Menu
 > レビュワー
 > Yuki2Invy さんの口コミ一覧。4ページ目
Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1635
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456
>> カレンダー表示
>> 通常表示
61.  鮮血の女修道院/愛欲と情念の呪われた祭壇 《ネタバレ》 
60年代末~70年代くらいに、ホラー(スプラッタ)やエロの方面の映画的表現規制とゆーのは急激に緩まっていったと理解しておりまして、その中で「ナンスプロイテーション」なるニッチなジャンルが生まれて育って(そして消えて)いったという、その一作かと思われます。とにかくやはり全編に渡って高度に意図的に「冒涜的」と言いますか、まずエロシーンは男も女も下半身全開の陰毛まみれですし、行為としてもロリ・レズ・SMなんかが(ある種無駄に)ゴツ盛りであります。他方、ホラーとしては、やはり多分に『エクソシスト』の影響を受けまくっている…とは言え、同じグログロでもコッチはまた高度に「血ミドロ」系とゆーか、ソコは時代を考えてもちょっと極端に血塗れ放題!という感じでしたすね。あまりナンスプロイテーションのジャンル自体に詳しいワケではねーのですが、こーいったジャンル要素もろもろについてはそのレベルは相当に高い方だったかな…てのが正直な感想っすね。  ※メキシコ映画らしーのですケド言語は最初っから英語で⇒だからアメリカでの公開を思い切り意図してたと思われるのですケド、結局アレすぎて無理だった…という有様のよーで。。  で前述どおり、全体としてエロと血糊を塗りたくった『エクソシスト』ぽくはあるのですが、映画としてはコッチの方が段違いに安手なのでして、だから映画的クオリティのもろもろ自体は比較すべくモノでもない…とは思います。しかし、重ねて描写自体の本質的なレベルはごく高くありますし、短い尺+ソレと噛み合うシンプルな筋でその辺も別に悪くはなかったかと。加えてその一方で、オーラス付近の悪魔憑きちゃんの全開大暴れ!+修道院大火災祭り!は率直にビックリするホド見応え在りましたのですよね(かな~りデッカいキリストの十字架像に実際に火ィ付けちゃってるのは、恐らく現代ではモ~絶対に無理なヤツっすよね)。結論、多分コレ、かなりの掘り出し物だと思います(好事家の皆様は是非々々)。
[DVD(字幕)] 6点(2023-04-26 23:00:29)
62.  暗殺のオペラ 《ネタバレ》 
お話の建付け自体はサスペンス(ミステリー)で、中盤やや別の方面に行ってしまうきらいはありますが最後まで観るとソッチの面でもそこそこ面白みの在るストーリーだとは思うのですね。ただ、監督が真にやりたいコト・描きたい内容とゆーのはそのサスペンスではなくて、映像(+オペラ楽曲)を駆使しての自らの美的感覚「語り」とゆーか、その意味では大いにアート系の雰囲気映画だとも思われました。個人的にはシンプルにちょっと観方を「間違えた」とゆーか、でも如何にもサスペンスっぽく始まっておいてこの中身はちょっとズルいな…とも思いましたかね。アート系としてはワリと高度なクオリティだとは思うのですが、その詐欺まがいに引っ掛かってしまったコトの仕返しとして、一旦この位の評価にしておきます(私自身にも責任の一端は有る…とは思ってますケドも)。  一点、Wikiを観るとテレビ映画らしーのですケド、マジですか?(マジでした…)はえ~、イタリアってのは、やっぱスゲーな…と(でも、ある種ソレこそがイタリア映画が衰退した理由なんジャネ?とも少しダケは……)
[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-23 16:18:24)
63.  ザ・ブルード/怒りのメタファー 《ネタバレ》 
