61. ジェーン・エア(1944)
う~ん、何か変な映画だった。原作は未読。 一応名作ということでタイトルだけは知っており、純粋な薄幸の少女の物語だと思っていたら、 かなり印象が違っていて、戸惑ったというのが正直な感想。 主役ジェーンの子役時代と成長してからの性格や容姿がまったく違うこと、 そしてジェーンが古いお城に赴いてからの奇妙なストーリー展開。 ゴシックホラーのような怪奇色が全編に漂い、何ともキテレツな雰囲気。 お城の主人役のオーソン・ウェルズはまるで魔王みたいな強烈キャラで、 ジェーンの影がすっかり薄くなってしまい、ここが一番のマイナスポイントだった。 原作もこんな内容なのかな。本作に限っては、あまりお薦めできない映画。 [DVD(字幕)] 2点(2011-07-29 21:00:34) |
62. わが谷は緑なりき
小さな炭坑町で暮らす、ある家族の姿を描いたドラマ。 子だくさんで決して裕福ではなくても、お父さんを一家の長に皆もの凄く幸福そうに見える。 もちろんいいことばかりでなく、厳しいエピソードもたくさん出てきて、 思っていた以上にしっかりしたドラマだな、という印象を受けた。彼らが住む炭坑町は、 緑の多い渓谷にあるためにロケーションがよく、村人たちの趣味が合唱ということで、 みんなで歌うシーンが頻繁に出てきて、それが一服の清涼剤になっている。 大人になった(であろう)末っ子の男の子のナレーションでお話は展開するけど、 この町で育った彼がどんな人生を送ったのか、思わずその後を見たくなるほどの良質な映画だった。 [DVD(字幕)] 7点(2011-07-29 16:21:18)(良:1票) |
63. ガス燈(1940)
バーグマン主演のリメイクの方が知られている「ガス燈」だが、 こちらは40年製作のオリジナル作品。 冒頭に伯母さんの殺害されるシーンがある他は、ストーリー展開、演出はほぼ同じ。 キャスティングは決して悪くはないんだけど、バーグマンのインパクトが強過ぎたせいか、 あまり印象には残っていない。この時代のサスペンスとしては、よく出来ていると思う。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-28 05:46:06) |
64. 気まぐれ天使
ハートウォーミングなクリスマス映画。 ケイリー・グラント扮する天使はなんとスーツ姿、二級天使ということでちょっととぼけており、 ややコメディー的な要素でストーリーが展開するので、肩の力を抜いて鑑賞できる。 ヒロインの美しい人妻との淡いロマンスを核に、周りの人たちを惹きつけてしまう魅力に溢れる、 グラントのキャラを存分に生かしたお話。 天使の行為は決して派手ではないけれど、それが返ってこちらを温かい気持にさせてくれる。 クリスマスらしいほのぼのとした雰囲気が出ていて、万人向けの作品ではないかと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-22 04:40:35) |
65. 落ちた偶像
前半は何をやってるのか訳がわからず、 この映画いったい何だろ?と思っていたんだけど、物語が動き始めた後半からは楽しめた。 ラストのシメは一風変わっていて、なるほどと感心。前半も伏線になっていたようだ。 時間はもっと短くてもいい。そちらのほうが、より引き締まった内容になっていたと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-19 12:27:05) |
66. ピノキオ(1940)
エンターテイメント性よりもストーリー性が濃く、 ディズニーの作品としてはちょっと異色な作り。 原作自体が夢のある冒険小説という訳ではないので、面白さや楽しさは今一つ。 特に後半からの展開は首を捻ってしまった。絵も妖精以外は今ひとつで、 何とかテーマを押し込み、やっとファンタジー色にまとめあげたという感じ。 「星に願いを」だけは良かった。子供の躾にはいいかもね。 [DVD(字幕)] 4点(2011-07-17 02:18:57) |
67. 素晴らしき哉、人生!(1946)
アイデアは面白い。メッセージ性も伝わったけど、 主人公のキャラや行動に感情移入できなかったのがすべて。 当然のことながらラストもとってつけたようで共感できなかったし、 伏線を張る時間もちと長い。 素材はいいのに、調理法が今イチといった印象だが、 ジェームズ・スチュワートはう~ん・・・。 この人は他の作品でも好戦的な役柄が多いけど、 もっと優しそうで、いかにもお人好しといった顔つきの役者さんのほうが この作品の主人公には合っていたと思う。 良質な内容の作品なのかもしれないが、映画としての完成度は決して高いとは思わない。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-15 23:57:35) |