました。この手の題材が好きな人間にとっては、ツボにはまる作品なのかもしれないな、とも思いました。
[DVD(吹替)] 6点(2008-07-27 11:40:53)
74.  ギャラクシー・クエスト 《ネタバレ》 
やすっぽいパッケージからして、全体的にくだらない雰囲気の漂う映画…と思ったら、意外なほど面白かったです。死にかけの宇宙人に、決め台詞を言うシーンなんかは、涙が出てきたほど。何かを信じる力というのは、何よりも強いという事ですね。ラストのオメガサーティーンのシーンなんかも、読めはしますが、いいシーンでした。ただ、実際のクルーも分かってない装置を、宇宙人とはいえ単なるファンが何でつくれるんだ、という疑問は浮かびましたが…(笑)その他、ちょこちょこ突っ込みどころはあるのですが、そこはコメディ映画のご愛嬌。泣けて笑えて、観賞後の後味もよい、意外な名作です。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-23 20:11:56)
75.  秒速5センチメートル(2007) 《ネタバレ》 
映像はびっくりするぐらい綺麗ですね。光の表現なんかは最高だと思います。冒頭の、幼いふたりが出会うシーンなんかは、非常にわくわくさせられました。一方のストーリーは、至ってシンプル。見せ方によってはもっとせつなく感じられたと思うのですが、自分の感覚には合いませんでした。まず、全体のトーンというか、主人公の雰囲気が暗すぎるのが気になりました。あれだけ暗いと、いかにも「俺って辛いんだよな」と言われている感じがして、客観的には冷めてしまいます。二話目の明るく振る舞っている女の子の失恋の方が、よほど悲しく思えました。あと、ちょこちょこ挟まれる主人公のモノローグも気になりました。心理描写やストーリー進行に、モノローグが多用されている事自体個人的には好きではないのですが、なかでも「洗面所のハブラシに」「携帯電話の履歴に」など、いかにもありふれたものを羅列しましたよ的なポエム調のモノローグにはかなり閉口させられました。『One more time,One more chance』が流れるラストはよかったので、同曲のおそろしく長いPVと考えれば、まあ納得のいく作品ではあります。
[DVD(邦画)] 4点(2008-07-23 19:44:27)
76.  クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 《ネタバレ》 
なんといってもぶりぶりざえもんが最高ですね。しんちゃんがつくった絵本の話もよかったですし、最後のおしりで飛行船を浮き上がらせるシーンなんかは、涙がでるほどでした。普段馬鹿な事ばっかりやってるやつが、ときどき真面目になるのって、ある意味卑怯ですよね(笑)子供たちが砂漠を歩くシーンなんかは、ストーリー的には何の関係もないのですが、自然の雄大さをあらわした、良い意味での無駄シーンだと思います。ボーちゃんの「大丈夫、ここは地球の上」や、筋肉の「命を粗末にする奴は俺がぶっ殺す」など、名言も数多く登場します。こども向けアニメらしい、都合の良いストーリー展開も見られますが、それを補って余りあるおもしろさです。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-23 19:17:11)
77.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 
ドタバタコメディコミック原作の映画版。他の方もおっしゃっていますが、能天気な原作を使って、ある意味こういう深いテーマを扱っていることが勝因だと思います。ギャップが絶妙ですね。荘子の『胡蝶の夢』までが引用されて語られる、夢と現実の境界の曖昧さ。それでいて、おなじみのキャラがドタバタしてくれているので、重くなりすぎず、エンタメ的にも充分に楽しめました。夢の世界がつくられた動機も、せつなくていいですね。ひとりの強い想いが世界を変えていくという設定は、『涼宮ハルヒ~』なんかと通ずるものがあると思いました。めまぐるしく変わる映像も、夢という幻想的な世界を構築するのに一役買っていると思います。惜しむらくは、みんなが夢の世界を楽しみ過ぎている事ですかね。現実に戻ってくる必然性があまり感じられませんでした。永遠に続く世界の恐怖、のようなものが語られるシーンなんかがあれば、もう少し納得できたと思うんですが、ああいう世界を目の当たりにすると、やはり当事者は満足してしまうものなんでしょうかね…? ともかく、アニメという枠を越えて、後世に伝えたい名作であると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-23 18:26:57)
78.  レイダース/失われたアーク《聖櫃》 《ネタバレ》 
インディ・ジョーンズ先生が初登場する作品。まず思ったのは、単なる考古学の先生が、なんでこんなに強いんでしょう、ということです。あわせて、主人公もヒロインも、躊躇なく人を殺しているのが印象に残りました。とくに前半部分、やる気満々の刀を持った黒ターバン男を、主人公が一瞬で撃ち殺したシーンには笑ってしまいました。それまでムチという変わった武器を使っていた印象があったのに、「おまえそこで銃を使うのかよ!」っていう。アクション娯楽ものとしては、途中までは普通に楽しめる作品に仕上がっていると思いますが、なんだかよく分からないラストが残念です。敵が勝手に自滅してしまった印象があり、娯楽作品の割にあまりカタルシスを得られませんでした。
[DVD(吹替)] 5点(2008-07-22 19:24:11)
79.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
何と言っても三船敏郎がいいですね。不器用な三十郎のキャラに、見事なまでにぴったりです。テンポの良い展開もいいですね。古い作品ですが、退屈することなく最後まで一気に観る事ができました。相手との駆け引きにおいては、三十郎の頭の良さと言うより、敵の間抜けさが目立っていた印象です。ある意味、現代との違いを見事に描いていると言えるのでしょうか。あんなにホイホイ人の言う事を信じていいものか?と現代人の私としては、いささか疑問を感じてしまいました。どう考えても三十郎が怪しいだろ、っていう場面が多々ありましたし…。ただ、短い時間内で、三十郎という捉えどころのない人間を描ききっているのは、本当にすばらしいなと思いました。あと、「本当にいい刀は鞘におさまっている」という言葉は、名言ですね。とても印象に残りました。
[DVD(邦画)] 6点(2008-07-22 19:06:30)
80.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
中学生くらいが妄想するような、身悶えする結末の作品。ラストに至るまでに突っ込みどころがたくさんあり、ああいうラストにする必然性はあまり感じられません。もっとやりようがあるだろう、とやきもきしてばかりでした。あのラストに関しても、冷静に考えると主人公の"逃げ"だな、と思います。”こんなにつらいなら産まれてこなければよかった”なんかと一緒の発想です。好きな人を自分のそばに置いて、自分の手で守るという行為を、完全放棄してしまったのですから。ただそれでも、作品として、映像としてあの結末を見せられると、やっぱり理屈抜きでせつないなと思いました。自分の好きな人と最初から出会わないようにする、というのは、一種の自己犠牲のように思えますからね。とりあえず、あの結末のせつなさに+1点、です。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-22 13:35:13)
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