61. ゼイリブ
《ネタバレ》 いやあ~~けんか長い。せっかく「資本主義社会のひずみを皮肉る社会派作品」的なインテリっぽい方向に持ってったのに。後々この映画を思い出すに「サングラスをかけろかけないで延々殴り合うヘンな映画」としか。そのへんてこぶりがカーペンターをしてカーペンターたらしめる評価に繋がってるというのも興味深いなあ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2024-04-22 23:34:40)(良:1票) |
62. ティル・デス
《ネタバレ》 怖がらそうとしてショッキングな演出に力を入れているけれど、全体通してはさして怖さを感じない。スリラーとしては微妙な出来。 細部の詰めが甘くてガバガバという印象です。この手の映画を観る姿勢として言ってはいけない「それはありえないでしょ」が口をついて出ることたびたび。 いっぱいあるけど、なによりヒロインの体力がありすぎる。厳冬期の湖畔でシャツ一枚であの機動力はさすがにウソ臭い。男性の死体って思いよお? シチュエーションスリラーの金字塔「暗くなるまで待って」のヘプバーンの置かれた”どうにもならなさ”をスリラー脚本を書く際にはぜひとも参考にしてもらいたい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2024-04-21 23:53:32) |
63. ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
《ネタバレ》 トム・クルーズって自前のブランド作品をいくつも持ってるってだけで凄いのに、m.iシリーズも4作目にしてこの完成度はどうでしょう。早くて楽しくて飽きさせない。整理ができてて分かりやすい脚本となじみのキャラクターたち。トップレベルの映像技術と度肝を抜くカメラワーク。 心躍るスパイ道具はより洗練されてて圧倒されます。こう、「魔法のようであり得ない」レベルでなく現在(よりちょっと進んだ)技術ならこういうのも作れそう、と思わせる塩梅が心憎い。しかもちゃんと故障もするっていう。その故障はまあ必ず高層ビル壁面で起こりますよね。しっかりビビりました はい。 主人公サイドで物事が都合よく進むのはハリウッド娯楽作の決まりごと。それを織り込み済みで楽しむわけだけども、終盤のモスクワ当局(警察かな?)のおっさんの理解の早いことにはちょっと笑いました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-19 19:25:59) |
64. 暴力脱獄
《ネタバレ》 これね、ルーク役はポール・ニューマンじゃないと思う。 刑務所の中にあってもクサらずめげず明るい根性で場をまとめていくので人気者になっていくけど、基本ルークって馬鹿なんだよな。 根性で二度三度と脱走するけど、本人が言ってるとおり「なんの計画もない」のですぐ捕まって戻される。そして看守からいじめられる。冒頭から公共物破壊で捕まるつーのも馬鹿者のやることだし、二度目の脱走では良い線行ってたのに、潜伏先でトラブル起こして見つかるシマツ。 そこへきて、ポール・ニューマンて俳優はそんな馬鹿に見えないんですよ。何かしらこう、理路のある行動をしてくれるのだろうと期待させてしまうので「あれ?」「おや?」と何度もルーク像を修正しながら鑑賞するはめになり、すっきりしなかったですね。 主演のポール・ニューマンより、助演でオスカーを獲ったジョージ・ケネディの方がはるかに印象強いキャラで心に残ります。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-04-12 22:38:24) |
65. キラー・ジーンズ
《ネタバレ》 一応スプラッタ・ホラーのジャンルに入るのかなあこれは。殺人を行うのがジーンズだというB級丸出しテイストのせいもあって、大して怖くないです。いけすかない奴から殺られていく展開は客の期待通りでそれ以上でも以下でもない。 ところで時々見かけるんだけど、本作もしかり、大仰な社会問題を噛ませてくるんですよね。アパレル産業界の児童労働問題がそもそも殺人ジーンズの遠因なんだそうよ。いや、B級なんだから、ジーンズが人を襲うってんだから、そんな身の丈に合わないテーマを用意しなくたっていいのになあ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-04-10 23:14:56) |
66. アイダよ、何処へ?