結論、最後まで観たらワリと面白かった…とも感じられたのですが、大いに盛り上り始めるのは殆ど最終盤に近い頃からで、中盤の1時間過ぎくらいまでは率直にやや淡泊な感じだな…とも思われて居たのですね。70年代と言えば「子供ホラー」てのは正に全盛期とも言える時期でしょーが、積極的に攻撃してくる「物理的」に怖い子供(ないし子供っぽいモノ)という意味では後発の『チャイルド・プレイ』なんかにも(最初、ブルードが単独で出没してる辺りは)似てる気もしましたかね。ただし、年代的な技術力の見劣りもあってかそのブルードの襲撃シーン(の子役のアクション)てのがちょっとキレ・パワー不足かとも感じられたのですよ(=だからショックシーンの迫力に頼っての序盤・中盤の場繋ぎってのが巧くいってない…てなコトかなと)。でも前述どおり、特にSFホラーチックなお話のコア部分は全体としても好く出来ていたと思いますし、重ねてラストまで観たトコロでは「お~、面白かったな…」と観終わるコトが出来ました。良作・佳作と言って好いのではないでしょーか。  もう一点褒めておきたいのは今作のラスボス・ノーラ(母親)役のサマンサ・エッガーさんですね。初めてお見掛けした方でしたが、中々どーしてその怖さ・恐ろしさとゆーのはまま優れた表現になっていたと思えてまして(特に狂気を垣間見せる眼が怖い)ラスボスたる資格はモ~十分だったかと思います(また、フツーに結構美人でもありますし)。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-23 17:35:42)
64.  女教師 《ネタバレ》 
比較的お話がしっかりしてる方のロマンポルノで、前半は極度に胸糞の悪い展開ながら、後半はある種の勧善懲悪に徹して多少は溜飲を下げられる、という感じ。しっかりしてるとゆーて、そもそもこの学校なんでこんなマジクソ教師ばっかなの?等、やや極端な展開運びは若干チープだとも言えるし、それはその悪者がバッタバッタと成敗されてゆく後半もまあ同様である。ただ、個人的には重ねて(確かに典型的ではあるケドも)そこそこ好く出来ているお話だとは思いますね。  シンプルな勧善懲悪、とは言いつつ、肝心の「犯人」を演じる古尾谷雅人には(この話では彼こそが間違い無く直接的「元凶」ではあるのですが)少しばかり共感や憐憫の情も覚えるのですよね。あんな親、あんな教師に囲まれて育って真人間になるワケねーでしょ…てかね。中盤、彼が教室での狂乱の中で永島暎子に向ける悲しそうな眼…辺りからは、この陰惨な話からも多少の清涼感を感じ取れるとゆーか、その青春のやるせなさを表現する彼の演技もまずまず好かった…かと。古尾谷さんは今作がデビュー作だそーですが、やはり才能のある方だったのですね。他、なんと樹木希林&蟹江敬三が出てるのですがご両名はほんのスポット的な登場に留まってますね(まあその1シーンの出来はこれまた上質な胸糞でしたケド)。  ただ一点……田中登という人は確かに優れたロマンポルノ監督だとは思ってるのですが、その作品たちの「ポルノ」的なクオリティは正直あんまり高くないとゆーか、エロスよりは確実にグロテスクやらナンやら(という、少なくとも逆説的な美・艶やかさ)を重んじているよーなきらいがあって、今作も結局マジで「ドコで抜けばえーねんな!」て有様なのですよね。オープニングからの肝心の永島暎子の濡れ場だってレイプ→レイプ後の恋人との気まずい逢瀬、でエロくもナンともねーし、それに続くのが砂塚英夫&絵沢萠子のオジンオバンの汚らしい絡み、極め付きはその後の宮井えりな、行儀悪く何かを食い散らかして口の周りをベッタベタにしながら砂塚英夫とディープキスをドロドロとカマしまくってくれちゃってマジで勘弁して欲しいレベルで気持ち悪かったすよココ。まあ、それは彼らの人間性における醜悪さの具現化そのものなのかも知れませんケド、だったら多少調整して一般映画でやりゃあ好いジャン!(ロマンポルノなんだったらポルノ面のクオリティも少しは追及してチョ!)とも思うのですよね。結論、好い作品だとは思いますが、この点は厳に考慮して1点引いておきます。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-04-01 12:15:34)
65.  女渡世人 《ネタバレ》 
あ、これこの人死ぬな…と思った次の瞬間には、鶴田浩二は実際に修羅場の真っ只中に放り込まれており、一転、夜汽車に揺られる女渡世人の藤純子は、その鶴田浩二の一粒ダネを亡くなった妻の実家に届ける旅路に就いている…ところが、辿り着いた先の温泉宿とゆーのがこれまたヤクザにちょっかいかけられており、んでそのヤクザのカミさんてのがなんと藤純子が探してた実のおっかさんだ…と前半は率直に矢鱈とテンポが好い。それに比べれば後半は(特に終盤)ちょっと妙にモタモタしてる感もあるものの、全体としてはヒット作『緋牡丹博徒』のフォーマットを結構まんま流用していることもあってそこそこ面白く観れるし、義理人情溢れるドラマシーンの出来も悪くはなかった。個人的にはかなり楽しめましたですね。  藤純子は美貌も正に全盛期、そして『緋牡丹博徒』で完成させた任侠な雰囲気&殺陣アクションもまずまずで、実に手堅いクオリティではあったかと思う。ドラマ面でのポイントゲッターは鶴田浩二と木暮実千代の名優ご両人だが、こちらも流石の堅実な仕事。悪役でも、大ボスの遠藤辰雄もこれまた実にあくどくて憎々しい(けどどこかコミカルな)風情が出色。一点だけ、前作における若山富三郎の要素を担うべく芦屋雁之助は、ちょっと存在感が薄くて少しだけ残念だったかも。  もう一つ、藤純子さんは今作でも主題歌『女渡世人』を熱唱してますよ!(こちらも少しだけ、なんかウマくなってる様な気も…)
[DVD(邦画)] 6点(2022-03-01 22:49:39)
66.  あすも夕やけ 《ネタバレ》 
いちおう明確な主人公としてあや子という女の子が居り、彼女の境遇に絡んではやや社会派的・ドラマ的な筋書きも含まれてはゆくものの、基本的には子ども達の他愛の無い生活描写をごく活き活きと描くことが主眼な映画かと思う(話は有って無いよーな、と言っても好いかと)。少し昔、と言って好いだろう時代のそーいう幼い生活描写は中々のどかでリラクサブルでシンプルに観ていて気持ちが好くって(しかも夏だし)、決して大したストーリーがある訳では無いケドもワリと面白く引き込まれて観ていましたね。音楽の使い方とかも(ある種非常に「古風」ではあるケド)なんとゆーか手堅く抒情的で、ノスタルジックな雰囲気までまたしっかりと感じ取るコトが出来ました。少し哀愁の感じられるラストもまずまずグッドで、全く嫌いじゃない作品ですね。
[DVD(邦画)] 6点(2021-09-22 22:44:45)
67.  牝猫たちの夜 《ネタバレ》 
中々イイ雰囲気ですね。カネもヒトも集まり放題に集まってくる東京のド真ん中・新宿を舞台にしていながら、今作は何とも言えない空虚さに満ちています。それでいてラスト、人間の醜い欲望の吹き溜まりの様なトルコ風呂で繰り広げられる女と男の情交には、決してそれだけではない、何かピュアなモノが込められている様にも感じられました。ニヒリズムを気取っている様で、急所はググッと押さえてきているとゆーか、その意味ではこれも人間ドラマとして十分に観てゆくコトの出来る質の高いロマンポルノかと思います。  ただし、演技面は若干微妙です。主演の桂知子さんはだいぶんふっくらとした(ちょっとだらしない)躰をしているのですが、それはそれで別に全く悪くはありません(あくまで個人的には)。しかし、なんと新人!とのことで、演技は相当にボヤっとしているとゆーか、何を考えてやっているのか掴み切れない、というレベルで伝わってこないですね。もう一人、影山英俊さん演じるゲイボーイとゆーのが、女性的とゆーのでも中性的とゆーのでもなく(無論、男性的とはかけ離れて)なんかただ気持ちの悪い感じのキャラ造形になってしまっており、ここも正直かなりシックリ来ませんでしたすね(もしかしたら、ゲイというものに対するイメージの忌むべき世代的差異、というコトなのかも知れませんが)。
[DVD(邦画)] 6点(2021-07-19 20:57:07)
68.  黒薔薇昇天 《ネタバレ》 
いや~実にしょーもないですねぇ。映画も全体として「おバカ」極まりないですし、岸田森のバカさ加減も端的に突き抜けてます。しかし、こーいうヤツてのも絶対世の中には居る(居た)のだろう、とまじまじと実感させられるのもまた事実です。人間というものの描き方として、私は決して今作嫌いではないです(やや誇張は含まれる、とも思いますが)。  ただ、コメディとしてもポルノとしてもチョイと「クセ」が強すぎて、特にポルノとしては率直に使いドコロを見出すのがだいぶ難しい、という代物になっている様にも思います。そこそこ美形ながら豊満ムッチムチな谷ナオミを擁していながら、絡みのシーンにはどうにもリビドーの盛り上がりを感じません(関西弁の岸田森が傍で何やらぶつくさひたすらボヤいてるからだ、とも言えますが)。いちおうダブルヒロイン?な芹明香の方も酷くやる気がなくて色気もへったくれも無いも同然ですし。コメディとしてもかなりキワモノで、笑うとゆーよりは呆れちゃう、という人も少なからず居ると思いますね。  とは言え、前述どおり私は今作ワリと好きです。岸田森が好きだし、神代辰巳も好きだし、その意味ではご両名は持ち味・個性とゆーのは十二分に発揮されていた、と思いますし。地味にオススメです。