《ネタバレ》 この事件の顛末を知っているからこそ、観続けるのがしんどかった。 キャストはプロの俳優さんなのだろうけど、なじみがないうえに芸能人の華やかさというものを一切排した顔ぶれなので市井の一般人にカメラを向けたドキュメントのようにも感じられます。作り物じゃない肌感覚の恐怖がそこにあります。 終始険しい表情で修羅場を行ったり来たりして、家族を助けようと必死の国連職員アイダ。職の分を逸脱しているようにも見える行為だけれど、それは時が下って安全な場所から発する感覚でありましょう。あの時あの場にいたら、わたしもアイダと同じ行動をとっただろう。 人間ていつまでこんなことを続けるんだろう。今現在だって、将来このような映画になるだろう事象が進行形で起こっているなんて。ブチャしかりガザしかり。なんでなんだ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-05 23:28:37) |
67. 小説家を見つけたら
《ネタバレ》 良さげな話なんですが、あいにく類似テーマの先達作品らがすでに感動の輝きを残しているので、この手のネタで勝負するのは分が悪い。それに実際出来も今一つです。 まず主人公の高校生がスーパー過ぎる。詩作の能力もバスケットの才能も大学推薦を軽く得られるレベルで、その才能を幸運にも見出されている。家族・友人とも関係は良好。この時点で彼に悩みなど無いでしょう。‶グッド・ウィル・ハンティング”のマット・デイモンとは環境が違いすぎる。 そして師の役割であるフォレスター氏。彼がジャマール・ウォレスに与えた薫陶がどんなものだったのか、描写足らずに感じます。‶セント・オブ・ウーマン”のアル・パチーノが己の生き様を丸ごと叩きつける形で若い世代に強い影響を与えたような、そういった印象を残すやりとりが老作家と高校生の間でほとんど見られなかったです。ただの仲良しです。 つまるところこの映画は‶セント・オブ~”と‶グッド・ウィル~”と ‶アマデウス”(奇しくもサリエリ氏のF・M・エイブラハムではありませんか)等のエッセンスをうすーく伸ばしてブレンドした、雰囲気映画と思います。S・コネリーの佇まいは良かったですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-31 23:38:20) |
68. ニューヨーク1997
マンガの二次元キャラをそのまんま三次元に(無理やり)造型したかのようなカート・ラッセル。チープなセット。予算が少なかろうが、やりたいことをやるカーペンターらしさが炸裂。 少年漫画の良いアホっぽさを臆することなく画面にはっちゃけさせたのが本作で、何を思ったかその世界観をより突き詰めた(暴走させた)のが96年版、ということでよろしいですかね。 ああ、痛恨なことに先に「エスケープ・フロム・LA」を観ちゃったのですよだいぶ前に。オリジナルにたどり着くまで時間かかっちゃった。なのでまた「エスケープ~」を観なくては、の今ここ。カーペンターの世界に人生の一部を確実に割いている気がする。どうなんだこれは。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-28 23:03:06) |
69. ゴールデンボーイ(1998)
《ネタバレ》 年老いた元ナチとアメリカ人の高校生男子。実に距離のありそうな二人が奇妙な関係性でえぐい心理戦を展開します。手にいやな汗をかきました。この関係は何だろうね。友情とはとうてい呼べない。でも互いに自分の一部を依存しあっているような。 わたしは初めのうち、小僧が年寄りに命令して従わせるのが不快でなんとなくじいさんサイドに寄って鑑賞していたのですが、衝撃のネコエピソードによって監督に超甘な考えを破壊されました。 元収容所副所長ですもんね、十代の子どもなんぞに手玉に取られるタマではなかった。次々と少年より先んじて手を打って出る老獪なこと。只者じゃないそのオーラ、イアン・マッケランの鬼気迫る演技に震えました。 対するブラッド・レンフロも青臭さと若い反骨心で見事に対抗しています。心の奥に性悪説の根っこを抱えているやばい十代。ラストの‶成長”ぶりの鮮やかなどす黒さったら、心胆を寒からしむるに十分すぎました。 主演二人に目を奪われがちだけど、脇のキャスティングもぴったりで話が締まりました。トッドの両親の見るからに凡庸なこと、生活指導教師のとんちんかんな熱血ぶり。皆すごく良い仕事してます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-26 17:56:00) |