[DVD(邦画)] 6点(2021-06-30 18:51:27)
69.  残酷!女刑罰史 《ネタバレ》 
1970年というギリ60's?な年代もあって、残虐にせよエロにせよ描写自体の質は率直にそこまで大したもんでもない(それでも拷問描写はそれなりにハイレベルな陰惨さで、当時観客にもたらした衝撃の大きさとゆーのは十分に推量されるケド)。ただ、むしろお話の内容の方が相当に高レベルな残虐というか胸糞というか、無辜の市民を私利私欲、あるいは為政者の面子の為に惨たらしく拷問→虐殺していくという内容にはあまり類を見ないレベルでムカムカさせられた。が、意外とこの見るに堪えなさ・忌々しさが、当然の如くのシリアスさも相まって高度な見応えとゆーのに繋がっていたというか、マサカこんなのにこんなに引き込まれて最後まで観れてしまうとは思いませんでしたすね。主演陣に地味にちゃんとした人を起用していて、演技面でアクセントがつくれていたのも大きいのでしょうね。重ねて、意外と決して悪くない(ネガティブ方面に見応え有る)映画になってます。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-01 22:01:12)
70.  裸のチェロ 《ネタバレ》 
「居るんだか居ないんだか分からないヤツ」である主人公が、美しい妻(の裸身)を他人に見せつけることで自己肯定感を得られるコトに気づき、次第にその行為に溺れていく…というお話。最終的には依存症状態に陥り、挙句は精神病院にブチ込まれてジ・エンド。コメディという建付けではあるが、まあまあ(いやかなり)悲惨な話である。個人的には正直あんまし笑えない。  そして、その主人公側の心理(=自己顕示欲の発散)の方はまあ理屈が分からなくもないのだが、じゃあ何故にこんなイカレポンチに妻の方が唯々諾々と従っているのか、という部分については作中で大した説明が無い。普通、最初はイヤイヤだったけど次第にそれが快感に…とかいう(主に性的な方面の)理屈付けがあって然るべきだと思うが、そちらに向かっちゃうとコレが完全にワイセツ作品にもなりかねないというコトを危惧でもしたのか、今作はそっち系のお話には全くなっていない(それは夫の側も同様で、彼の方もこの行為によって「性的に」興奮しているワケでは全然ないのである)。お話としてつくり込みが甘いとも感じられる上に、本質的には本作は「エロい」お話というコトでもないのが実際なのですよ。コメディ・ポルノというよりは、あくまで裸がふんだんに出てくるブラック・コメディという方が実態に合っていると思う。期待していた部分(明るいエロと明るい笑い)に関しては、率直にちょっと期待外れな印象。  とは言え、アントネッリ嬢の美貌(とオッパイ、加えて尻も)は確かに非常に素晴らしい。ちょっと評価の難しい作品、というヤツかも知れない。
[DVD(字幕)] 6点(2021-03-24 22:01:46)
71.  フェリーニの道化師<TVM> 《ネタバレ》 
序盤や終盤は少し劇映画ぽいけど、中盤の感じ、あと全体的にも実質はドキュメンタリなのですね。その意味では、種々の道化の貴重な「芸」というものを味わえる点で、個人的にはかなり興味深く観ることが出来ました。雰囲気的にはチャップリンの喜劇に近いかな、と(これは、実はどっちが先か、と言われればけっこう難しい問題なのかも知れませんが)。オーラスの大騒ぎなんか特にそんな感じでしたが、色付きでしかも「映像の魔術師」の業ともなれば、かなり美術的にも面白い映像だったのは間違いありません。  音楽はニーノ・ロータなのですが、基本的にはポピュラーな既存の音楽で構成していましたかね。ただ、終盤にどー聴いても『ゴッドファーザー』な音楽が入ってたのはちょっとビックリしましたが(ゴッドファーザーの公開は1972年で、本作の2年あとですね)。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-11 22:26:42)
72.  幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 《ネタバレ》 
「血を吸う」シリーズの嚆矢だが、別に血を吸う訳ではなく、殺すだけである。犯人も、人形ではなく人形みたいな娘(のゾンビ?)だし、幽霊も出て来ないので幽霊屋敷でもない(かなりいい加減なタイトルの付け方である)。話の内容も非常にコンパクトな尺そのままという感じのお手軽だし、意外な、とゆーよりは取って付けが過ぎる無理繰りな黒幕も含めて、よく言って可も無く不可も無く程度の出来かと思う。  ただ、あくまでホラーの小品ながら役者は地味にちゃんとした人で固めているうえ、個々の演技も中々に上質であった。まず主演の松尾嘉代は、美形というよりは愛嬌といった顔立ちながら恐怖の表情が中々に真に迫っており恐怖映画の主役としては上々。母親役の南風洋子も戦前風の瀟洒な女性を雰囲気たっぷりに演じて陰鬱なムードを盛り上げる。実は黒幕の医師を演じた宇佐美淳は、中盤の怪談じみた語りのシーンがなんかイイ味出してるなと思ったらこれがラスボスで、見た目にも貫禄と(かつての二枚目を彷彿とさせる)品を兼ね備えていてグッド。下男のジジイ役の高品格も何とも不気味な雰囲気でこれが結構怖い(彼は次作にも登場しますね)。  何より、肝心の娘役の小林夕岐子は(どっかで見た顔だと思ったら『ウルトラセブン』に出てたんですね)確かに日本風の人形にも見える美貌に加えて、黄色い目をしてニタリと笑う顔がかなり不気味で実に素晴らしい。総じて、日本のゴシック・ホラーと言うべきレトロでジットリ湿った雰囲気が、現代に至って観たときに意外に優れたホラーの質感を醸し出しており、個人的にはとても好印象。地味に結構オススメ。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-06-07 01:41:11)
73.  呪いの館 血を吸う眼 《ネタバレ》 
とにかく、吸血鬼の岸田森の迫力たるや、その一点に尽きる作品である。今作の吸血鬼は古典的な設定どおり血を吸った人間を眷属として従えることができるという凶悪な能力なのだが、その割にはやってることがまどろっこしく、ごく終盤まであまり展開がヒートアップせず少し平坦だとも言える。しかし、ラスト付近は流石にやや盛り上がるし、オーラスの断末魔などは実におぞましく、意外な程に見応えがあった。岸田森の登場シーン(+αとして、どちらもかなり可愛い犠牲者姉妹の2人)を目当てに観てゆけば、決して損はしないだろう。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-06-02 23:25:42)
74.  赤線玉の井 ぬけられます 《ネタバレ》 
まず、昭和日本の特殊な習俗の資料として非常に興味深い作品。その上で、描かれる人間模様は人間の性をむき出しにした独特なもので、これもロマンポルノならではの優れた内容と言えるだろう。演出面では全編通した鼻歌の起用が印象的で、哀愁あり、ユーモアありの抒情的な雰囲気づくりに大いに貢献している。また、芹明香のアバズレな、ただその中に不思議な魅力を秘めた演技は何とも絶品で、この女優が高く評価される理由が分かろうというものである。全体的に説明不足な群像劇でやや分かりにくい嫌いはあるが、ロマンポルノならではの良さと、日本の失われた情景を描き出した映画としての価値を両立させた佳作だと思う。独特のアングラな雰囲気を、是非体感されたし。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-02-04 20:37:28)
75.  緋牡丹博徒 お命戴きます 《ネタバレ》 
クオリティ自体はまずまずだが、同じ話で同じ役者でなんと7作目なので、ややマンネリで少々飽きが来るのは致し方のない所か。でもまあ路線変更されても困るし、心地良い類いのマンネリだとも言えると思う。個人的には十分に満足。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-11-28 21:45:03)
76.  緋牡丹博徒 お竜参上 《ネタバレ》 
哀愁を帯びた静かな演出が印象的。シナリオもややハードボイルドな味付けで、前作までとは違った良さが出ている(特に菅原文太との絡みとか)。ただラストは、今作はお竜が無双過ぎる感じ。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-11-28 21:42:53)
77.  しびれくらげ 《ネタバレ》 
殆ど前作と同じような内容・キャストだが、今作では父親が小悪党のクズで、その不快度は前作のアバズレ母ちゃんを遥かに上回る。正直この親父が中心に回っていく中盤は面白くないが、唯一の善玉な爽やかヤクザが出張って来る終盤は結構面白い。渥美マリは今作も酷い棒読みだが、ヒステリックかつ鋭くブチギレる演技は(基本父親のせいなので、しょうがないが)そこそこ見応え有って良い。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-11-20 21:26:33)