70. パラレル 多次元世界
《ネタバレ》 パラレルワールド設定の作品はすでにたくさんあります。殺人があったり違う人生を生きようとしたり、定義さえ決めてしまえば応用が利くのでわりと秀作が多い印象です。本作もベタな設定ながら健闘しています。‶魔法”を手に入れたことで関係が変わってゆく若者4人のドラマが見応えありました。 4名それぞれの個性と考えの違いを序盤に手際よく説明したうえで、次元移動できる鏡が登場。冒頭の謎殺人からここまで一気に引っ張る脚本力はなかなかです。 向こうの世界は青っぽく、こちらの世界は暖色と色分けしているのも親切設計。 近年の作品に見られる傾向として、極力説明を省きがちなため展開がさくさく進みます。ノエルの変わりっぷりが最も顕著なので彼についてはもう少し時間を割いてくれても良かったな。 そしてラストの‶思わせぶり”、これもありがちな締め方なんだけどわたしはこれがあんまり好きではないので、ここはうーん?といったところ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-24 23:21:30) |
71. マッチスティック・メン
《ネタバレ》 面白かった!軽快にトントンと乗せられ、すっかり監督の掌で転がされました。リドリー・スコットのイメージと大分違うテイストなので驚きました。言われてみれば奥行きのある画の切り取り方とか、視ることにストレスを感じさせない映像のクリア感はこの人ならではな気もします。 主演三人とも達者な演技を見せてくれます。アリソン・ローマンの実年齢を聞いてびっくり。童顔とはいっても全身で幼さを表出できてんのがもう、すごい。 いつでも上手いニコジーは今作潔癖症で精神病んでるうえ、最終的には裏切りに遭うわ身ぐるみ剥がされるわで気の毒な主人公。フランクに裏切られたことより‶娘”を失ったことのダメージが大きいのは一目瞭然。だけどこのお話苦いまま終わらないのが素敵なところで。次元の違う幸福にたどり着いたロイはある日”娘”との和解を果たし、その成長を見届けることができましたとさ。めでたしめでたし、です。 ところで、何故にキャシーとヘザーをあんなにそっくりの女優でキャスティングしたのかしら。若干の混乱をきたしたのは私だけではないと思う。メローラ・ウォルターズはクレジットにもいなかったよね?なぜ? [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-22 23:20:23) |
72. 日曜日が待ち遠しい!
《ネタバレ》 いやあ・・微妙。はっきり言うとサスペンス部分は設定も演出もポンコツ。人物の相関も分かりづらいし、誰が何の動機で行動してるのか後になって考えてみてもピンと来ない。オマージュだというヒッチコックばりのどきどきは皆無です。 まあ脚本が死んでても雰囲気でなんかいい感じに仕上がる作品もありますよ。本作だってファニー・アルダンとトランティニヤンですからその可能性も多分にあったのに、キャラ付けが失敗しちゃっているのでせっかくの逸材がパアではありませんか。 アルダンの役どころはもっと軽くて若い「探偵ごっこ大好き」なお嬢さんが務めるべき。アルダンでは分別のある大人にしか見えないので、なんでそんな馬鹿な行動をするのか観ててしっくりきませんし、トランティニヤンは単なる粗暴な頭の悪いオヤジ設定しか与えられてません。こんな男にアルダンが惚れるわけない。 つまり話がすっと入ってこないうえ、人物らのやってることはさらに?が付きまくる残念映画なのですがそこはトリュフォー、画は綺麗に撮れています。女性の脚をやけに映すのにはスケベ根性も伺えるけど、アルダンのプロポーションは素晴らしくて眼福ではありました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-21 23:07:58) |
73. Mr.ノーバディ
《ネタバレ》 ぱっと見くたびれた親父が実はバリバリの殺し屋でした、ってギャップの妙味がこの手の映画の肝。息の上がってるジョン・ウィック、という画ヅラながらボブ・オデンカークは健闘賞もののアクションをこなしてます。(もっとも、”頭脳派”のソウル・グッドマンの方がハマリ役だったとは思うけど。) 地味なおっさん大暴れカタルシスが、もっと弱者であるはずの老人ホームのじいちゃんまでがキレ良く参加することによって倍になるとは笑。ロイドじいちゃん、ホームに世話にならなくても全然大丈夫そう。 全体としてこちらの期待通りに無双に暴れ散らかしてくれて、さっぱりした気分で観終えることはできました。でも難を言うとこの種の映画作品の型通りでストーリーに意外性が無さすぎな気もします。観たことあるなあと思わせては負けでしょう。 冒頭の「満身創痍で猫にエサ」のシーンの掴みは万全なだけに、展開するにつれ普通になっていくのはちょっと残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-20 23:12:45)(良:1票) |
74. ザ・スイッチ
《ネタバレ》 や、巧い役者ってホント吸引力がある。今作も‶見た目はオッサンだけど中身は女子高生”という奇態な造形に目を奪われているうち一時間半経った感じ。凄いな、まんま女子高生じゃないか誰この俳優と思ったらヴィンス・ヴォーンじゃないか。上手いはずだよ。「ムーンライト・ドライブ」の殺人鬼は忘れられない。「ジュマンジ」のジャック・ブラックといいおっさん女子高生てだんだん可愛く見えてくるから恐ろしい。 お話の方はちっとも恐ろしくないです。グロいことはグロいですが。むしろ殺られる奴らはああもう死んでくれよ、と観客の同意を得られるクソな連中なので特に技術科の教師なんか真っ二つになってスカッとするくらいです。 難を言うと、ヒロインのキャスリン・ニュートンがキャラクターにハマっていない。強気系美人顔の彼女が何故ブス呼ばわりされて意地悪されるのか。説得力ゼロでした。もうちょっとこう、「キャリー」のシシー・スペイセクのように絶妙なラインの子を使ってくれれば締まったのになあ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-17 23:42:43) |
75. ライトスタッフ
《ネタバレ》 宇宙開発黎明期のアメリカ。フロンティア・スピリット旺盛な男たちのドラマはガッツに溢れてて元気いっぱい。英雄を求める世間と、それにちゃんと応えようと張り切る飛行士たち。数年時代が下っての月面着陸ミッションを描いた「ファーストマン」では任務が命がけの悲壮感に変換されていて、時代が変わるとずいぶんとテイストが変わるものだなあと思いました。 5~6名ほどのメインキャラクターは各々個性的に描き分けられていて(その奥様も)、競争心や連帯感などが程よい塩梅に散りばめられて観易いドラマに仕上がっています。 ソ連への対抗心丸出しではっちゃきになるホワイトハウス高官らのドタバタは完全に喜劇。ジョンソン副大統領がめちゃくちゃ笑。 一方、NASAとは別のところですでに人類の偉業を成し遂げていた一団がいたのだよ、という二本骨のシナリオにもなっているのですね。 わたしは寡聞にしてチャック・イェーガー氏のことはこの映画で初めて知ることになり、新しい感動を覚えました。華々しい米国のロケット技術、そこに至るまで万人の各地での努力・功績があったことをちゃんと織り込んだ脚本には品格を感じます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-15 21:23:05) |
76. スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜
《ネタバレ》 ・・ちょっと、勘弁してくださいよ。鑑賞中はもうずっと生理的嫌悪感との闘い。サスペンスとの触れ込みだから観てみたけど(たしかにすごくサスペンスフルだけど)、それ以上に変質味が強いので苦手な人は要注意です。 まあこう言っちゃナンですが変態キャラによくハマる役者を使ったものですね。 表向きは親切無害な管理人面だけど、一皮むけば・・のその切り替え具合がホント上手い。現実にもいそう。ぶるぶる。 このオッサンさあ、自分だってリア充社会からのつまはじきのくせに、独り身の老婦人にはマウント取りやがんのね。解雇されてもう社会的付き合いが必要無くなった途端に見下した侮蔑発言を浴びせるその卑劣なこと。いきなりの攻撃を食らった高齢おばさんの引きつった表情が辛くて見てられなかった。腹立つなあ変態のくせに。 感想としては不愉快100%だったので0点を付けたい位なのだけど、‶すんでのところでバレそう”といった緊迫演出等はレベルが高いし、「全てお見通し」な厄介キャラ(男から見て)の女の子を配置しているのも話にピリッとスパイスが効いてて巧い。なので差し引きしてこの点数で。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-14 22:59:38) |
77. アンチャーテッド
《ネタバレ》 なるほど、これが21世紀の冒険アドベンチャームービーなのですね。 謎解きあり、裏切りあり、兄弟愛もちょっとまぶしてサービス心たっぷりな脚本です。CGアクションも派手。絶対に現実では不可能でしょのオンパレード。ちょっとやり過ぎの感。 インディ・ジョーンズから綿々と続いてきた冒険活劇を観てきた目から言うと、正直驚きは無くて途中ダレてしまったんだけど、初めてこの手の映画を観るローティーンなら楽しめるんじゃないかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-13 23:14:30) |
78. メイド・イン・アメリカ(1993)
《ネタバレ》 言わんとするテーマは米国普遍の価値観だし、キレイに心地よくまとまっていると思うけど。 でも30年前のコメディは今観るとやはりキビシイ。当時なら笑えたかなあ。笑わせのツボというより全体のノリが感覚としてズレている感じ。 のっけから交通ルールまる無視でチャリを飛ばすウーピーの画が破天荒というより「常識無い人」に思えるし、精子バンクの提供者に押しかける娘にも引く。ましてや黒人じゃないからって当たり散らすウーピーのキャラはもうただの迷惑で、たぶん今なら脚本段階で却下でしょう。 それにねえ、やっぱりウーピー・ゴールドバーグにラブシーンは要らないよ。今作はとりわけ文句ばかりのオバサン役だし、男性が恋に落ちる要素がどっかにありました? [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-07 23:07:19) |
79. レフト 恐怖物件
《ネタバレ》 グロ味の無い映像、八割方は清潔で血しぶきも飛びません。奇妙で精神的に追い詰める型のホラーで、個人的には好み。 舞台となる屋敷は無機質で冷たい感じだけれど、瀟洒でちょっと憧れます。外寸と内寸が違うのも個性的。(そうじゃない) フットルースから観てきたケヴィン・ベーコンの年齢の重ね方はまずまず。腹も出てないし。 それと、米国の子役界は相変わらず凄い子を輩出しますね。演技は上手いし、本作のエイブリーちゃんはとても可愛い。「プリティ・ベビー」のブルック・シールズ以来です目が釘付けになったのは。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-03 22:48:04) |
80. インサイダー
《ネタバレ》 見応えのあるドラマではあったですけど、ちょっと長すぎでは。たいていこの手の内部告発モノは、会社からの妨害・脅迫にめげずに信念を貫き、法廷での証言シーンがクライマックスとなるのが定番。本作は法廷劇が終了した後にアル・パチーノ扮するバーグマンのジャーナリスト魂炸裂の奮闘劇が第二部として展開するのですが、この後半部があまり観易くありません。一介のTVプロデューサーが人脈を駆使してタバコ会社の個人調査内容に対して反証を用意できたり、新聞社と駆け引きしたりのフィクサーぶりにはちょっと理解がついていきませんでした。 ワイガンドがどの程度の嘘つきだったのかちゃんと描写が無いのにも不満です。 結局タバコ会社の悪辣ぶりはメインテーマじゃなくアル・パチーノが主役だったのでしょうけど、ラッセル・クロウの苦悩場面も多くてポイント絞れてないんじゃないかな。そういや冒頭のイスラム部分も変に力入り過ぎで(その後一切触れもしない・・)バランスが悪いよね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-29 23:03:25) |