78.  でんきくらげ 《ネタバレ》 
かなりロマンポルノ風な内容だが、直接的な濡れ場は少なく、かつソフト(一回乳首見えるくらい)。ただ、悲惨な境遇を逞しく生きる強い女が生き生きと描かれている点も好印象だし、展開運びも地味にまずまず面白い。女が逞しすぎて最後は男よりカネ、となってしまうラストは独特の哀愁をも醸している。一点、渥美マリは見た目結構ケバくてあんまり好みじゃない。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-11-20 21:25:34)
79.  クレージーモンキー/笑拳 《ネタバレ》 
今作は、ジャッキーが監督も務めていて(初監督)、製作も個人プロダクションでやってる、というヤツなのですね。とは言え、中身は『スネーキー』とか『ドランク』とか、この頃のその手のヤツと瓜二つ…ではあるのですケド、多少(ナンとか無理くりにでも)バリエーションを付けてやろう…みたいなモチベーションが見て取れるとゆーか、アクションにせよコミカル描写にせよ比較的風変わりなモノは随所に表れて来てるのですよね⇒言わずもがなジャッキーの女装とか(結構思ったより美人)。ただ、全体としても逆にバランスが悪いとゆーか部分的にはやり過ぎ感もあるとゆーか、大筋は結構シリアスで重めな話なのに冒頭からかなりの時間でごくバカみたいなコメディを延々やってたり、敵方のボス+手下3人はも~日本の戦隊ものの悪役みたいな出で立ちで出て来ますし、あと個人的には元々の老師(実の祖父)が途中で討ち取られちゃって⇒で唐突にその旧友とやらが出てきてそれに挿げ変わって⇒結局その流派「行意門」の奥義っちゅうのが「感情と肉体の流れを重ね合わせる」みたいな(コレも)唐突にそーいう話になってく…的なトコロについては特に強引だったな…と思ってしまいましたよね⇒じいちゃん、感情だナンだなんてそんなコト一言もゆーてなかったヤン!みたいな。  とは言え重ねて、一風変わった描写&演技(ジャッキーの)を観れるって意味では観る価値は十分かと思います。前述の女装に加えて、終盤は(結局)かなり変な闘い方でまた変なラスボスと散々闘うって羽目になるので、ソコとかもまあまあ面白く観れるかとは思うのですね。お暇なら是非。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-05-23 21:27:11)
80.  オーメン2/ダミアン 《ネタバレ》 
コッチは今回初見ですね。しかし、余りにも(偉大なる)前作を意識し過ぎ…とゆーか、根本的なトコロにおいては殆ど完コピ…みたいな有様なんですよね(⇒まァそのコト自体は、今今に至ってもホラー分野では結構「よくあるコト」ではありますケド)。ただ、如何せんその完コピってのが実に「上っ面ダケ」とゆーか、そもそもネタは完全にバレちゃってるのだからサスペンスとしては成立してねーし、具体的な描写のレベルもいいトコ前作以下(=上回るってコトはなさそう…)みたいな感じだし、で正直面白くなかったですよね。サスペンスとして微妙…という意味では、前作は敵も味方もかなり緻密に一手一手段取りを進めてゆく・布石を打ってゆく、みたいな感覚がチャンとあった(⇒だからクライマックスに向けてチャンと盛り上がって行った)と思うのですが、今作はソレが全く無い(⇒単に流れを追ってるダケ)て感覚が非常に強かったのですよね。その意味でもやはり、詰まらない・気の入ってない駄シナリオやな…と思ってしまいますよね。作品自体としては、そこそこリキの入ってる・当時としては完全にA級ってレベルのごくしっかりした娯楽ホラーだとは思うのですケドね。  ただし2点、オーラスの(プチ)ドンデン返しについては、個人的にはコレはまま意外性が在って悪くなかったと思ったコトと、主役のダミアンの子役についてもルックスが好かった+役にも合ってたってコトはポジティブな点かと思いましたので、評点は1点プラスしておきます。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-04-03 20:46:56)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS